#ツイッター上でやっている質問箱、testing_box ( https://twitter.com/testing_box )
#に寄せられた質問を、定期的に開封して、質問の紹介と、ルールTipsを書くことにしました。
#月を上旬・中旬・下旬の3つに分けて、その期間中に質問されたものから
#10問くらいの質問をとりあげ、解説を書いていこうと思います。
#ルール啓蒙記事の一つとして、ご参考になれば幸いです。

期間:2016年4月11日~4月20日 
総質問数:136問

*複数の置換効果


自分が《黄金夜の刃、ギセラ》と《黄金夜の懲罰者》をコントロールしていた場合、自分が被るダメージの切り捨てと倍加は任意の順番で選んで良いのでしょうか。
ex.5点ダメージを
1.ギセラで2点→懲罰者で4点
2.懲罰者で10点→ギセラで5点


複数の置換・軽減効果がある場合、影響を受ける側が好きな順番で適用をします。(CR616.1)この場合、影響を受けるのは「あなた」なので、あなたが好きな順番で2つの効果を適用し、ダメージを計算します。

通常のAPNAP順とは異なり、「影響を受ける側」が、好きに適用順番を決めることに注意して下さい。

置換効果を適用した結果、適用するはずだった置換効果が、適用できなくなってしまうケースもあります。次の質問を見てみましょう。

質問があります。
対戦相手の戦場に"黄金夜の懲罰者”とプレインズウォーカー(以下PW)がいます。
"癇しゃく”を対戦相手を対象にプレイし、”黄金夜の懲罰者”の置換効果で2倍になった6点のダメージをPWに移し替えることは可能ですか。


《癇しゃく》のダメージに対して、以下の2つの置換効果が影響を及ぼします。

  1)《黄金夜の懲罰者》の「2倍になる」
  2)プレインズウォーカーへ移し替えることの許可

2)について、「この置換効果を1)より先に適用するかどうか」を決めるのは影響を受ける側、つまり対戦相手です。実際にこの置換効果を適用する際に、プレインズウォーカーにダメージを移し替えるかどうかは、ダメージを与える側、つまり、あなたとなります。

さて、影響を受ける側は対戦相手なので、1)2)の適用順番は. 対戦相手が選びます。(CR616.1)

1)から適用すると、2倍になって6ダメージになったあと、2)が適用されて、あなたに「プレインズウォーカーにダメージを移し替える」選択をする機会が巡ってきます。そこで移し替えることを選べば、プレインズウォーカーに6点を与えることができます。

一方、2)から適用した場合、まずプレインズウォーカーに移し替えるかどうかを選びます。移し替えることをえらんだ場合、それはもう「あなたに与えられる」ダメージではないので、《黄金夜の懲罰者》で倍にはなりません。従ってこの場合はプレインズウォーカーに3点が与えられます。

つまり、対戦相手がうまくやれば、対戦相手のプレインズウォーカーが6点のダメージを与えられることはありません。


*《アヴァシンの裁き/Avacyn’s Judgment》

X=5のマッドネスコストで支払われたアヴァシンの裁きを、以下の方法でコピーした場合、コピーは何点のダメージを割り振ることが可能ですか?
1)霊魂破でコピーした場合
2)紅蓮術師のゴーグルからの赤マナでコストを支払った場合


先に言っておきますが、1)も2)もコピーを作成するので、本質的な違いはありません。

呪文をコピーする際には、Xの値や対象など、行った選択がコピーされます。(CR706.10)従って、X=5の《アヴァシンの裁き》をコピーすると、そのコピーはX=5であり、同じように割り振られた5点ぶんのダメージを与えます。

この時、割り振り方も「選択」なので、コピー《アヴァシンの裁き》も、割り振り方は同じになります。例えば、「Aに3点、Bに2点」という割り振りであった場合、「3点、2点」の組み合わせは変更できません。

コピーの新しい対象を選んで良い、とある場合、コピーをスタックに乗せる際にその新しい対象を決めます。そうしないばあい、オリジナルと同じ対象になります。(CR706.10c)


*《光輝の炎/Radiant Flames》


収斂3の光輝の炎を紅蓮術師のゴーグルの赤マナを介してキャストした場合、コピーされる光輝の炎の収斂は3でしょうか?それとも0でしょうか?


