#BIG MAGIC スタンダード+オールカード・ドラフト には多数の参加をいただきました。
#この場を借りて御礼申し上げます。Limitsとは異なるピック方式を採用しましたが、
#ピックが最後までダレることはなかったと思います。プレイヤーのご協力に感謝いたします。
今日は2本立てです。前半はFMQの回答、後半は来るM11の接死能力改訂についてです。
更新されるルール文書が多く、その適用時期が少しややこしいのでここで整理。
日本選手権の時点では
・CR (更新点:Archenemy関連のルール)
・MTR (更新点:新規エキスパンションの追加とExtendedの変更、B&Rリストの更新)
・IPG (更新点:項目の改訂+新規文書FCEの追加)
が有効になります。上記文書は7月1日より適用されます。
この記事の後半で書く、接死能力の変更はM11プレリリース以降(7月10日以降)に有効となります。
----
それでは、先週の回答。
◯
プレイヤーが優先権をパスし、そのプレイヤーのマナ・プールにマナが残っている場合、
何がどれだけ残っているかを宣言する。(CR115.3d)
というわけで答えは◯となる。
しかし、現実にこのような宣言を(厳密に)しているプレイヤーを見かけたことがないので、
互いの同意のもとに理解できる範疇で、よくある行動の省略(CR714)の一つといえるだろう。
宣言しなかったからといって相手にそれを指摘するのは誉められた行為ではない。
勿論、自分のマナ・プールにどのマナがどれだけ残っているかは把握している必要があるし、
相手から「今、あなたのマナ・プールに何が残っていますか?」と聞かれたなら
答えなくてはいけない。
1)と2)
プレイヤーが対戦相手に与えた、非戦闘ダメージを、その対戦相手のプレインズウォーカーに
与えることを選ぶ効果は、「移し替え」効果である。(CR306.7、CR614.9)
移し替える場合、そのダメージ全量を移さないといけない。
従って、選べるのは
・そのままA本体に5点
・《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》に全部移し替える
・《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》に全部移し替える
の3つである。
問題の答えとして合っているのは1)と2)のみ。
少し先取りした形になるが、2010年7月1日以降より、ルール適用度が一般の大会においては
IPGより分離されたFCE(一般イベント用問題解決法)を使用するようになる。
http://mjmj.info/data/JPN_FCE_20100701.html
FCEには理念、よくある誤りの解決法、良くない行動、重大な問題という項目で
旧IPGに書かれていた内容が簡潔に記されている。
大抵の一般大会では、【ゲームの敗北】を出したり、……あまり考えたくもないが……失格の裁定を
出すケースというのはあまり存在しない。
しかし、シャッフル中にカードを弾いて表向きにしまったり、
{B}{R}{G} がどうやっても出ないのに《芽吹くトリナクス》を唱えてしまった、
といったミスはよくある。そういった場合に、どのような処理を行ってゲームを続行したら良いか、
という解決法がFCEに書かれている。
この問題の3つの例は、現実のゲームでもよくあることなので、FCEを見つつ理解して頂きたい。
また、より詳しい事例や、ルール適用度が競技以上の場合(GPTや日本選手権)は
IPGを参照することになる。
3-1)
『あなた(=A)は4点のライフを得る』という誘発型能力を即座にスタックに積む。
《光明の目覚め》による処理を忘れていた。これは必ず誘発しなくてはいけない行為なので、
処理を通常通り行う。A、B双方はこれを解決する前に何かを行うことができる。
3-2)
何もせずそのままゲームを続行する。
《魂の従者》には「may/してもよい」と書かれている。この処理は忘れられていたが、
単に「そうすることを選ばなかった」とみなされる。何も修正は行われず、ゲームは続行される。
3-3)
Eの手札から無作為に1枚のカードを抜き、それをEのライブラリーの上に置く。
カードを規定より多く引いてしまっているので、多く引いた分(4-3=1枚)だけ
手札から無作為に選び、それをライブラリーの上に置く。それらのカードを表にする必要はない。
このケースは、RELが競技以上の場合、【過剰なカードを引いた】となり、ゲームロスとなる。
