#今週はイベントラッシュも一区切り。
#店舗でローウィンの解禁イベントがあるようですので、
#近くのお店に足を運んでみるのもよろしいかと。

今週の問題は、予告どおり都道府県選手権で使用した問題を掲載いたします。
ちなみに、満点の報告は今までただ一人でした。

選択肢がいやらしかったそうで。

それでは本編へ。

問1

かたならし○×。

「戦闘フェイズの間、アクティブ・プレイヤー(チーム)の対戦相手は、
 全て防御プレイヤー(チーム)である。」

○か×か?

 
問2

場には《イクスリッドの看守/Yixlid Jailer》がある。

この状態で、私は手札から《クローサの大牙獣/Krosan Tusker》をサイクリングした。
さて、私は基本土地をライブラリーから探すことができるだろうか?

一番正しいと思えるものを以下のうちから1つ選べ。

  1)土地を探してくる効果は、サイクリング能力の一部である。
   つまり、土地を探してから、カードを1枚引く。
  2)サイクリング能力がプレイされた後に、土地を探す方の能力が誘発する。
   つまり、土地を探した後に、カードを1枚引く。
  3)サイクリング能力がプレイされた後では、既にカードが墓地にあるので、
   能力を失っている。つまり、私は土地を探すことはできす、カードを1枚引くだけになる。
  4)サイクリング能力のプレイ宣言中に、カードが墓地に置かれるので、この能力は失われる。
   なので、解決時にこの能力は何もしない。
  5)サイクリング能力のプレイ宣言中に、カードが墓地に置かれるので、この能力は失われる。
   なので、そもそもこのようなプレイが不正である。

 
問3

Aは《ラースの灼熱洞/Furnace of Rath》をコントロールしている。
Bは《紅蓮術士の刈り痕/Pyromancer’s Swath》をコントロールしている。

Aのターンに、BはAに《火葬/Incinerate》をプレイした。
この《火葬/Incinerate》で、Aは何点のダメージを受けるか?
一番正しいと思えるものを以下のうちから1つ選べ。

  1)まず2倍になってから2点足されるので、8点。
  2)2点足されてから2倍になるので、10点。
  3)8点か10点だが、プレイヤーAがどちらかを選ぶ。
  4)8点か10点だが、プレイヤーBがどちらかを選ぶ。
  5)1)〜4)は全て間違いである。

 
問4

 以下の起動型能力のうち、マナ能力はどれか。全て選べ。

  1){Tap} : あなたのマナ・プールに{1}を加える。
  2){Tap} : あなたのマナ・プールに{3}を加える。この能力はあなたがソーサリーを
       プレイできる時にしかプレイできない。
  3){Tap} : プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーのマナ・プールに{1}を加える。
  4){Tap} : あなたのマナ・プールに{1}を加える。全てのプレイヤーはカードを1枚引く。
  5){Tap} : あなたの次のメイン・フェイズの開始時に、あなたのマナ・プールに{3}を加える。

 
問5

 プレイヤーAのコントロールする《灰色熊/Grizzly Bears》に、
《ヴェリズ・ヴェルの翼/Wings of Velis Vel》がプレイされた。

これが解決された後に、このクリーチャーに《木化/Lignify》がつけられた。

この後、Aは《栄光の頌歌/Glorious Anthem》を場に出した。

5−1) この《灰色熊》のサブタイプを答えよ。
(全てのクリーチャータイプを持つ場合は、「全て」と答えよ。)

5−2) この《灰色熊》のパワー/タフネスを答えよ。

5−3) この《灰色熊》に、《名も無き転置/Nameless Inversion》をプレイした場合、
    パワー/タフネスの値はどうなるか?

 
問6
かたならしではない○×。

ルール適用度が『プロ』の大会において。

A「あなたの手札は何枚ですか?」
B「数えればよいんじゃない? ほら。(といって手札を前に出す)」

このBの行動は許されるものである。

○か×か?

---------------------
回答は、いつものように週明けにでも。
#めっきり朝晩が冷え込むようになりましたが、
#そろそろ冬物の準備は大丈夫ですか?
#季節の変わり目には十分ご注意ください。

おいらは見事に風邪を引き、日曜日は早々に自宅にて寝込んでました。orz

それはそれとして、先週の回答ー。

問1
かたならし○×。
「戦闘フェイズの間、アクティブ・プレイヤー(チーム)の対戦相手は、
 全て防御プレイヤー(チーム)である。」

○か×か?


×

戦闘フェイズの開始に際して、アクティブ・プレイヤー(チーム)は、対戦相手を選ぶ。
そのプレイヤー(チーム)を防御プレイヤー(チーム)と呼ぶ。(CR306.2) 

なので、選ばれなかった対戦相手は、防御プレイヤー(チーム)ではない。

問2
場には《イクスリッドの看守/Yixlid Jailer》がある。

この状態で、私は手札から《クローサの大牙獣/Krosan Tusker》をサイクリングした。
さて、私は基本土地をライブラリーから探すことができるだろうか?

一番正しいと思えるものを以下のうちから1つ選べ。

  1)土地を探してくる効果は、サイクリング能力の一部である。
   つまり、土地を探してから、カードを1枚引く。
  2)サイクリング能力がプレイされた後に、土地を探す方の能力が誘発する。
   つまり、土地を探した後に、カードを1枚引く。
  3)サイクリング能力がプレイされた後では、既にカードが墓地にあるので、
   能力を失っている。つまり、私は土地を探すことはできす、カードを1枚引くだけになる。
  4)サイクリング能力のプレイ宣言中に、カードが墓地に置かれるので、この能力は失われる。
   なので、解決時にこの能力は何もしない。
  5)サイクリング能力のプレイ宣言中に、カードが墓地に置かれるので、この能力は失われる。
   なので、そもそもこのようなプレイが不正である。


3)

1)×: 土地を探してくる効果は、サイクリング能力の一部ではない。
2)×: 《イクスリッドの看守》の能力で、土地を探す方の能力は誘発しない。
3)○: 文章は完全に合っている。
4)×: すでにスタックに乗ったサイクリング能力は、その後でカードの能力が無くなろうとも関係は無い。
5)×: プレイ自体は適正である。

 
問3
Aは《ラースの灼熱洞/Furnace of Rath》をコントロールしている。
Bは《紅蓮術士の刈り痕/Pyromancer’s Swath》をコントロールしている。

