M19 MTR, IPG更新点

2018年7月17日 Ruling
M19でのMTR、IPGの更新点です。
どちらも2018/04/27 版と 2018/07/13 版 の差分を参考にしています。

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MTR 2018/04/27 版と 2018/07/13 版 の変更差分
(筆者注:2018/05/18 にも一度MTRの更新は行われています。)

3.2 (フォーマットとレーティング区分)

構築戦から「ブロック構築」が消滅しました。

3.7 (新製品)

『ラヴニカのギルド』が追加されました。

4.2 (手順省略)

双頭巨人戦で、特にどちらのプレイヤーを攻撃したかを宣言しなかった場合、攻撃クリーチャーのコントローラーの真正面に座っているプレイヤーを攻撃したものとみなされるようになりました。
(以前はプレイヤーA(primary head)でした。)

4.4 (ループ)

CR720では、行動の省略について書かれています。プレイヤーが同じ行動を繰り返すことができる場合、それらの行動の省略を提示し、提示された回数繰り返すというものです。このような行動の省略のなかで、ゲームの状況が同じ状態に戻ってしまうことがあります。つまりループ/Loopしています。

CR上では、ループの定義を明確に決めることができませんでした。例えば、互いに《試練に挑むギデオン》の紋章を持っていて、ライブラリーにカードが無いというゲームを考えましょう。このゲームの進行は止まってしまっています。しかし、ギデオンの忠誠度カウンターを増やすことや、土地を適当に起動することによって、「ゲームの状況が全く同じ」になることを避けることができます。従ってこれはループではないのです。CRに従えば、上記のゲームを延々と続けることができてしまいます。
このように、現実のゲームでは、CRでは処理できない「疑似ループ/Pseudo-loop」になることがあります。

今回のMTR変更では、ループに関する項目が加えられました。CR720に記載されている内容の延長になっていますが、重要と思われる点が3つあります。

・互いのプレイヤーがループを終了させないことを選んだ場合、ゲームは引き分けになる。

先程の例のような場合、互いに《試練に挑むギデオン》を失いたくはないので、互いに消極的な行動を繰り返し、終了させるようなことを選択することがないでしょう。その場合、(CR上ではゲームを永遠に続けることができましたが)MTRによりゲームは引き分けになります。

・ジャッジがループの構成に関して最終決定権を得られた

ゲーム内の一連の行動をみて、それがループであるとジャッジが判断することができるようになりました。もちろん、MTR4.4にかかれているループのどれかに該当すると判断したなら、それに従って処理を行います。

・時間を費やす目的でループを実行することは〔遅延行為〕である

以前から不文律として、「制限時間を用いた戦略は罰則にあたる」というものがありましたが、今回、明文化されました。同じ行動を繰り返すことで時間を潰して時間切れにしてゲームを引き分けにする、ということは罰則にあたります。

6.3 (スタンダード構築戦)

スタンダードで使用できるエキスパンションのリストが更新されました。

『カラデシュ』/Kaladesh(2018年10月5日まで)
『霊気紛争』/Aether Revolt(2018年10月5日まで)
『アモンケット』/Amonkhet(2018年10月5日まで)
『破滅の刻』/Hour of Devastation(2018年10月5日まで)
『イクサラン』/Ixalan
『イクサランの相克』/Rivals of Ixalan
『ドミナリア』/Dominaria
『Global Deck Series: Jiang Yanggu & Mu Yanling』 (中国国内で開催されるスタンダード・フォーマットのイベントのみで使用でき、『ドミナリア』がスタンダードで使用不可能になるのと同時にスタンダードで使用不可能になる。)
『基本セット2019』/Core 2019
『ラヴニカのギルド』/Guilds of Ravnica(2018年10月5日から)

M19、およびM19のブースターから出現しないカードも、M19と同じようにスタンダード構築で使用可能であることが記載されました。


6.6 (レガシー構築戦)

2枚の禁止カードが追加されました。
《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》
《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》

7.7 (ブースター・ドラフトの手順)

M19のように、基本土地カードの枠に他のドラフト可能なカードがある場合、基本土地・カードを取り除くことなくブースターに残され、ドラフトされることが明記されました。

