マジック2011に伴なうオラクル変更、CR変更がアナウンスされています。
(原文) http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/feature/99a
オラクル・データベースの更新は今週金曜日(2010年7月16日)に行われる予定です。
更新点を含めた新しいCRは来週以降に発表されます。
CRの詳しい更新点は、新しいCRが発表されてから記事にする予定です。
オラクルの細かい更新点はここでは取り扱いません。(ちらっとどこかの方向を見ながら)
今回は序文に書かれている、わりと大きい2つの更新点を取り扱います。
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1)接死の変更
マジック2011のプレビュー記事からさんざん話題にしてきましたが、
接死能力の機能が変更になりました。
具体的な機能変更点については、M11FAQや、過去の記事を参照ください。
http://www.wizards.com/Magic/TCG/Article.aspx?x=magic/rules/faqs
http://74598.diarynote.jp/201007081315134198/
接死能力の機能変更において、接死を持つクリーチャーから0点でない戦闘ダメージが
クリーチャーに割り振られた場合、致死ダメージとみなされるようになりました。
以下はすごく細かい点です。
ここで、「接死もちから与えられたダメージは致死ダメージである」というように
まとめて書ければよいのですが、そうはうまくいきません。
「致死ダメージを与えられた」のみでは、現行ルール下でクリーチャーを破壊できないからです。
例えば、3/3で《ショック/Shock》を唱えられて、2ダメージを負っているクリーチャーを考えます。
これに-1/-1の修正を与えると、「2ダメージを負った2/2クリーチャー」となって、
このクリーチャーは破壊されますが、「致死ダメージを与えられ」てはいません。
正の値のタフネス以上のダメージを負ったというチェックが成されただけです。
また、「状況起因処理のチェック以降に、接死持ちの発生源からダメージを受けたクリーチャーは
破壊される。」というルールは、タフネスが正の値である~という条件が追加されます。
これは、接死持ちからダメージを受けるとともに、そのクリーチャーのタフネスが0以下になった場合に、
・接死持ちの発生源からダメージを受けたクリーチャーは破壊される。(=再生で置換できる)
・タフネスが0以下のクリーチャーはオーナーの墓地に置かれる。(=再生で置換できない)
という2つの状況起因処理がチェックされますが、このクリーチャーは再生というイベントを
起こせるかどうか(《恩義/Debt of Loyalty》等)といった混乱を避けるためです。
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2)新オブジェクト "紋章/emblem"
今回のオラクル変更で、ただ1枚、《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》のみに
"紋章/emblem" という新しいルール用語が使用されます。
紋章はオブジェクトの一つであり、カードでもトークンでもありません。
紋章は名前、色、カードタイプなどを持たず、ただ能力のみを持ちます。
紋章は(EDHのジェネラル、次元カード、計略カードと同様に)コマンド領域に置かれます。
紋章はパーマネントではありません。また、紋章に影響を及ぼせるカードはありません。
これにより、今までは多人数戦バリアントにのみ使用されていたコマンド領域も、
通常の2人戦で概念として使われるようになります。今回のCR変更はコマンド領域の変更もされています。
このような変更が《遍歴の騎士、エルズペス》のみに行われた背景には、
《遍歴の騎士、エルズペス》の文章との兼ね合いがあります。
ご存知のように、3番目の能力はゲームのルールそのものに影響し、
能力を起動した以降に出てきた土地やクリーチャーも「破壊されない」ことになります。
しかし、《遍歴の騎士、エルズペス》の「破壊されない」という箇所を、
特性を変更するものに変えてしまうと、うまく機能しません。
例えば「残りのゲームの間、あなたのクリーチャーは+2/+2の修整を受ける」という文章では、
起動したときに戦場にいたクリーチャーにのみ影響を及ぼすことになります。
また、クリーチャーのコントローラーが変更された場合でも、その修整が有効になります。
そこで、同じようなテンプレートを使用し、かつ、汎用的に利用するために、
"紋章/emblem"というオブジェクトが考案されました。
先程の例ですと、
「あなたは『あなたのクリーチャーは+2/+2の修整を受ける』という能力をもつ紋章を1つ得る。」
というテキストにすれば、これ以降に戦場に出てきたクリーチャーにも有効ですし、
クリーチャーのコントローラーが変更された場合には、修整は行われません。
いずれ、新規のプレインズウォーカーで、新しい紋章を作成する能力が出るかもしれませんね。
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なお、今回の変更では《遍歴の騎士、エルズペス》のみが紋章という単語を使用します。
他のゲームルールを変更する能力を持つ《斑点の殴打者/Stigma Lasher》や歴伝/Epicなどにも
紋章うんぬんというテキストを使用すれば良いと個人的には思いますが……
うむむ、ちょっと望み薄ですね。
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そんなところで。
(原文) http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/feature/99a
オラクル・データベースの更新は今週金曜日(2010年7月16日)に行われる予定です。
更新点を含めた新しいCRは来週以降に発表されます。
CRの詳しい更新点は、新しいCRが発表されてから記事にする予定です。
オラクルの細かい更新点はここでは取り扱いません。(ちらっとどこかの方向を見ながら)
今回は序文に書かれている、わりと大きい2つの更新点を取り扱います。
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1)接死の変更
