#週末はイーブンタイドが構築でも使用可能になり、
#各地で最後のGPT神戸が行われました。
#(限定)構築で使用されるカードは種類数が少ないのが常ですが、
#今回は使用解禁から本番までの期間が短いので、
#どんなカードが使われるのか今から楽しみではあります。

2ボックス剥いたら《祭壇のゴーレム/Altar Golem》が4枚出たよ!
《下劣なエンブレム/Leering Emblem》は5枚出たよ!
そしてフィルター土地は3枚しかないよ!

・・・他のプレイヤー達に有用なカードが供給されたんだ。
ということにして、自分を納得させる作業に戻ります。

それでは先週の回答ー。

問1
かたならし○×。

「彩色/Chroma は能力語であり、それ自身に意味はない。」

○か×か?




CR用語集「能力語/Ability Word」にもあるように、能力語はルール上の特別な意味をもたない。

現在の能力語は以下の通り。
「魂力/Channel」「彩色/Chroma」「壮大/Grandeur」「暴勇/Hellbent」
「族系/Kinship」「光輝/Radiance」「掃引/Sweep」「スレッショルド/Threshold」

 
問2
Aは《怠惰な思考/Idle Thoughts》をコントロールしている。
現在のAの手札は無い。

A「じゃあ、《怠惰な思考》の能力を使うね。」
B「了解。」
A「で、引く前に、もう一回《怠惰な思考》を使うね。」
B「・・・?」
A「じゃあ、合計2枚引くよ。」

Aの行動は正しいか?


正しくない

《怠惰な思考/Idle Thoughts》の能力は以下の通り。

  {2}: Draw a card if you have no cards in hand.

つまり、能力の解決時に手札が無い場合にのみ、カードを引ける。
Aのように、まとめて2枚引くという動作は明らかに間違っている。

#起動した能力の解決前に、手札のカードを使い切っておけば、結果として引けるが、
#まとめて引くことはできない。

 
問3

以下のクリーチャーに対して、

《超者の意向/Favor of the Overbeing》をつけてから、
《蛇変化/Snakeform》をプレイした。

《蛇変化》の解決後、持っている能力と、P/Tはどうなるか?

3−1)《悲しげなセルキー/Wistful Selkie》

3−2)《灰色熊/Grizzly Bears》

3−3)《さまようもの/Wandering Ones》

3−4)《丘巨人/Hill Giant》


プレイ順は《超者の意向/Favor of the Overbeing》→《蛇変化/Snakeform》の順なので、
タイムスタンプ順はこの通りとなる。

継続的効果を全て書き出そう。()内は種類別の第何種にあたるかを示している。

 (5)《超者の意向》| 緑であるかぎり、警戒を持つ。
 (5)《超者の意向》| 青であるかぎり、飛行を持つ。
 (6d)《超者の意向》| 緑であるかぎり、それは+1/+1の修整を受ける。
 (6d)《超者の意向》| 青であるかぎり、それは+1/+1の修整を受ける。
 (4)《蛇変化》| 蛇になる。
 (5)《蛇変化》| 緑になり、全ての能力を失う。
 (6b)《蛇変化》| 1/1 になる。

#《超者の意向》には能力が2つあることに注意せよ。

 
これを種類別順に書き直す。

 (4)《蛇変化》| 蛇になる。
 (5)《超者の意向》| 緑であるかぎり、警戒を持つ。
 (5)《超者の意向》| 青であるかぎり、飛行を持つ。
 (5)《蛇変化》| 緑になり、全ての能力を失う。

 (6b)《蛇変化》| 1/1 になる。
 (6d)《超者の意向》| 緑であるかぎり、それは+1/+1の修整を受ける。
 (6d)《超者の意向》| 青であるかぎり、それは+1/+1の修整を受ける。

問題は第5種にある3つの効果をどのような順番で適用するか、である。

その適用順を考えるのに用いられるのが、「依存関係(dependency)」である。
依存については CR418.5c にあるが、ここでおさらいしておこう。

---------------
ある継続的効果AとBが、以下の2つを満たし、

 *効果A、Bは共に同じ種類別に属する。
 *効果A、Bは共に特性定義能力(CDA)ではない。

かつ、以下の3つのうちどれかを満たす。

 i) 先に効果Bを適用した場合、効果Aが無くなる/消える。
 ii) 先に効果Bを適用した場合、あるオブジェクトXに対して効果Aが適用されなくなる
   または、元々オブジェクトXには適用しなかったのに、効果Aが適用されるようになる。
 iii) 先に効果Bを適用した場合、効果AがあるオブジェクトXに対して及ぼす影響が変わる。
   または、効果A自身のテキストが変更される。

このような場合、AはBに依存している と言う。

AがBに依存している場合、Bを先に適用し、その後にAを適用する。
---------------

それでは、問題の回答に入ろう。

なお、問題の焦点となっている第5種の効果を

 効果FG →《超者の意向》| 緑であるかぎり、警戒を持つ
 効果FU →《超者の意向》| 青であるかぎり、飛行を持つ。
 効果S →《蛇変化》| 緑になり、全ての能力を失う。

