Answer: Friday Magic Quiz. [13-07A]
2013年6月19日 FMQ#テーマ決めて書くのは楽ではある。
それでは、前回の回答。
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問1
かたならし○×。
「攻撃クリーチャー指定において、攻撃を強制(requirements)されている場合、制限(restrictions)を無視して攻撃クリーチャーとして指定するのは適正である。」
○か×か?
×
攻撃やブロックを行う際に、何らかの強制や制限が課せられる場合がある。
これらはCR508.1やCR509.1に書かれているが、ここで強制と制限についてまとめておこう。
制限(restrictions):~攻撃/ブロックできない (can’t)
強制(requirements):可能ならば攻撃/ブロックする。 (must)
これと、マジックの黄金率--「できる」と「できない」ではできないが優先される--ことから、
攻撃/ブロックを強制されていても、それの制限が優先される、ということになる。
わかり易い例を挙げると、防衛持ちのクリーチャーに対して《やじる悪鬼》の能力を起動しても、制限を越えて攻撃することはできない。
問2
それではプレイヤーAとBにご登場願おう。Aは大抵の場合アクティブ・プレイヤーで、Bは非アクティブ・プレイヤーである。両者ともにモダンマスターズを手に入れ損なって目が虚ろになっているが、ルールを説明するのに問題はない。早速ゲームをしてもらおう。
2-1)
まずは簡単なところから。
Aは《無謀な粗暴者/Reckless Brute》をコントロールしている。
Bは《安全の領域/Sphere of Safety》をコントロールしている。
A「攻撃クリーチャー宣言ステップに、誰も攻撃しないよ。」
この選択は適正か?
以下は問題ごとに別々の状況である。例えば、2-2)では、Bは《安全の領域》をコントロールしていないし、Aは《無謀な粗暴者》を別にコントロールしているわけではない。
2-2)
Aは《はた迷惑なゴブリン》と《モグの下働き/Mogg Flunkies》をコントロールしている。
以下のうち、Aが宣言できる攻撃クリーチャーの組合せとして適正なものはどれか?(複数回答可)
a) 2体とも攻撃する。
b) 《はた迷惑なゴブリン》のみ攻撃する。
c) 《モグの下働き》のみ攻撃する。
d) 誰も攻撃しない。
2-3)
Aは《噛み傷への興奮/Furor of the Bitten》が付けられた《モグの下働き》と、《ルーン爪の熊》をコントロールしている。
Aが適正に宣言できる攻撃クリーチャーの組合せを全て答えよ。
2-1)
Aの宣言は適正。(コストを支払ってまで攻撃する必要はない)
攻撃/ブロックについては、以下の3つに挙げる原則がある。
・攻撃やブロックを行うのにコストを支払う必要がある場合、そのコストを支払ってまで攻撃またはブロックをする必要はない。(CR508.1dなど)
(→《安全の領域》)
・上の規則に反しない限り、制限(restrictions)を全て満たさなくてはいけない。
(→《残虐の達人》)
・上2つの規則に反しない限り、強制(requirements)を可能な限り多く満たさなくてはいけない。
→(《無謀な粗暴者》、《華麗なる工作員/Courtly Provocateur》)
2-2)
a)
複数の制限/強制が関わる場合での判断は、以下の順で行う。
1)全ての攻撃(またはブロック)宣言の組合せを挙げる。
2)それぞれの宣言について、制限(restrictions)に違反しているかどうかをチェックする。制限に違反している宣言は不適正であるので破棄する。
3)残っている宣言について、何個の強制(requirements)に違反しているかどうかを数える。
4)「強制に違反している数」を比べる。もっとも少ない宣言が適正である。
a) 2体とも攻撃する。制限違反:0 / 強制違反:0
b) 《はた迷惑なゴブリン》のみ攻撃する。制限違反:0 / 強制違反:1
・《モグの下働き》には「可能ならば攻撃する」強制があるが、この宣言では攻撃していないので強制に違反している。
c) 《モグの下働き》のみ攻撃する。制限違反:1 / 強制違反:1
・《モグの下働き》は「単独では攻撃できない」制限があるが、この宣言では単独で攻撃しているので制限に違反している。
・《はた迷惑なゴブリン》には「可能ならば攻撃する」強制があるが、この宣言では攻撃していないので強制に違反している。
d) 誰も攻撃しない。制限違反:0 / 強制違反:2
・《モグの下働き》と《はた迷惑なゴブリン》には「可能ならば攻撃する」強制があるが、この宣言では攻撃していないので強制に違反している。
従って、制限違反をせず、強制違反が最も少なくなる宣言は、a)である。
2-3)
上と同様に考えよう。
a) 2体とも攻撃する。制限違反:0 / 強制違反:0
