RTR Update Bulletin ; CR changes
2012年10月16日 Ruling#本日22時すぎくらいからニコ生を行います。
#お題はエタフェスであったことや、エタフェスの上位32名デッキの分析、
#RTRのカードの使われ方、など。
新しいCRが発表されましたので、2012年10月1日CR更新分のざっくり訳をお届けします。
参照する項目のナンバリング振りなおしや細かい文法、言葉、記号の変更などは表記しません。
Update Bulletin(原文):
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/feature/214b&page=3
CR(英語)
http://www.wizards.com/magic/TCG/Resources.aspx?x=magic/rules
日本語版もあるでよ。
http://mjmj.info/data/
なお、以下の説明の一部に、JFKさんのUpdate Bulletinオラクル部分の訳へのリンクを使わさせて頂いております。
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青文字は既存の変更、赤文字は新規項目です。
・ 205.2a (カード・タイプ)
カード・タイプに「現象/Phenomenon」が追加されました。
・ 205.3i (土地タイプ)
土地タイプに「門/Gate」が追加されました。
・ 205.3j (プレインズウォーカー・タイプ)
プレインズウォーカー・タイプに「ヴラスカ/Vraska」が追加されました。
・ 207.2c (能力語)
能力語が書かれているのはカードのみとは限らないため、単語が削除されました。
・ 207.3 (ギルドアイコン)
ラヴニカブロックのみならず、ラヴニカへの回帰ブロックにもギルドアイコンが存在するので、
その記述が追加されました。ゲーム上の意味は引き続きありません。
・ 401.5 (呪文を唱えている間にカードを引いた)
呪文を唱えたり、能力を起動している宣言の間にカードを引いた場合、(=《彩色の宝球/Chromatic Sphere》)
そのカードは裏向きのままでした。
奇妙なことに、このカードは手札にありながらそれは裏向きであるので、
なんらかの方法で事前にそのカードの表を知っていた場合--
例えば、それが《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》だったとして、裏向きのそれを
手札から追放してマナが出せるか-- は、これまで言及されていませんでした。
今回の更新で、この裏向きのカードは特性を持たない、とされました。
なので、その裏向きのカードが《猿人の指導霊》だったとしても、裏向きである間はマナは出せません。
一方、手札にあるカードではあるので、《熱心すぎる弟子/Overeager Apprentice》のような
カードを捨てることをコストとするマナ能力は起動できます。
・ 603.2d (誘発条件「~になる」)
(参考:《棘茨の精霊/Bramble Elemental》 http://34540.diarynote.jp/201210061812429414/)
例えば、オーラ呪文を唱え、《棘茨の精霊》につけた場合、厳密にはそのオーラは「つけられた状態」で戦場に出ます。(それは戦場に出てからつけられるのではありません。)
一方、タップ状態でマーフォークが戦場に出ても、《水流を読む者/Judge of Currents》の能力は誘発しません。
《水流を読む者》の例に従えば、「つけられた状態」で出るオーラは、「つけられた」という誘発条件に合致しておらず、従って《棘茨の精霊》は誘発しないのではないか、という危惧があります。
そこで、~の状態になったときに誘発する誘発条件を探すと、以下のような形式がほとんどでした。
・タップ状態になった/Becomes tapped
・アンタップ状態になった/Becomes untapped
・つけられた/Becomes attached
・はずれた/Becomes unattached
・ブロックされた/Becomes blocked
・対象になった/Becomes the target
このうち、戦場に最初からその状態で出る場合に誘発して欲しくないと特筆すべきなのは、「タップ状態になった」「アンタップ状態になった」の2つです。
今回のCRでは、「タップ状態になった/Becomes tapped」「アンタップ状態になった/Becomes untapped」という誘発条件を持つ誘発型能力は、戦場に出る際にタップ/アンタップ状態である場合には、誘発しないということが明記されました。
・ 608.2b (呪文や能力の解決)
対象の一部が不適正になった場合、その不適正になった対象には呪文や能力は効果を及ぼしません。
