シャドウムーア(SHM)のルール入門が発表されています。
ここ最近は毎回そうですが、FAQはプレリリース後に出るそうです。

いつものように抜粋とか気にかかったこととか。

毒消し:

 ・日本語版ルール入門も読んでくださいね。
 ・CR項目は英語版も引用しています。Rule-monger用。

 
 ** セット全体 **

全301種類。(コモン121、アンコモン80、レア80、基本土地20)
公式発売日: 2008年 5月2日

公式発売日から構築戦でシャドウムーアが使用可能になります。
シャドウムーアが追加された後、スタンダード構築では以下のエキスパンションが使用可能です。

 コールドスナップ、基本セット第10版、
 時のらせんブロック(時のらせん、次元の混乱、未来予知)
 ローウィン・シャドウムーアブロック(ローウィン、モーニングタイド、シャドウムーア)

ローウィン・ブロック構築は、ローウィン・シャドームーアブロック構築と名前が変わり、
ローウィン、モーニングタイド、シャドウムーアのカードが使用できます。

シャドウムーアのFAQ発表、ならびにGathererへの反映は4月21日以降に行われます。

 
 ** 復活メカニック:混成マナ(Hybrid) **

ラヴニカで存在した混成マナ・シンボルが帰って来ました。
{U/B}という混成マナ・シンボルであれば、{U}でも{B}でも支払えます。

・混成マナ・シンボルは各種コストのみに使用されます。

・混成マナ・シンボルをコストに含む呪文や能力をプレイする際、モードやXの値を決めるのと
 同じ時点で、各混成マナ・シンボルに対してどの色のマナを支払うかを選びます。

・Rule-monger用:CR409.1bにおいて決定される。たぶんSHM以降の修整項目じゃないかな?

・効果によりコストの色マナが減少する場合、どの色のマナを支払うことを決定した後で、
 該当する色マナのコストが減少します。

・混成マナ(=Hybrid mana)を、マナ・プールに加えるようなことはできません。

 
** 新規メカニック:単色混成マナ(Monocolored Hybrid) **

混成マナ・シンボルは{U/B}のように2色の色マナ・シンボルが書かれていましたが、
シャドウムーアには片方のシンボルが数字(+背景灰色)で書かれているものがあります。
{2/B}のように表記されます。

・単色混成マナ・シンボルは、それをどのようなマナで支払おうとも、色自体は
 そのマナ・シンボルに書かれている色です。
 ある呪文のコストが{2/B}であれば、それは{2}支払ってプレイしても、依然として黒色の呪文です。

・単色混成マナ・シンボルをマナ・コストに持つカードの点数で見たマナ・コストは、それを
 プレイするためのコストとして最大限可能なコストに相当する点数で見たマナ・コストになります。
 {2/B}であれば、「点数で見たマナ・コスト」は「2」です。
(プレイするために支払ったコストと、点数で見たマナ・コストは全くの別物です。)

・効果によりコストの不特定マナが減少する場合、単色混成マナ・シンボルで示されるコストを
 どのように支払うかを決定した後に、不特定マナに対して減少が適用されます。

 
** テーマ:色関連(Color Matters) **

シャドウムーアのカードには、特定の色をチェックする能力を2つ持っているカードが存在します。
能力が2つに別れて書かれているので、2つの色を共通してもつ場合、両方の能力が機能します。

・色関連テーマであるカードのサイクルには、以下のようなものがあります。

 ・常在型能力(例:《萎れ葉のしもべ/Wilt-Leaf Liege》)
 ・誘発型能力(例:《恐るべき下層流/Dire Undercurrents》)
 ・エンチャントされているクリーチャーの色を見るオーラ(例:《大霊の盾/Shield of the Oversoul》)

・サイクルとして「たなびく(Wisps cycle)」というものが存在します。
 これらはパーマネントの色を変化させることができます。

・色を変える効果は「それに加えて〜」などという表記が無い限り、元の色を上書きします。

 
** テーマ:-1/-1カウンター(-1/-1 Counters) **

シャドウムーアには、-1/-1カウンターを与えるカードがこれまでよりも多く存在します。

・+1/+1カウンターと-1/-1カウンターが同じパーマネントの上に置かれている場合、
 『+1/+1カウンターと-1/-1カウンター』の組み合わせを可能な限り、取り除きます。
 これは状況起因効果です。
 (いわゆる+1/+1カウンターと、-1/-1カウンターの「相殺」です)

