新しいCRが発表されましたので、2010年4月のCR更新分のざっくり訳をお届けします。
ナンバリングや細かい文法、言葉や記号の変更などは表記しません。
原文は以下。
http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/feature/86b&page=5
日本語版は既にあがっています。感謝を忘れずに。
http://mjmj.info/data/CompRules_j.html
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青文字は既存の変更、
赤文字は新規項目です。
・107.8 (数とシンボル)
Lv系カードの表記についての説明が新たに加えられました。
項目番号が新たに挿入されたので、以降の番号はそれぞれひとつずれます。
・108.3b (オーナーと所有者)
《ウラモグの種父/Spawnsire of Ulamog》等のカードにみられるような、
カードをゲームの外部から選んでゲームに入れる呪文や能力について、
その「外部から入ったカード」のオーナーが明確化されました。
例)AとBがサイドボード込みで草試合をしていた場合に、
・Aがなんらかの方法で、Aのバインダーから《全ては塵》を選んで唱えた。
スタック上の《全ては塵》のオーナーはAである。
・Aがなんらかの方法で、Bのサイドボードから《真髄の針》を唱えた。
スタック上の《真髄の針》のオーナーはBである。
・Aがなんらかの方法で、観客Cのバインダーから《審判の日》を選んで唱えた。
スタック上の《審判の日》のオーナーはAである。そして、Cのバインダーにある
《神の怒り》のオーナーはCである。
・109.5, 112.7, 112.8, 405.4, 603.3a (遅延誘発型能力のコントローラー)
遅延誘発型能力は、誘発型能力の一種です。遅延誘発型能力のコントローラーは、誘発型能力と同じく、
それを生成した発生源のコントローラーでした。
しかし、反復能力の登場で、置換効果によって遅延誘発型能力が生成するケースが生まれました。
この場合は、通常の誘発型能力のコントローラーを決定するような方法と同様にはいかず、
遅延誘発型能力のコントローラーを決定することができません。
従って、これらの項目にある、遅延誘発型能力のコントローラーの部分に関しては、
603.7d-f を参照するように文章を変更されました。
・112.6c (能力が適用される領域の例外)
自身のマナ・コストを支払うのではなく、代替コストを支払うことを認めるという能力は、
通常はスタック上で機能します。今回、これは拡張され、マナ・コストを支払う状況であれば、
どの領域でも機能するようになりました。
例)《緑の夜明けの運び手/Bringer of the Green Dawn》に《ペンドレルの変転/Pendrell Flux》
がつけられた場合、アップキープに{W}{U}{B}{R}{U}を支払うこともできます。
・116.7a, 7b (コストの減少)
ある量の色マナがコストから減らされる場合について、減らされるべき色マナが初めから無かったり、減らすべき色マナを既に減らしてしまっている場合は、不特定マナの部分が減らされるようになりました。
例){W}{U}{3} というコストを支払う場合に、「{W}{W}だけコストが減少する」という効果を適用した。
この場合、実際に支払うコストは {U}{2} である。
・400.7e (領域変更したオブジェクトが新規になる例外)
一般的に、別の領域に移動したオブジェクトは「新規の」オブジェクトになります。
が、これにはいくつのかの例外があります。
《蔦馬の手綱/Reins of the Vinesteed》のようなカードもその一つです。
これがエンチャントしていたパーマネントが戦場から離れ、状況起因処理によって戦場から
墓地に置かれた場合、《蔦馬の手綱》は領域を移動していますが、この能力は誘発し、
自分自身を見つけることができます。
このことが記載されているのが 400.7e ですが、「オーラが、そのつけられているパーマネントと
同時に領域を移動した」場合については触れられていませんでした。
例)《アクローマの復讐/Akroma’s Vengeance》等
この場合でも同様に誘発するべきなので、この項目もそれに沿うように書き換えられました。
・400.10b, 10c (ゲームの外部のカード)
ゲームの外部のカードをゲーム内に持ち込んだ場合、そのゲームの終了まで、ゲーム内に残り続けます。
また、ゲームの外部のカードは基本的に呪文や能力の影響を受けません。
ただし、以下の2つは例外です。
1)それ自身に記載されている特性定義能力
2)それらのカードをゲーム内に持ち込む呪文や能力