RELが一般の大会でも、このケースについてはプレイヤーにしっかりとした注意を行い、
「いざ本番」という時に誤りをおかさないように、啓蒙すべきである。
なお、FCEの前文にも書かれているが、RELが一般だからといって何度も誤りを犯してよい、
ということでは決して無い。度重なる注意にもかかわらず、何回も繰り返して同じ誤りを
するプレイヤーには、次は【ゲームの敗北】を出す、と警告すること。実際に出す必要はない。
……しかし、それでもそのプレイヤーが全く態度を改めない場合は、【ゲームの敗北】を出すべきである。
----
そんなところで。以下後半。
----
* M11での接死能力の変更点
注意)この変更が適用されるのはM11プレリリース(2010年7月10日)以降です。
M11のプレビュー記事がちらほら上がっていますが、その中で接死能力に関する変更が
アナウンスされました。
変更点は、
「接死能力を持つ発生源から0点でない戦闘ダメージが与えられたクリーチャーは、
そのクリーチャーのタフネスに関係なく、致死ダメージが割り振られたとみなされる。」
ということです。
わかりづらいので例を挙げて説明しましょう。
#以下、防御クリーチャーと防御側プレイヤーのみについて述べます。
#クリーチャーに絆魂能力などがある場合がありますが、それによるライフの回復等は省略しています。
M10ルール下では《前兆の壁》が3点のダメージを受け、それは接死能力をもつ発生源から与えられたので
状況起因処理で破壊されます。
M11ルールでは、攻撃側プレイヤーが
「《前兆の壁》に1点、プレイヤーに2点」
という戦闘ダメージを割り振ることができます。
この《地獄火花の精霊》は接死を持っているので、1点でもダメージを割り振れば、そのクリーチャーは
「致死ダメージを割り振られている」扱いとなり、トランプルにより残りのダメージをプレイヤーに
割り振ることができます。
接死とトランプルの組み合わせが強力になりました。4/4、トランプル、接死持ちが
0/8の壁にブロックされたとしても、プレイヤーには3点を割り振ることができます。
M10ルール下では、ダメージ割り振り順にかかわらず、接死持ちのダメージを割り振れるため、
攻撃側プレイヤーは、防御クリーチャーのどれでも2体まで破壊できます。
M11ルールでは、このルールが無くなっていて、割り振り順に従うようになります。
ただ、1点でも割り振った場合は「致死ダメージを割り振った」とみなされるので、
次の割り振り順のクリーチャーへダメージを割り振れるようになります。
例のケース2)では、攻撃側は
「《海門の神官》に1点、《ラノワールのエルフ》に1点」
というような割り振りができます。
#逆にいうと、M11ルール下では、《ルーン爪の熊》にダメージを割り振ることはできません。
M10ルールでは、ブロック・クリーチャー全てに致死ダメージを割り振らない限り、
トランプルによるダメージをプレイヤーに割り振れなかったので、
上記のケース3では、プレイヤーに割り振れるダメージは最大1点です。
M11ルールでは、接死持ちから戦闘ダメージを割り振られたクリーチャーは
「致死ダメージを割り振られた」とみなされるので、
「《宮殿の護衛》に《酸のスライム》のダメージを2点、トランプルでプレイヤー3点」
という割り振りができます。
接死能力の他の点(常在型能力である、接死持ちからダメージを受けたクリーチャーは状況起因処理で破壊される、等)については変更はありません。
----
そんなところで。
#この場を借りて御礼申し上げます。Limitsとは異なるピック方式を採用しましたが、
#ピックが最後までダレることはなかったと思います。プレイヤーのご協力に感謝いたします。
今日は2本立てです。前半はFMQの回答、後半は来るM11の接死能力改訂についてです。
更新されるルール文書が多く、その適用時期が少しややこしいのでここで整理。
日本選手権の時点では
・CR (更新点:Archenemy関連のルール)
・MTR (更新点:新規エキスパンションの追加とExtendedの変更、B&Rリストの更新)
・IPG (更新点:項目の改訂+新規文書FCEの追加)
が有効になります。上記文書は7月1日より適用されます。
この記事の後半で書く、接死能力の変更はM11プレリリース以降(7月10日以降)に有効となります。
----
それでは、先週の回答。
問1
かたならし◯×。
「あなたが優先権をパスした場合、あなたのマナ・プールにマナが残っているならば、
それらのマナのタイプと総量を宣言しなくてはいけない。」
◯か×か?
