マジックQ&A( http://qabbs.mjmj.info/ )にて、ちょいと面白いやりとりが
あったので、記事にしてみようと思う。

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ゲーム外領域にある、裏向きに取り除かれたカード

呪文や能力の効果によって、カードは裏向きにゲーム外領域へ移動する場合がある。
古くは《ネクロポーテンス/Necropotence》からあり、今ではキーワード能力の一部
として使用される(例:「秘匿/Hideaway」)こともある。

この裏向きのカードは、以下の2通りに分けられる。

  1)その表側を誰も見ることができない。
  2)その表側は取り除いた効果によって(誰かが)見ることができる。

古いカードを含めると、1)のほうが普通のようだ。今風のカードでは2)の方が多い。
現在のスタンダード(2007/12)で使用できるカードでは、以下のカードが1)に該当する。

 《コルフェノールの計画/Colfenor’s Plans》
 《壺の大魔術師/Magus of the Jar》

一方、2)に該当するのは以下の通り。

 『秘匿/Hideaway』能力持ちのレア土地5種類
 《夢見るものインテット/Intet, the Dreamer》
 《道化の王笏/Jester’s Scepter》

秘匿能力については1)である状態と2)である状態が混在する(?)のだが、
それについては後述する。

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裏向きのカードから見つける

以下の問題を考えてみる。

「あるカード(A)が裏向きの状態でゲームから取り除かれている。
 《きらめく願い/Glittering Wish》などの『願い』系のカードで、これ(A)を手札に
 加えることはできるか?」

『願い』系のカードとは以下のカードをさしている。

 《黄金の願い/Golden Wish》
 《狡猾な願い/Cunning Wish》
 《死せる願い/Death Wish》
 《燃え立つ願い/Burning Wish》
 《生ける願い/Living Wish》
 《きらめく願い/Glittering Wish》

いずれも、外部/Outside tha Game からカードを選んでくるものである。
黒の《死せる願い》だけは選んでくるカードの特性が決められていない。
他の『願い』は特定の特性を持ったカードを選んでくる必要がある。

さて、問題の(A)は、その表を見ることができるかということについて、
前述した1)と2)のどちらかに属する。

 ・1)の場合

その表側を見ることができないのだから、その表側の特性を参照することはできない。
つまり、《死せる願い》以外の『願い』では、(A)を選ぶことはできない。

《死せる願い》で選ぶとしても、(A)の他に同様な状態のカードがあるならば、
それらから無作為に一枚引っ張るしかない。(昔の裁定による)

また、《死せる願い》で選ぶ場合、カードを選ばないという選択もできる。
この場合、ライフを半分失う効果のほうは通常通り実行される。
ただ単に "You may choose..." という下りを行わなかっただけである。
(これは昔の裁定とは異なる部分である。印刷テキストとオラクルを見比べて欲しい)

 
 ・2)の場合

表側を見ることができるのだから、そのカードの特性は参照可能である。
つまり、適当な特性を参照する『願い』であれば選ぶことができる。

一例を出そう。
《苔汁の橋/Mosswort Bridge》に《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》が
裏向きに取り除かれている。このとき、私は《きらめく願い》をプレイすることで、
この裏向きの《包囲の搭、ドラン》を選び、それを公開して手札に加えることができる。

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サイドボード

あくまでも(A)は裏向きで、全てのプレイヤーに公開されているわけではないのに、
1)と2)で扱いが大きく違うのはなぜだろうか?

サイドボードの扱いを考えてみよう。サイドボードのカードは、(A)と同じように、
「全てのプレイヤーに公開されているわけではないが、外部にある」カードである。
が、それらは裏向きとも表向きとも言わない。(ゲームの一部ではないので)

サイドボードのカードは、いつでも見ることができる。(MFR122. サイドボードの使用)
ということは、その特性を参照することができるので、各種『願い』によって
サイドボードのカードを選ぶことができるのである。

特性を参照する場合に、それが公開/非公開であるかは関係がない。
あくまでその特性を参照できる/できないことだけを問いかけている。

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秘匿能力のFAQはまちがい?

さて、ローウィンFAQの秘匿能力の項目には、以下のように書かれている。

  ・秘匿を持つ土地が場を離れたら、誰も取り除かれたカードを見ることができなくなる。

  ・土地の起動型能力をプレイし、それに対応してその土地のコントロールを失った場合、
   それでも能力の解決時に取り除かれたカードをプレイすることはできる。


この2つの項目は矛盾している。

上の項目が正しいのならば、下の項目においては「能力の解決時にその表側を参照できない
カードをプレイすることが許可される」ので、どうプレイするのか奇妙なことになる。
(マナ・コストが無いのにもかかわらず、マナ・コストを支払わずにプレイしても良いので、
 なぜかプレイはできてしまう。それは相変わらず裏向きで何も無いんだけど。)

下の項目が正しいとすれば、上の項目は以下のようになる。

 ・秘匿を持つ土地が場を離れても、それをコントロールしていたプレイヤーは、
  その表側を見ることができる。

これだと秘匿能力のCRにも適合する。

 「そのカードがゲームから取り除かれているかぎり、そのパーマネントをコントロール
  していたプレイヤーはそれを見てもよい」(CR502.75)

という能力は、秘匿能力の中にある誘発型能力の一部だからだ。

ただ、前に私自身が書いたとおり、「そのパーマネント」というところに違和感を感じている。
文章を変えてしまうのが一番かもしれないけれど、それは次の神託を待つしかない。

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ちとややこしくなってしまったので、間違っている箇所があるかもです。
コメントを募集いたします。rulemongerのつっこみ大歓迎。

そんなところで。

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