Rule Tips

2013年9月11日 Tips コメント (3)

#しばらく更新していませんでしたが、記事になりそうでならないものが増えてきたので、
#ざらっと書き下してみます。時系列順でないので脈略なしですがご了承ください。

#なお、新カードについてのことが中心となるので、ここでの記載はREVERSALされることも
#予想されます。正確な回答が欲しい場合、FAQやCRが出るまで待つのじゃ。

*Bestow/授与で唱えて不適正になった場合


《洞窟のランパード》 {3}{B}
クリーチャー・エンチャント -- ニンフ
授与{5}{B}
威嚇
エンチャントされているクリーチャーは、+2/+2の修整を受けるとともに威嚇を持つ。
2/2


Bestow/授与はテーロスの中でもかなりCR的にやっかい--というより、無茶な挙動を示す。

公式記事のメカニズムや、R&D、ルール・マネージャーのツイートから判断すると、以下の様な挙動が正解であるらしい。つまり、

 i) 《洞窟のランパード》を通常通り{3}{B}で唱えた場合、この呪文はクリーチャーでありかつエンチャントである。(もちろん対象は取らない)
 ii) 《洞窟のランパード》を授与コスト{5}{B}で唱えた場合、この呪文はオーラ呪文 -- つまりエンチャント呪文 -- であって、対象を1つ取る。(クリーチャーではないので《否認/Negate》される)
 iii) 授与コストで唱え、その対象が解決前に不適正になった場合、この呪文は打ち消されず、クリーチャー・エンチャントとして戦場に出る。
 iv)《洞窟のランパード》をつけられているクリーチャーが戦場を離れた場合、《洞窟のランパード》は墓地に置かれるのではなく戦場にクリーチャー・エンチャントとして留まる。

ii)はカードタイプ自体を変える効果が働いている。つまり、CR601.2bに従って代替コスト(=授与コスト)を支払うことを決定したら、以降この呪文は「エンチャント -- オーラ」となって対象を一つ持つのだ。つまりこれによってCR601.2cの段階で対象を指定することになる。
つまりこれはカードタイプを変更する類の継続的効果であると推測できる。

iii)はとにかく奇妙な結果に思える。なぜなら、オーラ呪文は1つの対象を取るし、その対象が不適正ならば(ルールによって)打ち消されるはずだ。(CR608.2b)
また、オーラ呪文はその特性上、対象が適正であったとしても、エンチャント先としてつけることができなかった場合でも、やはり戦場には出ずに墓地に置かれる。(CR608.3)
 例:《怨恨/Rancor》を《上位の空民、エラヨウ/Erayo, Soratami Ascendant》を対象にして唱え、解決前に条件を達成してエラヨウが《エラヨウの本質/Erayo’s Essence》になった場合

これはどう解釈すればいいのだろうか?

置換効果をいっぱい散りばめたエレファントな処理よりも、エレガントに処理することを考えると、以下の2つの推測が成り立つ。

推測1)「この呪文はルールによって打ち消されない」

《金粉のドレイク/Gilded Drake》じみた文章ではあるが、「効果や呪文以外では打ち消されない」というフレーズはルールを上書きするには便利なフレーズである。
つまり、打ち消されなくしてしまえば、対象が無いからといって墓地には行かない。
しかし、解決の最終段階でこいつはまだオーラなので、エンチャント先として付けることができない場合はやっぱり墓地に置かれる。これは打ち消しではないので上記のフレーズでは無理だ。

推測2)期限付き継続的効果

継続的効果はしばしば期限付きで使われる。~であるかぎり、というのは定型句であるし、一時的にカードの様相を変えてしまう場合には有効な効果である。つまりこうだ。

『授与コストを支払う選択をした場合、「この呪文の解決時に対象が不適正である」か、「エンチャント先が不適正になる」まで、この呪文はエンチャント・オーラ呪文になる。』

期限付きであってその条件は
 (開始)授与コストを支払う選択をした 時点から、
 (終了1) 解決時に対象が不適正である
 (終了2) 付けられる先が不適正である
まで、このオブジェクトはエンチャント・オーラになるのだ。