b) 《ルーン爪の熊》のみ攻撃する。制限違反:0 / 強制違反:1
c) 《モグの下働き》のみ攻撃する。制限違反:1 / 強制違反:0
d) 誰も攻撃しない。制限違反:0 / 強制違反:1
従って、制限違反をせず、強制違反が最も少なくなる宣言は、a)である。
問3
さて、それではやっかいな《残虐の達人/Master of Cruelties》にご登場願おう。
彼はご存知の通り、「単独でしか攻撃できない。」これに留意すること。
3-1)
Aは《残虐の達人》と《無謀な粗暴者》をコントロールしている。
Aが適正に宣言できる攻撃クリーチャーの組合せを全て答えよ。
3-2)
Aは《残虐の達人》と《はた迷惑なゴブリン》をコントロールしている。
Aが適正に宣言できる攻撃クリーチャーの組合せを全て答えよ。
3-3)
Aは《残虐の達人》と《はた迷惑なゴブリン》と《モグの下働き》をコントロールしている。
Aが適正に宣言できる攻撃クリーチャーの組合せを全て答えよ。
3-1)
問2-2、2-3と同様に考えよう。
a) 2体とも攻撃する。制限違反:1 / 強制違反:0
b) 《残虐の達人》のみ攻撃する。制限違反:0 / 強制違反:1
c) 《無謀な粗暴者》のみ攻撃する。制限違反:0 / 強制違反:0
d) 誰も攻撃しない。制限違反:0 / 強制違反:1
従って、制限違反をせず、強制違反が最も少なくなる宣言は、c)である。
3-2)
これも同様に考えよう。
a) 2体とも攻撃する。制限違反:1 / 強制違反:0
b) 《残虐の達人》のみ攻撃する。制限違反:0 / 強制違反:1
c) 《はた迷惑なゴブリン》のみ攻撃する。制限違反:0 / 強制違反:1
d) 誰も攻撃しない。制限違反:0 / 強制違反:2
従って、制限違反をせず、強制違反が最も少なくなる宣言は、b)またはc)である。
3-3)
今までと同様に考える。宣言できる組合せは8通りあるので、全て列挙し制限違反と強制違反の数をかぞえる。
a) 全員攻撃する。制限違反:1 / 強制違反:0
b) 《残虐の達人》と《モグの下働き》で攻撃。制限違反:1 / 強制違反:1
c) 《残虐の達人》と《はた迷惑なゴブリン》で攻撃。制限違反:1 / 強制違反:1
d) 《モグの下働き》と《はた迷惑なゴブリン》で攻撃。制限違反:0 / 強制違反:1
e) 《残虐の達人》のみで攻撃。制限違反:0 / 強制違反:2
f) 《モグの下働き》のみで攻撃。制限違反:1 / 強制違反:2
g) 《はた迷惑なゴブリン》のみで攻撃。制限違反:0 / 強制違反:2
h) 誰も攻撃しない。制限違反:0 / 強制違反:3
従って、制限違反をせず、強制違反が最も少なくなる宣言は、d)である。
つまり、「《モグの下働き》と《はた迷惑なゴブリン》の2体で攻撃」のみが適正。
問4(難)
おっそろしくややこしい事象を紹介しよう。
Aは以下のクリーチャーをコントロールしている。
・《ゴルガリのおとり》
・《寄せ餌/Lure》がついている《嘲るエルフ/Taunting Elf》
・《巨大戦車/Juggernaut》
Bは以下のクリーチャーをコントロールしている。
・《木の壁/Wall of Wood》(ただの壁)
・《輝きの壁/Wall of Glare》(何体でもブロックできる壁)
Aが全てのクリーチャーで攻撃した。
適正なBのブロック・クリーチャー宣言は何通りあるか?
これまでと同様、全てのブロック・クリーチャー宣言の組合せを挙げ、それらの制限違反・強制違反の数を数えればよい。
幸い、《巨大戦車》を、Bのクリーチャーのいずれかでブロックするという宣言は全て「壁にブロックされない」という制限に違反している。従って、「《巨大戦車》をブロックする」という宣言は考えなくて良い。
これ以外の制限はまったくないので、あとは強制違反をどれだけ少なくするかどうかが鍵になる。
《木の壁/Wall of Wood》については
a1)《ゴルガリのおとり》をブロックする。
a2)《嘲るエルフ/Taunting Elf》をブロックする。
という選択がある。
《輝きの壁/Wall of Glare》については
b1)《ゴルガリのおとり》をブロックする。
b2)《嘲るエルフ/Taunting Elf》をブロックする。
b3) 両方ブロックする。
という選択がある。
《嘲るエルフ》には《寄せ餌》がついていることに留意すると、
a1+b1) 強制違反:4
a1+b2) 強制違反:3
a1+b3) 強制違反:2
a2+b1) 強制違反:3
a2+b2) 強制違反:2
a2+b3) 強制違反:1
となるので、適正なBの宣言は、
「《木の壁》で《嘲るエルフ》をブロック、《輝きの壁》で《ゴルガリのおとり》と《嘲るエルフ》の2体をブロック。」
という1通りのみ。
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そんなところで。
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