Penalty Guide 2008/06/01.
2008年6月19日大きいイベントも近くなってきましたので、更新されたPG(ペナルティ・ガイド)について
色々と書こうと思います。とりあえず毒消しを準備。
この記事は、私ことtestingがサイトやforumからの内容をまとめ、自分なりに解釈したものです。
実際のゲームにおいては、ヘッドジャッジまたは主催者の指示に従い、適切に大会を進行する
ようにお願いいたします。なお、本記事の内容は2008/06改訂のPGに従っており、これ以降の
更新によって、記事内に例示された内容でも解釈や罰則が変わる可能性があります。
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1)「REL:一般(Regular)」って?
トーナメントにおいて、ルールがどの程度厳密に適用されるかを表現する指標として
ルール適用度(Rule Enforcement Level = REL)というものが設けられている。
ルール適用度は「一般/Regular」「競技/Competitive」「プロ/Professional」に分けられる。
店舗での大会や、サークルの主催大会は大抵が「REL:一般」で行われる。
GPTやPTQ、日本選手権予選は「REL:競技」で行われる。
つまり、GPTやPTQでは普段の大会とは異なり、より深いルールへの厳密さ、
プレイの正確さ、といったものが求められる。
この記事では、より多くのプレイヤーが経験しうるであろう、
「REL:一般」と「REL:競技」の比較に重点を置いて書くことにする。
(以下、記事内では「REL:一般」を「一般」、「REL:競技」を「競技」と表記する。)
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2)デッキもしくはデッキリストによる誤り
デッキリストは、プレイヤーが思っている以上に懲罰が出るもの。
ほんの1枚の書き間違いによって、懲罰が与えられてしまうのは、あまりにも馬鹿馬鹿しい。
プレイヤーはデッキリストを提出する前に、何回でも見直しをするべきである。
PGでは、デッキもしくはデッキリストによる誤りとして、以下の4つに分類している。
PG111)デッキリストが間違っている。 → [ゲームの敗北]
PG112)デッキとデッキリストが一致していない。 → [警告]または[ゲームの敗北]
PG113)リミテッド形式でのカード登録ミス。 → [注意]または[警告]
PG114)サイドボードの紛失 → [注意]
つまり、デッキリストが間違っていた場合、どんなRELであっても[ゲームの敗北]をくらう。
繰り返すが、デッキリストの書き間違いはどんなことをしても避けるべきである。
デッキとデッキリストの内容が異なっていた場合でも、[警告]は免れない。
よくあるパターンとしては、試合中にデッキの枚数が60枚未満になっていた場合である。
(テーブルの下にカードを落とした、サイドボードが16枚になっていた、などによって)
自分のデッキの枚数は常に気をつけておく必要がある。
特に「競技」以上の場合は、枚数の不足は即[ゲームの敗北]に繋がるので注意すること。
また、リミテッド形式でデッキリストを使用しない場合、マッチとマッチの間で
デッキを元の状態に戻す必要はない。プレリリースやFNMでは、ほとんどデッキリストを
使用しないので、デッキをどのように組みなおしても良くなった。
#ただし、「競技」以上ではデッキチェックが行われるため、
#この組みなおしが認められるのは「一般」での大会のみである。
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3)ゲーム中のプレイに関する誤り
ほとんどのトラブルは、ゲーム中のプレイに関して起こる。
「土地をちゃんとタップ/アンタップしてください。」
「《ペンデルヘイヴン/Pendelhaven》が2枚場にありますね。」
「あ、《大いなるガルガドン/Greater Gargadon》の時間カウンターを外すの忘れてた。」
普段の練習ならば、双方笑って済ませられるのだが、大会となるとそうはいかない。
PGでは、ゲームのプレイに関する誤りをしてしまった場合を、以下のように分けている。
PG121)表現上の誤り。(不正確な表現)
PG122)ゲームの状態が不正。(不正なゲームの状態)
PG123)誘発型能力の誘発を忘れた。(誘発忘れ)
PG124)情報の開示を忘れた。(公開忘れ)
PG125)上記以外の、ゲームのプレイに関する誤り。(その他一般)
PG126)これらの違反を見逃していた。(違反の見逃し)
懲罰は(公開忘れ)以外、全て「一般」→[注意]、「競技」→[警告]である。
(公開忘れ)は、呪文や能力の効果の処理が適正がどうかわからなくなり、
悪用の可能性が高いので、より重い懲罰が科せられるようになっている。
ゲームのプレイに関する誤りは、繰り返すと懲罰がどんどん重くなるので、
1回警告を取られたら、もう金輪際二度としない、ぐらいの気持ちでいるのが望ましい。
気を引き締めてゲームを続けるべきである。
(もちろん、一度も取られないのが一番良い)
「一般」の大会では、これらのほとんどは[注意]にとどまる。しかし、プレイヤーは