・頑強/persist のように、クリーチャーが場を離れた時点で-1/-1カウンターが置かれて
 いたかどうかを見る能力があります。+1/+1カウンターが置かれているクリーチャーに、
 新たに-1/-1カウンターが置かれ、結果として致死ダメージや0以下のタフネス値に
 よって墓地に置かれる場合、ゲームはそれが場を離れる前の状況をチェックします。
 その時点では、それはまだすべてのカウンターが置かれたままです。

 (http://diarynote.jp/d/74598/20080407.html の問2の回答とかも参照。手前味噌ですが。)

・-1/-1カウンターによる修整は、クリーチャーのパワー・タフネスを特定の値にする効果、
 あるいは解決された呪文や能力によりクリーチャーのパワーやタフネスを変更する効果より
 も後に適用されます。それらの効果がカウンターが置かれる前と後のどちらでプレイされた
 かは関係がありません。

・(上の簡略表記)-1/-1カウンターによる修整は第6c種です。

 
**  新シンボル:アンタップシンボル(Untap Symbol) **

アンタップシンボルは、タップシンボルと似たような形をしたシンボルですが、
Jの形をした上向きの矢印で印刷されています。ルール文書中では{Q}で示されます。

・アンタップ・シンボルは、起動型能力のコストにのみ現れます。
 それは「このパーマネントをアンタップする」という意味です。

・パーマネントがすでにアンタップ状態である場合、それの{Q}能力をプレイできません。
 (「このパーマネントをアンタップする」というコストが支払えないので)

・いわゆる『召喚酔い』は{Q}にも適用されます。{Q}能力を持つクリーチャーは、
 それが最も近い自分のターンの最初からあなたのコントロール下で居続けていたのでなければ、
 その能力をプレイできません。
 (そのクリーチャーが速攻を持っていると無視されます。タップシンボルと同じですね)

・{Q}能力をプレイしたとき、コストとしてそのクリーチャーをアンタップします。
 アンタップする前に何かをして対応することはできません。
 (もちろん、能力自身には対応できます)

・CR項目は以下の通り。

 
104.5. The untap symbol is {Q}. The untap symbol in an activation
cost means "Untap this permanent." A permanent that’s already untapped can’t be
untapped again to pay the cost. Creatures that haven’t been under a player’s
control continuously since the beginning of his or her most recent turn can’t
use any ability with the untap symbol in the cost. See rule 212.3f.

212.3f A creature’s activated ability with the tap symbol or the untap symbol
in its activation cost can’t be played unless the creature has been under its
controller’s control since the start of his or her most recent turn. A creature
can’t attack unless it has been under its controller’s control since the start
of his or her most recent turn. This rule is informally called the "summoning
sickness" rule. Ignore this rule for creatures with haste (see rule 502.5).

502.5b A creature with haste can attack or use activated abilities whose cost
includes the tap symbol or the untap symbol even if it hasn’t been controlled
by its controller continuously since the start of his or her most recent turn.
(See rule 212.3f.)

104.5 アンタップ・シンボルは{Q}である。 起動コストにアンタップ・シンボルがある場合、
「このパーマネントをアンタップする」ということを意味する。 既にアンタップ状態の
パーマネントをアンタップしてコストを支払うことはできない。 そのプレイヤーの最近の
ターン開始時から続けてコントロールしているのでない限り、クリーチャーの、起動コスト
にアンタップ・シンボルを含む能力を使うことはできない。 rule 212.3f 参照。

212.3f クリーチャーの起動型能力のうち起動コストにタップ・シンボルまたはアンタップ・
シンボルを含むものは、そのコントローラーがそのクリーチャーを自分のターン開始時から
続けてコントロールしていない限り、プレイできない。 また、そのコントローラーが自分の
ターン開始時から続けてコントロールしていない限り、そのクリーチャーは攻撃に参加できない。 このルールは非公式に「召喚酔い」ルールと呼ばれる。 速攻を持つクリーチャーはこのルール
を無視する(rule 502.5 参照)。

502.5b 速攻を持つクリーチャーは、そのコントローラーの最新のターンの最初から継続して
コントロールされていない場合でも、攻撃したり、コストにタップ・シンボルまたはアンタップ・
シンボルを含む起動型能力を使ったりすることができる。 (rule 212.3f 参照)


 
**  新キーワード能力:共謀(Conspire) **

共謀はインスタントまたはソーサリーがもつ能力であり、それによって
クリーチャーがチームを組んで呪文のコピーを1つ作成します。

・CR項目は以下の通り。

502.78. Conspire

502.78a Conspire is a keyword that represents two abilities. The first is a static
ability that functions while the spell is on the stack. The second is a triggered
ability that functions while the spell is on the stack. "Conspire" means "As an
additional cost to play this spell, you may tap two untapped creatures you control
that each share a color with it" and "When you play this spell, if its conspire
cost was paid, copy it. If the spell has any targets, you may choose new targets
for the copy." Paying a spell’s conspire cost follows the rules for paying
additional costs in rules 409.1b and 409.1f-h.

