先日の6月20日に発表され、2010年7月1日発効になる新しいルール関連文書の紹介です。
CRも改訂されていますが、更新箇所はArchenemyに関するものがほとんどなので、
M11発売後のCRでまとめて紹介することにします。

また、既に日本語版がmjmj.infoにあがっていますので、そちらも参照して下さい。

http://www.mjmj.info/data/

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MTR(マジック・イベント規定)
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主な変更点は新製品情報(Magic2011、ミラディンの傷跡)の追加と、
エクステンデッドで使用できるエキスパンションの改訂、
それに各フォーマットの禁止&制限カードの一覧です。

特に、エクステンデッドの使用可能エキスパンションと
エクステンデッド、レガシーの禁止カード変更は気をつけて下さい。

くわしくはこちらの記事を参照のこと。
http://74598.diarynote.jp/201006181611524882/

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IPG(マジック違反処置指針)
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IPGの変更点は色々ありますが、その中でも特筆するべきものは、
ルール適用度(REL)一般のイベントでは、IPGを参照するのではなく、これより派生した新しい文書
「一般イベント用問題解決法(Guide to Fixing Common Errors:FCE)」
を使用するようになった、という点です。


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FCE(一般イベント用問題解決法)
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FCEについてもう少し掘り下げます。

RELが一般のイベントでは、プレイヤーのゲーム進行やプレイ手順に厳密性が求められることは
ありません。むしろ、見知らぬ他人とのプレイに対して紳士的で、互いに教え合ってゲームや
回りの環境を整えていくことが重要だと考えられます。

IPGの内容は厳密なプレイやイベント進行についての違反に対しての指針が書かれていますが、
それはルールの適用度が一番ゆるい「REL:一般」には用いられません。

代わりに、FCEに書かれている内容が使用されます。

FCEは、IPGから持ち込まれた理念に基づく、「してはいけない行為」や、
誤ったゲームの状況を修復する方法について表記されています。

また、一般イベントがIPGを使用せずにFCEを使用するからといって、
ゲーム中に誤りを何度も犯したり、イベントの進行を妨害したりしてよいはずはありません。

FCEの序文より文章を引用します。


誤りを正すことも大切ですが、プレイヤーに注意深くプレイするように伝えることも大切です。実際上、この伝達は公式な懲罰となりますが、あなたのイベントを楽しくくつろいだ雰囲気にしたいのであれば、そう重大に捉えさせる必要はありません。とはいえ、場合によってはただ注意を喚起するだけでは足りないこともあります。あなたの度重なる指導にもかかわらず何回も繰り返して同じ誤りを犯すプレイヤーには、次は【ゲームの敗北】を出す、と警告しましょう。実際に【ゲームの敗北】を出す必要はないことを信じていますが、この警告を聞いたプレイヤーはその振る舞いを改めるに違いありません。


REL一般のイベントは、より上のRELの大会での予行演習の舞台でもあります。
紳士的な振る舞いをし、もしもゲームの状況が誤っていたり、その判断に迷った場合はジャッジを
呼ぶようにしましょう。その上で指示に従い、同じミスをしないように心がけて下さい。

FCEの各項目には、

 ・よくある誤りについての修復方法
 ・良くない行動の例示 (見かけた場合はそのプレイヤーに指摘してあげてくださいね。)
 ・決して許容されない重大な問題 (失格処分の対象です)

が書かれています。いずれも短い文章で簡潔に書かれているので、一度読んでみてください。

また、一番最後には追加の情報ソース一覧があります。
FCEだけでは判断がつかない場合、それらのソースをあたったり、お近くの認定ジャッジに
おたずね下さい。



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IPG(マジック違反処置指針)
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RELによる懲罰の統一

IPGの更新点についての話に戻りましょう。

一部の項目における懲罰が変更になったため、
RELが競技でもプロでも、同じ項目における懲罰は同じになりました。
(ただし、RELによって懲罰が格下げになる場合がありえます)

また、RELが一般のイベントにおいてはFCEを使用するようになったため、
IPGの懲罰一覧からはREL一般の項目は全て削除されています。


【1マッチ・ポイントの剥奪】の削除

今回のIPGでは、1ゲーム1マッチのイベントにおいて【ゲームの敗北】とほぼ同じ意味をもっていた
【1マッチ・ポイントの剥奪】という懲罰がまるまる削除されています。

今後、チーム戦でのRELが競技以上のイベントが行われないということではなく、
もし【1マッチ・ポイントの剥奪】の必要性が出てきた場合、別の文書で対応をするようです。


反則の累積による罰則の格上げについて

かつてのIPG 1.4. において、反則の累積による格上げについて書かれていましたが、
累積についてどのような格上げを行うかは、それぞれの項目について書かれるようになりました。

各項目でどのような格上げ/格下げを行うかはこの記事では扱いません。


IPG 3.4. ゲーム上の誤り - 過剰なカードを引いた

旧IPGでのこの反則は、「n枚引くという指示の際にn+1枚以上のカードを引いた」という場合に
適用されていましたが、これは改訂され、「不正に1枚またはそれ以上のカードを手札に入れた」
場合で、かつ、〔ゲーム上の誤り ― その他一般のゲームルール違反〕や
〔イベント上の誤り ― 意思疎通規定違反〕に当てはまらない場合に適用されることになりました。

典型的な例を挙げると、

 『《吠えたける鉱山》がもう戦場にないことを忘れて追加のカードを引いた。』場合、

旧IPGでは【ゲーム上の誤り-その他一般】となって【警告】でしたが、
新IPGでは【ゲーム上の誤り-過剰なカードを引いた】となって【ゲームの敗北】となります。


IPG 4.6. イベント上の誤り ─ ドラフト手順抵触行為

REL競技での罰則が【注意】から【警告】に引き上げられました。


デッキリスト関連の反則

・デッキリストに不正な枚数/カード名が記載されている(=不正なデッキリスト)
・実際に入っているカードと、デッキリストに記載されているカードが異なる(=デッキリスト不一致)
・サイドボードのカードをどこかに無くしてしまった(=サイドボードの紛失)

以上の項目は旧IPGでは別々に書かれていましたが、これらのデッキリスト関連の項目は、
IPG4.9. イベント上の誤り ― デッキ/リストの問題 に統一されました。

懲罰は【ゲームの敗北】と重いので、
デッキリストの記帳、自分のデッキの管理、サイドボードの戻し忘れについては
くれぐれも注意してください。


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そんなところで。


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