Answer: Friday Magic Quiz. [08-42A]
2008年12月24日 FMQ コメント (16)#基本的に冬という季節は空気が澄んでいて好きなのですが、
#あまりに寒すぎると耐えられないです。
#朝早くの寒ささえ乗り切ることができれば、
#一日が楽になるのですけどねえ。
今年の更新は12月26日(金)の更新でおしまいです。
26日は金曜日ですが、FMQではなくてちとややこしい話を書こうと思っています。
今週末にはFinals、Limitsの本戦がありますが、参加される方はがんばって下さい。
それでは先週の回答。
×
場やスタック以外の領域に存在するオブジェクトにはコントローラーは存在しない。
(CR用語集「コントローラー」)
つまり、「あなたの手札領域にあるカード」のコントローラーは存在しない。
それでもコントローラーの情報が必要な場合、代わりにそのオーナーを用いる。
1つ目:貪食能力は対象を取らない
貪食は常在型能力であり、これは場に出る際の状態を変更させる効果を持つ。
これによって対象を取ることはないので、Bが「貪食の対象は?」と聞くのはそもそも間違い。
2つ目:優先権を続けてパスしているのに更にAが何か行動している
上記やりとりでは、Aは《捕食者のドラゴン》をプレイしてから優先権をパスしている。
そして、Bは何もせずにパスしている。
この時点で「全てのプレイヤーが続けてパス」を行ったので、スタックの一番上にある
オブジェクト……この場合は《捕食者のドラゴン》……が解決に入る。
ところが、解決に入らずにAは《ヴィティアのとげ刺し》の能力をプレイしている。
本当ならばAは《ヴィティアのとげ刺し》の能力を前もって起動してから、優先権をパス
しなくてはいけない。
3-1)~3-4)すべて、プレイできる。
基本的な考え方を。
ライブラリーの一番上が《天望の騎士》である場合に、
《技を借りる者》が持つ能力(A)を起動する。
その後、ライブラリーに触ることなく、一番上が《天望の騎士》のままであれば、
このターン中に能力(A)を再度起動することはできない。
#……当たり前? うん、その感覚は大切。
これから言えることは、「同じオブジェクト(=ライブラリーの一番上のカード)から
得た能力(A)は、このターン中に再度起動することはできない」ということである。
では、それぞれの問いに対して解説をする。
3-1)
ライブラリーの一番上のカードは同名だが別のオブジェクトになっている。
つまり、別のオブジェクトより《技を借りる者》が得た能力(A)は、
前もって起動した能力とは何の関係もない。従って、(A)を起動することができる。
3-2)
ライブラリーは一度シャッフルされており、それによって一番上になったカードは、
シャッフル前に一番上であったカードとは何も関係がない。
つまり、シャッフル前に一番上にあった《天望の騎士》と、シャッフル後に一番上になった
《天望の騎士》は、異なるオブジェクトである。たとえそれが物理的に全く同じカードで
あったとしても、それらは異なるオブジェクトとして扱われる。
結局、別のオブジェクトより《技を借りる者》が得た能力(A)は、
前もって起動した能力とは何の関係もない。従って、(A)を起動することができる。
3-3)
《天望の騎士》は、ライブラリー→手札→スタック→ライブラリー、と領域を移動している。
ある領域から別の領域に移動したオブジェクトは、新しいオブジェクトとして扱われる。
つまり、かつて一番上にあった《天望の騎士》と、《記憶の欠落》によって戻された
《天望の騎士》は別のオブジェクトである。
結局、別のオブジェクトより《技を借りる者》が得た能力(A)は、
前もって起動した能力とは何の関係もない。従って、(A)を起動することができる。
3-4)
3-2)とほぼ同様に、ライブラリーは一度操作されており、それによって一番上になったカードは、
シャッフル前に一番上であったカードとは何も関係がない。
従って《師範の占い独楽》の起動前に一番上であった《天望の騎士》と、
起動後に一番上になった《天望の騎士》は異なるオブジェクトである。
結局、別のオブジェクトより《技を借りる者》が得た能力(A)は、
前もって起動した能力とは何の関係もない。従って、(A)を起動することができる。
------------------------------------
再度起動することが出来ない(=同じオブジェクトである)例を挙げる。
問題の状況と同じく、ライブラリーの一番上は《天望の騎士》であり、
場の《技を借りる者》は能力(A)を起動している、とする。
同じターン中に、なんらかの効果によってライブラリーの上にカードが乗せられ、
(《破門/Excommunicate》や《記憶の欠落》など)
その後にカードを一枚引いたとする。
そうすると、結局のところ、一番上は《天望の騎士》になる。
さて、《技を借りる者》が現在得ている能力(A)は、明らかにこの《天望の騎士》という
オブジェクトから得た能力である。この能力は既にこのターンに起動しているので、
「同じオブジェクトから得た能力(A)は、このターン中に再度起動できない。」
------------------------------------
同じような挙動は、「~~の能力を得る」と書かれているいくつかのカードでも同様におこる。
例)《クラージ実験体/Experiment Kraj》、《ヴォルラスの多相の戦士/Volrath’s Shapeshifter》など
-------------------
そんなところで。
#あまりに寒すぎると耐えられないです。
#朝早くの寒ささえ乗り切ることができれば、
#一日が楽になるのですけどねえ。
今年の更新は12月26日(金)の更新でおしまいです。
26日は金曜日ですが、FMQではなくてちとややこしい話を書こうと思っています。
今週末にはFinals、Limitsの本戦がありますが、参加される方はがんばって下さい。
それでは先週の回答。
問1
かたならし○×。
「あなたの手札にあるカードのコントローラーは、『あなた』である。」
○か×か?