Aのターンに、BはAに《火葬/Incinerate》をプレイした。
この《火葬/Incinerate》で、Aは何点のダメージを受けるか?
一番正しいと思えるものを以下のうちから1つ選べ。

  1)まず2倍になってから2点足されるので、8点。
  2)2点足されてから2倍になるので、10点。
  3)8点か10点だが、プレイヤーAがどちらかを選ぶ。
  4)8点か10点だが、プレイヤーBがどちらかを選ぶ。
  5)1)〜4)は全て間違いである。


3)

《ラースの灼熱洞》と、《紅蓮術士の刈り痕》の効果は、どちらも置換効果である。
置換効果が同時に複数適用される場合は、実際に影響を受ける方のプレイヤーが、どれを
適用するかを決める。(CR419.9) 
この場合はAが影響をうけるプレイヤーなので、Aがどちらを先に適用するかを決める。

どちらのターンであるか、置換効果を持つオブジェクトがどちらのコントロールであるか、
等は一切問われない。

 
問4
 以下の起動型能力のうち、マナ能力はどれか。全て選べ。

  1){Tap} : あなたのマナ・プールに{1}を加える。
  2){Tap} : あなたのマナ・プールに{3}を加える。この能力はあなたがソーサリーを
       プレイできる時にしかプレイできない。
  3){Tap} : プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーのマナ・プールに{1}を加える。
  4){Tap} : あなたのマナ・プールに{1}を加える。全てのプレイヤーはカードを1枚引く。
  5){Tap} : あなたの次のメイン・フェイズの開始時に、あなたのマナ・プールに{3}を加える。


1),2),4)

3) ×:対象を取る起動型能力はマナ能力ではない。
5) ×:この能力は解決時にマナをマナ・プールに加えないので、マナ能力ではない。

 
問5
 プレイヤーAのコントロールする《灰色熊/Grizzly Bears》に、
《ヴェリズ・ヴェルの翼/Wings of Velis Vel》がプレイされた。

これが解決された後に、このクリーチャーに《木化/Lignify》がつけられた。

この後、Aは《栄光の頌歌/Glorious Anthem》を場に出した。

5−1) この《灰色熊》のサブタイプを答えよ。
(全てのクリーチャータイプを持つ場合は、「全て」と答えよ。)

5−2) この《灰色熊》のパワー/タフネスを答えよ。

5−3) この《灰色熊》に、《名も無き転置/Nameless Inversion》をプレイした場合、
    パワー/タフネスの値はどうなるか?


5-1)ツリーフォーク
5-2)1/5

継続的効果の相互作用はルールの中でもややこしいものである。
全て書き出してみるのが一番てっとり早い。

《ヴェリズ・ヴェルの翼》 
第4種 「全てのクリーチャータイプを持つ」
第5種 「飛行を得る」
第6b種 「4/4になる」

《木化》
第4種 「ツリーフォークである」
第5種 「能力のない=能力を失う」
第6b種 「0/4である。」

《栄光の頌歌》
第6d種 「+1/+1 の修整をうける」

これらを上から順番に、種類別に適用すればよい。

5-3)4/2

《名も無き転置》のP/T変更効果は第6b種である。
つまり、0/4になったあとで+3/-3の効果を受け、第6d種の+1/+1の効果を受ける。

 
問6
かたならしではない○×。

ルール適用度が『プロ』の大会において。

A「あなたの手札は何枚ですか?」
B「数えればよいんじゃない? ほら。(といって手札を前に出す)」

このBの行動は許されるものである。

○か×か?


×

手札の枚数は、プレイヤーが誠実に答えなくてはならない「物理的状況」である。


識者からのコメントによる指摘がありましたので、回答を保留いたします。
このBの行動が現実にあった場合は、現場のジャッジに指示を仰いでください。

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配点:
問1(10点)
問2(10点)
問3(10点)
問4(完答のみ20点)
問5(10点x3=30点)
問6(10点)
名前・DCI(5点x2)

合計100点の加算式。部分点は一切ありません。

平均点は50点ちょいくらいです。
問5は普段のプレイでも頻発するほうなのか、正解率が極めて良かったです。
逆に、問2と問3の正解率は予想よりかなり低かったのでした。

そんなところで。
公認大会において、そのプレイが遅いかそれとも遅くないか、という判断を
プレイヤーがするのは思ったより難しい。

あるプレイヤーのプレイが遅いと判断するにしても、何らかの比較対象がなければ
(そのプレイが何に対して)『遅い』か、わからないからだ。

ところがジャッジはPGに従い、遅いプレイにはきちんと罰則を出さなくてはいけない。
今回は、そんなプレイヤーにも知っていて欲しい「遅いプレイ」のお話。

おっと、毒消しをしておこうか。

この記事は、私ことtestingが公式サイトやforumからの内容をまとめ、解釈したものです。
実際の大会においては、ジャッジもしくはスタッフの指示に従い、適切に大会を進行する
ようにお願いいたします。なお、本記事の内容は2007/09改訂のPGに従っており、これ以降
の更新によって例示された内容でも、解釈や罰則が変わる可能性があります。


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1)なぜ遅いプレイはいけないのか?

 M:tGは2人(もしくはそれ以上の人数)で行うゲームであるにもかかわらず、
試合時間はラウンドごとに設定されており、2人で共通の時間をすごしている。
なので、一方のプレイが遅いともう一方のプレイヤーは不当に時間を削られ、
結果としてその遅いプレイをしたほうが「優先権を占有した」時間が多くなる。

 これは、遅いプレイを許している方にも責があることを忘れてはいけない。
相手の遅いプレイを許容していることは、すなわち自分の時間を自ら放棄して
いることと全く同じなのだ。プレイヤーは遅いと思われるプレイヤーに対して、
自分の時間を守るために、積極的に相手へ「プレイは手早くお願いします」と
促すべきなのだ。

 とはいえ、各人の思考速度や盤面の処理、デッキの構成などによって、
当然1プレイに費やす時間は変わってくる。しかし、単に「遅いプレイ」は
共有されるべき時間を少なくすることになる。従って、遅いプレイは罰せられる。

 
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2)遅いプレイって何分何秒くらい?