と表記する。

 
3−1)2/2、能力無し

《悲しげなセルキー/Wistful Selkie》は青緑のクリーチャーである。

このクリーチャーは元々緑であるので、効果Sの適用を受けても、効果FGの適用は変わらない。
つまり、効果FGと効果Sは独立している。

一方、このクリーチャーが効果Sによって青でなくなると、効果FUの適用が変わってしまう。
つまり、効果FUは効果Sに依存している。

依存関係とタイムスタンプ順を考慮すると、

   効果FG → 効果S → 効果FU

の順番で適用される。
つまり、警戒を得て、緑色になって能力を失い、(すでに緑になっていて)青でないので飛行を得ない。

P/Tは、 2/2 → 1/1 → 2/2 となる。

 
3−2)2/2、能力無し

《灰色熊/Grizzly Bears》は緑のクリーチャーである。

このクリーチャーは元々緑であるので、効果Sの適用を受けても、効果FGの適用は変わらない。
つまり、効果FGと効果Sは独立している。

また、このクリーチャーは元々青でないので、効果Sの適用を受けても、効果FUの適用は変わらない。
つまり、効果FUと効果Sは独立している。

タイムスタンプ順を考慮すると、

   効果FG → 効果FU → 効果S

の順番で適用される。
つまり、緑なので警戒を得て、青でないので飛行は得ず、緑になって能力を全て失う。

P/Tは、 2/2 → 1/1 → 2/2 となる。

 
3−3)2/2、警戒

《さまようもの/Wandering Ones》は青のクリーチャーである。

このクリーチャーが効果Sによって青でなくなると、効果FUの適用が変わってしまう。
つまり、効果FUは効果Sに依存している。

一方、このクリーチャー が効果Sによって緑になると、元々適用されなかった効果FGの
適用が変わってしまう。つまり、効果FGは効果Sに依存している。

依存関係とタイムスタンプを考慮すると、

   効果S → 効果FG → 効果FU

の順番で適用される。
つまり、緑になって能力を全て失い、緑なので警戒を得て、青でないので飛行は得ない。

P/Tは、 1/1 → 1/1 → 2/2 となる。

 
3−4)2/2、警戒

《丘巨人/Hill Giant》は赤のクリーチャーである。

このクリーチャーが効果Sによって緑になると、元々適用されなかった効果FGの
適用が変わってしまう。つまり、効果FGは効果Sに依存している。

また、このクリーチャーは元々青でないので、効果Sの適用を受けても、効果FUの適用は変わらない。
つまり、効果FUと効果Sは独立している。

依存関係とタイムスタンプ順を考慮すると、

   効果FU → 効果S → 効果FG

の順番で適用される。
つまり、青でないので飛行は得ず、緑になって能力を全て失い、緑なので警戒を得る。

P/Tは、 3/3 → 1/1 → 2/2 となる。

------------------------------------
おまけ。(Rule-Mongerの暇つぶしにどうぞ)

《刈り取りの王/Reaper King》に、《再拘束/Retether》の効果で、墓地から
シャドームーア、イーブンタイドのコモンオーラサイクルを全てつけた。

・《神格の鋼/Steel of the Godhead》
・《恐君主の兜/Helm of the Ghastlord》
・《亜神の拳/Fists of the Demigod》
・《大神のルーン/Runes of the Deus》
・《大霊の盾/Shield of the Oversoul》
・《御身の刃/Edge of the Divinity》
・《天主の勢力/Clout of the Dominus》
・《神性の贈り物/Gift of the Deity》
・《貴神の神罰/Scourge of the Nobilis》
・《超者の意向/Favor of the Overbeing》

その後、《変容する大空/Shifting Sky》をプレイし、「黒」と指定した。

《刈り取りの王/Reaper King》が持つ能力を全て答えよ。
-----------------------------------

そんなところで。

コメント

nophoto
通りすがり
2008年7月29日18:37

しっかり考えて答えを出しても《刈り取りの王/Reaper King》がもともと持つ能力を書き忘れて不正解になるんですよね、わかります

nophoto
ニックネーム無し
2008年7月29日21:41

毎度お世話になります。質問です。

>タイムスタンプ順とカードの記載順序を考慮すると、
この場合、カードの記載順序は関係ないのではありませんか?
《超者の意向》の能力はすべて同じタイムスタンプを持ちますから、それらは同時に適用されるはずではありませんか?

nophoto
ニックネーム無し
2008年7月30日14:27

毎週お疲れ様です。気になった点がありますので質問させて頂きます。

《蛇変化》の「緑になり、全ての能力を失う」の部分ですが
「緑になる」と「全ての能力を失う」は
まとめて扱われるのでしょうか?
私見では、特に関連性の無い別個の継続的効果であるように思いました
(《超者の意向》の能力と「全ての能力を失う」との間には依存関係がないので、
3-3も3-4も結果として警戒を持たないのではないかと思いました)

testing
testing
2008年7月30日17:43

> もともと持つ能力を書き忘れて不正解

( ´∀`)σ)Д`)

> この場合、カードの記載順序は関係ないのではありませんか?

記載順序を書いたのは、CR413.2bによるものです。
タイムスタンプが同一でも、能力としては分かれているので
(あるオブジェクトの能力を)適用する順番としては、
記載された順序で適用するのが自然だ、と考えました。

もちろん、この場合はどちらを先にしても変わりません。

> 「緑になる」と「全ての能力を失う」は まとめて扱われるのでしょうか?

この能力による効果は1つ(1文)です。
効果が複数の種類別に分類できる場合、そのそれぞれの部分がそれぞれの種類別として処理されることに注意して下さい。(CR418.5b)

nophoto
ニックネーム無し
2008年7月31日4:27

CR413.2bは呪文や起動型/誘発型能力を解決するときのルールです。
複数の常在型能力が生成する継続的効果の適用順序を定めたルールはCR418.5です。
それによれば、継続的効果は、それを生成した能力の記述順序とは関係なく、種類別や依存関係やタイムスタンプによって適用順序を規定されます。
ご存知とは思いますが、念の為。

testing
testing
2008年7月31日18:30

> ご存知とは思いますが、念の為。

確かにその通りですね。
ご指摘感謝いたします。

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