より上のRELでゲームを行うことを考えて、自分のした行動を省みることが大事である。
ジャッジはその手助けをしてくれるだろう。
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4)フロアルールに関する誤り
ゲームに関するトラブルではなく、大会進行に関するトラブルにも、懲罰が存在する。
PG131)ラウンド開始時までに席に着かなかった。(遅刻)
PG132)座る席を間違えた。(対戦相手間違い)
PG133)プレイが遅かった。(遅いプレイ)
PG134)シャッフルするべきところをシャッフルせずに続行した。(不十分な無作為化)
PG135)飲食禁止の張紙がある部屋で、食事をした。(案内の聞き落とし)
PG136)ドラフトで、カードを逆回しに渡してしまった。(ドラフト手順抵触行為)
PG137)現在のライフの点数を言い間違えた。(意思疎通規定抵触行為)
PG138)試合中のプレイヤーに、観客がプレイに関して口を挟んだ。(外部情報の参照)
これらは大会の円滑な運営を、プレイヤーが妨げているという意味で懲罰となっている。
「一般」では[注意]や[警告]止まりであるが、「競技」になると罰則が重くなるものもある。
特に、(外部情報の参照)は、「競技」では[マッチの敗北]となるので
気をつけなくてはいけない。
他の項目は、社会的常識の範囲内で行動すれば、未然に防げるものばかりである。
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5)非紳士的行為とイカサマ
PG140番台と、150番台は非紳士的行為とイカサマについて書かれている。
この項目に関する罰則は最大限に重く、RELによる区別は一切無い。
常識で紳士的である普通のプレイヤーならば、無縁の罰則であるので解説は省略する。
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6)ドロー関連の誤り
カードを過剰に見たり、引いてしまった場合はここにあたる。
PG211)対戦相手のデッキをシャッフル中に、誤って数枚見えてしまった。(過剰なカードを見た)
PG212)効果により2枚引く時に、誤って3枚引いてしまった。(過剰なカードを引いた)
PG213)最初の手札を8枚引いてしまった(ゲーム開始時の引き間違い)
PG214)ターン終了時に、8枚だったのにカードを捨て忘れた。(カードの捨て忘れ)
カードを操作しているときに手が滑って表が見えてしまうことはよくあることであり、
罰則も軽度なものに留まる。しかし、カードを誤って多く引いてしまうことは、
ゲームの公平性という観点からしてもやってはいけないことであり、より重い罰則になる。
プレイヤーはカードを扱う場合にはその表が見えないように注意すべきである。
シャッフルをする時には、しっかりとカードを持ってすることも必要だろう。
「競技」以上では過剰にカードを引くと、[ゲームの敗北]になる。より注意すべし。
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7)区別のつくカード
スリーブが傷ついているなどして、他のカードと区別がつくようになっていた場合である。
PG221)数枚のカード・スリーブのみに傷が付いていた。(パターンが無い)
PG222)全ての土地がフォイルで、かつ折れ曲がっていて他のカードと区別がついた。(パターン有り)
新品のカード・スリーブであっても、その製造工程には癖があったり、
製品ロットで多少の誤差があるので、使用する前にはスリーブ自体をシャッフルしてから
カードを入れていくのがよい。こうすることで、少なくとも初期傷からはランダム性ができ、
区別のつくカードという扱いをされにくくなる。
あくまでも「区別のつくカード」なので、「フォイルが入っている」という意味ではない。
フォイル・カードが入っているというだけでは上記の罰則には当たらない。
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8)[失格](DQ)
古いPGでは [受賞資格も失う失格] (DQP)というものが規定されていたが、これは [失格] に統一された。
内容は以前と変わらない。
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そんなところで。
PGのシリーズはあと2回予定しています。
次回はPG50(意思疎通規定)について。
シャッフルしつつお待ち下さい。
色々と書こうと思います。とりあえず毒消しを準備。
この記事は、私ことtestingがサイトやforumからの内容をまとめ、自分なりに解釈したものです。
実際のゲームにおいては、ヘッドジャッジまたは主催者の指示に従い、適切に大会を進行する
ようにお願いいたします。なお、本記事の内容は2008/06改訂のPGに従っており、これ以降の
更新によって、記事内に例示された内容でも解釈や罰則が変わる可能性があります。
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1)「REL:一般(Regular)」って?
