『霊気紛争』リリースにおける、MTR、IPGの更新点です。

ジャッジ諸氏は下記の原文、および訳文も参照してください。
わからないところはForumに投げてみて下さい。他のジャッジが助けになるでしょう。
変更は突然ですが、人間は急に変われません。まずは啓蒙をしていきましょう。

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大本営 Toby Elliott のブログ記事(英文)
http://blogs.magicjudges.org/telliott/2017/01/16/policy-changes-for-aether-revolt/

MTR原文 http://wpn.wizards.com/sites/wpn/files/attachements/mtg_mtr_20jan17_en.pdf
IPG原文 http://wpn.wizards.com/sites/wpn/files/attachements/mtg_ipg_20jan17_en_0.pdf

MTRリリースノート(WofC公式)
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/magic-tournament-rules-release-notes-2017-01-16

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Tobyの記事の翻訳 by ナイスクリーム神 Aqira
http://jg0xol.diarynote.jp/201701171910513127/

MTR和訳(Mjmj.info内) http://mjmj.info/data/JPN_MTR_20170120.html
IPG和訳(Mjmj.info内) http://mjmj.info/data/JPN_IPG_20170120.html

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マジック・イベント規定 (MTR) 更新点
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*重要な更新: パイル・シャッフルに関する変更 (MTR3.9)

以前のMTR更新で、パイル・シャッフル(複数の山(パイル)に配り分けて行う切り混ぜ方)は、1回までとされました。この理由は以前から指摘されていたとおり、他のシャッフル方法に比べて時間がかかること、これ単体ではシャッフルとは認められないこと、そもそもこれは枚数を確認する方法(pile-counting)であること、などが挙げられます。

今回、パイル・シャッフルに関しては、以下のように変更がされました。


ディール・シャッフル(Pile Shuffle、俗に○山切りとも呼ばれる)は、それだけでは充分な無作為化とは認められず、カードを数える目的でゲームの開始時に1回行うことしか認められない。


つまり、適用範囲を広げたことになります。パイル・カウンティングが癖になっている人は、今のうちに改めましょう。もし、他のタイミングでパイル・カウンティングをしてしまっても、今のところ罰則規定はありません。ジャッジがそのような場面を見た際には、啓蒙を行いましょう。もちろん、その後に十分な切り直しを行うように促すのも大切です。

なお、ゲーム開始時ならば、シャッフルされた対戦相手のデッキを再度シャッフルする際に、パイル・カウンティングを1度行えます。(もちろん、これ単独ではシャッフルとは認められないので、他のシャッフル方法を組み合わせる必要があるでしょう。

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*重要な更新: ドラフトピックの時間に関する変更 (MTR 付録B)

ブースター・ドラフトの制限時間において、パックとパックの間にピックしたカードを確認できる時間が、変更されました。

 1パック目と2パック目の間 30秒 → 60秒
 2パック目と3パック目の間 45秒 → 90秒

主にルール適用度が競技で行われるリミテッド(PPTQなど)に関して、これらのルールが適用されます。

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*文書の更新日 (MTR はじめに)

先日、スタンダード及びモダンの禁止・制限カード変更告知が、日付を変更されて行われました。
これを受けて、MTR(及び禁止・制限カード改訂)の日付がMTR内に記載されるようになりました。
基本は「新エキスパンションのリリース週の月曜日」で、「プロツアーから5週間後」も追加されます。

ちなみに、次回告知日は 3月13日(月)です。その次は4月24日です。

今回の禁止改訂に関する情報はこちらへ。 http://mtg-jp.com/publicity/0018224/

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*IDの入力 (MTR 2.4)

主に主催店舗向けです。

同意による引き分け(ID)は、これまで0-0-3というスコアで入力されていましたが、大会に使用されるソフトウェア(WER)では、手動でこのスコアを入力するしかありませんでした。
今回、MTRで「WERの『0-0』ボタンによって報告」してもよいことが追記されました。