 これに関する明確は答えは無い。

なぜなら、それは設定されるべき値では無いからである。
場のパーマネントの数が多くなれば、考える要素は爆発的に増えるが、
そうでなくても手札の枚数やライフの多寡によって取るべき道はいくらでもあり、
単に「1ターン**分まで」とは言えないのである。

 ただ、概算としてなら、1ゲームにかける時間は簡単に計算できる。通常行われる試合は
1ラウンド50分で最大3ゲームであり、ゲーム間のシャッフルを3分とすれば

  (50−3x2)/3 =14.66...≒15分

である。1ゲームの勝敗が着くまでにはあまり時間はないのだ。
あなたが1ゲームを終えたときに、25分以上経っているならば、それは
時間をかけすぎていると判断すべきだろう。
(25分以上かかるのならば、3ゲームを行えない。つまり、どちらか/も プレイが「遅い」)

------------------------------------------------------
3)「遅い」と判断するのはどうすればいいの?

 あなたが「遅い」と思うならば、ジャッジを呼ぶ。

 これが全てである。
プレイヤーはそのプレイが遅いかどうかを、他人に判断させざるを得ない。
自分の物差しで「相手は遅い」と思った場合、「早くしてください」と促すのは
もちろんよい事である。ところが、それでは早くならない場合が往々にしてよくある。
そのような場合はジャッジを呼ぶべきである。そんな些細なことでも。

 では、ジャッジはあるプレイヤーのプレイが「遅い」とどう判断するのか?
それはプレイヤーの人が知る必要性が無いことなので、ここには書かない。
プレイヤーは状況をジャッジに詳しく説明することによって、ゲームの状態
・・・この場合は「遅いプレイによって不当に時間を奪われた」状態・・・を、
修復してくれる可能性がより高くなるだろう。プレイヤーはジャッジに対し、
どのような状態から、プレイが「遅い」と判断したかを説明するべきである。

ただ単に

 A「相手のプレイが遅いです。」

これでは、ジャッジは「そうですか。はい。じゃ、しばらく居ます。」としか言えない。
ジャッジは全てのテーブルやプレイヤーの心境を見通せるエスパーではないのだ。

なぜ、あなたは相手のプレイを「遅い」と判断したのか? 
それを付け加えるだけでも、ジャッジは理解度が深まり、ゲームをより正常に戻す
ことに一役買うことになる。

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4)「遅い」と判断されました。どうなるの?

ジャッジは遅いプレイヤーにはPGに従った罰則を与える必要があるが、
PGに書かれているのはゲームの進行に影響がある事例しかない。

大抵のゲームでは実際にプレイしている速度が「遅い」プレイであるとは
判別されないので、スルーされてしまう場合が多い。

そこで、「(相手の)プレイが遅いです」というアピールを受けたジャッジは、
理由がもっともであるならば、このように言うだろう。

  J「では、もう少し早いプレイをお願いいたします。」

言葉の違いはあれども、このような意味合いの言葉をいうはずである。
これは口頭による注意だが、間違いなく【注意】にあたるので、
DCIには報告されないが、記録されるべきものである。

ここからがあまりプレイヤーには関係ないところではあるが、
ジャッジはあるテーブルのプレイが遅いと感じたら、【注意】をいつでも
出すようにすべきである。それは結果としてゲームの冗長を抑止する。

上記の【注意】の記録にはもうひとつの利点がある。
些細なことであっても、「遅い」プレイは判断しにくい。
そのプレイヤーが単純にテンポが悪いのか、それとも考えがあって遅くしているのかは
容易に判別できることではないが、すくなくとも【注意】の記録があるプレイヤーは
1度でも「早くしてください」という忠告をジャッジから受け取っているので、
それでもなおプレイが遅いということは、十分に"TE - Slow play"にあたり、
【警告】を与えることになる。

これにより【警告】が与えられたゲームでは、制限時間後に追加の2ターンが
加えられる。なお、すでに追加ターンに入っているゲームで【警告】を受けた場合
には、追加のターンは与えられない。

繰り返すが、ジャッジはプレイが遅いと感じたらいつでも、【注意】を出すべきである。
そしてその際にはこう付け加えるのが望ましい。

  J「次にプレイ(のテンポ)が遅い場合には、警告となります。」

【警告】を出す場合には別に色々と細かいことがあるが、それはプレイヤーが知るべき
ことではないので、ここでは書かない。

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5)「遅いプレイ」がひどい場合に「遅延行為」となるの?

 そもそもそれらは全く異なる。

「遅いプレイ」とは、単にプレイが遅い場合を指す。
PGの事例だと、PTQでラウンド開始から3分経ってもまだシャッフルが終わっていない
場合、それは"TE - Slow Play" にあたる。これは、規定された時間をオーバーして
いるために、遅いプレイとして扱われる。プレイが遅いかどうかは、
(ある程度相関はあるだろうが)ゲームの状況によらない。

「遅延行為」とは、時間制限があることを逆手に取った「故意による引きのばし」である。
これは、単にプレイが遅いだけではなく、一見してプレイが早いプレイヤーでも、
このような行為が当てはまる。「遅延行為」は、ゲームの状況が大きくかかわる。

一つの例を出そう。
Aは、早いプレイをするビートダウン・デッキを使っている。
Bは、ゆっくりとしたプレイをするコントロール・デッキを使っている。

この2人が対戦しているときに、Aは序盤から早いプレイでクリーチャーを呼び出し、
Bのライフを奪いにかかる。数ターンが経過したあと、Aのクリーチャーは
Bの除去によって全て場から倒されてしまった。あとはBのクリーチャーがAを
倒すだけなのだが、それにはまだ数ターンがかかる。ここでAは自分のターンで
土地を引き、急に数十秒の長考をしはじめた。場の状況は明らかにBが支配しており、
Aの取れる行動はあまり無いにもかかわらず、今までのテンポとは全く異なる
プレイをし始めたのである。その後どちらも決定力が無く、結局時間切れになり
このゲームは引き分けに終わった。

さて、両者共に一切「遅いプレイ」にあたる行動はしていない。
にもかかわらず、Aのやったことは "Stalling" である。

場の状況は絶望的で、ドローも期待はずれ。それでもAは勝利への道を模索した
・・・が、それは「時間」だった。PGにはきちんとその項目について書かれている。

   PG151. イカサマ ─ 遅延行為
   定義:
   時間制限を利用して有利にしようと、故意にプレイを遅くした場合はこの違反になる。
   懲罰:
   全レベル 【受賞資格も失う失格】

------------------------------------------------------
6)「遅いプレイ」をしない/されないためにはどうするの?