×
場やスタック以外の領域に存在するオブジェクトにはコントローラーは存在しない。
(CR用語集「コントローラー」)
つまり、「あなたの手札領域にあるカード」のコントローラーは存在しない。
それでもコントローラーの情報が必要な場合、代わりにそのオーナーを用いる。
問2
A「《捕食者のドラゴン/Predator Dragon》をプレイ。」
B「強いレア引いてるなー。で、貪食の対象は?」
A「《峠のラネット/Ridge Rannet》除いて全部、かな。何かする?」
B「いや、なにもしないよ。」
A「じゃあ、《ヴィティアのとげ刺し/Vithian Stinger》で本体に1点与えてから食べるよ。
えっと、1/1のトークン3つと併せて4体だから、+1/+1が8個だね。」
B「1点食らって残り13。で、ドラゴンで12点食らって、蘇生で1点・・・ぴったりか。」
A「勝ちで良いかな? もちろんそちらに何もなければ、だけど。」
上記やりとりの中で、ルール的におかしい点を指摘せよ。
1つ目:貪食能力は対象を取らない
貪食は常在型能力であり、これは場に出る際の状態を変更させる効果を持つ。
これによって対象を取ることはないので、Bが「貪食の対象は?」と聞くのはそもそも間違い。
2つ目:優先権を続けてパスしているのに更にAが何か行動している
上記やりとりでは、Aは《捕食者のドラゴン》をプレイしてから優先権をパスしている。
そして、Bは何もせずにパスしている。
この時点で「全てのプレイヤーが続けてパス」を行ったので、スタックの一番上にある
オブジェクト……この場合は《捕食者のドラゴン》……が解決に入る。
ところが、解決に入らずにAは《ヴィティアのとげ刺し》の能力をプレイしている。
本当ならばAは《ヴィティアのとげ刺し》の能力を前もって起動してから、優先権をパス
しなくてはいけない。
問3 (難)
*各設問は続いているのではなく、それぞれ単独で考えて下さい。
私は《技を借りる者/Skill Borrower》をコントロールしている。
3-1)
私のターンの第1メイン・フェイズで、公開されているライブラリーの一番上は
《天望の騎士/Knight of the Skyward Eye》だった。
このとき、《技を借りる者》は、以下の起動型能力(A)をもつ。
「{3}{G}:~このカード~はターン終了時まで+3/+3の修整を受ける。
この能力は、各ターンに1回のみプレイできる」
私は第1メイン・フェイズ中にこの能力を起動した。
同じフェイズ中に、私は《ジャングルの織り手/Jungle Weaver》をサイクリングし、カードを引いた。
新しくライブラリーの一番上になったのは、またしても《天望の騎士》だった。
さて、私はこのターン中に再度《技を借りる者》が持つ起動型能力(A)をプレイできるだろうか?
3-2)
私のターンの第1メイン・フェイズで、公開されているライブラリーの一番上は
《天望の騎士/Knight of the Skyward Eye》だった。
このとき、《技を借りる者》は、前述の起動型能力(A)をもつ。
私は第1メイン・フェイズ中にこの能力を起動した。
その後、私は《ナヤの全景/Naya Panorama》の2番目の能力を起動し、ライブラリーから基本土地を探した。
シャッフル後、新しくライブラリーの一番上になったのは、またしても《天望の騎士》だった。
さて、私はこのターン中に再度《技を借りる者》が持つ起動型能力(A)をプレイできるだろうか?
