EDHのデッキ構築は慣れていないとわからない上に、通常の二人対戦とは異なる点が多く、
「面白そうだけど組み方がわからない」というプレイヤーも多いのではないでしょうか。

そんな人のために、おいら流の「EDHデッキの組み方」をしばらく書いてみようと思います。
もちろん組み方は人それぞれですが、こういう考え方もあるよ、くらいに受け止めてもらえれば。

なお、EDHの基本的なルールは以下を参照のこと。

参考リンク

 ・おいら過去記事(やや古いので禁止カードのリスト等が異なります)
    http://74598.diarynote.jp/200803121309400000/

 ・Official Elder Dragon Highlander (EDH) Rules
    http://csclub.uwaterloo.ca/~geduggan/EDH_rules.html

 ・上記ルールの日本語訳(進藤さんによる)
    http://logicwolf.sakura.ne.jp/magic/edh.html

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マナの割合

普通の構築戦においてデッキを組む場合、60枚の中の土地配分は24枚ぐらいが普通である。
つまり土地の割合は総枚数の4割なので、EDHの100枚デッキの場合、土地は40枚が標準となる。

また、マナを生み出す目的のアーティファクトやクリーチャーは、普通の考え方と同じく、

 「2枚のマナ・アーティファクトorクリーチャー」=「土地1枚」

と大ざっぱに考えて良い。ただし、入れるマナ・アーティファクトやクリーチャーの
マナ・コストが大きいと、結局はマナ不足に陥ってしまう。個人的には、
4マナ以上のマナ・コストを持った「マナ供給用」のカードは、普通の呪文と考えている。

 
フェッチ・ランドの有用性

《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》や《汚染された三角州/Polluted Delta》といった、
いわゆるフェッチ・ランドは、通常の構築戦では頻繁に使用されている。
主な理由は、出せるマナの種類が多くなるのと、デッキの圧縮という面があるからだ。

ところが、EDHでは思ったほどフェッチ・ランドの有用性が無いと私は思う。

EDHは多人数戦を想定しているので、「1ターンにやれること」を多くした方が有利になる。
つまり、使えるマナが増えれば増えるほどよい。自分のターンでアクションを行い、
他人のターン(こっちのほうが長い)に有用なアクションができるようにするには、
どうしても大量のマナが必要である。

さて、ご存じのようにフェッチ・ランドはマナの種類は増えても、総量は増えない。
また、デッキの圧縮という面でも、元々のライブラリーの枚数が多い故に普通の構築戦よりも
メリットが薄れてしまっている。

以上の点から、私はフェッチ・ランドをあまり使わない。
これよりも《やせた原野/Barren Moor》などのサイクリング・土地の方が、置いた場合に
マナの総量が増える点や、後半に引いてもムダにならない点において優れていると考える。

 
土地を並べる VS 非土地マナ基盤を採用する

1ターンにできることを多くするために、《不屈の自然/Rampant Growth》や
《木霊の手の内/Kodama’s Reach》を使い、土地を高速で展開する形は、
EDHでそれなりに有利に立てる。

ただし、EDHでほぼ確実に刺さっているリセット系呪文に対して極端に弱くなる。
土地を含めたリセットボタンは、白と赤のお家芸である。主なところでは
《ハルマゲドン/Armageddon》、《大変動/Cataclysm》、《ジョークルホープス/Jokulhaups》、
《抹消/Obliterate》と、さまざまである。

これによる被害を小さくするためには、土地以外によるマナ基盤を準備する方法がある。
構築戦では《極楽鳥/Birds of Paradise》や《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》といった
マナ能力付きのクリーチャーがよく採用されるが、EDHではクリーチャーが除去されやすいので、
マナ基盤として採用するならばアーティファクトを使用するほうが良いと思われる。

(もちろん、アーティファクトをいじめる呪文も入っている場合が多いので、過信は禁物。)

 
マナ・アーティファクトについて

いくつかのマナ・アーティファクトについて個人的な感想を以下に挙げる。
これ以外にも有用なアーティファクトがあれば、是非デッキに投入して使用してもらいたい。
順番はコストの小さい方から。

