(つづき)


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オラクル更新:機能的でない変更のあるカード
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*《吠えたける鉱山/Howling Mine》
とその仲間たち

「ドローステップの開始時にあなたはカードを1枚引く。」というテンプレートがありますが、
これらは「HAHAHA、ドローステップにカードを引くなんていつもやってるYO!」
と誤解される恐れがあります。

つまりドローステップに引くカードが1枚増えることを示すために、この表現を
"additional card" と整備することで、より明確にカードを引かせるようになりました。

新オラクル・テキスト
At the beginning of each player’s draw step, if Howling Mine is untapped,
that player draws an additional card.


同じようなカードもオラクルが修正されます。
《ボガーダンの金床/Anvil of Bogardan》や《生体融合帽/Grafted Skullcap》など。



*《鉄の処女/Iron Maiden》、《拷問の車輪/Wheel of Torture》


同じような効果である《黒の万力/Black Vise》、《拷問台/The Rack》とは
また違ったカードの受け取られ方をされていました。

原因は"deals 1 damage to that player for each [something or other]."
という文章であり、条件に合うカード1枚毎に1ダメージが数回飛ぶ、という
誤解を招いていたのです。

このような誤解が無くなるように、ダメージが与えられるのは1回の誘発につき
1回であると明示する文章になりました。

新オラクル・テキスト
《鉄の処女/Iron Maiden》
At the beginning of each opponent’s upkeep, Iron Maiden deals X damage to
that player, where X is the number of cards in his or her hand minus 4.

《拷問の車輪/Wheel of Torture》
At the beginning of each opponent’s upkeep, Wheel of Torture deals X damage to
that player, where X is 3 minus the number of cards in his or her hand.


同じように、"deals 1 damage for each [something or other]." や
"each 1 damage" というテンプレートで示される文章は、全てどの量と同じになるか
明示的に示されるようになりました。

《Leeches》、《ファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negator》、
《蝋燭の輝き/Candles’ Glow》、《ヴィトゥ=ガジーの詠唱/Chant of Vitu-Ghazi》
がそれにあたります。


*《Oath of Lim-Dul》


これも "each 1 hogehoge" の範疇なのですが、元々の文章からして意味がわかりにくい
ものになっていたので、修正されました。

新オラクル・テキスト
Whenever you lose life, for each 1 life you lost, sacrifice a permanent other
than Oath of Lim-Dul unless you discard a card.
(Damage dealt to you causes you to lose life.)
{B}{B}: Draw a card.


 

*《Call to Arms》、《Jihad》

この2枚は場に出る際に対戦相手を選ぶのですが、その後も「選ばれた対戦相手」の
パーマネントの状態を参照しなくてはいけません。
しかし、この表現は正確ではありません。これらのコントローラーが変わった場合には
「選ばれた対戦相手」がいなくなってしまいます。
そこで、これらは「選ばれたプレイヤー」に修正されました。

新オラクル・テキスト《Call to Arms》
As Call to Arms comes into play, choose a color and an opponent.
White creatures get +1/+1.
When the chosen color isn’t the most common color among permanents the chosen player controls, sacrifice Call to Arms.


 

*《ゴブリンの修繕屋スロバッド/Slobad, Goblin Tinkerer》


アラーラの断片で収録されるカードのテンプレートが使用されました。

新オラクル・テキスト
Sacrifice an artifact: Target artifact is indestructible this turn.
("Destroy" effects and lethal damage don’t destroy that artifact.)


 

* "All other" テンプレート


《アーボーグのシャンブラー/Urborg Shambler》のように、"All other.." という
テンプレートを使用している場合、単に "Other.." となるように修正されました。
《隆盛なる勇士クロウヴァクス/Crovax, Ascendant Hero》を参照して下さい。

 

* 《エネルギー・フィールド/Energy Field》、《禁忌の墓所/Forbidden Crypt》
《虚空の力線/Leyline of the Void》


「場を離れた時」という誘発型能力は、他の一般的な誘発型能力と異なり、
その直前の状況を知らなくてはいけません。

このような違いは、墓地にカードが置かれた時に何かをするような能力が
あった場合に、見分けがつきにくいことがあります。

例えば《田舎の破壊者/Countryside Crusher》の場合、どの領域からでも
墓地に土地カードが置かれれば能力は誘発しますが、それは場から離れた場合とは
異なり、場にあった時点での性質を見ていません。

このように、必ずしも「場から離れた時」という誘発型能力の処理と間違えないように
以前の状態を見ず、通常の誘発型能力と同様に処理をする場合は、"card" という表現を
使用してきました。 が、よりよい明確化のために、"from anywhere" を加えるように
なりました。

新オラクル・テキスト
If Leyline of the Void is in your opening hand, you may begin the game with it in play.
If a card would be put into an opponent’s graveyard from anywhere, remove it from the game instead.


 

*《信仰の癒し手/Faith Healer》

オラクルの文章では、効果によって回復すべき値は「生け贄に捧げたエンチャント」
の点数で見たマナ・コストのはずなのに、それが抜け落ちています。
これは適切に修正されます。

新オラクル・テキスト
Sacrifice an enchantment: You gain life equal to the sacrificed
enchantment’s converted mana cost.


 

*《時間のひずみ/Temporal Distortion》

"Permanents with an hourglass counter on them" という文章は
"permanents with hourglass counters on them." と複数個のカウンターでも対応
できるようになりました。(《クルラスの騎士/Kulrath Knight》などを参照。)

 

*《動く土地/Animate Land》

クリーチャーでないパーマネントをクリーチャー化する際に、
"is a creature" という表現は常在型能力で使用されるべきであり、
"becomes a creature" という表現なら期限が定めされている効果に使用されるべきです。

《動く土地/Animate Land》は後者に該当します。
新オラクル・テキスト
Until end of turn, target land becomes a 3/3 creature that’s still a land.


