Answer: Friday Magic Quiz. [10-27A]
2010年8月30日 FMQ コメント (3)#カード整理をしているうちに日が暮れるとかないわー。
それでも手持ちの資産のチェックはまめにしないといけないのであった。
それでは、先週の回答。
問1
かたならしではないのかも◯×。
「あるプレイヤーAが土地をプレイし、Aが優先権のパスを行わずに、
別のプレイヤーBが呪文を唱える、ということがありうる。」
◯か×か?
通常ならば、土地のプレイをしたのはAなのだから、Aがターンを進行しているプレイヤーであり、
優先権はAに渡るはずである。土地のプレイによる誘発型能力が誘発したとしても同じこと。
従って、Aでないプレイヤー(B)が、Aの優先権のパスなしに唱えるのは不可能のように思える。
ところが、AとBが同じチームで戦っているとしたらどうだろうか。
そう、AとBは双頭巨人戦や魔王戦の勇者側チームのように、
共有チーム・ターン選択ルールを採用しているゲームにおいて、同じチームだったのである。
(CR805)
この場合、A、B個人ではなく、チームに優先権が与えられるので、
チームABが優先権を得て、Aが特別な処理である土地のプレイを行った後、
優先権はチームABが得て、Bが呪文を唱えることができる。
従って答えは ◯
問2
Aは《雲の精霊/Cloud Elemental》と、《幻影の獣/Phantom Beast》をコントロールしている。
Bはこの2体とも除去したかったので、手札から《火の玉/Fireball》を出して考え始めた。
B「えーと、《雲の精霊》のタフネスが3で、対象は2個になるから、
X=6で唱えて、追加コストを{1}払うよ。計8マナで。」
さてBの計算は最善か?
最善は X=3, 追加コスト{1} の計5マナである。
《火の玉/Fireball》の処理は通常の「割り振る/divide」と異なり、
解決時にまだ適正な対象に対し、Xの値をそれで割って端数を切り捨てた値の
ダメージが等しく与えられる。
問題の場合、2体を対象とするので追加コストの{1}は必要だが、
対象にしたことで《幻影の獣》が自身の能力により戦場からいなくなるので、
(対戦相手の妨害が何もなければ)《火の玉》の解決時に適正な対象は《雲の精霊》1つしかない。
倒すには3点のダメージが必要なので、宣言するXの値は最低3である。
つまり、X=3、追加コストで{1}、の計{4}{R} が最善、となる。
問3
PとQが対戦している。
Qは忠誠カウンターが2個乗った《精神を刻む者、ジェイス》をコントロールしている。
Pの手札には《稲妻/Lightning Bolt》がある。
3-1)
Pのターンのメインフェイズに、Pは《山》をタップして《稲妻》を出しつつ
P「《稲妻》で《精神を刻む者、ジェイス》に3点。」と言った。
Q「じゃあ、《否認/Negate》します。」
P「《否認》を《マナ漏出/Mana Leak》します。」
Q「……通りました。」
P「今手札何枚?」
Q「無いです。」
P「じゃ、《稲妻》の3点はそのままQ本体で。残りの土地からマナ全部つっこんで
《火の玉/Fireball》打って勝ちです。」
さて、Pの宣言は認められるか?
3-2)
Pのターンのメインフェイズに、Pは《山》をタップして《稲妻》を出しつつ
P「《稲妻》で《精神を刻む者、ジェイス》に3点。」と言った。
Q「……何もしません。」
P「今手札何枚?」
Q「1枚です。」
P「じゃ、《稲妻》の3点はそのままQ本体で。残りの土地からマナ全部つっこんで
《火の玉/Fireball》打ちます。通ったら勝ち。」
さて、Pの宣言は認められるか?
まず、Pの宣言は厳密に言うと、ルールに即していない。
なぜなら、《稲妻》はプレイヤーかクリーチャーにしか対象に取れず、
プレインズウォーカーを対象に唱えることがそもそもできない。
それでも、Pがやろうとしていることは明白である。つまり、
P「Qを対象に《稲妻》を唱えます。ダメージはプレインズウォーカーに移し変えます」
という宣言と同等に扱われる。
このような省略はゲーム上でたびたび起こることであり、試合を円滑に行うためには不可欠である。
代表的な省略として、MTR4.2節にあるように、「終わりです。どうぞ。」、「戦闘入ります。」
といった宣言は伝統的に用いられる表現として、何を意味しているかが規定されている。
問題の場合、Pの宣言はMTR4.2項の例に書かれているそのものである。
ダメージ呪文や能力でプレインズウォーカーを対象にすることを宣言した場合、
そのプレインズウォーカーのコントローラーを対象としてダメージを解決時に移し変えること
を宣言したものとして扱い、対戦相手が対応しなかったらその宣言通りの選択をしなければならない。
赤線の部分が重要である。つまり、PはQが何も対応しない場合、宣言通りの選択をしなくてはならない。
QはPの宣言に対して対応することができるが、その場合、Pは先程の宣言通りの行動
--この場合は、プレインズウォーカーへの移し替え-- を行わなくてもよい。
以上より、答えは
3-1)認められる。
3-2)認められない。
次のような場合を考えてみるとより良く理解ができるだろう。
P「《稲妻》で《精神を刻む者、ジェイス》に3点。」と言った。
Q「じゃあ、《精神を刻む者、ジェイス》を《乱動への突入》で手札に戻します。」
この場合、どうやってもPは《稲妻》の解決中にプレインズウォーカーへダメージを移し替える
ことができない。無い袖は振れないのだ。さあ、Pはどうすればよいだろうか。
もちろん、PはQに3点のダメージを与えればよいのだ。それで何も問題はない。
Pの宣言通りにはなっていないが、Qが対応したので、Pは宣言通りの選択をしなくてよいのである。
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そんなところで。
コメント
Q「通ります」
P「では移し替えてジェイスに3点」
こっちは問題ないんですよね?
問題ないどころか、それが唯一の正しい手順での進行です。