先ほど説明したように、「支払い方」はコピーされます。が、コピーした場合、それに対してはマナを支払っていません。従って、この場合、コピー《光輝の炎》を解決しても、それに支払われた色マナが無いので、与えるダメージは0点となります。

*《ギトラグの怪物/The Gitrog Monster》

質問です。ギトラグの怪物をコントロールしている時、入念な研究を唱え、ドローを2枚とも発掘に置換しました。RT 2回の発掘で墓地に落ちたカードの中にはどちらにも土地が含まれており、入念な研究によって捨てたカードにも土地が含まれていました。ギラトグの怪物のドロー効果は何回誘発しますか。


《ギトラグの怪物》の誘発型能力は、2点ほど注意点があります。1つは、どの領域からでも墓地に土地が置かれたら誘発すること。2つには、同時に土地が何枚落ちても、誘発は1回だけ、ということです。

この質問のように、

 ・1回目の発掘に置き換えたことによって土地・カードが置かれた
 ・2回目の発掘に置き換えたことによって土地・カードが置かれた
 ・手札から土地・カードを捨てた

この3つは、それぞれが同時に起こったわけではありません。従って、《ギトラグの怪物》の能力は3回誘発します。

ギトラグの怪物をコントロールしていて、悪意の調合の起動型能力を起動し、手札から土地カードを捨て、ライブラリから土地カードが墓地に置かれました。このとき、ギトラグのカードを1枚引く誘発型能力は何回誘発しますか?


同様に、コストを支払う際においても、それらは同時に支払われるのではなく、(支払うのに十分なリソースがあるとして)、任意の順番で支払うことになります。

質問では、《悪意の調合》によって

 ・手札から土地・カードを捨てた
 ・ライブラリーから土地・カードが置かれた

ことが別々に起こっています。従って、《ギトラグの怪物》は2回誘発します。


*戦闘開始ステップに

ミシュラランドのクリーチャー化するタイミングについて
1、攻撃プレイヤーが戦闘開始ステップで優先権を放棄
2、防御側が青命令で攻撃プレイヤーのクリーチャーを全タップ
その後に攻撃プレイヤーがミシュラランドをクリーチャー化して攻撃できますか?


防御側プレイヤーの唱えた《謎めいた命令》を解決した時点で、優先権はアクティブ・プレイヤーが得ます。(CR116.3c)この時点では、まだ戦闘開始ステップなので、アクティブ・プレイヤーは(優先権をパスしないかぎり)何かをすることができます。

逆に、「戦闘入ります」という手順の省略に対し、防御側プレイヤーが「どうぞ、何もしません」と言うと、フェイズ/ステップは、戦闘開始ステップに移行します。こうなると、攻撃側は土地をクリーチャー化することができません。「いつ、クリーチャー化したか」というのははっきりさせておくべきでしょう。

*2つのマッドネス

自分の戦場にファルケンラスの過食者(SOI)がいる状況で手に負えない若輩(SOI)をマッドネスで唱える場合、2種類のコストを任意で選べますか?


選べますが、そのカードを追放領域に捨てる際に、どちらのマッドネス能力で追放したかを言う必要があります。そして、選んだ方のマッドネス能力が誘発します。(CR702.34a)

*DFCドラフト

事前に主催が不透明なスリーブに入れてGP2日目のドラフトのような事前にチェック済みのカードの束を用意し、両面カードを非公開の状態で公認ドラフトを行うことは可能でしょうか?


この質問があったのは2016年4月11日で、その10日ほど後に、プロツアー「イニストラードを覆う影」では、ドラフトを非透明スリーブに入れて行う、というアナウンスがありました。

ただ、あくまでプロRELにおいての話なので、これが一般的になるかどうかは不透明です。ですので、解答としては以下のようになります。

『ドラフト中のプレイヤーがテキストの確認のために両面カードの第2面を見る必要があることを考えると、不透明スリーブを使用することは奨励しません。一般RELかつプレイヤー全員の同意があって「例外である」ことを説明した上で、受け入れてもらう必要があるでしょう。』


*影響範囲(難)

影響範囲制限のある多人数戦でダークスティールの反応炉の蓄積カウンターが20個以上になりました。勝利条件を満たすので影響範囲内にいるプレイヤーは敗北します。これにより影響範囲に入るプレイヤーが変わりますがそのプレイヤーは連鎖的に敗北しますか?


最初に。多人数戦ではいろんなことが起こります。ええ、本当に。

影響範囲がいつ決定されるかがキーです。影響範囲内のプレイヤーがゲームから除外されても、即座に隣のプレイヤーが新しく影響範囲に入るのではなく、次のターンが開始されないと影響範囲が再決定されません。(CR801.2c)

さて、一度《ダークスティールの反応炉》の能力を解決しましょう。そのプレイヤーは勝利しますが、代わりに、影響範囲内のそのプレイヤー以外が敗北します。(CR801.14)

しかし、ゲームは続きます。《ダークスティールの反応炉》は、まだ誘発条件を満たしているので、再び《ダークスティールの反応炉》が誘発します。これを解決しても、まだ誘発条件を満たしているので、繰り返し誘発してしまいます。つまり、これは「ループ」になっています。
誰もこの誘発型能力誘発を止められない場合、そのプレイヤーは孤独に引き分けになります。(CR801.16)そして、まだ参加しているプレイヤーのターンに進みます。

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そんなところで。次回は 4月21日~4月30日。 掲載は5月初旬に。

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