3-3)
私のターンのアップキープ・ステップで、公開されているライブラリーの一番上は
《天望の騎士/Knight of the Skyward Eye》だった。
このとき、《技を借りる者》は、前述の起動型能力(A)をもつ。
私はアップキープ・ステップ中にこの能力を起動した。
その後、ドロー・ステップに《天望の騎士》を引き、
新しくライブラリーの一番上になったのは、《平地/Plains》だった。
第1メイン・フェイズで私が《天望の騎士》をプレイすると、
対戦相手は《記憶の欠落/Memory Lapse》でそれを打ち消してライブラリーの上へ戻した。
このため、私のライブラリーの一番上のカードは、《天望の騎士》になった。
さて、私はこのターン中に再度《技を借りる者》が持つ起動型能力(A)をプレイできるだろうか?
3-4)
私のターンの第1メイン・フェイズで、公開されているライブラリーの一番上は
《天望の騎士/Knight of the Skyward Eye》だった。
このとき、《技を借りる者》は、前述の起動型能力(A)をもつ。
私は第1メイン・フェイズ中にこの能力を起動した。
その後、私は《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》の1番目の能力を起動し、
ライブラリーの上から3枚を見たが、順番を変えずにそのまま元に戻した。
当然、ライブラリーの一番上になったのは、《天望の騎士》のままである。
さて、私はこのターン中に再度《技を借りる者》が持つ起動型能力(A)をプレイできるだろうか?
3-1)~3-4)すべて、プレイできる。
基本的な考え方を。
ライブラリーの一番上が《天望の騎士》である場合に、
《技を借りる者》が持つ能力(A)を起動する。
その後、ライブラリーに触ることなく、一番上が《天望の騎士》のままであれば、
このターン中に能力(A)を再度起動することはできない。
#……当たり前? うん、その感覚は大切。
これから言えることは、「同じオブジェクト(=ライブラリーの一番上のカード)から
得た能力(A)は、このターン中に再度起動することはできない」ということである。
では、それぞれの問いに対して解説をする。
3-1)
ライブラリーの一番上のカードは同名だが別のオブジェクトになっている。
つまり、別のオブジェクトより《技を借りる者》が得た能力(A)は、
前もって起動した能力とは何の関係もない。従って、(A)を起動することができる。
3-2)
ライブラリーは一度シャッフルされており、それによって一番上になったカードは、
シャッフル前に一番上であったカードとは何も関係がない。
つまり、シャッフル前に一番上にあった《天望の騎士》と、シャッフル後に一番上になった
《天望の騎士》は、異なるオブジェクトである。たとえそれが物理的に全く同じカードで
あったとしても、それらは異なるオブジェクトとして扱われる。
結局、別のオブジェクトより《技を借りる者》が得た能力(A)は、
前もって起動した能力とは何の関係もない。従って、(A)を起動することができる。
3-3)
《天望の騎士》は、ライブラリー→手札→スタック→ライブラリー、と領域を移動している。
ある領域から別の領域に移動したオブジェクトは、新しいオブジェクトとして扱われる。
つまり、かつて一番上にあった《天望の騎士》と、《記憶の欠落》によって戻された
《天望の騎士》は別のオブジェクトである。
結局、別のオブジェクトより《技を借りる者》が得た能力(A)は、
前もって起動した能力とは何の関係もない。従って、(A)を起動することができる。
3-4)
3-2)とほぼ同様に、ライブラリーは一度操作されており、それによって一番上になったカードは、
シャッフル前に一番上であったカードとは何も関係がない。
従って《師範の占い独楽》の起動前に一番上であった《天望の騎士》と、
起動後に一番上になった《天望の騎士》は異なるオブジェクトである。
結局、別のオブジェクトより《技を借りる者》が得た能力(A)は、
前もって起動した能力とは何の関係もない。従って、(A)を起動することができる。
------------------------------------
再度起動することが出来ない(=同じオブジェクトである)例を挙げる。
問題の状況と同じく、ライブラリーの一番上は《天望の騎士》であり、
場の《技を借りる者》は能力(A)を起動している、とする。
同じターン中に、なんらかの効果によってライブラリーの上にカードが乗せられ、
(《破門/Excommunicate》や《記憶の欠落》など)
その後にカードを一枚引いたとする。
そうすると、結局のところ、一番上は《天望の騎士》になる。
さて、《技を借りる者》が現在得ている能力(A)は、明らかにこの《天望の騎士》という
オブジェクトから得た能力である。この能力は既にこのターンに起動しているので、
「同じオブジェクトから得た能力(A)は、このターン中に再度起動できない。」
------------------------------------
同じような挙動は、「~~の能力を得る」と書かれているいくつかのカードでも同様におこる。
例)《クラージ実験体/Experiment Kraj》、《ヴォルラスの多相の戦士/Volrath’s Shapeshifter》など
-------------------
そんなところで。
コメント
>問3
>再度起動することが出来ない(=同じオブジェクトである)例を挙げる。
ライブラリーの一番上のカードが変わる際、《技を借りる者》には、「それまで一番上だったカードの起動型能力を失い」「新しく一番上になったカードの起動型能力を得る」という変化が生じますね。
つまり、この例の《技を借りる者》は、ある《天望の騎士》から一度能力を得て、その後それを失い、その後再び同一の《天望の騎士》から能力を得たわけですね。
すると、testingさんが仰っているのは、「同じオブジェクトから得た同じテキストの能力は、それを何度得ようとも、すべて同一の能力である」ということなのですか? そうしますと、
1. 《水銀の精霊》の能力を、同一の《天望の騎士》を対象に2回プレイして解決し、2つの(同じ文面の)起動型能力を得たとします。そのうちの一方を起動した同じターン中にはもう一方を起動できない、ということになるのですか?