トーナメントにおいて、ルールがどの程度厳密に適用されるかを表現する指標として
ルール適用度(Rule Enforcement Level = REL)というものが設けられている。
ルール適用度は「一般/Regular」「競技/Competitive」「プロ/Professional」に分けられる。
店舗での大会や、サークルの主催大会は大抵が「REL:一般」で行われる。
GPTやPTQ、日本選手権予選は「REL:競技」で行われる。
つまり、GPTやPTQでは普段の大会とは異なり、より深いルールへの厳密さ、
プレイの正確さ、といったものが求められる。
この記事では、より多くのプレイヤーが経験しうるであろう、
「REL:一般」と「REL:競技」の比較に重点を置いて書くことにする。
(以下、記事内では「REL:一般」を「一般」、「REL:競技」を「競技」と表記する。)
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2)デッキもしくはデッキリストによる誤り
デッキリストは、プレイヤーが思っている以上に懲罰が出るもの。
ほんの1枚の書き間違いによって、懲罰が与えられてしまうのは、あまりにも馬鹿馬鹿しい。
プレイヤーはデッキリストを提出する前に、何回でも見直しをするべきである。
PGでは、デッキもしくはデッキリストによる誤りとして、以下の4つに分類している。
PG111)デッキリストが間違っている。 → [ゲームの敗北]
PG112)デッキとデッキリストが一致していない。 → [警告]または[ゲームの敗北]
PG113)リミテッド形式でのカード登録ミス。 → [注意]または[警告]
PG114)サイドボードの紛失 → [注意]
つまり、デッキリストが間違っていた場合、どんなRELであっても[ゲームの敗北]をくらう。
繰り返すが、デッキリストの書き間違いはどんなことをしても避けるべきである。
デッキとデッキリストの内容が異なっていた場合でも、[警告]は免れない。
よくあるパターンとしては、試合中にデッキの枚数が60枚未満になっていた場合である。
(テーブルの下にカードを落とした、サイドボードが16枚になっていた、などによって)
自分のデッキの枚数は常に気をつけておく必要がある。
特に「競技」以上の場合は、枚数の不足は即[ゲームの敗北]に繋がるので注意すること。
また、リミテッド形式でデッキリストを使用しない場合、マッチとマッチの間で
デッキを元の状態に戻す必要はない。プレリリースやFNMでは、ほとんどデッキリストを
使用しないので、デッキをどのように組みなおしても良くなった。
#ただし、「競技」以上ではデッキチェックが行われるため、
#この組みなおしが認められるのは「一般」での大会のみである。
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3)ゲーム中のプレイに関する誤り
ほとんどのトラブルは、ゲーム中のプレイに関して起こる。
「土地をちゃんとタップ/アンタップしてください。」
「《ペンデルヘイヴン/Pendelhaven》が2枚場にありますね。」
「あ、《大いなるガルガドン/Greater Gargadon》の時間カウンターを外すの忘れてた。」
普段の練習ならば、双方笑って済ませられるのだが、大会となるとそうはいかない。
PGでは、ゲームのプレイに関する誤りをしてしまった場合を、以下のように分けている。
PG121)表現上の誤り。(不正確な表現)
PG122)ゲームの状態が不正。(不正なゲームの状態)
PG123)誘発型能力の誘発を忘れた。(誘発忘れ)
PG124)情報の開示を忘れた。(公開忘れ)
PG125)上記以外の、ゲームのプレイに関する誤り。(その他一般)
PG126)これらの違反を見逃していた。(違反の見逃し)
懲罰は(公開忘れ)以外、全て「一般」→[注意]、「競技」→[警告]である。
(公開忘れ)は、呪文や能力の効果の処理が適正がどうかわからなくなり、
悪用の可能性が高いので、より重い懲罰が科せられるようになっている。
ゲームのプレイに関する誤りは、繰り返すと懲罰がどんどん重くなるので、
1回警告を取られたら、もう金輪際二度としない、ぐらいの気持ちでいるのが望ましい。
気を引き締めてゲームを続けるべきである。
(もちろん、一度も取られないのが一番良い)
「一般」の大会では、これらのほとんどは[注意]にとどまる。しかし、プレイヤーは
より上のRELでゲームを行うことを考えて、自分のした行動を省みることが大事である。