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*フィーチャー・マッチの時間延長 (MTR 2.6)

オンラインによるカバレッジ中継もお馴染みになりつつあります。フィーチャー席への移動を加味して、今回は以下のように変更がされました。


オンライン・カバレージが行われている大会でのフィーチャー・マッチは、プレイヤーがフィーチャー・エリアに集まるまでに要した時間に加えて3分の延長が与えられる。但し、フィーチャー・マッチの時間が別に管理されている場合はこの延長を適用する必要はない。


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*プレインズウォーカーへのダメージ呪文の手順省略 (MTR 4.2)

プレインズウォーカーを除去するために、本来はプレインズウォーカーに打てない呪文をプレイヤーに向けて打ち、そのダメージを移し替えることはよくあります。例えば、「《稲妻》を《ジェイス》に。」というのは、手順の省略です。

以前のMTRでは、この部分の表記が本来移し替えることができない自分のプレインズウォーカーにも適用できるようになっており、混乱を招く恐れがありました。

そのため、「対戦相手のプレインズウォーカーを対象とする~」という表記に改められました。

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*Masterpiece Seriesのリミテッドでの扱い (MTR 7.2)

リミテッドのイベントにおいて配布されたパックから出た、Masterpiece Series(Kaladesh Invensions)は、そのイベントにおいて、使用してもよいと明記されました。
これまでもそうでしたので、特に意識する必要はありません。

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マジック・イベント規定 (MTR) 更新点
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*重要な変更:サイドボードの戻し忘れに関する格下げ (IPG 3.5)

大会において、サイドボードを戻し忘れて1ゲーム目をやってしまった経験はありませんか? 無いなら、あなたはきちんとゲームを行っています。素晴らしいですね。
けれど、不幸にもそのようなプレイヤーは存在し、下される裁定は〔イベント上の誤り -- デッキ/リストの問題〕となり、基本的には【ゲームの敗北】となります。そう、いとも簡単にあなたはゲームを失う可能性があるのです。

これには格下げできる場合があります。まず、サイドボードがメインデッキに混ぜ込まれていても問題ない場合です。あなたは、ゲームの開始時に初手を見て、サイドボードのカードを発見します。おかしい。即座にジャッジを呼びましょう。この場合、以前からそうであったように、格下げされて【警告】となります。

今回の変更では、第1ゲーム中にサイドボードのカードが誤って入っていたことが判明した場合です。そのカードが対戦相手の目に触れる前に、ジャッジを自ら呼び、誤って入っていることを告げた場合、【警告】に格下げされます。(以前は問答無用で【ゲームの敗北】でした)そして、サイドボードのカードを全て除き、本来メインデッキに入っているカードをライブラリーに入れて切り直します。誤って入っていることがわかったサイドボードだったカードを、メインデッキのカードと入れ替えることはしません。

多少の例外があることに注意して下さい。サイドボードとメインデッキの両方に入っているカードであった場合……例えば、《ショック》がメインに2枚、サイドに2枚だったのに、なぜか3枚目の《ショック》を引いてしまった……といった場合、この格下げは為されません。なぜなら、既にあなたが見た1枚目、2枚目の《ショック》がゲームに影響を与えてしまっているからです。また、対戦相手により気付いてしまった場合(《強迫/Duress》などで判明した)や、デッキ・チェック時に判明した場合でも、やはり格下げは為されません。

兎にも角にも、マッチが終わった後、そして新しいマッチを始める前には、サイドボードのカード、そしてメインデッキのカードをよく確かめましょう。

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*重要な変更:過剰なカードを見た (IPG 2.2)

《ボーマットの急使》のように、裏向きに追放されたカードの束があるとします。それは本来見てはいけないものですが、何かしらのトラブルで見てしまった、という問題が起こっていました。このような場合、〔ゲーム上の誤り ─ 過剰なカードを見た〕という判断が下されていました。

