M14 Update Bulletin ; CR changes
2013年7月17日 Ruling コメント (8) 追記:100.4aの解説を少し手直ししました。申し訳ありません。
新しいCRが発表されましたので、2013年07月11日CR更新分のざっくり訳をお届けします。
参照する項目のナンバリング振りなおしや細かい文法、言葉、記号の変更などは表記しません。
Update Bulletin(原文):
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/feature/255c&page=3
CR(英語)
http://www.wizards.com/magic/TCG/Resources.aspx?x=magic/rules
日本語版はたぶんそのうち出るのでお祈りするのじゃ。
------------------------
青文字は既存の変更、赤文字は新規項目です。
今回はM14ルールに関する改訂が主体になっています。
100.4a (サイドボードの枚数)
構築戦におけるサイドボードの枚数が「0または15」から、「15枚以下」になりました。
これにより、よりリミテッド戦に近い形のサイドボーディングを行うことができます。
ほとんどの場合はこれまでと変わらずに60枚+15枚のデッキを使い続けることになるでしょう。
また、競技REL以上では、2本目以降にサイドボードが15枚未満になっている場合、【ゲームの敗北】が与えられるようになっていました。が、この改訂によって15枚未満になっていても適正なので【ゲームの敗北】が与えられることもありません。
103.3 (開始時のライフの値)
各バリアントにおけるゲーム開始時のライフの値が "starting life total" に定義し直されました。ライフの値は変わりません。いくつかのカードにある、「ゲーム開始時のライフの総量」を見る場合に使われます。
→《勇気の道/Path of Bravery》
103.4 (開始時に引くカードの枚数)
各バリアントにおけるゲーム開始時に引くカードの枚数が "starting hand size" に定義し直されました。引く枚数は変わりません。ヴァンガード・バリアントの手札補正子はこの値と「手札の上限」を変更します。
103.4a (ヴァンガード使用時の手札開始枚数)
上記の変更が反映された形になります。ヴァンガード・バリアントの手札補正子は開始時に引く枚数を変更します。
109.3 (オブジェクトの特性)
エキスパンション・シンボルは特性ではなくなりました。
マジックにおいて、英語名が同じならばそれは同じカードであるとみなされます。それが別のエキスパンションで再録されたものや、プロモカードでの印刷、ないしは他言語での出版であっても同じことです。
しかし、《City in a Bottle》、《Golgothian Sylex》、《Apocalypse Chime》の3枚のカードはエキスパンション・シンボルを見ていたがために、英語名が同じカードであっても、別の挙動を示すようになっていました。
例えば、《砂漠/Desert》はアラビアンナイトに収録されているものと、他のもの(時のらせん版や、FNMプロモなど)があります。これらは同名なので、本来は同じカードの扱いを受けるべきですが、《City in a Bottle》ではアラビアンナイトの《砂漠/Desert》だけが墓地に置かれてしまいます。
今回の改訂で、エキスパンション・シンボルは特性ではなくなったため、これらの3枚のカードは、該当するエキスパンションに「当時に印刷されたカード名」を見るようになりました。
(→CR700.5)
112.11 (オブジェクトに与えられる特性、性質)
効果によって性質を与える際の事例に「破壊されない」がありましたが、これはキーワード能力になったため、例としてふさわしくなくなったので、削除されました。
115.2a (特別な行動)
土地をプレイするという特別な行動の表記が、「土地プレイ」を念頭にいれた表現に変わりました。
基本的に、プレイヤーは1ターンに1回だけこの特別な行動を行うことができます。
117.8c
待機能力で最後のカウンターを取り除いた時など、「可能なら/if able」呪文を唱えるような効果があります。
例えば、《災難の範囲/Disaster Radius》を可能なら唱えるように指示された場合、手札からクリーチャーカードを公開しなくてはいけません。しかし公開できるのかどうか(実際に手札にクリーチャーカードが無い)を調べるには、ジャッジを呼ぶなどの対応をしなくてはいけませんでした。
幸い、"fail to find"(=見つかりませんでした)という理念がありましたので、これに従います。