ジャッジはその手助けをしてくれるだろう。
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4)フロアルールに関する誤り
ゲームに関するトラブルではなく、大会進行に関するトラブルにも、懲罰が存在する。
PG131)ラウンド開始時までに席に着かなかった。(遅刻)
PG132)座る席を間違えた。(対戦相手間違い)
PG133)プレイが遅かった。(遅いプレイ)
PG134)シャッフルするべきところをシャッフルせずに続行した。(不十分な無作為化)
PG135)飲食禁止の張紙がある部屋で、食事をした。(案内の聞き落とし)
PG136)ドラフトで、カードを逆回しに渡してしまった。(ドラフト手順抵触行為)
PG137)現在のライフの点数を言い間違えた。(意思疎通規定抵触行為)
PG138)試合中のプレイヤーに、観客がプレイに関して口を挟んだ。(外部情報の参照)
これらは大会の円滑な運営を、プレイヤーが妨げているという意味で懲罰となっている。
「一般」では[注意]や[警告]止まりであるが、「競技」になると罰則が重くなるものもある。
特に、(外部情報の参照)は、「競技」では[マッチの敗北]となるので
気をつけなくてはいけない。
他の項目は、社会的常識の範囲内で行動すれば、未然に防げるものばかりである。
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5)非紳士的行為とイカサマ
PG140番台と、150番台は非紳士的行為とイカサマについて書かれている。
この項目に関する罰則は最大限に重く、RELによる区別は一切無い。
常識で紳士的である普通のプレイヤーならば、無縁の罰則であるので解説は省略する。
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6)ドロー関連の誤り
カードを過剰に見たり、引いてしまった場合はここにあたる。
PG211)対戦相手のデッキをシャッフル中に、誤って数枚見えてしまった。(過剰なカードを見た)
PG212)効果により2枚引く時に、誤って3枚引いてしまった。(過剰なカードを引いた)
PG213)最初の手札を8枚引いてしまった(ゲーム開始時の引き間違い)
PG214)ターン終了時に、8枚だったのにカードを捨て忘れた。(カードの捨て忘れ)
カードを操作しているときに手が滑って表が見えてしまうことはよくあることであり、
罰則も軽度なものに留まる。しかし、カードを誤って多く引いてしまうことは、
ゲームの公平性という観点からしてもやってはいけないことであり、より重い罰則になる。
プレイヤーはカードを扱う場合にはその表が見えないように注意すべきである。
シャッフルをする時には、しっかりとカードを持ってすることも必要だろう。
「競技」以上では過剰にカードを引くと、[ゲームの敗北]になる。より注意すべし。
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7)区別のつくカード
スリーブが傷ついているなどして、他のカードと区別がつくようになっていた場合である。
PG221)数枚のカード・スリーブのみに傷が付いていた。(パターンが無い)
PG222)全ての土地がフォイルで、かつ折れ曲がっていて他のカードと区別がついた。(パターン有り)
新品のカード・スリーブであっても、その製造工程には癖があったり、
製品ロットで多少の誤差があるので、使用する前にはスリーブ自体をシャッフルしてから
カードを入れていくのがよい。こうすることで、少なくとも初期傷からはランダム性ができ、
区別のつくカードという扱いをされにくくなる。
あくまでも「区別のつくカード」なので、「フォイルが入っている」という意味ではない。
フォイル・カードが入っているというだけでは上記の罰則には当たらない。
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8)[失格](DQ)
古いPGでは [受賞資格も失う失格] (DQP)というものが規定されていたが、これは [失格] に統一された。
内容は以前と変わらない。
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そんなところで。
PGのシリーズはあと2回予定しています。
次回はPG50(意思疎通規定)について。
シャッフルしつつお待ち下さい。