Magic 2010 Rules Changes. (1/3)
2009年6月12日 RulingMagic2010における変更点のメモ書きです。
原文:http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/feature/42a
(言語設定を日本語にしていれば、日本語で読めます)
以下の記事は上記記事を参考にしていますが、内容は「第6版ルール」との差異を中心に
おいら的注釈がたっぷり使われていることにご注意下さい。
なお、M10ルールが実施されるのは2009年7月11日からです。(M10プレリリース日)
MOでは7月29日以降に実装される予定です。
#日本選手権本戦はM10ルール下で行われます。
変更点は原文によると7つですが、こちらは7章+2章に分けて書きます。
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1)同時マリガン
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(第6版ルール)
・先手、もしくは第1プレイヤーがマリガンを行うか否かを宣言してからマリガンを実行する。
初期手札が決まったら、次のプレイヤーがマリガンを行うかどうかを宣言して同様にする。
↓
(M10ルール)
・先手、もしくは第1プレイヤーからターン進行順に従い、各プレイヤーは順にマリガンを行うか否かを宣言する。
その後、マリガンを行うことを宣言した各プレイヤーは、同時にマリガンを実行する。
マリガンに関するルールが変更されました。
ゲームの準備の際に、先手側の手札を見ている最中、後手側がテーブルの上に7枚のカードを伏せて
おいてぼーっとしている、といった様な無駄な時間は、これから無くなります。
例)プレイヤーAとBの対戦。先攻はA。
・A、B共に自分の手札を見る。
・A「マリガンします。」
B「マリガンします。」
・A,B、同時にマリガンを行う。6枚のカードを引き直す。互いに自分の手札を見る。
・A「マリガンしません。」
B「マリガンします。」
・Aの手札はこれで確定。Aはもうマリガンを行うことはできない。
Bのみマリガンを行う。5枚のカードを引き直し、手札を見る。
・B「マリガンしません。」
・これで全員の手札が確定したので、ゲームを開始する。
今までと同様に、マリガンをしないことを選択し、初期手札を決定したプレイヤーは、
他のプレイヤーがマリガンをした後から、マリガンを「改めてし直す」ことはできません。
双頭巨人戦について補足しておきましょう。このルールならば以下のようになります。
・チームA(A1、A2)とチームB(B1、B2)が双頭巨人戦でゲームを始める。
先攻はチームA。
・A1「マリガンしません。」
A2「マリガンします。」
B1「マリガンします。」
B2「マリガンします。」
・A1の手札はこれで確定。以後、A1はマリガンを行うことはできない。
A2、B1、B2はマリガンを行い、7枚の手札を引き直す。(双頭巨人戦での1回目マリガンは7枚)
・A2「マリガンしません。」
B1「マリガンします。」
B2「マリガンしません。」
・A2、B2の手札が確定。B1のみマリガンを行う。B1は6枚の手札を引き直す。
・B1「マリガンしません。」
・全員の手札が確定。ゲームが開始される。
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2)用語の変更
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(第6版ルール)→(M10ルール)
・場/in play → 戦場/Battlefield
・(呪文を)プレイする/play → 唱える/Cast
・(起動型能力を)プレイする/play → 起動する/Activate
・(上記2つ以外の何かを)プレイする/play → プレイする/play
・ゲームから取り除く/Remove from the game → 追放する/Exile
・ゲーム外領域/Removed from the game zone → 追放領域/Exile zone
・ターン終了ステップ/End-of-turn step → 終了ステップ/End step
M10の紹介記事で掲載されていたカードの文章を見て、見慣れない用語に気づいたプレイヤーも
おられるでしょうが、基本的な用語の変更がM10で施されることになりました。
これによる機能変更はほとんどありません。単に言葉を入れ替えるだけです。
……まあ、これで済めば楽なのですが、領域名が変わってしまったことにより、
機能変更を受けるカード群があります。
《きらめく願い/Glittering Wish》などの『願い』系カードや、《Ring of Ma’ruf》といった
「ゲームの外部からカードを引っぱってくる」行動は、追放領域のカードを取れなくなりました。
これは、追放領域は「ゲームの内部」であり、今までのように「ゲーム外」にあるものとして