◯
プレイヤーが優先権をパスし、そのプレイヤーのマナ・プールにマナが残っている場合、
何がどれだけ残っているかを宣言する。(CR115.3d)
というわけで答えは◯となる。
しかし、現実にこのような宣言を(厳密に)しているプレイヤーを見かけたことがないので、
互いの同意のもとに理解できる範疇で、よくある行動の省略(CR714)の一つといえるだろう。
宣言しなかったからといって相手にそれを指摘するのは誉められた行為ではない。
勿論、自分のマナ・プールにどのマナがどれだけ残っているかは把握している必要があるし、
相手から「今、あなたのマナ・プールに何が残っていますか?」と聞かれたなら
答えなくてはいけない。
問2
Aは《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》(忠誠カウンター2個)と、
《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》(忠誠カウンター3個)
をコントロールしている。
Bのターン、Bは《地震/Earthquake》をX=5で唱えた。
解決時に、Bは《地震》によるダメージをプレインズウォーカーに振り分けたいと考えたが、
以下のうち、可能な割り振り方はどれだろうか?(複数回答可)
1)《復讐のアジャニ》に5点。
2)《精神を刻む者、ジェイス》に5点。
3)《復讐のアジャニ》に2点、プレイヤーAに3点。
4)《精神を刻む者、ジェイス》に3点、プレイヤーAに2点。
5)《復讐のアジャニ》に2点、《精神を刻む者、ジェイス》に3点。
1)と2)
プレイヤーが対戦相手に与えた、非戦闘ダメージを、その対戦相手のプレインズウォーカーに
与えることを選ぶ効果は、「移し替え」効果である。(CR306.7、CR614.9)
移し替える場合、そのダメージ全量を移さないといけない。
従って、選べるのは
・そのままA本体に5点
・《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》に全部移し替える
・《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》に全部移し替える
の3つである。
問題の答えとして合っているのは1)と2)のみ。
問3
(少し未来のお話。2010年7月3日の店舗主催の一般大会において…)
3-1)
プレイヤーAとBが試合をしている。
Aがクリーチャーで攻撃し、BはAの《光明の目覚め/Luminous Wake》がつけられているクリーチャーで
攻撃クリーチャーをブロックした。
そのAのターンの終了後、次のBのターンにBがドローステップにカードを引いたあと、
Aが先程の《光明の目覚め》によるライフの回復を忘れていた、と言い出した。
さて、このゲームの状況は、どう正されるべきか?
3-2)
プレイヤーCとDが試合をしている。
Cのターンに、Cは《栄光の探求者/Glory Seeker》を唱えて戦場に出し、ターンを終えた。
その後、次のDのターンにDがドローステップにカードを引いたあと、
Dが先程の《栄光の探求者/Glory Seeker》が戦場に出たときに、自分の《魂の従者/Soul’s Attendant》
でライフを得ていない、と言い出した。
さて、このゲームの状況は、どう正されるべきか?
3-3)
プレイヤーEとFが試合をしている。
Eが《夢石の面晶体/Dreamstone Hedron》の2番目の能力を解決したときに、
誤って4枚のカードを引いてしまった。
Fはすぐそのことに気づき、Eもそれに気づいたが、
Eがどのカードを引いたのかはまではFにはわからなかった。
さて、このゲームの状況は、どう正されるべきか?
少し先取りした形になるが、2010年7月1日以降より、ルール適用度が一般の大会においては
IPGより分離されたFCE(一般イベント用問題解決法)を使用するようになる。
http://mjmj.info/data/JPN_FCE_20100701.html
FCEには理念、よくある誤りの解決法、良くない行動、重大な問題という項目で
旧IPGに書かれていた内容が簡潔に記されている。
大抵の一般大会では、【ゲームの敗北】を出したり、……あまり考えたくもないが……失格の裁定を
出すケースというのはあまり存在しない。
しかし、シャッフル中にカードを弾いて表向きにしまったり、
{B}{R}{G} がどうやっても出ないのに《芽吹くトリナクス》を唱えてしまった、
といったミスはよくある。そういった場合に、どのような処理を行ってゲームを続行したら良いか、
という解決法がFCEに書かれている。
この問題の3つの例は、現実のゲームでもよくあることなので、FCEを見つつ理解して頂きたい。
また、より詳しい事例や、ルール適用度が競技以上の場合(GPTや日本選手権)は
IPGを参照することになる。
3-1)
『あなた(=A)は4点のライフを得る』という誘発型能力を即座にスタックに積む。
《光明の目覚め》による処理を忘れていた。これは必ず誘発しなくてはいけない行為なので、
処理を通常通り行う。A、B双方はこれを解決する前に何かを行うことができる。
3-2)
何もせずそのままゲームを続行する。
《魂の従者》には「may/してもよい」と書かれている。この処理は忘れられていたが、