2. 《水銀の精霊》の能力を、《Goblin Ski Patrol》を対象にプレイして解決した後、その《Goblin Ski Patrol》に《幻覚》をプレイして解決し、「山」を「森」に書き換えました。その後再び《水銀の精霊》の能力をその《Goblin Ski Patrol》を対象にプレイして解決すると、結果として、《水銀の精霊》は文面の異なる2つの能力を《Goblin Ski Patrol》から得た状態になりますね。それでもそれらは同一の能力であり、一方をプレイしたターン中にはもう一方をプレイすることはできない、ということになるのですか?
3. 《水銀の精霊》の能力を、《石の死の姉妹》を対象にプレイして解決し、3つの起動型能力を得ました。その後で、その2番目の能力をプレイして、対戦相手のコントロールしている《灰色熊》をゲームから取り除きました。次のターン、《水銀の精霊》の能力を再び同一の《石の死の姉妹》を対象にプレイして解決し、3つの起動型能力を得ました。その3番目の能力をプレイして、先ほど取り除いた《灰色熊》を場に出すことができるのですか? (というか、そういうことはできないというのがCR407.3の言っていることではないかと思うのですが。)
あるオブジェクトが持つある能力のテキストに「この能力」と書いてあったら、それは、そのオブジェクトが持っているその能力(テキスト)だけを指し、同じ文面の他の能力のことは指さないのではないかと思うのですが如何でしょうか(よしんばそれが同一のオブジェクトから得たものだったとしても)。
自分のライブラリーが残り1枚で《天望の騎士》の場合でも、《師範の占い独楽》の1つ目の能力の解決後はもう一度使えるのでしょうか
1枚しかライブラリーがないんだからどう考えても同じカードだからできません
だと思うんですけどね
>(《破門/Excommunicate》や《記憶の欠落》など)
>その後にカードを一枚引いたとする。
この場合、「明らかにこの《天望の騎士》というオブジェクトから得た能力である。」という情報はプレイヤーの記憶のみに頼っていますが、それでも同じオブジェクトとして扱うのでしょうか。
そうなると、複数枚のカードがライブラリーの上に置かれ、さらにその上に置かれたカードが《衝動》やドローなどで操作されたとしても、《天望の騎士》自体が動いていなければ同じオブジェクトとして扱う、つまりは常にプレイヤーは公開されたカードがライブラリーの上から何枚目にあるかというのを記憶しないといけなくなってしまうのですが。
自分はゲームが同じオブジェクトかを見るのは公開されているカードのみだけだと思っていたんですが、今考えるとこれは変異の問題が出てきますね。
>つまり、シャッフル前に一番上にあった《天望の騎士》と、シャッフル後に一番上になった
>《天望の騎士》は、異なるオブジェクトである。たとえそれが物理的に全く同じカードで
>あったとしても、それらは異なるオブジェクトとして扱われる。
これの根拠となるルールが見つからないのです。《天望の騎士》は異なる領域へと移動したわけではありませんし、それが物理的に同じカードであれば、シャッフル前後でも同じオブジェクトなのでは無いでしょうか。(例え誰にも判別が付かないとしても)
私は《技を借りる者》は単にライブラリートップのカードと同じ文面の能力を得ているだけであり、元の能力の持ち主がどのオブジェクトかという所まで記憶していないのではないか、と考えています。
なので《技を借りる者》が再び(A)を起動できるのは異なるオブジェクトから能力を得たからでは無く、
ライブラリーを切り直している間ライブラリートップは非公開になり、《技を借りる者》は一旦(A)を失う。その後シャッフルが終わって《技を借りる者》は再度(A)を得るが、それは新しく得たものなのでシャッフル前の(A)とは関係無く、同じターン中にもう一度起動できる。
という理屈ではないかと思うのですが、どうでしょうか。
ライブラリーを切り直している間も、《技を借りる者》の能力は機能しています。
ということは、プレイヤーはライブラリーの一番上を公開したままライブラリーを切り直さなくてはなりません。
が、実際はそんなことはしませんし、意味がありません。
対戦相手にカットを求めるときに既にライブラリー・トップが公開されていたりはしませんよね。
これは、「ライブラリーを切り直している間は、ライブラリーには『一番上』は存在しない」ということに他ならないかと思います。