そのため、M19は15枚でドラフトが行われます。

10.4 (組み合わせのアルゴリズム)

グランプリ・トライアルがこの項目の例外となることが明記されました。
グランプリ・トライアルは店舗開催ではなく、グランプリの併催イベントとして開催されています。
そのため、通常の組み合わせではなく、グランプリのファクトシートに従うようになります。

付録E (推奨される回戦数)

グランプリ・トライアル、およびプロツアー予選(PTQ)は、グランプリの併催イベントとして介されています。そのため、通常の回戦数ではなく、グランプリのファクトシートに従うようになります。

付録F (ルール適用度)

日付上は1日目ですが、1日目で2日目進出者の足切りが行われる場合、以降は「2日目」のルール適用度が採用されることが明記されました。

 例) 
 グランプリ1日目の1回戦から8回戦 :競技
 グランプリ1日目の足切り後の9回戦 ;プロ
 グランプリ2日目: プロ

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IPG 2018/04/27 版と 2018/07/13 版 の変更差分

1.1 (懲罰の定義)

【ゲームの敗北】は、ゲームが進行中である限り直ちに与えられ、それ以外の場合は特に規定がないかぎりそのプレイヤーの次のゲームに与えられるようになりました。
(以前は、次のゲームがすでに始まっていた場合、その次のゲームに対してゲームの敗北が与えられていましたが、今回の変更で現在進行中のゲームに対して与えられるようになりました。)

2.5 (ゲーム一般違反)

追加措置の部分的な修正/partial fix が認められるケースが1つ増えました。
「プレイヤーが自身のターン開始時にオブジェクトのアンタップを忘れ、まだそのターン内である場合、それらをアンタップする。」

3.1 (遅刻)

正当な理由により遅れることをプレイヤーがジャッジに求めただけで10分間の時間が与えられていました。今回の変更で、その要求がジャッジに認められることも含まれるようになりました。

#普通は、プレイヤーがそのような時間を求めれば、ジャッジはそれを認めるでしょう。

3.4 (リストの誤り)

デッキリストに関する誤りは、即座に与えられるようになっていました。が、例えばデッキリストの枚数を確認しているときに発見したとしても、そのデッキとの照合を即座に行って誤りを指摘することはできません。そのため、この項目は以下のように書き改められました。

「マッチ及びその通常の手順の外で発見されたデッキリストの誤り(例えばデッキリストの枚数を確認している間に発見された誤り)に対する懲罰は、ジャッジがそのデッキ自体が誤りであると強く確信している場合を除き、次のマッチの開始時に与えられる。」

3.5 (デッキの誤り)

例えばリストには《ショック》がメインに2枚、サイドに2枚と書かれていたのに、メインデッキに3枚の《ショック》があった場合、格上げになります。しかし、《ショック》3枚全てがライブラリーの無作為の部分にあった場合、そのプレイヤーはこの誤りによって不当に優位を得ていると判断することはできません。
今回の変更で、このような場合に格上げすることはなくなりました。

3.7 (意思疎通規定抵触行為/CPV)

共有情報の伝え間違いを始めとした意思疎通規定に違反している情報をもとに、「行動して」いたならば〔意思疎通規定抵触行為〕になっていました。ところが、思疎通規定に違反によってもたらされた情報で、「行動を起こさない」こともありえます。
今回の変更では、「明確に」行動を起こさなかった場合でも、ジャッジは〔意思疎通規定抵触行為〕であると判断できるようになりました。

#かなり判断としては難しいところですので、調査は慎重に。

3.8 (区別できるカード)

例示から、「他のカードと用意に区別できた」箔押しカードに関して、スリーブの使用の文言が消失しました。

また、区別できるカードを基本土地と入れ替える場合、《平地/Plains》《島/Island》《沼/Swamp》《山/Mountain》《森/Forest》のいずれかと替えるようになりました。(これまでは単に《荒地》でない基本土地という表現でした)
また、これを行った場合、デッキリストの変更となるため、懲罰は格上げされて【ゲームの敗北】となります。

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