 

*《次元の枷/Spatial Binding》

"upkeep step" という表現の"step"は要らないので消しました。

 

*《島魚ジャスコニアス/Island Fish Jasconius》


文章中にこのカード自身を指す "Jasconius" という単語が出てきますが、
このようなカード名の短縮表記は、伝説のクリーチャーに使用されるものでした。
(《触れられざる者フェイジ/Phage the Untouchable》など)

しかし、《島魚ジャスコニアス》は伝説のクリーチャーではありません。
なので、短縮表記はやめて名前を全部書くことになりました。

 

*《精励する農場労働者/Diligent Farmhand》、
 《パーディック山の火猫/Pardic Firecat》


これら2枚のカードは、自分自身でない他のカードの名前を参照しています。
このような場合、"a card named [that name]" というテンプレートを使うのですが、
今までは不完全にこのテンプレートが使われていました。
適切に使われるように修正されます。

 

*《前兆/Omen》


効果は何もかも《思案/Ponder》と同じなので、テキストも同じになります。

 

*《調和ある収斂/Harmonic Convergence》

ライブラリーの上へ戻す(return) となっていますが、このようにライブラリーの上に
移動する場合は return ではなく put を使用します。

新オラクル・テキスト
Put all enchantments on top of their owners’ libraries.


 

*《オーリオックの鋼打ち/Auriok Steelshaper》、《冷眼のロヴィサ/Lovisa Coldeyes》

クリーチャータイプが複数表記してあると、それら全てを満たしていなければいけないかの
ように見えてしまうので、"and/or" の表記に修正されました。

 

*《An-Havva Inn》

ライフを得るのが誰なのかが、明確化されました。

 

*《カリスマ/Charisma》

コントロールを変化される効果が明確化されました。
《誘惑蒔き/Sower of Temptation》のテンプレートに沿っています。

 

*《猟獣保護区/Game Preserve》、《怒りの発作/Paroxysm》

注釈文にかいてあることから、カードがライブラリーから一度離れているかのような
印象をうけるようになっています。実際にはカードはライブラリー領域から外れる
ことはありません。これらは適切に修正されます。

 

*《機械仕掛けの鳥/Clockwork Avian》

なんと、オラクル文章中では《機械仕掛けの獣/Clockwork Beast》を参照していました。
というか、単なるtypoなので修正されます。

 

*《凍結/Frozen Solid》、《ぬいぐるみ人形/Stuffy Doll》、
《戦争の精霊/War Elemental》


これらのカードはダメージが与えられることによって誘発型能力を誘発しますが、
それらのテンプレートは "When[ever] damage is dealt to [something]." でした。
ところが、同じような効果を持つ他の29枚のカードは、
"When[ever] [something] is dealt damage." というテンプレートを使用していました。
上記3枚も他の29枚と同じように直されます。

新オラクル・テキスト 《ぬいぐるみ人形/Stuffy Doll》
As Stuffy Doll comes into play, choose a player.
Stuffy Doll is indestructible.
Whenever Stuffy Doll is dealt damage, it deals that much damage to the
chosen player.
{T}: Stuffy Doll deals 1 damage to itself.


 

*《過ぎ去りし表情/Faces of the Past》、《転換/Turnabout》

CR412.3cによると、解決時に選択を行う場合、不可能な選択肢を選ぶことはできません。
上記2枚のカードは、どれも解決時に全てタップ又はアンタップをさせるものですが、
既にタップされているパーマネントを「タップする行動」は不可能なので、
タップされているパーマネントが1枚でもあれば、この選択はできません。
アンタップに関しても同様です。つまり、どちらも選べない状況に陥ります。

この状態を避けるため、「タップされているパーマネントをアンタップする」という
文章を使用するようにしました。文章は長くなりましたが、より明確になっています。

新オラクル・テキスト 《転換/Turnabout》
Choose artifact, creature, or land. Tap all untapped permanents of the
chosen type target player controls, or untap all tapped permanents of that
type that player controls.


 

*《Solfatara》

同じような効果の《芝地の傷み/Turf Wound》、《月抑え/Moonhold》と同様に、
"can’t play land card" に直されました。

 

*《Phyrexian Portal》

前回のオラクル更新で、より明確にしたしもりでしたが、掲示板の意見から
もう少しちゃんと明確化したほうがよいという意見を取り入れました。再挑戦。

新オラクル・テキスト
{o3}: Target opponent looks at the top ten cards of your library and separates
them into two face-down piles. Remove one of those piles from the game. Search
the other pile for a card, put it into your hand, then shuffle the rest of
that pile into your library. Play this ability only if your library has ten
or more cards in it.


#個人的には裏向きのカードが取り除かれたので表向きにされることを明記したほうが
#良いかと思うのですが、そこまでは要らないかなあ。

 

*《ケルドの闘車/Keldon Battlewagon》


タップすることによってパワーが上がるのですが、ただ単に "the tapped [permanent]"
だとどれなのかわかりづらいので、"the [permanent] tapped this way" と表記する
ようにしました。

 

*《セラの聖歌/Serra’s Hymn》

《救済の天使/Angel of Salvation》のテンプレートを使用しました。

 

*《剣歯コブラ/Sabertooth Cobra》

"prevent" という単語が使われていますが、実際にはダメージをpreventしているのでは
ありません。単語の使用としてはおかしいので、《ガラスのアスプ/Glass Asp》と
同じような表現を使用するようにしました。


以降は細かい変更なのでここではとりあげません。

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そんなところで。
CR更新についてはCR本文が出てからにします。


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