自分が「遅いプレイ」をしないためにはどうするか。

  ・場の状況に集中して、次の打つべき手を考えやすくしておく。
  ・シャッフルにかける時間を短くする(ただし十分な無作為化を行うこと!)
  ・サイドボードなど、ゲームとゲームの間の時間は3分であることに注意する。
  ・ゲームのテンポを崩さない。

相手に「遅いプレイ」をされないためにはどうするか。

  ・「遅い」と感じたらジャッジを呼ぶ。そう感じた理由もあればなお良い。
   あなたの方が遅いと判断されても泣かない。

------------------------------------------------------
7)最後に。

複雑な場の状況を理解するために、長く考えるのは「遅いプレイ」ではない。 である。

(追記)上記文末を書き直しました。全く逆に書いていたことをお詫び申し上げます。
(11/08 18:10)

------------------------------------------------------
そんなところで。
最初にお詫びを申し上げます。
前回掲載したFMQ for Champs2007 の問6に関してですが、
コメント文での指摘通りであり、○×の答としては間違っている、が正常です。

これによる賞品の譲渡などは変更がございません。ご了承ください。
また、不適切な問題作成をして、ご協力くださった主催者の方々と、
会場に足を運んで挑戦してくださった方へ重ねてお詫び申し上げます。

------------------------------------------------------------------

今週はGP北九州です。
おいらもスタッフとして参加しますが、修行のし直しと思って
仕事をいたしますので、至らない部分は是非指摘してください。

というわけでリミテッドで役に立つかもしれない今週の問題ー。

問1

かたならし○×。

「いくつかのモードを選ぶ呪文や能力は、解決時にそれらを好きな順番で解決してよい。」

○か×か?

 
問2

ローウィンのシールド戦をすると、いつもお持ち帰りパックしか引かないと言う
うらやましいんだかどうだかわからない、プレイヤーAとBが対戦をしている。

状況はプレイヤーAが素早い展開を見せ、以下のパーマネントをコントロールしている。

 《皺だらけの主/Wizened Cenn》
 《主の後継ぎ/Cenn’s Heir》
 《主の後継ぎ/Cenn’s Heir》
 《民兵団の誇り/Militia’s Pride》
 《平地/Plains》x4

このターン、プレイヤーAは、プレイヤーBに最大何点のダメージを与えることができるか?

なお、パーマネントは全てこのターン最初からコントロールしており、
プレイヤーBの対応は一切無いものとする。(サンドバッグ状態ですな)

 
問3

ローウィンでのシールド戦に参加したときのことでる。

私がクリーチャーでごりごりと殴っていたら、
対戦相手が突如《勇壮な体形/Epic Proportions》をプレイして、
戦線が逆転してしまった。

幸い、私の手札には対処できるカードがいくつかあるので心配はなかったが、
早いうちに決着をつけたいと思っていた。

現在は、私のターンの第1メインフェイズである。
私はこのターン中に勝利することができるだろうか?
可能ならばその手順を述べよ。


なお、パーマネントは全てコントローラーのターンの最初からコントロールされており、
対戦相手の手札は無いものとする。

  (対戦相手) ライフ:9
  3x《森/Forest》(タップ状態)
  4x《沼/Swamp》(タップ状態)
  2x《沼/Swamp》
  
  《千年霊薬/Thousand-Year Elixir》(タップ状態)
  《骸骨の変わり身/Skeletal Changeling》[6/6]
  (《勇壮な体形/Epic Proportions》がエンチャントされている。)

  (私) ライフ:3
  《ボガートの妖精追い/Boggart Sprite-Chaser》[1/2]
  《キスキンの大心臓/Kithkin Greatheart》[2/1]
  
  3x《山/Mountain》
  4x《平地/Plains》
  
  私の手札:
  《タール火/Tarfire》
  《忘却の輪/Oblivion Ring》
  《外身の交換/Crib Swap》
  《薄れ馬/Wispmare》

---------------------------------------------
いつものように、回答は週明けにでも。
#先週末はGP北九州でした。
#会場ではスタッフとして色々動いておりましたが、
#こういう機会に得るものは非常に多く、ためになります。
#なのでプレイヤーのみなさんはどしどしジャッジを呼んでくださいね。

そして他の地域のジャッジ仕事を見るのも勉強になるのであった。
精進、精進。

そんなわけで、先週の回答ー。

問1
かたならし○×。

「いくつかのモードを選ぶ呪文や能力は、解決時にそれらを好きな順番で解決してよい。」

○か×か?


×

  呪文や能力のコントローラーは、書かれた順序で指示に従う。 (CR413.2b)

そんなの関係ないじゃないか、と思う無かれ。
書かれた順番の違いによっては誘発する能力が異なったり、置換効果によって
影響を受けたり受けなかったりする。書かれている順番というのは大事なのだ。

問2
ローウィンのシールド戦をすると、いつもお持ち帰りパックしか引かないと言う
うらやましいんだかどうだかわからない、プレイヤーAとBが対戦をしている。

状況はプレイヤーAが素早い展開を見せ、以下のパーマネントをコントロールしている。

 《皺だらけの主/Wizened Cenn》
 《主の後継ぎ/Cenn’s Heir》
 《主の後継ぎ/Cenn’s Heir》
 《民兵団の誇り/Militia’s Pride》
 《平地/Plains》x4

このターン、プレイヤーAは、プレイヤーBに最大何点のダメージを与えることができるか?

なお、パーマネントは全てこのターン最初からコントロールしており、
プレイヤーBの対応は一切無いものとする。(サンドバッグ状態ですな)


22点

《皺だらけの主/Wizened Cenn》と、2体の《主の後継ぎ/Cenn’s Heir》で攻撃する。
このとき、《民兵団の誇り/Militia’s Pride》が3回と、2体の《主の後継ぎ/Cenn’s Heir》
の計5つの誘発型能力が誘発するが、《民兵団の誇り/Militia’s Pride》を先に解決する
ようにスタックへ積むと、《主の後継ぎ/Cenn’s Heir》の誘発型能力によるパワーの値が
より多く上がる。

こうすると、
 3体の 1/1 キスキン・兵士・トークン→《皺だらけの主/Wizened Cenn》で 2/2
 2体の 《主の後継ぎ/Cenn’s Heir》→他の攻撃クリーチャーが5体なのと、
 《皺だらけの主/Wizened Cenn》による修整を加えて、7/7
 1体の《皺だらけの主/Wizened Cenn》(2/2)

