Magic2010における変更点のメモ書きです。

原文:http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/feature/42a
(言語設定を日本語にしていれば、日本語で読めます)

以下の記事は上記記事を参考にしていますが、内容は「第6版ルール」との差異を中心に
おいら的注釈がたっぷり使われていることにご注意下さい。

なお、M10ルールが実施されるのは2009年7月11日からです。(M10プレリリース日)
MOでは7月29日以降に実装される予定です。

#日本選手権本戦はM10ルール下で行われます。

変更点は原文によると7つですが、こちらは7章+2章に分けて書きます。

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 1)同時マリガン
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(第6版ルール)
・先手、もしくは第1プレイヤーがマリガンを行うか否かを宣言してからマリガンを実行する。
 初期手札が決まったら、次のプレイヤーがマリガンを行うかどうかを宣言して同様にする。

(M10ルール)
・先手、もしくは第1プレイヤーからターン進行順に従い、各プレイヤーは順にマリガンを行うか否かを宣言する。
 その後、マリガンを行うことを宣言した各プレイヤーは、同時にマリガンを実行する。


マリガンに関するルールが変更されました。
ゲームの準備の際に、先手側の手札を見ている最中、後手側がテーブルの上に7枚のカードを伏せて
おいてぼーっとしている、といった様な無駄な時間は、これから無くなります。

例)プレイヤーAとBの対戦。先攻はA。

・A、B共に自分の手札を見る。

・A「マリガンします。」
 B「マリガンします。」

・A,B、同時にマリガンを行う。6枚のカードを引き直す。互いに自分の手札を見る。

・A「マリガンしません。」
 B「マリガンします。」

・Aの手札はこれで確定。Aはもうマリガンを行うことはできない。
 Bのみマリガンを行う。5枚のカードを引き直し、手札を見る。

・B「マリガンしません。」

・これで全員の手札が確定したので、ゲームを開始する。


今までと同様に、マリガンをしないことを選択し、初期手札を決定したプレイヤーは、
他のプレイヤーがマリガンをした後から、マリガンを「改めてし直す」ことはできません。

双頭巨人戦について補足しておきましょう。このルールならば以下のようになります。

・チームA(A1、A2)とチームB(B1、B2)が双頭巨人戦でゲームを始める。
 先攻はチームA。
 
・A1「マリガンしません。」
 A2「マリガンします。」
 B1「マリガンします。」
 B2「マリガンします。」

・A1の手札はこれで確定。以後、A1はマリガンを行うことはできない。
 A2、B1、B2はマリガンを行い、7枚の手札を引き直す。(双頭巨人戦での1回目マリガンは7枚)

・A2「マリガンしません。」
 B1「マリガンします。」
 B2「マリガンしません。」

・A2、B2の手札が確定。B1のみマリガンを行う。B1は6枚の手札を引き直す。

・B1「マリガンしません。」

・全員の手札が確定。ゲームが開始される。



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 2)用語の変更
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(第6版ルール)→(M10ルール)

・場/in play → 戦場/Battlefield

・(呪文を)プレイする/play → 唱える/Cast
・(起動型能力を)プレイする/play → 起動する/Activate
・(上記2つ以外の何かを)プレイする/play → プレイする/play

・ゲームから取り除く/Remove from the game → 追放する/Exile
・ゲーム外領域/Removed from the game zone → 追放領域/Exile zone

・ターン終了ステップ/End-of-turn step → 終了ステップ/End step

 
M10の紹介記事で掲載されていたカードの文章を見て、見慣れない用語に気づいたプレイヤーも
おられるでしょうが、基本的な用語の変更がM10で施されることになりました。

これによる機能変更はほとんどありません。単に言葉を入れ替えるだけです。

……まあ、これで済めば楽なのですが、領域名が変わってしまったことにより、
機能変更を受けるカード群があります。

《きらめく願い/Glittering Wish》などの『願い』系カードや、《Ring of Ma’ruf》といった
「ゲームの外部からカードを引っぱってくる」行動は、追放領域のカードを取れなくなりました。

