ローウィンから登場した新しいカードタイプであるプレインズウォーカーも、
ずいぶんとプレイヤーの皆さんは慣れてきたような感があります。
そろそろ構築への導入が考えられている頃でしょうか。

今日はプレインズウォーカーに関するもうちょっとつっこんだ話を。
いわば応用編です。基本的なことや、FAQに準じた事項は、9月3日の記事を参照して下さい。

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CRの更新に伴い、プレインズウォーカーが新しいカードタイプとして加わりました。
そのため、かなりの数の項目が更新されています。

ほとんどはカードタイプに「プレインズウォーカー(呪文)」という単語が加えられた
だけですが、CR212.9 のように、まるまる一項目が作成されたものもあります。

1)カードタイプとしてのプレインズウォーカー

 ・自分のメインフェイズで、スタックが空で、優先権を持つときに手札からプレイできる。
 ・呪文としてプレイされる場合、スタックを用いる。
 ・プレインズウォーカーのサブタイプは1単語である。
 ・複数のプレインズウォーカーが、共通のプレインズウォーカー・タイプを持つ場合、
  それらは状況起因効果によってオーナーの墓地に置かれる。
 ・「忠誠度/Loyalty」は、プレインズウォーカーのみが持つ特性である。
 ・パーマネントとして場に出る際に、置換効果として忠誠カウンターが置かれる。
 ・プレインズウォーカーは攻撃されることがある。
 ・プレインズウォーカーが持つ起動型能力は、
   i) 自分のメイン・フェイズである。
   ii) 自分に優先権がある
   iii) スタックが空である。
   iv) そのプレインズウォーカーの起動型能力をそのターンにプレイしていない
  以上4つを満たしていないとプレイできない。
 ・対戦相手からあなたに与えられた非戦闘ダメージは、対戦相手によって、
  あなたのプレインズウォーカーに移し変えることができる。

以上は主にCR212.9 項からの要約である。FAQよりかは、ややCR的な文章になっている。

よくある勘違いとしては、自分がプレインズウォーカーをコントロールしている際に、
《溶鉄の災難/Molten Disaster》等の全体ダメージ系呪文をプレイし、自分に与えられる
ダメージを全てプレインズウォーカーに肩代わりさせよう、というものだが、
ご存知のとおり、これはできない。プレインズウォーカーへの移し変えは、対戦相手から
選ばれるものであり、この場合は置換効果の影響を受けないからである。

 
2)戦闘フェイズとプレインズウォーカー

 ・プレイヤーまたはプレインズウォーカーだけが、攻撃される。
 ・プレインズウォーカーを戦闘から取り除く場合、それは攻撃されている状態では
  なくなった、ということである。
 ・プレインズウォーカーが戦闘から取り除かれても、それを攻撃しているクリーチャーは
  戦闘から取り除かれたことにはならない。
  それはどこにも攻撃してない、「攻撃クリーチャー」である。
 ・防御プレイヤーを攻撃するか、プレインズウォーカーを攻撃するかの指定は
  攻撃クリーチャー指定ステップの開始に際して、クリーチャーごとに選ぶ。
  この指定はスタックを使用しない。
 ・「攻撃した」状態で場に出たクリーチャーは、どの防御プレイヤーもしくは
  どの防御プレイヤーがコントロールするプレインズウォーカーに攻撃するかを選ぶ。
 ・防御プレイヤーがコントロールするアンタップ状態のクリーチャーは、それで
  ブロックしないか、あるいはその防御プレイヤーか、そのコントロールしている
  プレインズウォーカーに攻撃しているクリーチャーを選んでブロックすることを選ぶ。

カードのなかには、攻撃クリーチャーに対してある種の制限をかけるカードがある。
たとえば、《風生まれの詩神/Windborn Muse》は、攻撃クリーチャーに対して{2}を
要求するが、これは「あなたへの攻撃〜」とあるため、プレインズウォーカーへ攻撃する
場合には、何の影響も及ぼさない。このようなカードは大量に存在する。
(プレインズウォーカーなんてタイプは、過去のカードが知るわけないからね)

これとは別に、ただ単に攻撃制限をかけるカードがある。《罠の橋/Ensnaring Bridge》
のように、どこともなく攻撃を制限するカードは、プレイヤーだろうが、プレインズウォーカー
だろうが、攻撃を行うことをできなくさせる。

 
3)クリーチャー化したプレインズウォーカー

(注:ここから先は難易度が高くなります)

カードの組み合わせによっては、プレインズウォーカーがクリーチャーでもある状態になる。
このような場合、奇妙なことがいくつか起こる。
(以下、クリーチャー化したプレインズウォーカーを、「生物PW」と表記する)

 ・生物PWはクリーチャーなので、攻撃やブロックに参加できる。

 ・生物PWが攻撃され、かつその生物PWでブロックした場合、戦闘ダメージは通常通り
  計算される。攻撃クリーチャーが不幸にもトランプルを持っていた場合、ブロックした
  生物PWを含めたブロック・クリーチャー全体に致死ダメージ以上のダメージを割り振
  らなければ、残りのダメージを生物PWに対して割り振ることができない。(ただし、
  この場合はブロックしている生物PWに致死ダメージ以上の戦闘ダメージが割り振られ
  ていることに注意せよ)

 ・生物PWがダメージを受けた場合、上に乗っている忠誠カウンターの数はその分だけ減る。
  が、ダメージが消えるわけではない。《幻影のニショーバ/Phantom Nishoba》等の
  カウンターの扱いとは根本的に異なる。
  "Damage dealt to a planeswalker causes that planeswalker to lose that much loyalty."
  なので、忠誠カウンターが減るのはダメージによるものであり、代わりに減らすのではない。

 ・生物PWに致死ダメージが与えられた場合、状況起因効果のチェック時に破壊される。
  なぜならそれはクリーチャーだからである。

 ・生物PWが(《秘儀の教示/Arcane Teachings》から与えられた様な)起動型能力を得た
  場合、それはプレインズウォーカーが持つ元々の起動型能力のプレイと同じ制限を受ける。
  つまり、1ターンに1度しか使用できない。これは CR212.9f によるものである。

 ・《水銀の精霊/Quicksilver Elemental》などが生物PWの起動型能力を得た場合、
  忠誠カウンターを上下するコストの起動型能力は、1ターンに何度でも、インスタントと
  同じタイミングで起動できる。これは、生物PWの起動型能力を得たクリーチャーは
  プレインズウォーカーでは無いので、CR212.9f にある制限を受けないからである。

 ・上記のような「生物PWの起動型能力を得たクリーチャー」が、忠誠カウンターを増減
  させることをコストとした起動型能力をプレイすると、起動した分の忠誠カウンターは、
  そのクリーチャーに乗ったり、減らされたりする。(CR104.7)
  これを利用すると、《水銀の精霊/Quicksilver Elemental》で、クリーチャー化した
  《黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane》の起動型能力をコピーすると、
  アバター・トークンを好きなだけ作成することができる。
 (それ以前に、好きなだけライフを得ることができるので、対戦相手はうんざりするだろう)

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そんなところで。

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