が戦闘ダメージを与えるので、 2x3 + 7x2 +2 = 22 点となる。

 
問3
ローウィンでのシールド戦に参加したときのことでる。

私がクリーチャーでごりごりと殴っていたら、
対戦相手が突如《勇壮な体形/Epic Proportions》をプレイして、
戦線が逆転してしまった。

幸い、私の手札には対処できるカードがいくつかあるので心配はなかったが、
早いうちに決着をつけたいと思っていた。

現在は、私のターンの第1メインフェイズである。
私はこのターン中に勝利することができるだろうか?
可能ならばその手順を述べよ。

なお、パーマネントは全てコントローラーのターンの最初からコントロールされており、
対戦相手の手札は無いものとする。

  (対戦相手) ライフ:9
  3x《森/Forest》(タップ状態)
  4x《沼/Swamp》(タップ状態)
  2x《沼/Swamp》
  
  《千年霊薬/Thousand-Year Elixir》(タップ状態)
  《骸骨の変わり身/Skeletal Changeling》[6/6]
  (《勇壮な体形/Epic Proportions》がエンチャントされている。)

  (私) ライフ:3
  《ボガートの妖精追い/Boggart Sprite-Chaser》[1/2]
  《キスキンの大心臓/Kithkin Greatheart》[2/1]
  
  3x《山/Mountain》
  4x《平地/Plains》
  
  私の手札:
  《タール火/Tarfire》
  《忘却の輪/Oblivion Ring》
  《外身の交換/Crib Swap》
  《薄れ馬/Wispmare》


以下の手順で可能である。

1)土地を全てタップして、 WWWWRRR をマナ・プールに入れる。

2)WRR を使用し、《忘却の輪/Oblivion Ring》をプレイする。
  場に出たあとの誘発型能力で、相手の《勇壮な体形/Epic Proportions》を取り除く。

3)W を使用し、《薄れ馬/Wispmare》を想起コストでプレイする。
  場に出た後、「生贄にささげる」→「エンチャントを破壊」の順番で誘発型能力を
  スタックに乗せる。壊す対象のエンチャントは、先ほどの《忘却の輪/Oblivion Ring》。

4)「エンチャントを破壊」の能力を解決する。《忘却の輪/Oblivion Ring》が壊れ、
  場を離れたとき〜の誘発型能力が誘発する。

5)《忘却の輪/Oblivion Ring》の誘発型能力を解決する。
  《勇壮な体形/Epic Proportions》が、オーナーである対戦相手のコントロールで
  場に戻ってくるが、このオーラのエンチャント先を選ぶのは「場に戻す」能力を
  コントロールしている私なので、エンチャント先を《キスキンの大心臓/Kithkin Greatheart》
  に選ぶ。


6)《薄れ馬/Wispmare》の「生贄にささげる」という誘発型能力を解決する前に、
  この《薄れ馬/》を対象にして、WWRを使用して《外身の交換/Crib Swap》をプレイする。
  《薄れ馬》は取り除かれ、私は多相を持つ無色の1/1の多相の戦士クリーチャー・トークンを得る。
  これにより私の《キスキンの大心臓》と《ボガートの妖精追い》は、それぞれ修整を得る。

7)《キスキンの大心臓》と《ボガートの妖精追い》で攻撃する。
  《ボガートの妖精追い》は飛行を得ているので、ブロックされることはない。
  《キスキンの大心臓》は《骸骨の変わり身/Skeletal Changeling》にブロックされるが、
  トランプルと先制攻撃を持っている。

8)戦闘ダメージを割り振ると、

  《キスキンの大心臓》[2/1] + [+1/+1] + [+5/+5] =[8/7] から1点を《骸骨の変わり身》に
  割り振るので、プレイヤーに7点。 さらに、《ボガートの妖精追い》で2点。

9)合計9点のダメージを与えて、対戦相手のライフは見事に0になった。

鍵となるプレイは5)の赤文字で書かれた部分である。
根拠は以下のCRによる。

   オーラがプレイされる以外の方法で場に出、その出す効果がオーラのエンチャント先
   を指定していなかった場合、オーラが場に出るに際して、それを場に出すプレイヤーが
   エンチャント先を選ぶ。そのプレイヤーは、オーラのエンチャント能力その他適用される
   効果に従い、適正なパーマネントまたはプレイヤーを選ばなければならない。(CR212.4j)

かなり直感とは異なる挙動を示すので、後々CR的に修整されるかもしれない。
が、現在のCRではこのようになる。

幸いにも実戦レベルでは、このような状況にはまずお目にかかることは無い。
なぜなら、普通は《忘却の輪/Oblivion Ring》によってオーラを取り除くよりは、
それがエンチャントしているクリーチャーを取り除くからだ。

無理矢理有効な方法を考えてみると、
《グリフィンの導き/Griffin Guide》がつけられた《トロールの苦行者/Troll Ascetic》
に対して、まずは《忘却の輪》で《グリフィンの導き》を取り除く。
しかる後に《忘却の輪》を割ると、《グリフィンの導き》を自分のクリーチャーに
つけることができる。あとはこれで《トロールの苦行者》の上から攻撃できれば・・・

うん、自分でも無理な状況だと思いました。めんどくさいですね。

---------------------------
そんなところで。

Friday Magic Quiz. [07-41]

2007年11月16日
#週末イベントラッシュも国内では一区切り。
#年内はGPデイトナビーチ(フロリダ)、世界選手権、
#国内 FINALS/LIMITS 各地区予選、本戦が行われます。
#スタンダードのメタ・ゲームは固まりつつあるのですが、はてさて。

今週末はおいら主催レガシー、C.B.L. 9th ですよー。

皆様ふるってご参加ください。
更新が遅れたのはもうしわけなく。

C.B.L. - 9th -
日時:11月18日(日)
場所:Big Magic 名古屋矢場町店
受付: 14:30〜15:00
レガシー / スイスドロー 4〜5回戦

詳しくは上の[HOME]または http://www.remus.dti.ne.jp/~testing/mtg/eventindex.html を。
ときどき東海のイベントカレンダーも更新しているので、たまに見てやってください。

そんなわけで、今週の問題ー。

問1

かたならし○×。

「『多相を持たず、かつ、全てのクリーチャータイプである』クリーチャーは、ありうる。
 同様に、
 『多相を持ち、かつ、全くクリーチャータイプを持たない』クリーチャーも、ありうる。」

○か×か?