これは、追放領域は「ゲームの内部」であり、今までのように「ゲーム外」にあるものとして
扱われなくなったからです。
今まで通り、サイドボード内のカードや、あなたのバインダーにあるコレクションのカードは
「外部」なので取ってくることはできます。が、《流刑への道/Path to Exile》で追放された
クリーチャーカードを《生ける願い/Living Wish》で取ってくることはできなくなります。

また、プレイ/play という動詞は適宜「唱える」「起動する」に変えられていますが、
それでも呪文や起動型能力以外のものをプレイする場合に、「プレイ」が使用されます。
代表的なのは「土地のプレイ」です。


#(以下私見)
#プレイされるのが呪文か、起動型能力か、それ以外の有象無象か、が動詞によって
#明確になったことにより、妙な省略が行われるかもしれません。
#例えば、《無のロッド/Null Rod》は
# "Activated abilities of artifacts can’t be played." ですが、
# "All artifacts can’t be activated."  とか……
#まあ、さすがにここまでくるとわかりにくいので、そうはしないと思います。


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 3)マナ・プールとマナ・バーン
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(第6版ルール)
・フェイズが終わったとき、プレイヤーのマナ・プールに残っている未使用のマナは失われる。
 こうして失われた1マナごとに、そのプレイヤーは1ライフを失う。

(M10ルール)
・フェイズやステップが終わったとき、プレイヤーのマナ・プールに残っている未使用のマナは失われる。


 
大きな変更の一つとして、マナがフェイズだけでなく、ステップを超えて持ち越すことができなくなりました。

アップキープ・ステップに《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》をプレイされたので、
とりあえず土地をタップしてマナを浮かせておいてから、ドロー・ステップに《炎の投げ槍/Flame Javelin》
を引き、先ほどの《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》にプレイする……というゲーム進行は、
M10ルール下では不可能です。(おっと、その前に「プレイ」じゃなくて「唱える」でしたね)

ドロー・ステップに入った時点で、アップキープ・ステップにマナ・プールに入っていたマナは失われています。

また、これと平行して、未使用のマナが失われる毎に1ライフを失う、いわゆる「マナ・バーン」が
無くなりました。フェイズやステップを超えて未使用なマナがある場合、そのマナは単純に失われます。

かつては雑誌名にもなっていたこともある、用語として完全に定着しているものを廃するので
戸惑いがあるでしょうが、そもそも普通のゲームでマナ・バーンが起こるようなゲーム進行が
ほとんど無いので、わりとすんなり移行できるのではないでしょうか。

この変更による機能変更は様々なカードに影響を及ぼしますが、主に戦術面において
「意図的にマナ・バーンによってライフを減らす」ことができなくなったのが大きいでしょう。

別の面からみると、大量にマナを放出するカードはデメリットが無くなったと言えます。

#《精神隷属器/Mindslaver》のルールで一文が消える点も面白い所ですね。


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 4)トークンのオーナー
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(第6版ルール)
・トークンのオーナーは、それを場に出す 呪文や能力をコントロールしていたプレイヤーである。

(M10ルール)
・トークンのオーナーは、そのトークンが出たときにそれをコントロールしていたプレイヤーである。


 
より直感に等しくなるように変更されました。

プレイヤーAが出した《狩り立てられたドラゴン/Hunted Dragon》で、
対戦相手のプレイヤーBのコントロールで騎士・トークンが3体出ました。

今までは、このオーナーはAだったので、《刻印/Brand》をプレイするとAにコントロールが移りますが、
M10ルールでは、この騎士・トークンのオーナーはBになるので、《刻印》をプレイしても何も起きません。

原文にもありますが、トークンのオーナーが必要になる場合(どちらの墓地にいくか? 等)や
多人数戦でプレイヤーがゲームから外れた場合等に、このルールは効いてきます。


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続きます。

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