502.78b If a spell has multiple instances of conspire, each is paid separately
and triggers based on its own payment, not any other instance of conspire.

502.78. 共謀

502.78a 共謀は二つの能力を表すキーワードである。 一つ目は、呪文がスタック上にあるときに
機能する常在型能力である。 二つ目は、呪文がスタック上にあるときに機能する誘発型能力である。
「共謀/Conspire」は、「この呪文をプレイするに際し、あなたはあなたがコントロールするこの
呪文と共通の色を持つアンタップ状態のクリーチャー2体をタップしてもよい。」と「この呪文
をプレイしたとき、それの共謀コストが支払われていた場合、それをコピーする。 この呪文が対象を
取る場合、あなたはそれのコピーの対象を選びなおしてもよい。」を意味する。
呪文の共謀コストを支払うことは、409.1bや409.1f-hの追加コストの支払いのルールに従う。

502.78b 呪文に複数の共謀能力がある場合、それぞれは個別に支払われ、誘発も自身の支払いに
対してのみ行われる。他の共謀を参照することはない。


・追加コストとしてタップするクリーチャー2体は、必ずしも同じ色でなくてもかまいません。
 あくまで基準は「共謀/Conspire能力をもつ呪文を同じ色を持つクリーチャー」2体です。

・共謀コストは1回のみ支払うことができます。

・作成されたコピーは、もちろんそれ自身が共謀/Conspire能力を持ちます。
 が、そのコピーはプレイされていません。なので、追加で(コピーの共謀/Conspire能力
 が誘発して)コピーがさらに作成されることはありません。

・「コピーを作成する」という誘発型能力が打ち消された場合、コピーは作成されません。
 (複製能力や、ストーム能力と挙動は同じです。)

(4月9日の記事にも書きましたけどまあ一応)

 
**  新キーワード能力:頑強(Persist) **

頑強は、クリーチャーを墓地から場に戻す能力です。

・CR項目は以下の通り。

502.79. Persist

502.79a Persist is a triggered ability. "Persist" means "When this permanent
is put into a graveyard from play, if it had no -1/-1 counters on it,
return it to play under its owner’s control with a -1/-1 counter on it."

502.79. 頑強

502.79a 頑強は誘発型能力である。 「頑強/Persist」は、「このパーマネントが場からいずれか
の墓地に置かれたとき、それの上に−1/−1カウンターが置かれていなかった場合、それを
−1/−1カウンターが1個置かれた状態でオーナーのコントロール下で場に戻す。」を意味する。


・シャドウムーアで頑強能力をもつ全てのカードはクリーチャーです。
 それらが場にある時点でクリーチャーでなくなっていたとしても、頑強能力は機能します。

・頑強能力は場から墓地に置かれたときに誘発します。-1/-1カウンターが乗っていたかどうかは
 最後の情報(LKI)を参照します。頑強能力の解決前に、そのカードが墓地から取り除かれた
 場合、それは場に戻りません。(能力は何もしません)

・トークンが頑強能力を持つ場合、そのトークンが場から墓地に置かれたときに誘発します。
 が、トークンは存在しなくなるため、場に戻ることはありません。(能力は何もしません)

・+1/+1カウンターが置かれ、かつ頑強を持つクリーチャーへ-1/-1カウンターが置かれ、
 その結果致死ダメージで破壊されたり、タフネスが0以下になって墓地に置かれた場合
 頑強能力は誘発せず、カードも場に戻りません。頑強はクリーチャーが場を離れる前の状態
 をチェックし、その時点ではすべてのカウンターが置かれているためです。
 (→テーマ:-1/-1カウンター も参照)

 
**  新キーワード能力:萎縮(Wither) **

萎縮は、クリーチャーへ与えられるダメージの性質を変える能力です。

・CR項目は以下の通り。

502.80. Wither

502.80a Damage dealt to a creature by a source with wither doesn’t stay on that
creature (see rule 212.3g). Rather, it causes that many -1/-1 counters to be
put on that creature.

502.80b Multiple instances of wither on the same object are redundant.