 
問2

《木化/Lignify》について悩んでいるプレイヤーAとBが、いつもの対戦をしている。

さて、場にはAのコントロールする《鳥の変わり身/Avian Changeling》がある。

2−1)
Bはこのクリーチャーに《木化/Lignify》をエンチャントした。
このクリーチャーのパワー/タフネスと、サブタイプを答えよ。

2−2)
上の続きで、Aはこのクリーチャーに《ルーン刻みの鍾乳石/Runed Stalactite》をつけた。
このクリーチャーのパワー/タフネスと、サブタイプを答えよ。

2−3)
上の続きで、BはAを対象にして《自我の消去/Ego Erasure》をプレイした。
解決後の、このクリーチャーのパワー/タフネスと、サブタイプを答えよ。

2−4)
上の続きで、Aはこのクリーチャーに元々ついている《ルーン刻みの鍾乳石》の
装備能力をこのクリーチャー自身を対象に起動した。
解決後の、このクリーチャーのパワー/タフネスと、サブタイプを答えよ。

 
問3 (難)

《清純/Purity》のオラクル・テキストは以下の通りである。(2007/11/16現在)

Flying
If a spell or ability would deal damage to you, prevent that damage. You gain
life equal to the damage prevented this way.
When Purity is put into a graveyard from anywhere, shuffle it into
its owner’s library.

CRに準じてこのテキストを解釈すると、ある矛盾点がある。それはどこか?
また、その矛盾によってどのような事が起こるだろうか? 具体例を一つ挙げて答えよ。


------------------
いつものように、回答は週明けにでも。
#日曜に急に温度が下がり、着るものを冬物にしないと
#耐えられないようになりました。
#くれぐれもみなさんは風邪などをひかないようにして、
#Finals/Limits予選を勝ち抜いてください。

そしておいらは風邪をひきました。薬でなんとか押さえつけてはいますが。

昨日のC.B.L. 9thは18人の参加をいただきました。ありがとうございます。
時間と容積の都合上、変則的な大会運営となりました。

結果や上位のデッキリストは今週じゅうに公開いたします。

次回のC.B.L. 10thは12月2日(日)を予定していますが、現在は交渉中です。
この日で無い場合、16日(日)もしくは12月は中止かもです。
#私自身の日曜日の予定があかないので・・・

それはさておき。先週の回答ー。

問1
かたならし○×。

「『多相を持たず、かつ、全てのクリーチャータイプである』クリーチャーは、ありうる。
 同様に、
 『多相を持ち、かつ、全くクリーチャータイプを持たない』クリーチャーも、ありうる。」

○か×か?




多相をもつ《森林の変わり身/Woodland Changeling》のようなクリーチャーに、
《アメーバの変わり身/Amoeboid Changeling》の2番目の起動型能力を使うと、
問題のような状況になる。

これは多相という特性定義能力が、継続的効果第4種(タイプ変更)によって
上書きされるからである。

ちなみに、問題の前半部分については《灰色熊/Grizzly Bears》に
《ヴェリズ・ヴェルの翼/Wings of Velis Vel》を使うことによって簡単にできる。

問2
《木化/Lignify》について悩んでいるプレイヤーAとBが、いつもの対戦をしている。

さて、場にはAのコントロールする《鳥の変わり身/Avian Changeling》がある。

2−1)
Bはこのクリーチャーに《木化/Lignify》をエンチャントした。
このクリーチャーのパワー/タフネスと、サブタイプを答えよ。

2−2)
上の続きで、Aはこのクリーチャーに《ルーン刻みの鍾乳石/Runed Stalactite》をつけた。
このクリーチャーのパワー/タフネスと、サブタイプを答えよ。

2−3)
上の続きで、BはAを対象にして《自我の消去/Ego Erasure》をプレイした。
解決後の、このクリーチャーのパワー/タフネスと、サブタイプを答えよ。

2−4)
上の続きで、Aはこのクリーチャーに元々ついている《ルーン刻みの鍾乳石》の
装備能力をこのクリーチャー自身を対象に起動した。
解決後の、このクリーチャーのパワー/タフネスと、サブタイプを答えよ。


2−1)0/4, ツリーフォーク

《木化/Lignify》による継続的効果は以下の通り。
  第4種(タイプ変更):サブタイプがツリーフォークになる。
  第5種(その他一般):能力がなくなる。
  第6b種(P/T変更):0/4になる。

色々とややこしい《木化/Lignify》だが、この3つを押さえておくとよい。
・・・しかし、継続的効果の種類別を見分けるのはややこしいので、
今のところは丸覚えするしかないようだ。

2−2)1/5, 全てのクリーチャー・タイプを持つ

《ルーン刻みの鍾乳石/Runed Stalactite》は
  第4種(タイプ変更):全てのクリーチャー・タイプになる。
  第6d種(P/T変更):+1/+1の修整を受ける。

である。第4種が複数適用されることになるが、タイムスタンプ順に処理されることに
なるので、このクリーチャーは全てのクリーチャー・タイプを持つことになる。

2−3)-1/5, サブタイプは持たない。

《自我の消去/Ego Erasure》は、
  第4種(タイプ変更):全てのクリーチャー・タイプを失う。
  第6b種(P/T変更):-2/-0の修整を受ける。

である。今度は第6b種も複数適用されるので、これもタイムスタンプ順に処理される。

2−4)-1/5, サブタイプは持たない。

オーラや装備品や城砦は、オブジェクトまたはプレイヤーについた時点で、
そのオーラ、装備品、城砦は新しいタイムスタンプを得る。(CR418.5e, CR501.2c)

が、すでについているオブジェクト自身に対して「つける」効果は、何もしない。(CR501.2b)

なので、《ルーン刻みの鍾乳石》のタイムスタンプはこの方法では変わらない。
したがって、適用順番は2−3)の時点と全く変わらない。

問3 (難)

《清純/Purity》のオラクル・テキストは以下の通りである。(2007/11/16現在)

Flying
If a spell or ability would deal damage to you, prevent that damage. You gain
life equal to the damage prevented this way.
When Purity is put into a graveyard from anywhere, shuffle it into
its owner’s library.

CRに準じてこのテキストを解釈すると、ある矛盾点がある。それはどこか?
また、その矛盾によってどのような事が起こるだろうか? 具体例を一つ挙げて答えよ。


能力/ability はダメージを与えない。

ダメージを生成させたオブジェクトが、そのダメージの発生源である。
が、能力の場合そのダメージの発生源は能力自体ではなく、能力の発生源たるパーマネント
(ないし場に元々あったパーマネント)である。

例えば、《放蕩紅蓮術士/Prodigal Pyromancer》のオラクルはこうである。

  {Tap}: Prodigal Pyromancer deals 1 damage to target creature or player.