となると、ライブラリーを切り直し始めるその瞬間に《技を借りる者》は能力を失い、ライブラリーを切り直し終わった瞬間に《技を借りる者》は再び能力を得ることになるのではないでしょうか。
(それらがたまたま同じオブジェクトから得た能力だった場合に、同じ能力と見なして本当によいのか、という質問を上の方でさせて頂いております。)
ちょいと長くなるので、おいらのコメントを2つに分けます。
> いく さん
> 「同じオブジェクトから得た同じテキストの能力は、それを何度得ようとも、
> すべて同一の能力である」ということなのですか?
いいえ。そのような事を言いたかったわけではありません。
問題の《技を借りる者》の場合、得た能力が以前と同一のオブジェクトからもたらされた
同じ能力なので、前に起動した能力と同じである、というだけです。
> 1. 《水銀の精霊》の能力を、同一の《天望の騎士》を対象に2回プレイして解決し、
> 2つの(同じ文面の)起動型能力を得たとします。そのうちの一方を起動した同じターン中には
> もう一方を起動できない、ということになるのですか?
いいえ。
それらの2つの能力は同じ文面を持ちますが、《水銀の精霊》がもつ別々の能力です。
一方の能力は、それと同じ文面である他方の能力とは無関係に動きます。(CR402.7)
> 2. 《水銀の精霊》の能力を、《Goblin Ski Patrol》を対象にプレイして解決した後、
>(略)
> それでもそれらは同一の能力であり、一方をプレイしたターン中にはもう一方をプレイする
> ことはできない、ということになるのですか?
いいえ。
上の回答と同様に、それらは別々の能力であり互いに無関係です。
> 3. 《水銀の精霊》の能力を、《石の死の姉妹》を対象にプレイして解決し、
> (略)
> その3番目の能力をプレイして、先ほど取り除いた《灰色熊》を場に出すことができるのですか?
いいえ。
上の1.の回答と同様に、それらは別々の能力であり、1回目に得た能力群での能力と、
2回目に得た能力群での能力は関連して(=linked)いません。まさしくCR407.3の通りです。
------
> そらみん さん
>自分のライブラリーが残り1枚で《天望の騎士》の場合でも、《師範の占い独楽》の1つ目の
>能力の解決後はもう一度使えるのでしょうか
はい。
ライブラリーの順番が変化した可能性がある操作が加えられたので、
起動前の一番上と、起動後の一番上は別のオブジェクトです。
これはライブラリーの枚数に依りません。
> 1枚しかライブラリーがないんだからどう考えても同じカードだからできません
この場合は物理的なカードの一致よりも、「加えられた操作によって、以前とは別のオブジェクトと
して扱われるか?」が問題となるかと。
-----
> okay さん
> この場合、「明らかにこの《天望の騎士》というオブジェクトから得た能力である。」という情報
> はプレイヤーの記憶のみに頼っていますが、それでも同じオブジェクトとして扱うのでしょうか。
はい。
プレイヤーの記憶云々という話になってくると、すこし胡散臭くなるので、
「ゲームがその情報を覚えている」という言い方ではどうでしょう。
また、先ほど少し書きましたが、「ライブラリーの順番が変化する可能性がある操作」が
行われると、ライブラリーの一番上(もしくはライブラリーの各部分)は
同じオブジェクトとは言えなくなってしまい、新しいオブジェクトとして扱われるべきです。
この部分に関するCR番号はありません。
#が、個人的な考えを申しますと、ライブラリー領域は非公開であるけれども、
#カードの順番は決められている領域であると考えています。
#なので、一部であれ全部であれ、順番が入れ替わるような操作が行われると、
#ライブラリーのカードの順番が「壊れる」ので、オブジェクトとしては新しいものと
#考えたほうが自然でしょう。
> これの根拠となるルールが見つからないのです。《天望の騎士》は異なる領域へと移動したわけ
> ではありませんし、それが物理的に同じカードであれば、シャッフル前後でも同じオブジェクト
> なのでは無いでしょうか。(例え誰にも判別が付かないとしても)
okayさんへの回答に書いたとおり、この部分をはっきり書いているCR番号はありません。
「誰にも判別がつかないが、物理的に同じなので、これは同じオブジェクトである」
というのは少し無理があるかと。問いを問いで返してしまうので申し訳ないですが、
誰にも判別がつかない可能性があるのに、どうやってそれが物理的に同じだと言えるのでしょうか?