502.80. 萎縮

502.80a 萎縮を持つ発生源からクリーチャーに与えられたダメージはクリーチャーに残らない
(rule 212.3gを参照)。 そうではなく、それはその点数に等しい−1/−1カウンターを
そのクリーチャーの上に置く。


・クリーチャーへダメージを与えることに関するCR項目は以下の通り。

212.3g Damage dealt to a creature stays on that creature. If the total
accumulated damage on that creature is equal to or greater than its toughness,
that creature has been dealt lethal damage and is destroyed as a state-based
effect (see rule 420.5c). All damage on a creature is removed when it regenerates
(see rule 501.5, "Regenerate") and during the cleanup step (see rule 314.2).

212.3g クリーチャーにダメージが与えられた場合、それはクリーチャーに残る。
そのクリーチャーへのダメージの合計がそれのタフネス以上である場合、そのクリーチャーは
致死ダメージを与えられ、状況起因効果で破壊される(rule 420.5cを参照)。
クリーチャーに与えられたダメージは、それが再生したとき(rule 501.5「再生」参照)か、
クリンナップ・ステップ中(rule 314.2参照)にすべて取り除かれる。

(上記CR項目番号は現在のCRでの番号とかぶっていますが、内容自体は適用されます)

・萎縮の効果はあらゆるダメージに適用されます。戦闘ダメージのみではありません。

・萎縮による-1/-1カウンターは、クリーチャーの上に期限を定めずに残ります。

・萎縮を持つ発生源からのダメージも実際にダメージであり、ダメージに関するすべての
 ルールに従います。それを軽減したり移し変えたりすることが可能です。
 ダメージが与えられたとき、絆魂やその他の同様の能力が誘発します。

・ダメージの発生源が、そのダメージが与えられるときにまだ場にある場合、それが萎縮を
 持つかどうかはそれの特性でチェックします。ダメージを与える時点で場を離れていた場合、
 それの最後の情報が参照されます。
 (これの例に関しては、金曜日のFMQで問題として出します。)

・Rule-monger用:萎縮は置換効果ではない。(!)


**  サイクル:混成強化呪文("Hybrid Enhanced" spell) **

シャドウムーアの混成呪文には、コストとして特定の色のマナが支払われたかどうかを
基準にするカードがあります。

《魂魄流/Torrent of Souls》
{4}{B/R}
ソーサリー
魂魄流をプレイするために{B}が支払われている場合、あなたの墓地にあるクリーチャー・カード
を最大1枚まで対象とし、それを場に戻す。 魂魄流をプレイするために{R}が支払われている
場合、プレイヤー1人を対象とする。ターン終了時まで、そのプレイヤーがコントロールする
クリーチャーは+2/+0の修整を受けるとともに速攻を得る。 ({B}{R}が支払われている場合、両方を行う。)


・混成強化呪文は、その総コストを支払う段階でどのマナが消費されたかをチェックします。
 コストの混成部分を支払ったマナだけではありません。

  例)上記の《魂魄流》の場合、コストを無色マナ3点、黒色マナ1点、
    赤色マナ1点で支払うと、両方の効果を得ることになります。

・呪文をプレイする段階で、支払いを行う前に対象を選びます。

  例)《魂魄流》の場合、まずクリーチャー・カードを1枚対象に取るかそうしないか
    を選び({B}を支払う予定かどうかは関係がない)、さらにプレイヤー1人を対象に
    取らなければいけない({R}を支払う予定かどうかは関係がない)。

   #言い換えると、どのプレイヤーも対象に取れない場合、《魂魄流》はプレイできない。

・呪文の解決時に、指定された色のマナがコストの支払いに使われたかどうかをチェックします。

・呪文がコピーされた場合、元の呪文にどの色のマナが支払われたかに関わらず、コピーには
 特定の色のマナが支払われている事実はありません。

・Rule-monger用:(↑の項目)スタックにあるオブジェクトのコピー可能な値を考慮せよ。


----------------------
そんなところで。

#『シャドー』じゃなくて『シャドウ』なのね。キーワード能力のあれとの配慮かしら。
#おいらはずっと『シャドームーア』だと思っていたので、過去記事はみんなその表記です。
#ちゃんとアナウンス見ないとだめね。

コメント

nophoto
通りすがり
2008年4月15日12:33

あれ、カウンターの修正て6cじゃありませんでしたっけ
a:特性定義能力
b:一般
c:カウンター
d:修正を加える常在
e:入れ替える
だと記憶してるんですが

testing
testing
2008年4月15日13:31

おお、すばらしいご指摘。直しときます。

JFK_
JFK
2008年4月16日3:15

ちなみにイーブンタイドも公式に出てきています。
FRの翻訳は「ヴ」となっていますが、「ブ」が正式だと判明しました。

みんな、気をつけましょうね。

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