ダメージの発生源はスタック上の能力(=オブジェクト)でなく、
場にあるパーマネントの《放蕩紅蓮術士》である。

つまり、CRに準じて解釈すると、《放蕩紅蓮術士》の能力を起動して
《清純/Purity》をコントロールしているプレイヤーにダメージを与えても、
それは能力が直接にダメージを与えているわけではないので、置換されない。

・・・しかし、これは明らかにカードの意図されたデザインとは異なると思われる。
テキストの表現がこのようになっているのがそもそもの原因であるし、
CRを盾に取った曲解だと思われても仕方が無い。

実際のゲームにおいて、このような主張がなされたらどうすればよいか。
ジャッジの"common sense"が問われることになるだろう。

-------------------------
そんなところで。
ローウィンが入ってからのスタンダード環境には、ややルール的に理解が難しい
青のカードが、数種類使用されている。

今日はそんな青いカードたちについてのお話。

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1)《狡知/Guile》

《狡知/Guile》の2番目の能力は、置換効果である。

  If a spell or ability you control would counter a spell, instead remove that
  spell from the game and you may play that card without paying its mana cost.

たとえば、ある呪文が《遅延/Delay》の対象になったとしよう。
《遅延/Delay》は《狡知/Guile》の置換効果を受け・・・

  Counter target spell. If the spell is countered this way, remove it from
  the game with three time counters on it instead of putting it into its
  owner’s graveyard. If it doesn’t have suspend, it gains suspend.

  ↓↓

  remove that spell from the game and you may play that card without paying
  its mana cost.
If the spell is countered this way, remove it from the game
  with three time counters on it instead of putting ...

とはならない。(!)

この書き方だと、「打ち消されない」という効果を持つ呪文まで取り除いてしまうのだ。

《狡知/Guile》が置換しているのは「打ち消す」というイベント全部ではない。

「打ち消す」とは、「(その呪文を)スタックからオーナーの墓地に動かす」
ということである。(CR414.1)
《狡知/Guile》はこのうち、「オーナーの墓地に動かす」という部分を、「ゲームから
取り除き、あなたはそのカードをそのマナ・コストを支払うことなくプレイしてもよい。」
というように置換している。

呪文や能力の解決中にプレイを促されているのだから、プレイしようとする呪文の
本来プレイできるタイミングは無視される。(マッドネスと同じ)

また、「打ち消されない」呪文にたいしては、「打ち消す」というイベント自体が
起こらないため、《狡知/Guile》は何もしない。

 
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2)《誘惑蒔き/Sower of Temptation》

《誘惑蒔き/Sower of Temptation》の誘発型能力は、限定される持続時間をもつ。

  When Sower of Temptation comes into play, gain control of target creature
  as long as Sower of Temptation remains in play.

誘発型能力の解決後、《誘惑蒔き》自身の能力が無くなろうが、名前が変わろうが、
位相が変わろうが、場にある限りクリーチャーのコントロールは奪ったままである。

また、誘発型能力の解決前に《誘惑蒔き》が場をはなれた場合、クリーチャーの
コントロールは一瞬たりとも移動しない。これは、「〜する限り/as long as」という
表記で限定される持続時間を持つ能力に関するルールである。(CR418.3d)

 
--------------------------------

3)《クロノゾア/Chronozoa》になった《ヴェズーヴァの多相の戦士/Vesuvan Shapeshifter》

コピー効果の中でも、もっともややこしい事象についてお話しする。

 3−1)始まり

 場に《クロノゾア》がある。(上の時間カウンターは1個とする。)
 裏向きの《ヴェズーヴァの多相の戦士》が、表になるに際し、《クロノゾア》のコピーと
 なった場合、このクリーチャーの特性は以下のようになる。


名前:《クロノゾア/Chronozoa》
コスト:{3}{U}
タイプ:クリーチャー -- イリュージョン
テキスト:
  飛行
  消失3
  クロノゾアが場から墓地に置かれたとき、その上に時間カウンターが1個も置かれて
  いない場合、そのコピーであるトークンを2個場に出す。
  あなたのアップキープの開始時に、あなたはこのクリーチャーを裏向きにしてもよい。
P/T: 3/3


 もちろん、上に時間カウンターは乗らない。これは新しく場に出たわけではないし、
 上に乗っているカウンターはコピー可能な値では無い。

 
 3−2)増える

 上の《クロノゾアな多相の戦士》が、墓地に置かれたとしよう。
 「墓地に置かれたとき」〜の誘発型能力が誘発し、トークンが2個出てくる。
 これらのトークンの特性は、


名前:《クロノゾア/Chronozoa》
コスト:{3}{U}
タイプ:クリーチャー -- イリュージョン
テキスト:
  飛行
  消失3
  クロノゾアが場から墓地に置かれたとき、その上に時間カウンターが1個も置かれて
  いない場合、そのコピーであるトークンを2個場に出す。
  あなたのアップキープの開始時に、あなたはこのクリーチャーを裏向きにしてもよい。
P/T: 3/3


である。新たに場に出るので、消失能力による時間カウンター(3個)を伴っている。

 
 3−3)裏返る

 このトークンはアップキープに裏向きになれる。
 では裏向きになると特性はどのようになるだろうか?


名前:(なし)
コスト:(なし)
タイプ:クリーチャー -- (なし)
テキスト:(なし)
P/T: 2/2


しかし、上には時間カウンターが乗っている。
この時間カウンターは減ることが無い。
なぜなら、すでにこのクリーチャーは消失能力を持っていないからである。

 
 3−4)表返・・・る?

 ではこのトークンは変異コストを支払って表になることができるだろうか?

 答えは「できない」である。

 なぜなら、表側の特性は3−2)に示されている通りであり、変異コストは無い。
 つまり、表側の特性を参照する際に変異コストが示せないので、
 変異コストを支払って表にすることはできない。

 なんらかの手段を使用して表にすることはできる。
 (例:《現実を彫る者イクシドール/Ixidor, Reality Sculptor》)

 
 3−5)深淵へ

 さらに場に《姿分け/Shapesharer》があるとしよう。

 3−1)〜3−4)にあるクリーチャーのコピーとなった場合、
 《姿分け》はどのような挙動をしめすだろうか?
 色々考えていただきたい。

 
-----------------------
そんなところで。

rest.