・401.8 (ライブラリーのN番目)
効果によってプレイヤーがカードをライブラリーの「上からN番目」に置く際に、そのライブラリー
にN枚のカードがなかった場合、そのカードはそのライブラリーの一番下に置かれるようになりました。
・601.2 (呪文を唱えること)
呪文を唱える際、その唱えられるべきオブジェクト(通常は手札領域のカード)は、元あった領域
からスタック領域へ移動します。が、《ウラモグの種父/Spawnsire of Ulamog》の能力は
領域でないところ(=ゲームの外部)から唱えることができるようになっています。
このため、この項目は「現在ある領域」ではなく、「現在ある場所 / "from where it is" 」
と直されました。
・603.4 (if節のルール)
例が追加されました。
・603.7a (遅延誘発型能力)
遅延誘発型能力が、置換効果によっても生成することが追記されました。→反復能力
・603.7d-f (遅延誘発型能力)
遅延誘発型能力のコントローラーの決め方が明確化されました。
1)呪文が遅延誘発型能力を生成した場合:
発生源 → その呪文
コントローラー → その呪文の解決時のコントローラー
2)起動型能力か誘発縣能力が、遅延誘発型能力を生成した場合;
発生源 → 生成した能力の発生源と同じ
コントローラー → 生成する能力の解決時のコントローラー
3)常在型能力による置換効果が、遅延誘発型能力を生成した場合:(→反復能力)
発生源 → 常在型能力を持つオブジェクト
コントローラー → 置換効果を適用した時点での、上記オブジェクトのコントローラ
・607.2e (関連している能力)
関連している能力として、新規に追加されました。
あるオブジェクトに、
・戦場に出るに際していずれかのプレイヤーにコストを支払わせる能力
・「[このオブジェクト]が戦場に出るに際し」て支払われたコストを参照する能力
が記載されている場合、それらの能力は関連しています。
例)《ファイレクシアの処理装置/Phyrexian Processor》
・607.2g (関連している能力)
関連している能力として、新規に追加されました。
あるオブジェクトに、
・それを唱えるに際して可変の追加コストを支払うという能力
・「[このオブジェクト]を唱えるに際し」て支払われたコストを参照する能力
が記載されている場合、それらの能力は関連しています。
例)《荒廃の下僕/Minion of the Wastes》
・700.3a (カードを束に分けること)
影響を受けるオブジェクトは、どれか1つの束のみに置かれることが追加されました。
普通に考えれば、カードをいくつかの束に分ける場合、あるカードはどれかひとつの束に
属するのは当たり前なのですが、困ったことにこのゲームではそうならないケースが存在
してしまうため、この項目が追加されました。
そうならないケース)《Camouflage》+《宮殿の護衛/Palace Guard》
・702.83, 84, 85, 86
RoEの新キーワード能力、滅殺、Lvアップ、反復、族霊鎧 が追加されました。
・710
Lv系カードについての文章が追加されました。
・806.7h (双頭巨人戦)
古い5枚のカードは、テキストに"active player" と書かれています。
双頭巨人戦での "active player" についてはこれまで未定義だったので、
「アクティブ・プレイヤー両方ではなく、いずれか1人を参照する」と定義されました。
その5枚のカード)《Nettling Imp》、《Norritt》、《荒れ狂うインプ/Maddening Imp》、
《セイレーンの呼び声/Siren’s Call》、《Arcum’s Whistle》
・806.10 (双頭巨人戦の共用ライフ)
双頭巨人戦の共用ライフと、一方のプレイヤーのライフの値の関係が一新されました。
詳しくは以前の記事を参照してください。
http://74598.diarynote.jp/201004141922208652/
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そんなところで。
コメント
>Aがなんらかの方法で、観客Cのバインダーから《審判の日》を選んで唱えた。
スタック上の《審判の日》のオーナーはAである。そして、Cのバインダーにある
《神の怒り》のオーナーはCである。
ここのところの意味がわからなかったのですが、アメリカンジョークか何かでしょうか?
現行カードプールでは、他のプレイヤーがオーナーの「ゲームの外部のオブジェクト」をゲーム内へ持ち込むことはできないはずですが、もしそうなら問題ありそうですなぁ。
#↑の審判の日の解決後や《差し戻し》たり《記憶の欠落》した場合は本来のAの所有するカードと混在する訳で。