今後は、非公開領域の情報が必要な呪文を唱えることを強制されても、その呪文を唱えなくても良いことになりました。該当する領域にその必要とする情報のカードが有るかどうかは関係ありません。
201.4c (伝説のカードにおけるカード名の省略)
伝説のカードはそのカード名が長すぎて、テキスト内で省略されていることがあります。
(→《自由なる者ルーリク・サー/Ruric Thar, the Unbowed》など多数)
これまではまずテキスト中に最初に出てきたカード名に関しては全部を書き、2番目以降に参照される際には省略形が使用されていました。
今回の変更により、2番目以降でなく、最初から省略形の表現を使っていても、やはりカード名自身を指すようになりました。
#この変更でオラクルが変更されることではなく、これからのカードはこの形式で書かれるのかもしれませんね。
205.3j (プレインズウォーカーのサブタイプ)
「プレインズウォーカーの唯一性ルール」に関する表記がM14ルールに従うように改訂されました。
206.1, 206.3 (エキスパンション・シンボル)
CR109.3の変更に従い、エキスパンション・シンボルはゲーム中に何も意味を持たなくなりました。
また、エキスパンション・シンボルを参照するカードについては、オラクル・テキストが変更され、「当時に印刷されたカード/originally printed」の名前を参照するようになりました。(→CR700.5)
#銀枠世界にあるカードについてはCR内で言及していません。
210.1, 211.1 (手札補正子、ライフ補正子)
手札補正子、ライフ補正子はそれぞれ開始時のライフと手札に引く枚数を変更します。この部分の文章が明確化されました。
303.4h
《ちらつく形態/Flickerform》と《エンチャント複製/Copy Enchantment》の組合せなどで、
非オーラであるパーマネントを「(何かに)つけられている状態で戦場に戻す」ということができます。
このような場合は、その非オーラであるパーマネントは、どこにも付けられていない状態で戦場に戻るようになりました。
305.2, 305.3 (土地のプレイ)
305.2a, 305.2b
M14ルールにおける「土地プレイ」の変更が反映されています。
今現在のパーマネントと、それまでの効果を考慮して、
「このターンにおける土地プレイの可能な数」 と、
「このターンに土地のプレイという特別な行動を行った数」
を比べ、前者の数が後者を上回っていれば、あなたは土地のプレイができます。
306.4 (プレインズウォーカーの唯一性ルール)
M14ルールにおける「プレインズウォーカーの唯一性ルール」が反映されました。
505.5b (メイン・フェイズ)
メイン・フェイズでの土地のプレイに関して、M14ルールにおける土地プレイの概念が導入されました。
607.3
《ストリオン共鳴体/Strionic Resonator》によって、関連している能力が単一なのに、複数の「追放されたカード」を参照できるようになりました。《映し身人形/Duplicant》については、オラクル・テキストを変更したことによって、複数のP/Tを持つような事態は避ける事ができました。
が、他の刻印カードについてはオラクルを逐次変更することはできません。
今回の変更では、
「その追放されたカード/the exiled card」あるいは
「[このオブジェクト]によって追放されたカード/a card exiled with [このオブジェクト]」
といった表現によって関連付けられている能力によって、複数のカードが追放されている場合、能力は追放されている全てのカードを参照するようになりました。
追放されたカードの特性や点数で見たマナ・コストのような情報が必要な場合、それは複数の答を得ます。参照するべき値が変数の場合、それは得られた値の合計を答えとして得ます。そして、追放されたカードに関して行われる指示は、追放されたそれら全てのカードに対して行われます。
例を出しましょう。
《精鋭秘儀術師/Elite Arcanist》が戦場に出た際の能力を《ストリオン共鳴体/Strionic Resonator》でコピーし、結果として《灼熱の槍/Searing Spear》と《好機/Opportunity》が追放されたとします。
《精鋭秘儀術師/Elite Arcanist》の2番めの能力を起動する際に、Xの値として追放されたカードの点数で見たマナ・コスト--{2}と{6}--が得られ、変数なのでその和である8がXの値になります。
起動型能力の解決時に、あなたは《灼熱の槍/Searing Spear》と《好機/Opportunity》のコピーを両方唱える、もしくは片方のみ唱える、もしくはいずれも唱えない、のどれかを行います。
#テキストが単数形で書いていようがいまいが、関連する能力は追放された複数のオブジェクトを参照できるようになりました。