物理的に同じカードであったとしても、それが以前のカードと同一視できない場合は、
そのカードは以前とは異なるオブジェクトとして扱われた方が、CR的には自然だと私は考えます。
> 私は《技を借りる者》は単にライブラリートップのカードと同じ文面の能力を得ているだけであり、
> 元の能力の持ち主がどのオブジェクトかという所まで記憶していないのではないか、と考えています。
元になったオブジェクトがどれかを記憶していないならば、どの能力を得たかも参照できない
のではないかと思うのですが……私の考え違いなのでしょうか。
《技を借りる者》のテキストには
"...Skill Borrower has all activated abilities of that card. "
と書かれており、明らかにこれは一つのオブジェクト(=カード)を指しています。
無知を晒すようですが、「ある領域のオブジェクトと同じ文面の能力を得ているだけ」で、
「そのカードが何であるかは記憶しない」という別の事例、CR番号を見いだすことは
私にはできませんでした。もしよろしければご教授下さい。
> ライブラリーを切り直している間ライブラリートップは非公開になり、《技を借りる者》は
> 一旦(A)を失う。その後シャッフルが終わって《技を借りる者》は再度(A)を得るが、それは
> 新しく得たものなのでシャッフル前の(A)とは関係無く、同じターン中にもう一度起動できる。
ライブラリーの一番上のカードが特定できなくなることにより、一端は《技を借りる者》が
得ていた能力を失う、という点は私も同意です。
ですが、再度得た能力(A)が、かつて持っていた能力(A)と全く同じであるかどうかは、
元々参照していたオブジェクトが同一であるかどうかを判断すると、私は考えます。
いくさんの2つ目のコメントにもあるとおり、ライブラリー操作中は、ライブラリーの一番上の
カードが存在しないという御指摘がありますので、以下の状況を考えてみて下さい。
《クラージ実験体/Experiment Kraj》と+1/+1カウンターが乗った《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla》
があるとします。《クラージ実験体》は《日を浴びるルートワラ》の起動型能力を得ています。
この能力を起動し、《クラージ実験体》は+2/+2の修整を得ました。
同じターンに、この《日を浴びるルートワラ》に-1/-1カウンターが乗せられ、
+1/+1カウンターが無くなってしまいました。
この時点で、《クラージ実験体》は《日を浴びるルートワラ》の能力を失っています。
さらに、同じターンに、《日を浴びるルートワラ》に+1/+1カウンターが乗せられました。
さて、《クラージ実験体》は《日を浴びるルートワラ》の起動型能力を得ます
……鯉さんやいくさんの言い方をお借りするなら、「忘れた後で新しく得た」のですが……
《クラージ実験体》はもう一度この能力を起動して、+2/+2修整をさらに得ることは可能でしょうか?
私は「同じオブジェクトから得た同じ能力であるので、起動できない」と考えます。
>問題の《技を借りる者》の場合、得た能力が以前と同一のオブジェクトからもたらされた
>同じ能力なので、前に起動した能力と同じである、というだけです。
《水銀の精霊》のケースと《技を借りる者》のケースの違いがわたしには良く分かりません。
どちらも、同一のオブジェクトの同一の能力を参照して得た能力ですよね。
何故《技を借りる者》のときだけ同じ能力とみなされ、《水銀の精霊》では同じ能力とはみなされないか、という点をご説明頂ければ幸いです。
《水銀の精霊/Quicksilver Elemental》は同じ能力を複数回得れる
この差じゃねーかな
>カードの順番は決められている領域であると考えています。
>なので、一部であれ全部であれ、順番が入れ替わるような操作が行われると、
>ライブラリーのカードの順番が「壊れる」ので、オブジェクトとしては新しいものと
>考えたほうが自然でしょう。
《ゴブリンの太守スクイー》の能力に対応して(《ヴィダルケンの宇宙儀》等を利用して)《化石の発見》で墓地の順番を入れ替えた場合、スクイーは手札に戻れなくなるのでしょうか?
