#回答編が遅くなりました。本日は出題編も記事としてあげておきます。
それでは、先週の回答。
問1
かたならし○×。
「続唱/Cascade 能力の解決中に、ライブラリーを全て公開しても、該当するカードが
見つからなかった場合、以後の効果は無視され、取り除かれたカードはそのままになる。」
○か×か?
×
該当する呪文が公開されなかった場合、その部分だけが無視される。
つまり、ライブラリーを全て公開した後、それらを無作為の順番にし、ライブラリーに戻す。
したがって×。
問2
Aは《センの三つ子/Sen Triplets》をコントロールしている。
Aのターンのアップキープ・ステップに、誘発型能力が解決されて、Bは手札を公開した。
Bの手札は以下のようになっていた。
・《沼/Swamp》
・《荒廃稲妻/Blightning》
・《圧倒する雷/Resounding Thunder》
・《魂の火/Soul’s Fire》
A「……赤マナ無いんだね。」 B「土地しか引いてない上にマナ事故ってる。好きにしてくれ。」
さて、以下のうち、このターンにAが行うことができるのはどれか?(複数回答可)
1)Bの手札にある《沼/Swamp》をプレイしてAのコントロール下で置く。
2)Bの手札にある《荒廃稲妻》を、Bを対象にしてプレイし、
Bの手札にある《圧倒する雷》と《魂の火》を捨てさせる。
3)Bの手札にある《圧倒する雷》をサイクリングし、Bに6点のダメージを与え、Aがカードを1枚引く。
4)Bの手札にある《魂の火》をプレイし、Bのコントロールしている《シーリアのエルフ/Cylian Elf》
のパワー分である2ダメージを、B自体に与える。
1)のみ。
《センの三つ子/Sen Triplets》の誘発型能力は、《精神隷属器/Mindslaver》の能力とは異なり、
「相手の手札のカードをあなたがプレイできる」という単純な能力である。
効果の選択権は依然として相手にあるし、(何かできるなら)相手は行動をすることもできる。
……もっとも、マナ能力すら満足に起動できないので、たいしたことはできない。
では順番にみていこう。
2-1)
AはBの手札にあるカードをプレイできるので、《沼/Swamp》をプレイすることができる。
2-2)
AはBの手札にある《荒廃稲妻/Blightning》をプレイできるが、解決時にどのカードを捨てるかは
Bが選択する。Aは何を捨てさせるか、まで選択することはできない。
2-3)
《圧倒する雷》をAがサイクリングすることはできない。なぜなら、そのカードはAの手札にないからである。
→(CR502.18)
2-4)
プレイするのはあくまでAである。《魂の火》の1番目の対象となるクリーチャーのコントローラーは、
《魂の火》のコントローラーと同一でなくてはいけない。つまり、問題文のように1番目の対象を
Bのコントロールするクリーチャーにすることはできない。
問3
3-1)
私は《エイヴンの擬態術士/Aven Mimeomancer》をコントロールしている。
私のターンのアップキープ・ステップに、《エイヴンの擬態術士》の能力が誘発し、
対象を《灰色熊/Grizzly Bears》にした。
能力は解決され、《灰色熊》に羽根カウンターが乗せられた。
この後、相手の《マグマのしぶき》によって、私の《エイヴンの擬態術士》が場から離れた。
他に呪文や能力のやりとりが無く、《灰色熊》上のカウンターに影響がない場合、
《灰色熊》のP/Tはいくつか? また、これは飛行をもっているか?
3-2)
私は《成金、グヮファ・ハジード/Gwafa Hazid, Profiteer》をコントロールしている。
私のターンのメイン・フェイズに、《成金、グヮファ・ハジード》の能力を起動し、
対象を《灰色熊/Grizzly Bears》にした。
能力は解決され、《灰色熊》に賄賂カウンターが乗せられた。
この後、相手の《マグマのしぶき》によって、私の《成金、グヮファ・ハジード》が場から離れた。
他に呪文や能力のやりとりが無く、《灰色熊》上のカウンターに影響がない場合、
灰色熊は攻撃やブロックを行うことができるだろうか?
3-3)(やや難・ジャッジ向け)
3-1)、3-2)の主題であるカード2枚は、どちらも
『生物の上にカウンターを置き、それらに継続的効果を及ぼす』という挙動をしめす。
にもかかわらず、3-1)、3-2)の結論に差が出る。その理由を説明せよ。
ただし、「FAQに書いてあった」等、FAQからの引用は行わないこと。
3-4)
上記理由を踏まえた上で、以下のカード・テキストを考えてみる。
《憎赤/Hate Red》
Enchantment
At the beginning of your upkeep, you may put a hate counter on target creature. If you do, that creature is red as long as it has a hate counter on it.
Red creatures gets -2/-0.
3-1)、3-2)と同様に、このカードによって《灰色熊/Grizzly Bears》に hate counter を乗せ、
その後に《憎赤/Hate Red》が場を離れた場合、
《灰色熊》のP/Tはいくつか? また、色は何色か?
3-1)3/1で、飛行を持つ。
3-2)攻撃やブロックを行うことができる。
解説は次の3-3)と一緒に行う。
3-3)
2枚のカードのテキストを見比べてみよう。
《エイヴンの擬態術士/Aven Mimeomancer》
At the beginning of your upkeep, you may put a feather counter on target creature. If
you do, that creature is 3/1 and has flying as long as it has a feather counter on it.
《成金、グヮファ・ハジード/Gwafa Hazid, Profiteer》
{W}{U}, Tap: Put a bribery counter on target creature you don’t
control. Its controller draws a card.
Creatures with bribery counters on them can’t attack or block.
《エイヴンの擬態術士》のテキストは、
「~~とき、~~を対象とする。それに羽根カウンターを置いてもよい。置いた場合、
それは羽根カウンターがあるかぎり3/1になり飛行を持つ。」
という一つの長い誘発型能力であり、これは期限付きの継続的効果を作成する。
この場合の「期限」とは、「クリーチャーの上に羽根カウンターがあるかぎり」である。
つまり、場から《エイヴンの擬態術士》が無くなろうが、クリーチャーの上に羽根カウンターが
あるかぎり --- 継続的効果の期限が終わらないので --- このクリーチャーは3/1で飛行を持つ。
一方、《成金、グヮファ・ハジード》のテキストは、
「[コスト]:~~に賄賂カウンターを置く。~~」という起動型能力と、
「賄賂カウンターが置かれているクリーチャーは攻撃もブロックもできない」という常在型能力の
2つからなっている。
この場合、《成金、グヮファ・ハジード》自体が場から離れると、常在型能力も無くなるため、
賄賂カウンターが置かれていても、攻撃やブロックが可能になる。
2枚のカードの違いは、「生成される継続的効果の期限的な性質が異なる」のである。
3-4)
《憎赤/Hate Red》
Enchantment
At the beginning of your upkeep, you may put a hate counter on target creature. If you do, that creature is red as long as it has a hate counter on it.
Red creatures gets -2/-0.
このカードは誘発型能力(期限付きの継続的効果を生成する)と、常在型能力の2つからなっている。
3-3)の解説からもわかるとおり、これ自体が場から離れても、hateカウンターが乗っているかぎり
そのクリーチャーは赤である。が、常在型能力は失われるので、
《灰色熊》は2/2で、赤色である。
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そんなところで。
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