2007年11月23日
今週のFMQはお休みです。

明日の日付で結果とかカレンダーとか書くかもです。
それではまた。

ノシ 良い連休を。
順番が前後しますが。
プレミア・イベントの日程表(全国版)をgoogleカレンダーで作成しました。

http://www.remus.dti.ne.jp/~testing/mtg/calendar.html

上の[HOME]からでもたどれます。
使い方とかも書いたので、どぞよろしく。

---------------------------------------

11月18日に行われました、C.B.L. 9thは18人の参加がありました。
スイス4回戦の後、Nakada Naokiさんが見事全勝で優勝をしております。

今回は会場の都合上、すこし窮屈な運営となりました。
参加してくださった皆さんには申し訳ありません。

また、今回のビデオカバレッジは都合によりありません。ご了承ください。

次回C.B.L. 10thは12月16日(日)に行います。
詳細な告知はもう少しおまちください。今のところ開始時間・場所に変更はありません。

それでは、デッキリストをお楽しみください。

-----------------------------------

** WINNER **

Nakada Naoki

Main
4《霊気の薬瓶/AEther Vial》
4《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》
4《モグの狂信者/Mogg Fanatic》
4《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》
4《宝石の手の焼却者/Gempalm Incinerator》
4《ゴブリンの女看守/Goblin Matron》
2《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》
4《ゴブリンの首謀者/Goblin Ringleader》
2《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》
4《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》
1《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》

4《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
4《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
3《Plateau》
4《山/Mountain》
4《不毛の大地/Wasteland》
4《リシャーダの港/Rishadan Port》

Sideboard
3《解呪/Disenchant》
4《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
1《ゴブリンの紅蓮術士/Goblin Pyromancer》
3《ゴブリンの王/Goblin King》
4《赤霊破/Red Elemental Blast》

-----------------------------------

* 2nd place *

Kasuga Nobuhiro

Main
3《尖塔のゴーレム/Spire Golem》
1《変異種/Morphling》
2《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》
4《呪文嵌め/Spell Snare》
4《対抗呪文/Counterspell》
4《Force of Will》
3《もみ消し/Stifle》
4《選択/Opt》
3《嘘か真か/Fact or Fiction》
1《衝動/Impulse》
1《撤廃/Repeal》
2《ヴィダルケンの枷/Vedalken Shackles》
2《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
3《火薬樽/Powder Keg》

17《島/Island》
4《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》
2《不毛の大地/Wasteland》

Sideboard
3《不忠の糸/Threads of Disloyalty》
3《海賊の魔除け/Piracy Charm》
4《水流破/Hydroblast》
3《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》
2《無効/Annul》

-----------------------------------

* 3rd place *

Ito Toshiaki

Main
4《極楽鳥/Birds of Paradise》
4《ほくちの壁/Tinder Wall》
4《Elvish Spirit Guide》
4《暗黒の儀式/Dark Ritual》
3《大霊堂の戦利品/Spoils of the Vault》
4《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》
1《汚れた契約/Tainted Pact》
1《暗黒への突入/Plunge into Darkness》
4《強迫/Duress》
4《冥府の教示者/Infernal Tutor》
2《燃え立つ願い/Burning Wish》
4《土地譲渡/Land Grant》
3《巣穴からの総出/Empty the Warrens》
4《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》
4《水蓮の花びら/Lotus Petal》
4《金属モックス/Chrome Mox》
4《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》

1《Bayou》
1《Taiga》

Sideboard
3《紅蓮破/Pyroblast》
4《クローサの掌握/Krosan Grip》
1《死の印/Deathmark》
1《破壊放題/Shattering Spree》
1《紅蓮地獄/Pyroclasm》
1《巣穴からの総出/Empty the Warrens》
4《虚空の力線/Leyline of the Void》

-----------------------------------
そんなところで。

Friday Magic Quiz. [07-42]

2007年11月30日
#今年も気づいてみればあと一月です。
#師走は師匠が走るはずなのですが、
#自分がぱたぱた走っているということは・・・

今週末のプレミア・イベント

12月 1日 (土曜日)
09:20 LIMITS地区予選@四国
09:30 PTQクアラルンプール@宮城
10:15 LIMITS地区予選@北陸

12月 2日 (日曜日)
09:30 FINALS予選@関東C
09:30 PTQクアラルンプール@北海道
09:30 LIMITS地区予選@関東A
09:30 FINALS予選@東北A
09:50 FINALS予選@九州A
10:15 FINALS予選@北陸

時刻は受付開始時刻です。詳しくは公式サイトや、イベント・カレンダーを参照して下さい。

イベント・カレンダー→ http://www.remus.dti.ne.jp/~testing/mtg/calendar.html

それでは今週の問題ー。

問1

かたならし○×。

「公認大会のドラフトで、3パックを全てピックするのに与えられる時間は、
 20分以上である。」

○か×か?

 
問2
Finalsに出ることはまだ決定していないのに、会場付近の施設を
調べるのに余念が無いプレイヤーAとBが、いつもの試合をしている。

試合のほうはプレイヤーAのキスキン・デッキが速い展開をみせ、
プレイヤーBのライフを大半削っている。

対するプレイヤーBは《敵愾/Hostility》を出すのがやっとのこと。
しかし、プレイヤーBはあるカードを引き、にやりと笑った。

B「そっちの残りライフはいくつ?」
A「18。」
B「よし、なら《焼夷の命令/Incendiary Command》をプレイ。
 モードは1番目と2番目だ。」
A「・・・こっちのクリーチャーは全滅か。手札では何もできないし。」
B「うむ、で、4点分のダメージは《敵愾/Hostility》のトークンになる。」
A「3/1だっけか。なら、12点と《敵愾/Hostility》で6点やね。」
B「計18点だ。な、俺の勝ちだろ?」

さて、本当にそうだろうか?

 
問3

とある試合のこと。

私のライフはマイナス5点である。

負けているって? いやいや。私はちゃんと《白金の天使/Platinum Angel》を
コントロールしているので、このライフの値は間違いない。そしてゲームは続いている。

ところが、私の対戦相手は、《爆破/Detonate》を私の《白金の天使》にプレイしてきた。
そこで私はこの《爆破/Detonate》の解決前に、《天使の嗜み/Angel’s Grace》をプレイした。

さて・・・このターン、私は《天使の嗜み》の効果で負けることは無い。

では、《爆破/Detonate》を解決後の、私のライフはいくつだろうか?
私は無事に次のターンを迎えることができるだろうか?

---------------------
そんなところで。

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