墓地の順番が変わったから能力がカードを見失うといった事はないので
戻れないのは無いでしょう。
スクイーは領域を移動していないから現状の問題とは全く別かと
>物理的に同じカードであったとしても、それが以前のカードと同一視できない場合は、
>そのカードは以前とは異なるオブジェクトとして扱われた方が、CR的には自然だと私は考えます。
これは個人的な価値観の問題になってしまうのですが、シャッフルによってライブラリーのカードが異なるオブジェクトになるのであれば、
「現実には混ぜただけのカードが、ルール上は一旦消えてまた新しく生まれたものとして扱われる」という事についてCRに記載されていないのは不自然ではないでしょうか。
ご指摘の通り、もし物理的に同じカードはシャッフルしても同じオブジェクトだとするならば、「同じオブジェクトであるが、誰にも判別がつかない」という歪な状態ができてしまうのも確かですが。
私の個人的な価値観では前者の方がより不自然に感じられたため、物理的に同じカードはシャッフルしても同じオブジェクトであるという仮定の下で前回のコメントをさせて頂きました。
《技を借りる者》が元の能力の持ち主を記憶していない云々以降は、その過程の下でゲームが進行するためにはこうあるべきだ、こうでなくてはならないという推測にすぎず、正直なところルール的な根拠はありません。
(「誰にも判別のつかない同一オブジェクト」が異常を起こさないためには、現在のMTGはライブラリーのカードが同じオブジェクトかどうかを問題とする状況を作らないはずだ→《技を借りる者》はシャッフル前後で《天望の騎士》が同じオブジェクトかどうかを問題にしてはならない→《技を借りる者》が(A)を二度起動するためには(A)自体が更新される必要がある→…といった具合です)
まず前提としている条件からしてひどく主観的なものですし、ご指摘なさっている《クラージ実験体》がどうなるかですぐにも崩れる脆い理屈だな、と自分でも思っています。
なので昨夜の投稿前から「各ターン1回の能力を一度忘れた後で新しく得た」場合の過去の裁定について探してはいるのですが、なかなか見つからない次第です。
どなたかご存じの方があれば、是非ご教示を賜りたく存じます。
3-4についてです。
《師範の占い独楽》の能力を解決中にも、《技を借りる者》の能力は機能しています。
よって、(プレイヤーが物理的にカードをどのように扱うかはともかくとして、ルール上は、)次の事態が生じているはずです。
《師範の占い独楽》の能力の解決が始まると:
ライブラリーの上から3枚のカードが、そのプレイヤーによって見られる。
それらのカードは依然としてライブラリーにあるし、その順番も変わらない。
一番上のカードは公開されたままである。
プレイヤーが独楽の指示に従って、それらのカードを好きな順番でライブラリーに戻す:
「戻す」も何も、それらは元々ライブラリーにある。
つまり、「戻す」は物理的な行動を言っており、プレイヤーのルール上の行動は、単にライブラリーの上から3枚のカードの順序を入れ替えるだけである。
このとき、一番上のカードが入れ替えられるならば、それまで一番上だったカードが非公開になり、新たに一番上になるカードが公開されるというイベントが生じる。
つまり、一番上のカードが入れ替わるならば、そのことをすべてのプレイヤーは知るし、入れ替わらないのであっても、そのことをすべてのプレイヤーは知る。
《技を借りる者》も、一番上のカードが入れ替わったならば、能力の喪失と獲得が行われることになるし、そうでないならばそれは生じない。
以上から、3-4の正解は、「起動できない」ではないかと思うのですが、如何でしょうか。
> 何故《技を借りる者》のときだけ同じ能力とみなされ、《水銀の精霊》では同じ能力とはみなされないか
直後の通りすがりさんのコメントにある通りです。
《水銀の精霊》の能力を同じ《天望の騎士》を対象にして2回起動すると、
{3}{G}:~このカード~はターン終了時まで+3/+3の修整を受ける。
この能力は、各ターンに1回のみプレイできる
{3}{G}:~このカード~はターン終了時まで+3/+3の修整を受ける。
この能力は、各ターンに1回のみプレイできる
というように、同じ文面の能力を2つ別個に得ることになります。
この2つのうち一方を起動したとしても、もう一方の能力の「各ターンに1回のみプレイできる」
という制限には引っかかりません。
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> 闇の腹心 さん
> 墓地の順番を入れ替えた場合、スクイーは手札に戻れなくなるのでしょうか?