扱われなくなったからです。
今まで通り、サイドボード内のカードや、あなたのバインダーにあるコレクションのカードは
「外部」なので取ってくることはできます。が、《流刑への道/Path to Exile》で追放された
クリーチャーカードを《生ける願い/Living Wish》で取ってくることはできなくなります。
また、プレイ/play という動詞は適宜「唱える」「起動する」に変えられていますが、
それでも呪文や起動型能力以外のものをプレイする場合に、「プレイ」が使用されます。
代表的なのは「土地のプレイ」です。
#(以下私見)
#プレイされるのが呪文か、起動型能力か、それ以外の有象無象か、が動詞によって
#明確になったことにより、妙な省略が行われるかもしれません。
#例えば、《無のロッド/Null Rod》は
# "Activated abilities of artifacts can’t be played." ですが、
# "All artifacts can’t be activated." とか……
#まあ、さすがにここまでくるとわかりにくいので、そうはしないと思います。
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3)マナ・プールとマナ・バーン
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(第6版ルール)
・フェイズが終わったとき、プレイヤーのマナ・プールに残っている未使用のマナは失われる。
こうして失われた1マナごとに、そのプレイヤーは1ライフを失う。
↓
(M10ルール)
・フェイズやステップが終わったとき、プレイヤーのマナ・プールに残っている未使用のマナは失われる。
大きな変更の一つとして、マナがフェイズだけでなく、ステップを超えて持ち越すことができなくなりました。
アップキープ・ステップに《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》をプレイされたので、
とりあえず土地をタップしてマナを浮かせておいてから、ドロー・ステップに《炎の投げ槍/Flame Javelin》
を引き、先ほどの《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》にプレイする……というゲーム進行は、
M10ルール下では不可能です。(おっと、その前に「プレイ」じゃなくて「唱える」でしたね)
ドロー・ステップに入った時点で、アップキープ・ステップにマナ・プールに入っていたマナは失われています。
また、これと平行して、未使用のマナが失われる毎に1ライフを失う、いわゆる「マナ・バーン」が
無くなりました。フェイズやステップを超えて未使用なマナがある場合、そのマナは単純に失われます。
かつては雑誌名にもなっていたこともある、用語として完全に定着しているものを廃するので
戸惑いがあるでしょうが、そもそも普通のゲームでマナ・バーンが起こるようなゲーム進行が
ほとんど無いので、わりとすんなり移行できるのではないでしょうか。
この変更による機能変更は様々なカードに影響を及ぼしますが、主に戦術面において
「意図的にマナ・バーンによってライフを減らす」ことができなくなったのが大きいでしょう。
別の面からみると、大量にマナを放出するカードはデメリットが無くなったと言えます。
#《精神隷属器/Mindslaver》のルールで一文が消える点も面白い所ですね。
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4)トークンのオーナー
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(第6版ルール)
・トークンのオーナーは、それを場に出す 呪文や能力をコントロールしていたプレイヤーである。
↓
(M10ルール)
・トークンのオーナーは、そのトークンが出たときにそれをコントロールしていたプレイヤーである。
より直感に等しくなるように変更されました。
プレイヤーAが出した《狩り立てられたドラゴン/Hunted Dragon》で、
対戦相手のプレイヤーBのコントロールで騎士・トークンが3体出ました。
今までは、このオーナーはAだったので、《刻印/Brand》をプレイするとAにコントロールが移りますが、
M10ルールでは、この騎士・トークンのオーナーはBになるので、《刻印》をプレイしても何も起きません。
原文にもありますが、トークンのオーナーが必要になる場合(どちらの墓地にいくか? 等)や
多人数戦でプレイヤーがゲームから外れた場合等に、このルールは効いてきます。
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続きます。
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