マジック2011のプレビュー記事からさんざん話題にしてきましたが、
接死能力の機能が変更になりました。
具体的な機能変更点については、M11FAQや、過去の記事を参照ください。
http://www.wizards.com/Magic/TCG/Article.aspx?x=magic/rules/faqs
http://74598.diarynote.jp/201007081315134198/
接死能力の機能変更において、接死を持つクリーチャーから0点でない戦闘ダメージが
クリーチャーに割り振られた場合、致死ダメージとみなされるようになりました。
以下はすごく細かい点です。
ここで、「接死もちから与えられたダメージは致死ダメージである」というように
まとめて書ければよいのですが、そうはうまくいきません。
「致死ダメージを与えられた」のみでは、現行ルール下でクリーチャーを破壊できないからです。
例えば、3/3で《ショック/Shock》を唱えられて、2ダメージを負っているクリーチャーを考えます。
これに-1/-1の修正を与えると、「2ダメージを負った2/2クリーチャー」となって、
このクリーチャーは破壊されますが、「致死ダメージを与えられ」てはいません。
正の値のタフネス以上のダメージを負ったというチェックが成されただけです。
また、「状況起因処理のチェック以降に、接死持ちの発生源からダメージを受けたクリーチャーは
破壊される。」というルールは、タフネスが正の値である~という条件が追加されます。
これは、接死持ちからダメージを受けるとともに、そのクリーチャーのタフネスが0以下になった場合に、
・接死持ちの発生源からダメージを受けたクリーチャーは破壊される。(=再生で置換できる)
・タフネスが0以下のクリーチャーはオーナーの墓地に置かれる。(=再生で置換できない)
という2つの状況起因処理がチェックされますが、このクリーチャーは再生というイベントを
起こせるかどうか(《恩義/Debt of Loyalty》等)といった混乱を避けるためです。
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2)新オブジェクト "紋章/emblem"
今回のオラクル変更で、ただ1枚、《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》のみに
"紋章/emblem" という新しいルール用語が使用されます。
[-8]: You get an emblem with "Artifacts, creatures, enchantments, and lands you control are indestructible."
紋章はオブジェクトの一つであり、カードでもトークンでもありません。
紋章は名前、色、カードタイプなどを持たず、ただ能力のみを持ちます。
紋章は(EDHのジェネラル、次元カード、計略カードと同様に)コマンド領域に置かれます。
紋章はパーマネントではありません。また、紋章に影響を及ぼせるカードはありません。
これにより、今までは多人数戦バリアントにのみ使用されていたコマンド領域も、
通常の2人戦で概念として使われるようになります。今回のCR変更はコマンド領域の変更もされています。
このような変更が《遍歴の騎士、エルズペス》のみに行われた背景には、
《遍歴の騎士、エルズペス》の文章との兼ね合いがあります。
ご存知のように、3番目の能力はゲームのルールそのものに影響し、
能力を起動した以降に出てきた土地やクリーチャーも「破壊されない」ことになります。
しかし、《遍歴の騎士、エルズペス》の「破壊されない」という箇所を、
特性を変更するものに変えてしまうと、うまく機能しません。
例えば「残りのゲームの間、あなたのクリーチャーは+2/+2の修整を受ける」という文章では、
起動したときに戦場にいたクリーチャーにのみ影響を及ぼすことになります。
また、クリーチャーのコントローラーが変更された場合でも、その修整が有効になります。
そこで、同じようなテンプレートを使用し、かつ、汎用的に利用するために、
"紋章/emblem"というオブジェクトが考案されました。
先程の例ですと、
「あなたは『あなたのクリーチャーは+2/+2の修整を受ける』という能力をもつ紋章を1つ得る。」
というテキストにすれば、これ以降に戦場に出てきたクリーチャーにも有効ですし、
クリーチャーのコントローラーが変更された場合には、修整は行われません。
いずれ、新規のプレインズウォーカーで、新しい紋章を作成する能力が出るかもしれませんね。
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なお、今回の変更では《遍歴の騎士、エルズペス》のみが紋章という単語を使用します。
他のゲームルールを変更する能力を持つ《斑点の殴打者/Stigma Lasher》や歴伝/Epicなどにも
紋章うんぬんというテキストを使用すれば良いと個人的には思いますが……
Aaron Forsythe / mtgaaron
Stigma Lasher doesn’t need the emblem wording because there’s no confusion about which things it affects as the game goes on.
http://twitter.com/mtgaaron/statuses/18551879818
うむむ、ちょっと望み薄ですね。
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そんなところで。
コメント
カジュアルで遊んでいるだけなんですが。
というか、フォーマルの人達こわいんで…。勉強してます。
紋章、個人的には歴伝なんかも向いてるのかなぁと思いました。
とのことですが、CR704.5gを読むと、その場合も致死ダメージを与えられているのではないでしょうか。
(「タフネス以上のダメージ→致死ダメージ&破壊」であって、「致死ダメージ→破壊」でないのはその通りのようですが。)
あと、接死を「致死ダメージである」と表現していないのは、
接死には「前回の状況起因処理のチェック以降に」の条件が付いているのも理由の一つだと思います。
オラクルは「最後に印刷されたもの」に近づける、ということで。