直後にあるアポカリプスさんのコメントにある通りです。
《ゴブリンの太守スクイー》の能力はその領域内でオブジェクトを探します。
#あらゆる領域に置いて「順番」が関係していると思われるのはライブラリーだけです。
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> 鯉 さん
> CRに記載されていないのは不自然ではないでしょうか。
残念なことに、ゲームに関係ある事象が全てCRに網羅されているとは限りません。
CRに記載されていないということは、それまで特に問題ではなかっただけで
特に不自然であるとは思えませんでした。
《クラージ実験体/Experiment Kraj》の例に関しては私にもちょっと判例が見いだせません。
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> いく さん
> このとき、一番上のカードが入れ替えられるならば、それまで一番上だったカードが非公開になり、
> 新たに一番上になるカードが公開されるというイベントが生じる。
> つまり、一番上のカードが入れ替わるならば、そのことをすべてのプレイヤーは知るし、
> 入れ替わらないのであっても、そのことをすべてのプレイヤーは知る。
プレイヤーが知っているかどうかではなく、《技を借りる者》の能力がそれを追跡できるかどうか
だと私は考えます。操作がどうであれ、ライブラリーの順番が切り替わる可能性があれば
能力はそれを覚えていられないし、順番が変わることが絶対にないのであれば、
能力はそれを覚えています。
> 《技を借りる者》も、一番上のカードが入れ替わったならば、能力の喪失と獲得が行われること
> になるし、そうでないならばそれは生じない。
ではいくさんの言う行動をした場合で、以下のようにしたならばどうなるでしょう?
残りライブラリーは2枚である。
《師範の占い独楽》を起動し、上から2枚を見た。2枚目にあった《平地/Plains》を1枚目にして
それはライブラリーの一番上になったので公開した。
この時点で《技を借りる者》の能力は失われた。
このまま解決を終わろうとしたが、やっぱり気が変わって、順番を起動前と同じように戻し、
1枚目を《天望の騎士》にして、ライブラリーに戻した。
《技を借りる者》は能力を失い、そして能力(A)を得ています。
いくさんの言う通りですと、この場合は「新たに得た能力」ですので、起動できます。
ですが、全てのプレイヤーはこの《天望の騎士》は前の《天望の騎士》であると知っています。
同じ《師範の占い独楽》の起動をおこなっているのに、そのプロセスの違い
(しかもルール的な行動ではなく、プレイヤーの指使い)で結果が異なることになるのですが、
どうでしょう?
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ちょっと長くなりましたね。読みづらくて申し訳ないです。
仰る通りです。
が、《技を借りる者》の場合でも、同じ文面の能力を2つ別個に得ているだけではありませんか?
2個目を得る前に1個目を失ってはいますけれど。
《水銀の精霊》でも、例えば《蛇変化》と《細胞形成》を使えば、2個目を得る前に1個目を失う状況は作れますよね。
《水銀の精霊》で能力を得る→得た能力をプレイ→《蛇変化》ですべて一旦忘れる→《細胞形成》で別の《水銀の精霊》のコピーになる→改めて能力を得る→
得た能力をプレイできないのでしょうか?
>プレイヤーが知っているかどうかではなく、《技を借りる者》の能力がそれを追跡できるかどうか
だと私は考えます。
はい。わたしもそう思います。
したがって、この問題の焦点は、独楽の解決中も追跡できるのか、ということですね。
testingさんは追跡できないと仰っておられて、その根拠として次の例を挙げておられます。
が、それはちょっと変なのではないか、とわたしは思います。
>このまま解決を終わろうとしたが、やっぱり気が変わって、順番を起動前と同じように戻し、
>1枚目を《天望の騎士》にして、ライブラリーに戻した。
これはプレイヤーの物理的な挙動のことを仰ってますね?
一方、独楽のテキストがプレイヤーに指示しているのは、「then put them back in any order.」だけです。
「destroy target creature」と書いてあったらそのクリーチャーを何回でもdestroyできるわけではないのと同じで、「put them back in any order」と書いてあったら、それらを何回でもput backしていいわけではありませんよね。
put backするのは一度きりでしょう。
最終的には任意の順序に入れ替えて良いのですから、試しに物理的にいろいろ入れ替えたりしながら検討を重ねるのは構わないでしょうけれど、それをやっている間にライブラリー上でのそれらのカードの順序が入れ替わっているわけではないはずですが。
プレイヤーはプレイ中に任意にライブラリーのカードの順序を変えたりしてはいけないのですし、独楽の効果もそんなことをして良いとは言っていないのですから。
如何でしょうか。
(なお、わたしはこの議論をとても楽しんでいますが、もしもtestingさんの負担になっているとしたら本意ではありません。いつでもそう仰って頂ければ打ち切りたいと思います。)