単に「そうすることを選ばなかった」とみなされる。何も修正は行われず、ゲームは続行される。
3-3)
Eの手札から無作為に1枚のカードを抜き、それをEのライブラリーの上に置く。
カードを規定より多く引いてしまっているので、多く引いた分(4-3=1枚)だけ
手札から無作為に選び、それをライブラリーの上に置く。それらのカードを表にする必要はない。
このケースは、RELが競技以上の場合、【過剰なカードを引いた】となり、ゲームロスとなる。
RELが一般の大会でも、このケースについてはプレイヤーにしっかりとした注意を行い、
「いざ本番」という時に誤りをおかさないように、啓蒙すべきである。
なお、FCEの前文にも書かれているが、RELが一般だからといって何度も誤りを犯してよい、
ということでは決して無い。度重なる注意にもかかわらず、何回も繰り返して同じ誤りを
するプレイヤーには、次は【ゲームの敗北】を出す、と警告すること。実際に出す必要はない。
……しかし、それでもそのプレイヤーが全く態度を改めない場合は、【ゲームの敗北】を出すべきである。
----
そんなところで。以下後半。
----
* M11での接死能力の変更点
注意)この変更が適用されるのはM11プレリリース(2010年7月10日)以降です。
M11のプレビュー記事がちらほら上がっていますが、その中で接死能力に関する変更が
アナウンスされました。
変更点は、
「接死能力を持つ発生源から0点でない戦闘ダメージが与えられたクリーチャーは、
そのクリーチャーのタフネスに関係なく、致死ダメージが割り振られたとみなされる。」
ということです。
わかりづらいので例を挙げて説明しましょう。
#以下、防御クリーチャーと防御側プレイヤーのみについて述べます。
#クリーチャーに絆魂能力などがある場合がありますが、それによるライフの回復等は省略しています。
ケース1:
攻撃クリーチャー: 《地獄火花の精霊》+《バジリスクの首輪》(3/1、接死、トランプル、絆魂)
防御クリーチャー: 《前兆の壁》(0/4、防衛)
M10ルール下では《前兆の壁》が3点のダメージを受け、それは接死能力をもつ発生源から与えられたので
状況起因処理で破壊されます。
M11ルールでは、攻撃側プレイヤーが
「《前兆の壁》に1点、プレイヤーに2点」
という戦闘ダメージを割り振ることができます。
この《地獄火花の精霊》は接死を持っているので、1点でもダメージを割り振れば、そのクリーチャーは
「致死ダメージを割り振られている」扱いとなり、トランプルにより残りのダメージをプレイヤーに
割り振ることができます。
接死とトランプルの組み合わせが強力になりました。4/4、トランプル、接死持ちが
0/8の壁にブロックされたとしても、プレイヤーには3点を割り振ることができます。
ケース2:
攻撃クリーチャー:
《酸のスライム》(2/2、接死)
防御クリーチャー:
1)《海門の神官/Sea Gate Oracle》(1/3)
2)《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》(1/1)
3)《ルーン爪の熊/Runeclaw Bear》(2/2)
(数字の順番でダメージ割り振り順を決定)
M10ルール下では、ダメージ割り振り順にかかわらず、接死持ちのダメージを割り振れるため、
攻撃側プレイヤーは、防御クリーチャーのどれでも2体まで破壊できます。
M11ルールでは、このルールが無くなっていて、割り振り順に従うようになります。
ただ、1点でも割り振った場合は「致死ダメージを割り振った」とみなされるので、
次の割り振り順のクリーチャーへダメージを割り振れるようになります。
例のケース2)では、攻撃側は
「《海門の神官》に1点、《ラノワールのエルフ》に1点」
というような割り振りができます。
#逆にいうと、M11ルール下では、《ルーン爪の熊》にダメージを割り振ることはできません。
ケース3:
攻撃クリーチャー:
《酸のスライム》(2/2、接死)
《地獄火花の精霊》 (3/1、トランプル)
防御クリーチャー:
《宮殿の護衛/Palace Guard》(1/4)(攻撃クリーチャー2体をブロック)
M10ルールでは、ブロック・クリーチャー全てに致死ダメージを割り振らない限り、
トランプルによるダメージをプレイヤーに割り振れなかったので、
上記のケース3では、プレイヤーに割り振れるダメージは最大1点です。
M11ルールでは、接死持ちから戦闘ダメージを割り振られたクリーチャーは
「致死ダメージを割り振られた」とみなされるので、
「《宮殿の護衛》に《酸のスライム》のダメージを2点、トランプルでプレイヤー3点」
という割り振りができます。
接死能力の他の点(常在型能力である、接死持ちからダメージを受けたクリーチャーは状況起因処理で破壊される、等)については変更はありません。
----
そんなところで。
コメント
公式の黒タイタン記事にて接死が変わるのか?と思い調べていた所だったので、とても参考になりました!
前々からルーリング等で勉強させて頂いていた事もあり、勝手ながらリンクさせて頂きました。
また、リンクをさせて頂きました。勉強させて頂きます。
リンクさせて頂きました。よろしくお願いします
ありがとうございます。
リンクさせて頂きます。よろしくお願いします。