この変更は上記のi)-iv)を全て満たす。 さて本当はどうなのだろうか。

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*信心が足りない


《鍛冶の神、パーフォロス》 {3}{R}
伝説のクリーチャー・エンチャント -- 神
破壊不能
あなたの赤への信心が5未満であるかぎり、鍛冶の神、パーフォロスはクリーチャーではない。
他のクリーチャーが1体あなたのコントロール下で戦場に出るたび、鍛冶の神、パーフォロスは各対戦相手にそれぞれ2点のダメージを与える。
{2}{R}:あなたがコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで+1/+0の修整を受ける。


テーロスの神々は対応する色への信心を数え、不足しているとクリーチャーとして顕現しない。

では、白への信心が3未満の時に、あなたが《太陽の神、ヘリオッド》({3}{W})を唱えて戦場に出すと、《鍛冶の神、パーフォロス》の能力は誘発するだろうか?


……これは誘発しない。
誘発条件を満たしているかどうかは、戦場に出た後、継続的効果を考慮してから判断する必要があるのだ。良い例として、《謙虚/Humility》を《テューンの戦僧/War Priest of Thune》で割ることができない、という事例がある。

つまり《太陽の神、ヘリオッド》はクリーチャーでもあって戦場に出るのだが、自身の継続的効果を適用した結果、クリーチャーではなくなり、結果として《鍛冶の神、パーフォロス》の誘発型能力の条件を満たさない。


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*幽霊議員と鞭


《Whip of Erebos》 {2}{B}{B}
Legendary Enchantment Artifact
Creatures you control have lifelink.
{2}{B}{B}, {T}: Return target creature card from your graveyard to the battlefield. It gains haste. Exile it at the beginning of the next end step. If it would leave the battlefield, exile it instead of putting it anywhere else. Activate this ability only any time you could cast a sorcery.


《Whip of Erebos》で《幽霊議員オブゼダート/Obzedat, Ghost Council》を墓地から引っ張りあげ、ターン終了時に《幽霊議員オブゼダート》の能力で自身を追放した場合に戻ってくるのかという問題。

これは既にあるルーリングで、正解は「戻ってくる」。

《幽霊議員オブゼダート/Obzedat, Ghost Council》の能力で自身は戦場から追放領域に移動する。しかし、《Whip of Erebos》によって戦場からどこかの領域に移動する場合、代わりに追放領域に移動する。
つまり、《幽霊議員オブゼダート》の能力で自身は戦場から追放領域に移動する。これは、《幽霊議員オブゼダート》の能力自体は何も変わっていない。従って、この能力は追放領域の《幽霊議員オブゼダート/Obzedat, Ghost Council》を追跡することができるので、次のあなたのターンに戻ってくる。

#同じ例として 《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》によってフラッシュバックを持った暗号持ちの呪文をクリーチャーに暗号化できるか? という問題がある。もちろんこれもできる。


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そんなところで。

コメント

Pallu
2013年9月11日22:06

>>鞭の部分

ここは疑問に思っていたところでした。ありがとうございます。

nophoto
通りすぎれ
2013年9月12日1:09

同じく鞭オブゼダートの部分納得しました。
ナイスでございます。
授与はもう…絵的に想像するとどうなってるやらね。
ルール的にはそういう物だ納得しろ!と言われてるように思えてならない。
頑張れウィザーズ…。

nophoto
ねこ
2013年9月12日13:10

いつもお世話になっております。
授与のオラクル全裸待機らしいですが、そもそも、授与コストで唱えた場合にクリーチャー呪文でなくなるというのは、どっから出た話なんでしょうね。それがわけ分からんことにしててあかんのやないかと思います。
ベストーを持つ呪文は、エンチャントでもあるクリーチャー呪文として唱えられ(つまり否認で打ち消せない)、授与コストでエンチャントタイプがオーラに変えられ、他のクリーチャーに着せるという選択肢もとれる、と理解していました。
その場合、場に出て対象不適正でクリーチャーになるというはなしも、筋がとおるように思いました(KOMAMI)。

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