610.3, 610.3a, 610.3b
この項目はある単発的効果が、特定のイベントが起こるまで(until)オブジェクトを別の領域に移動させる場合を述べています。
M14で導入された《放逐する僧侶/Banisher Priest》、《壮大な鯨/Colossal Whale》のテンプレートに見られるような効果を指しています。
持続する間があるので、継続的効果と捉えがちですが、上記2枚の効果はいずれも単一の誘発型能力に内包された2つの単発的効果です。
1番目の単発的効果は、特定のイベントが起こるまで(until)オブジェクトを別の領域に移動させます。
特定のイベントが起こると、2番めの単発的効果によって先ほどのオブジェクトが元の領域に戻ります。
これまでに見られた《忘却の輪/Oblivion Ring》などの決定的な違いは、オブジェクトが元の領域に戻ってくるのにスタックを必要とせず、単発的効果で戻ってくることです。
なお、この変更によって古いカード(《忘却の輪/Oblivion Ring》など)のテキストは変わりません。
700.4
「破壊されない」が「破壊不能/indestructible」というキーワードになったのでこの項目は消滅しました。
700.5
"unblockable" という表現は使用されなくなりました。全て "can’t be blocked" に統一されました。この項目は消滅しました。
#日本語の表現には関係ありません。
700.5
エキスパンション・シンボルが特性でなくなったことにより、3枚のカード
《City in a Bottle》、《Golgothian Sylex》、《Apocalypse Chime》
は、「当時に印刷されたカード/originally printed」のカード名を参照するようになりました。
700.5aからはそれらのカード名が列挙されています。
#なお、《山/Mountain》は《City in a Bottle》のカード名として挙げられていません。
702.12
破壊不能/indestructible がキーワード能力になりました。
#そしてすげえ数のキーワード能力の番号がずれて、参照する項番も変更されました。
702.50 (召集)
召集/Convoke を適用するのは呪文を唱える手順中で言うと601.2bの時点であり、コストを変化することができる効果になっていました。これにより、クリーチャーを多めにタップすること--「過払い」--ができるようになっていました。
今回の変更により、召集を適用するのはコストを支払う際(601.2g)になりました。
マナ能力のプレイ(601.2f)よりも後になるため、「タップして起動するマナ能力を使いつつ招集でタップする」ことはできません。
702.65 (探査)
招集と同じく、探査/Delveも「過払い」ができるようになっていました。
これが修整され、探査によって墓地のカードを追放するのは、コストの支払い時になりました。
704.5j (状況起因処理--プレインズウォーカーの唯一性ルール)
M14ルールにおける「プレインズウォーカーの唯一性ルール」の変更が反映されました。
704.5k (状況起因処理--レジェンド・ルール)
M14ルールにおける「レジェンド・ルール」の変更が反映されました。
704.5m (状況起因処理--ワールド・ルール)
ワールド・ルールの文章が明確化されました。
特殊タイプ「ワールド」を持つパーマネントが複数ある場合、それが戦場に出ていた期間が最も短いもの1つを除き、全てが墓地に置かれます。もし最も短いものが複数ある場合、それら全てが墓地に置かれます。
801.12, 801.14
「影響範囲限定」ルール下においてのレジェンド・ルール、ならびにプレインズウォーカーの唯一性ルールが記載されていましたが、M14ルールの変更によりこの項目は消滅しました。
----
そんなところで。
新しいCRが発表されましたので、2013年07月11日CR更新分のざっくり訳をお届けします。
参照する項目のナンバリング振りなおしや細かい文法、言葉、記号の変更などは表記しません。
Update Bulletin(原文):
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/feature/255c&page=3
CR(英語)
http://www.wizards.com/magic/TCG/Resources.aspx?x=magic/rules
日本語版はたぶんそのうち出るのでお祈りするのじゃ。
------------------------
青文字は既存の変更、赤文字は新規項目です。
今回はM14ルールに関する改訂が主体になっています。
100.4a (サイドボードの枚数)