しかし、《魂の火/Soul’s Fire》のように、呪文でなく他のオブジェクトが、不適正な対象に対して何かをする場合は、現行CRでは言及されていませんでした。
このため、今回の改訂によって、他のオブジェクトが不適正な対象にする処理は行われない、ということが明記されました。
・ 701.15c
上記項目の例にある通り、《ロボトミー/Lobotomy》を解決した時点で相手の手札が無い場合、
探すべきカードの条件は未定義になります。
この場合、指示された領域を探すことはできますが、カードを追放することはできません。
#つまり、《ロボトミー/Lobotomy》を唱えた側は、相手のライブラリーを見ることができます。
・ 701.25d
「(ある特定の名前)に変身する」ことで誘発する能力は、変身する直前にその名前を持たず、変身した直後にその名前を持っている場合にのみ誘発するようになりました。
例を出しましょう。
《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》をコピーした《クローン/Clone》をあなたはコントロールしてます。
あなたは《月霧》を唱え、人間を変身させる段階になって、コピー《高原の狩りの達人》は、本来は《クローン》なので、夜の面を持たず、それは変身しても何も起きません。
よって、この場合、変身前の名前も《高原の狩りの達人》なので、誘発条件に合わず、これによってライフの回復と狼・トークンが出てくることはありません。
・ 701.26, 27, 702.94, 95, 96
RTRのキーワード (留置、居住、超過、活用、解鎖)が追加されました。
・ 800.4a (多人数戦でプレイヤーが脱落する場合)
多人数戦であるプレイヤーが脱落した場合、そのプレイヤーに関連するモノを整理しなくてはいけません。
これまでは、以下の段階を踏んで整理を行なっていました。
・離脱したプレイヤーがオーナーであるオブジェクトを除外する。
・他のオブジェクトやプレイヤーのコントロールを、離脱したプレイヤーへ与えている効果を終了する。
・離脱したプレイヤーがコントロールする呪文や能力を消滅させる。
・離脱したプレイヤーがコントロールしているオブジェクトを追放する。
3番めに不備があることがわかりました。
プレイヤーAの《センの三つ子/Sen Triplets》によって、プレイヤーBがオーナーである呪文SをAが唱え、それがスタックにある間にAがゲームから脱落したとします。
この時、その呪文Sは
・離脱したプレイヤー(A)がオーナーではないので、Sは除外されない。
・SのコントロールをAに与えている効果は存在しない。
・SはAがコントロールしている呪文なので消滅させる。
つまり、SはBの持ち物なのに、消滅(=つまり、ゲーム外への移動)をさせなくてはいけません。
今回、この部分は改定され、処理は以下のようになりました。
・離脱したプレイヤーがオーナーであるオブジェクトを除外する。
・他のオブジェクトやプレイヤーのコントロールを、離脱したプレイヤーへ与えている効果を終了する。
・離脱したプレイヤーがコントロールする能力またはコピー(=カードによって示されていないオブジェクト)は消滅する。
・離脱したプレイヤーがコントロールしているオブジェクトを追放する。
#つまり、CRの改定によって、Sは追放されて追放領域に置くことになります。
・ 121.6 (カウンターの配置)
カウンターが「配置される」ということを参照する呪文や能力は、
パーマネントが置換効果の結果としてカウンターの乗った状態で戦場に出ることを参照できます。
これが今回、置換効果の結果でなく単に「効果の結果」となりました。
#以下、Melvin向けすごく細かい話。
#《シルヴォクののけ者、メリーラ/Melira, Sylvok Outcast》で頑強持ちの生物を回すような
#動きは可能であるが、頑強の文章を正確に見ると、
# "return it to the battlefield under its owner’s control with a -1/-1 counter on it."
#とあるので、614.3cのどの文言とも異なる。よってこれは置換効果ではないので、
#以前のCRでは頑強による-1/-1カウンターは《シルヴォクののけ者、メリーラ》による
#「配置されない」という恩恵を受けることができないのではないか? という論争があった。
#今回の変更により、頑強の効果によって-1/-1カウンターは配置されるので、
#《シルヴォクののけ者、メリーラ》の能力は機能し、頑強生物にカウンターは配置されない、
#となって論争には終止符が打たれた。
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そんなところで。
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