Delayed spells.

2007年6月21日
《遅延/Delay》を始め、未来予知には、本来待機を持たないカードを『待機状態』
にする呪文や能力がある。それらに関して色々と。

さて、『待機状態』のカードとはどのようなものだろうか?
CRを見てみよう。


CR502.59b
あるカードは、それがゲーム外領域にあり、待機を持ち、
その上に時間カウンターが置かれている場合、「待機状態/suspended」である。


例えば《遅延/Delay》は、対象となった呪文をゲーム外領域に置き、その上に時間カウンターを
3つおいた状態にして、(本来持っていなければ)待機を得させる。

こうしてめでたく待機状態になったカードは、時間カウンターが全て取り除かれた時に
また再度プレイされる。

では、次のケースを見てみよう。

  例1)
  プレイヤーAには、待機状態になっている《焦熱の結末/Fiery Conclusion》がある。
  この上にある最後の一つの時間カウンターを取り除いた。
  場には、プレイヤーAのコントロールする《灰色熊/Grizzly Bears》が1体ある。
  他にクリーチャーがいないものとすると、プレイヤーAの選択肢はどうなるか?

プレイヤーAにとっては、《焦熱の結末》をプレイする必要が全く無い。
そこで、このような主張をした。

 A「待機能力の解決時に、《焦熱の結末》をプレイするんですが、
  わたしは追加コストを支払わないので、プレイは完了しません。
  よってこれはゲーム外に取り残されたままです。」

この主張は合っているだろうか?

・・・プレイヤーAにとっては誠に残念だが、この主張は通らない。
待機能力をもう一度良く見てみよう。


CR502.59a (一部抜粋)
「このカードから最後の時間カウンターが取り除かれたとき、それがゲーム外にある場合、
可能ならそれをマナ・コストを支払わずにプレイする。そうできない場合、それはゲーム外
に残る。これによりそれをプレイして、なおかつそれがクリーチャーである場合、
それはあなたがその呪文またはパーマネントのコントロールを失うまで速攻を持つ。」


待機能力の3番目の能力であるこの文章を見ると、

  「可能ならそれをマナ・コストを支払わずにプレイする。」

とある。
つまり、そのカードをプレイするのに(マナ以外の)追加コストが要求されていて、
かつ、それが支払い可能であれば、支払ってプレイするしかないのだ。

例1)の場合だと、《焦熱の結末/Fiery Conclusion》は追加コストを支払い、
かつ適正にプレイできる状態(=対象がある)なので、
唯一のクリーチャーである《灰色熊/Grizzly Bears》をコストとして生贄に
ささげなくてはいけない。(これは強制である)

では次の例をみてみよう。

  例2)
  プレイヤーBには、待機状態になっている《稲妻の斧/Lightning Axe》がある。
  この上にある最後の一つの時間カウンターを取り除いた。
  場には《稲妻の斧/Lightning Axe》の対象となるクリーチャーがいくつもあるが、
  プレイヤーBはどうしなくてはならないだろうか?

《稲妻の斧/Lightning Axe》の追加コストは、{5}または手札1枚を捨てることである。
待機能力の説明の通り、プレイしなくてはいけないので、追加コストを支払う必要がある。

もし、プレイヤーBが手札を1枚以上持っていて、かつ、{5}がどうしても準備できない場合、
プレイヤーBは、コストとして手札を1枚捨てなくてはいけない。

また、{5}が準備できる状態だったとしても、マナ能力をプレイすることを選ばずに
手札を捨てることを選ぶこともできる。
いずれにせよ、プレイヤーBは「{5}払う」「手札を1枚捨てる」ことのいずれかを行わなく
てはならない。

え? 土地はあるけど{5}は払いたくないし、手札も空だって?
それはさすがにプレイが完了しない=プレイできないので、《稲妻の斧/Lightning Axe》は
ゲーム外に留まったままになる。

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そんなところで。

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