構築戦におけるサイドボードの枚数が「0または15」から、「15枚以下」になりました。
これにより、よりリミテッド戦に近い形のサイドボーディングを行うことができます。
ほとんどの場合はこれまでと変わらずに60枚+15枚のデッキを使い続けることになるでしょう。
また、競技REL以上では、2本目以降にサイドボードが15枚未満になっている場合、【ゲームの敗北】が与えられるようになっていました。が、この改訂によって15枚未満になっていても適正なので【ゲームの敗北】が与えられることもありません。
103.3 (開始時のライフの値)
各バリアントにおけるゲーム開始時のライフの値が "starting life total" に定義し直されました。ライフの値は変わりません。いくつかのカードにある、「ゲーム開始時のライフの総量」を見る場合に使われます。
→《勇気の道/Path of Bravery》
103.4 (開始時に引くカードの枚数)
各バリアントにおけるゲーム開始時に引くカードの枚数が "starting hand size" に定義し直されました。引く枚数は変わりません。ヴァンガード・バリアントの手札補正子はこの値と「手札の上限」を変更します。
103.4a (ヴァンガード使用時の手札開始枚数)
上記の変更が反映された形になります。ヴァンガード・バリアントの手札補正子は開始時に引く枚数を変更します。
109.3 (オブジェクトの特性)
エキスパンション・シンボルは特性ではなくなりました。
マジックにおいて、英語名が同じならばそれは同じカードであるとみなされます。それが別のエキスパンションで再録されたものや、プロモカードでの印刷、ないしは他言語での出版であっても同じことです。
しかし、《City in a Bottle》、《Golgothian Sylex》、《Apocalypse Chime》の3枚のカードはエキスパンション・シンボルを見ていたがために、英語名が同じカードであっても、別の挙動を示すようになっていました。
例えば、《砂漠/Desert》はアラビアンナイトに収録されているものと、他のもの(時のらせん版や、FNMプロモなど)があります。これらは同名なので、本来は同じカードの扱いを受けるべきですが、《City in a Bottle》ではアラビアンナイトの《砂漠/Desert》だけが墓地に置かれてしまいます。
今回の改訂で、エキスパンション・シンボルは特性ではなくなったため、これらの3枚のカードは、該当するエキスパンションに「当時に印刷されたカード名」を見るようになりました。
(→CR700.5)
112.11 (オブジェクトに与えられる特性、性質)
効果によって性質を与える際の事例に「破壊されない」がありましたが、これはキーワード能力になったため、例としてふさわしくなくなったので、削除されました。
115.2a (特別な行動)
土地をプレイするという特別な行動の表記が、「土地プレイ」を念頭にいれた表現に変わりました。
基本的に、プレイヤーは1ターンに1回だけこの特別な行動を行うことができます。
117.8c
待機能力で最後のカウンターを取り除いた時など、「可能なら/if able」呪文を唱えるような効果があります。
例えば、《災難の範囲/Disaster Radius》を可能なら唱えるように指示された場合、手札からクリーチャーカードを公開しなくてはいけません。しかし公開できるのかどうか(実際に手札にクリーチャーカードが無い)を調べるには、ジャッジを呼ぶなどの対応をしなくてはいけませんでした。
幸い、"fail to find"(=見つかりませんでした)という理念がありましたので、これに従います。
今後は、非公開領域の情報が必要な呪文を唱えることを強制されても、その呪文を唱えなくても良いことになりました。該当する領域にその必要とする情報のカードが有るかどうかは関係ありません。
201.4c (伝説のカードにおけるカード名の省略)
伝説のカードはそのカード名が長すぎて、テキスト内で省略されていることがあります。
(→《自由なる者ルーリク・サー/Ruric Thar, the Unbowed》など多数)
これまではまずテキスト中に最初に出てきたカード名に関しては全部を書き、2番目以降に参照される際には省略形が使用されていました。
今回の変更により、2番目以降でなく、最初から省略形の表現を使っていても、やはりカード名自身を指すようになりました。
#この変更でオラクルが変更されることではなく、これからのカードはこの形式で書かれるのかもしれませんね。
205.3j (プレインズウォーカーのサブタイプ)
「プレインズウォーカーの唯一性ルール」に関する表記がM14ルールに従うように改訂されました。
206.1, 206.3 (エキスパンション・シンボル)
CR109.3の変更に従い、エキスパンション・シンボルはゲーム中に何も意味を持たなくなりました。