今回の変更では、〔ゲーム上の誤り ─ 過剰なカードを見た〕は、デッキの中にあるカードに関してのみ、その裁定が下されるようになりました。《ボーマットの急使》のようなものに関しては、〔ゲーム上の誤り ─ その他一般のゲームルール抵触行為〕となります。

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*カード群 / set of cards (IPG 1.5)

よりジャッジ向けの話になります。
HCEの導入により、「カード群」という概念が導入されました。この概念はIPGにおける追加措置をとても上手く処理できるので、そこかしこに出てくるようになっています。

今回の変更で、「カード群」が1項目で定義されるようになりました。


1.5 カード群
この文書で定める違反のいくつかは、「カード群」を参照する。カード群とは、ゲームのルールや効果によって物理的に隔てられた集まりを指す。それは領域と対応することもあるが、領域の一部でしかないこともありうる。また、カードが1枚であってもカード群として扱われる。
 カードは次のカード群に入るまでの間そのカード群に属しているものとする。それらの「間」の状況は存在しない


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*重要な変更:HCEにおける追加措置 (IPG 2.3)

HCEが考え出された頃は、過ちを犯したプレイヤーが少なくとも得をしないような追加措置が取られていました。そのため、HCEの原因となった効果や指示を繰り返し行わない、という措置がとられていました。

さて、今回の変更では、「カード群」の導入により、誤ってカードが混入した範囲が決定できるようになったため、以前の考え方は不要であるという結論に行き着きました。
そのため、「HCEの原因となった効果や指示を繰り返し行わない」という記述が削除されました。

例えば、《森の占術》でカードを探し、公開せずに手札に加えた場合を考えましょう。
手札に加えられたカードが土地であるかどうかは、対戦相手からはわかりません。また、これは誤りの前後両方とも非公開のカード群に含まれています。(ライブラリーと手札)従って、これは〔ゲーム上の誤り ─ 非公開カードに関する誤り〕に該当します。

誤りがあるカード群はどこでしょう? 手札ですね。従ってプレイヤーはその手札を対戦相手に公開します。対戦相手は、その中で『誤って手札に入れたカード』を指摘します。それが土地であるなら、それは《森の占術》で探せるカードです。追加措置おしまい。土地でないなら? そのカードはそのカード群にあるべきカードでないので、前のカード群、つまりライブラリーへ移動します。その後、プレイヤーは、《森の占術》による効果で、ライブラリーからカードを探します。

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*ゲーム開始前にあるカードが相手のデッキに混入していた場合 (IPG 3.5)

新しいゲームを開始する前に、対戦相手のデッキに、自分のカードが入っていたことに気づきました。その場合、対戦相手からそのカードを受け取り、自分のデッキに入れて続行します。……通常なら。

厳密に言うと、互いに〔イベント上の誤り -- デッキ/リストの問題〕の誤りを犯しています。つまり、【ゲームの敗北】になるわけですね。しかし、これは望ましい事態ではありません。今回の変更では、このようなときに格下げを行うよう、文章が明確化されました。


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*区別できるカードの表現 (IPG 3.8)

デッキに入っているカードが、他のカードと区別がつく理由はいくらでもあります。今回の変更では、これまで具体的な表現が避けられてた「なにが理由で」区別がつくのかが、いくつか明記されました。

ただし、これは「区別できるカード」の原因を固定するわけではありません。これまでと同様、ジャッジによるデッキ・チェックにより、判断が委ねられます。

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*異なるスリーブのカードやトークン (IPG 3.5)

異なるスリーブに入っているカードや、トークンカード、またはチェックリストを用いている場合の真正の両面カードは、デッキが適正であるかどうかを判断する際には無視されます。

今回の変更では、これはメインデッキにのみ対応し、サイドボードではこの判断をしないことになりました。

プレイヤーの皆さんには、「メインデッキとサイドボード」と、「使用するそれ以外のトークンや表示用カード」は、分けておいていただくのが懸命です。


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そんなところで。

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