*《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》
  (資産的な意味でもデッキ的な意味でも)余裕があるなら入れても良い。土地枚数に注意。

*《Mana Crypt》
  3ダメージのコインフリップに勝ち続けられる運と、それを場に出したときの対戦相手の
  視線と反応に耐えられる人向け。

*《Sol Ring》
  入らない理由がないので土地1枚抜いて早く入れなさい。それくらい強い。
  時には空気を読むことも必要。

*《魔力の櫃/Mana Vault》、《厳かなモノリス/Grim Monolith》
  無色3マナブースト。決して弱くはない。たまに相手の《氷の干渉器/Icy Manipulator》に泣く。

*《アゾリウスの印鑑/Azorius Signet》など各ギルド印鑑
  色が合うならば印鑑を大量に採用するのもよい。3色のジェネラルならば確実に3個入る。

*《冷鉄の心臓/Coldsteel Heart》
  2マナタップインだが、選んだ色が出る。Snow-manaであることも忘れずに。

*《星のコンパス/Star Compass》
  基本土地を多く採用しているデッキには○。ダブルマナシンボルが多いデッキに。

*《友なる石/Fellwar Stone》
  対戦相手はたくさんいるはず。なのでなんでも出る……と思いがち。
  2マナ域ならば他のカードもたくさんある。

*《精神石/Mind Stone》
  マナは増えるわドローに代えられるわと有用な一品。おすすめ。

*《ダークスティールの鋳塊/Darksteel Ingot》
  壊れない、何色でも出るとまさに盤石のマナ基盤。単色でも多色でも真っ先に入れるべきカード。

*《連合の秘宝/Coalition Relic》
  実質2マナ増えるマナ基盤。何色でもokなところも良い。

*《ウェザーシードのトーテム像/Weatherseed Totem》など各色トーテム像
  いざというときにクリーチャーになれるところが地味に強い。でも地味。
  色による差も顕著。黒は怖くて入れにくいし、青は能力が異次元。

*《幽体の照明灯/Spectral Searchlight》
  他人のマナ・プールにマナを与えることができる。多人数戦ならではの駆け引きをしたい人に。
  「んー。あの呪文打ち消して欲しいんだけど。何? マナがないって? いつでもどうぞ。」

*《摩滅したパワーストーン/Worn Powerstone》
  マナ・アーティファクトとしてはぎりぎり許せる部類。でも無色マナなら他のカードも。

(番外編)
*《彩色の星/Chromatic Star》、《彩色の宝球/Chromatic Sphere》、《逆刺の六分儀/Barbed Sextant》
  デッキが単色であったとしても圧縮に使える。でもマナ総量は増えない。
  入れたいカードがすぐ飽和してしまうEDHでは、採用するにはちょいとつらそう。

 
瞬間マナ

マナを出すにはマナ能力を使用する以外に、《暗黒の儀式/Dark Ritual》や《炎の儀式/Rite of Flame》
といったインスタント呪文でマナを得る方法がある。ただ、EDHではハイランダー構築という縛り
があるため、各1枚しか入れられない。これにより、有用性は随分薄れてしまっている。

デッキのメインテーマに沿っている場合に入ることもあるが、無理をして入れる必要はない。

 
ビッグ・マナ

これまではちまちまとしたマナ基盤について述べてきたが、マナを増やす方法として
《ほとばしる魔力/Mana Flare》や《春の鼓動/Heartbeat of Spring》を使用し、
土地から得られるマナを2倍にして大呪文を連発するデッキタイプもある。

ジェネラルと上手く組み合わせれば、複数の対戦相手を圧倒することも夢ではない。


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そんなところで。

明日はFMQの回答編。


コメント

O村
2009年3月10日16:55

《幽体の照明灯/Spectral Searchlight》で駆け引きをするって言うのは盲点でしたね。面白そうなので使う機会があれば入れてみようと思います。

やまぴい
2009年3月11日1:14

いいマナアーティファクトないかなーと思ってたんですが、ダークスティールの鋳塊がありましたね。
何より、壊れないってのは偉い。えらすぎる。

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