また、エキスパンション・シンボルを参照するカードについては、オラクル・テキストが変更され、「当時に印刷されたカード/originally printed」の名前を参照するようになりました。(→CR700.5)
#銀枠世界にあるカードについてはCR内で言及していません。
210.1, 211.1 (手札補正子、ライフ補正子)
手札補正子、ライフ補正子はそれぞれ開始時のライフと手札に引く枚数を変更します。この部分の文章が明確化されました。
303.4h
《ちらつく形態/Flickerform》と《エンチャント複製/Copy Enchantment》の組合せなどで、
非オーラであるパーマネントを「(何かに)つけられている状態で戦場に戻す」ということができます。
このような場合は、その非オーラであるパーマネントは、どこにも付けられていない状態で戦場に戻るようになりました。
305.2, 305.3 (土地のプレイ)
305.2a, 305.2b
M14ルールにおける「土地プレイ」の変更が反映されています。
今現在のパーマネントと、それまでの効果を考慮して、
「このターンにおける土地プレイの可能な数」 と、
「このターンに土地のプレイという特別な行動を行った数」
を比べ、前者の数が後者を上回っていれば、あなたは土地のプレイができます。
306.4 (プレインズウォーカーの唯一性ルール)
M14ルールにおける「プレインズウォーカーの唯一性ルール」が反映されました。
505.5b (メイン・フェイズ)
メイン・フェイズでの土地のプレイに関して、M14ルールにおける土地プレイの概念が導入されました。
607.3
《ストリオン共鳴体/Strionic Resonator》によって、関連している能力が単一なのに、複数の「追放されたカード」を参照できるようになりました。《映し身人形/Duplicant》については、オラクル・テキストを変更したことによって、複数のP/Tを持つような事態は避ける事ができました。
が、他の刻印カードについてはオラクルを逐次変更することはできません。
今回の変更では、
「その追放されたカード/the exiled card」あるいは
「[このオブジェクト]によって追放されたカード/a card exiled with [このオブジェクト]」
といった表現によって関連付けられている能力によって、複数のカードが追放されている場合、能力は追放されている全てのカードを参照するようになりました。
追放されたカードの特性や点数で見たマナ・コストのような情報が必要な場合、それは複数の答を得ます。参照するべき値が変数の場合、それは得られた値の合計を答えとして得ます。そして、追放されたカードに関して行われる指示は、追放されたそれら全てのカードに対して行われます。
例を出しましょう。
《精鋭秘儀術師/Elite Arcanist》が戦場に出た際の能力を《ストリオン共鳴体/Strionic Resonator》でコピーし、結果として《灼熱の槍/Searing Spear》と《好機/Opportunity》が追放されたとします。
《精鋭秘儀術師/Elite Arcanist》の2番めの能力を起動する際に、Xの値として追放されたカードの点数で見たマナ・コスト--{2}と{6}--が得られ、変数なのでその和である8がXの値になります。
起動型能力の解決時に、あなたは《灼熱の槍/Searing Spear》と《好機/Opportunity》のコピーを両方唱える、もしくは片方のみ唱える、もしくはいずれも唱えない、のどれかを行います。
#テキストが単数形で書いていようがいまいが、関連する能力は追放された複数のオブジェクトを参照できるようになりました。
610.3, 610.3a, 610.3b
この項目はある単発的効果が、特定のイベントが起こるまで(until)オブジェクトを別の領域に移動させる場合を述べています。
M14で導入された《放逐する僧侶/Banisher Priest》、《壮大な鯨/Colossal Whale》のテンプレートに見られるような効果を指しています。
持続する間があるので、継続的効果と捉えがちですが、上記2枚の効果はいずれも単一の誘発型能力に内包された2つの単発的効果です。
1番目の単発的効果は、特定のイベントが起こるまで(until)オブジェクトを別の領域に移動させます。
特定のイベントが起こると、2番めの単発的効果によって先ほどのオブジェクトが元の領域に戻ります。
これまでに見られた《忘却の輪/Oblivion Ring》などの決定的な違いは、オブジェクトが元の領域に戻ってくるのにスタックを必要とせず、単発的効果で戻ってくることです。
なお、この変更によって古いカード(《忘却の輪/Oblivion Ring》など)のテキストは変わりません。
