#寒さ的にまた一つの山がきているようです。
#お出かけの際には寒さ対策を万全に。
というわけで、前回の回答。
問1
かたならし○×。
「今現在、ゲームに存在しないオブジェクトは、ダメージの発生源として選べない。」
○か×か?
×
中核となる文章を紹介する前に、具体的なカードを用いて例を示そう。
例)APが《ルーン爪の熊》で攻撃した。NAPはそれに対して《跳ね返す掌》を唱え、解決時に発生源として《ルーン爪の熊》を指定した。
さて、NAPの《跳ね返す掌》はすでにスタックに無いが、APも《跳ね返す掌》を手札に持っている。APは手札のそれでNAPの《跳ね返す掌》のダメージを軽減できるだろうか?
これは「できる」である。
効果によってプレイヤーがダメージの発生源を選ぶ場合、以下から選べる。
・パーマネント
・スタックにある呪文
・スタックにあるオブジェクト
・適用を待つ置換・軽減効果によって参照されるオブジェクト
・誘発を待つ遅延誘発型能力によって参照されるオブジェクト
(そのオブジェクトがすでにもとあった領域に存在しなくてもよい)
・統率領域にある表向きのカード
この場合は、適用を待っている軽減効果によって参照されるオブジェクト(=NAPの《跳ね返す掌》)をAPはダメージの発生源として選択することができる。
このオブジェクトは今現在、ゲームに存在しない。が、ダメージの発生源としては選択可能である。従って問題の答えは×。
問2(難)
Aは《魂剥ぎ/Soulflayer》を唱え、探査で墓地の《霧虚ろのグリフィン/Misthollow Griffin》を追放した。
その後、Aはこの《霧虚ろのグリフィン》を、追放領域から唱えて戦場に出した。
Aの《魂剥ぎ/Soulflayer》は飛行を持つか?
飛行を持つ。
要点は2つである。
・《魂剥ぎ/Soulflayer》の2つの能力は「関連している能力」ではない。
関連していないので、追放したカードが実際に追放領域に行かなくても、
また、追放したカードが後に別の領域に移動したとしても、それらを追いかけて参照することはない。
・《魂剥ぎ/Soulflayer》がどの能力を持つかは、探査で追放したカードを、追放領域で参照する。
従って、この《魂剥ぎ/Soulflayer》は飛行を持つ。
問3(難)
PとQが対戦している。
Pは《囁きの森の精霊/Whisperwood Elemental》によって、以下のカードを予示している。
・《帰化/Naturalize》
・《真髄の針/Pithing Needle》
・《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》
3-1)
Qが《鏡編み/Mirrorweave》を、自分のコントロールする《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を対象に唱え、それを解決した。
Pの予示されたオブジェクトのうち、表になれるのはどれか?
また、表にできる場合、支払うべきマナはどれだけか?
3-2)
Qが《鏡編み/Mirrorweave》を、自分のコントロールする《僧院の群れ/Monastery Flock》を対象に唱え、それを解決した。
Pの予示されたオブジェクトのうち、表になれるのはどれか?
また、表にできる場合、支払うべきマナはどれだけか?
予示されたオブジェクトを表にするには、そのカードがクリーチャー・カードであることを示す必要がある。つまり、いわゆるLayers--特性を変更する類の継続的効果--を考慮することなく、そのカード自体がクリーチャー・カードであるかどうか、またマナ・コストは何であるかを参照する。
3-1)
これら3つのオブジェクトの特性は第1種によってクリーチャーになっているが、先の説明により、そのカードの表側がクリーチャー・カードであるかどうかを見る。
従って、
・《帰化》→表にできない。
・《真髄の針》→表にできない。
・《引き裂かれし永劫、エムラクール》→{15}支払って表にできる。
3-2)
そのオブジェクトの表側が変異を持つ場合、変異というキーワード能力によってそのオブジェクトを表にできる。予示されたオブジェクトは裏向きの位相なので、その表が変異を持つなら、変異コストを支払って表にすることができる。
但し、インスタントやソーサリーは、どうやっても表にすることができない。
従って、
・《帰化》→{U}を支払って表になろうとするが、示したカードはインスタントなので、公開された後に裏向きのままになる。
・《真髄の針》→{U}を支払って表になれる。
・《引き裂かれし永劫、エムラクール》→{U}を支払って表になれる。
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そんなところで。
コメント
毎回クイズ楽しく解いています。
今回の解答で1点質問があります。
3-2の解答で真髄の針は表になれる、とありますが、これはできないのではないでしょうか?
変異コストを支払って表向きになったとすると、真髄の針の表面は変異コストを持たないため、 702.36dに反すると思います。
CR706.3の2番めの例も参照下さい。
変異としても予示としても表向きに出来るはずです。
なので、《引き裂かれし永劫、エムラクール》は(15)を支払うことも可能です。
一方で今回の場合、働いているコピー効果は《鏡編み》によるもので、"Each other creature"に適用されるため、表向きの《真髄の針》には適用されません。
そのため、変異能力の特別な処理によって表向きになろうとする際、コピー効果が終わるため変異コストを持つことを相手に示せないと思います。
702.36dには「そのパーマネントが表向きになった場合の変異コストが何であるかをすべてのプレイヤーに示し、」とありますが、「表向きになった場合」を考慮する際には、現在働いている継続的効果は考慮するが、未来で実際にどうなるかまでは考慮しない(=コピー効果が終わることは考慮しない)ということでしょうか。
はい、その通りです。
> 未来で実際にどうなるかまでは考慮しない(=コピー効果が終わることは考慮しない)ということでしょうか。
はい。その通りです。
それともコピー効果は611.2cの特性を変更する継続的効果には含まれないんですか?