700.4
「破壊されない」が「破壊不能/indestructible」というキーワードになったのでこの項目は消滅しました。
700.5
"unblockable" という表現は使用されなくなりました。全て "can’t be blocked" に統一されました。この項目は消滅しました。
#日本語の表現には関係ありません。
700.5
エキスパンション・シンボルが特性でなくなったことにより、3枚のカード
《City in a Bottle》、《Golgothian Sylex》、《Apocalypse Chime》
は、「当時に印刷されたカード/originally printed」のカード名を参照するようになりました。
700.5aからはそれらのカード名が列挙されています。
#なお、《山/Mountain》は《City in a Bottle》のカード名として挙げられていません。
702.12
破壊不能/indestructible がキーワード能力になりました。
#そしてすげえ数のキーワード能力の番号がずれて、参照する項番も変更されました。
702.50 (召集)
召集/Convoke を適用するのは呪文を唱える手順中で言うと601.2bの時点であり、コストを変化することができる効果になっていました。これにより、クリーチャーを多めにタップすること--「過払い」--ができるようになっていました。
今回の変更により、召集を適用するのはコストを支払う際(601.2g)になりました。
マナ能力のプレイ(601.2f)よりも後になるため、「タップして起動するマナ能力を使いつつ招集でタップする」ことはできません。
702.65 (探査)
招集と同じく、探査/Delveも「過払い」ができるようになっていました。
これが修整され、探査によって墓地のカードを追放するのは、コストの支払い時になりました。
704.5j (状況起因処理--プレインズウォーカーの唯一性ルール)
M14ルールにおける「プレインズウォーカーの唯一性ルール」の変更が反映されました。
704.5k (状況起因処理--レジェンド・ルール)
M14ルールにおける「レジェンド・ルール」の変更が反映されました。
704.5m (状況起因処理--ワールド・ルール)
ワールド・ルールの文章が明確化されました。
特殊タイプ「ワールド」を持つパーマネントが複数ある場合、それが戦場に出ていた期間が最も短いもの1つを除き、全てが墓地に置かれます。もし最も短いものが複数ある場合、それら全てが墓地に置かれます。
801.12, 801.14
「影響範囲限定」ルール下においてのレジェンド・ルール、ならびにプレインズウォーカーの唯一性ルールが記載されていましたが、M14ルールの変更によりこの項目は消滅しました。
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そんなところで。
コメント
少し疑問がありましてコメントさせていただきます。
また、たまにある「サイドボードの戻し忘れによる【ゲームの敗北】」を受けることがほぼなくなります。
とありますが、どういうシチュエーションの場合の話なのでしょうか。
メイン60枚+15枚で構築し、うち3枚ずつ交換した状態で次のマッチに臨んだ場合はゲームロスになるのでしょうか?
2本目に61枚メイン14枚サイドの状態になっていると、
「サイドボードが15枚か0枚」の規定に外れているので、【ゲームの敗北】が与えられるようになっていました。
これが、M14ルールでは、61枚メイン14枚サイドの状態でもOKになった、という意味です。
なので、
> メイン60枚+15枚で構築し、うち3枚ずつ交換した状態で次のマッチに臨んだ場合はゲームロスになるのでしょうか?
これはゲームロスになりません。
あくまで「ゲームを開始する段階でメインは60枚以上、サイドは15枚以下」を満たしているかどうかが問題になります。
通りすがりの認定ジャッジさんのおっしゃるように、メインがイリーガルであるのに何の罰則を受けないのは疑問に思いますが、本当にゲームロスを受けないのでしょうか?僕自身うっかりメインを戻し忘れる事があるので、気になる点ではありますw
マッチ間でメインとサイドボードのカードを入れ替えたまま、マッチを開始した(=1本目を開始)した場合、それは提出したデッキリストの通りになっていないので、【ゲームの敗北】となります。
2本目でサイドボードが15枚未満になっている場合を想定していたため、このような回答になりました。訂正します。
《等時の王笏》のEtB能力をコピーした場合、2枚のカードを追放できますよね?
この場合、《等時の王笏》の起動型能力を起動した場合、追放されているカードの0枚あるいは1枚あるいは2枚を選んでコピーするという解釈で正しいでしょうか?
はい。その通りです。