GP静岡へ向けての記事その2。
今回のお話はメタゲームの一風変わった読み方です。
もう本戦も直前なので、プレイヤーの皆さんが使用するデッキは
ほぼ固まっている頃でしょう。あとは微調整と対人プレイングの段階かと。
そこで、「プレイヤー視点で無い」GP静岡のメタ・ゲームを考えてみます。
推論方法として、最近では就職試験等に使われている「フェルミ推論」を用います。
----------------------------------------
「フェルミ推論(Fermi estimate)」とは、ある問題をいくつかの要素に分解して、
順次その中身を推定しながら結論に達するという方法です。
分解した中身に関しては常識的な知識が必要ですし、
推論を重ねていくために誤差が大きくなることにも注意が必要です。
----------------------------------------
では、以下の問題を考えて見ましょう。
「プレイヤーA、BはGP静岡の本戦に参加を予定している。
二人にBye(不戦勝)は無く、1回戦から全戦戦わなくてはならない。
2日目に抜けることを第一に考えている二人は、以下のようなことを言い出した。
A「きっとヒバリなんかには当たらないよ! ヒバリ対策は無ーし。」
B「楽観的だなお前。きっと当たるからサイドボードに対策カード満載でいくぜ。」
A「でも、実際に何人くらいヒバリを使ってくるんだろうな?」
さあ、何人でしょう?
----------------------------------------
まずは基礎データの抽出です。
昨年の同時期に行われたGP京都(形式も同じくスタンダード)の参加人数は859人。
今年のGP静岡も同様と考えると、参加人数の見積もりは900人となります。
次に、各地のGPTで使用されたデッキや、話題になっているデッキを分類します。
Tier 1
・青黒フェアリー
・緑黒エルフ(戦士有・無含む)
・ヒバリ(無限ヒバリなど《目覚ましヒバリ/Reveillark》型)
Tier 2
・ビッグマナ(緑X)
・赤単(RDW)
・白青黒系コントロール(マネキン含)
・キスキン
・赤黒ゴブリン(ならず者ビート含)
Tier 3
・上記以外のRogue-Deck
それぞれに重みをつけます。
Tier1を選択するプレイヤーが全体の半分、Tier2が4割、Tier3が1割として
Tier内でのデッキ分布は平均化していると考えます。
900人をそれぞれのデッキに分けると、ヒバリを使用するプレイヤーは
900x1/2x1/3=150人となります。
#現実には直前の結果が働くのでもっと下でしょう。
#Tierの分散もざっくりと考えてます。
#このように、一応の答えは出ますが、フェルミ推論ではこれ以上正確に答えを出せません。
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思考の展開。
では、プレイヤーAの言うように、「ヒバリ対策は無ーし。」とした場合に、
Aは2日目に残れるでしょうか?
確率的な思考をしましょう。
昨年のGP京都から考えると、今年のGP静岡でも1日目のスイス・ラウンドは9回戦です。
GP京都での2日目ボーダーラインは19点(18点はOpp%勝負)でした。
ということは、ボーダーは 6−2−1(19点)と考えられます。
上記推論ではヒバリを選択するプレイヤーは全体の1/6です。
なので、期待値(ヒバリと対戦する試合数の平均値)は、9x(1/6) = 1.5(戦)です。
ボーダーを2敗ラインで設定するなら、
「ヒバリ対策を全くしなくても、ヒバリと相対する平均試合数は1ないし2戦。
それらを全部落としたとしても、残りを勝つようにすればボーダーをクリアできる。」
となります。
案外『俺は○○デッキとは当たらない!』論もバカにできませんね。
#上記推論を元に、9回戦でヒバリと全く対戦しない確率を計算すると
#
# (1-(1/6))^9 = 0.1938...
#
#となって2割弱です。これを大きいと見るか小さいと見るかは、あなた次第。
------------------------------
そんなところで。
今回のお話はメタゲームの一風変わった読み方です。
もう本戦も直前なので、プレイヤーの皆さんが使用するデッキは
ほぼ固まっている頃でしょう。あとは微調整と対人プレイングの段階かと。
そこで、「プレイヤー視点で無い」GP静岡のメタ・ゲームを考えてみます。
推論方法として、最近では就職試験等に使われている「フェルミ推論」を用います。
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「フェルミ推論(Fermi estimate)」とは、ある問題をいくつかの要素に分解して、
順次その中身を推定しながら結論に達するという方法です。
分解した中身に関しては常識的な知識が必要ですし、
推論を重ねていくために誤差が大きくなることにも注意が必要です。
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では、以下の問題を考えて見ましょう。
「プレイヤーA、BはGP静岡の本戦に参加を予定している。
二人にBye(不戦勝)は無く、1回戦から全戦戦わなくてはならない。
2日目に抜けることを第一に考えている二人は、以下のようなことを言い出した。
A「きっとヒバリなんかには当たらないよ! ヒバリ対策は無ーし。」
B「楽観的だなお前。きっと当たるからサイドボードに対策カード満載でいくぜ。」
A「でも、実際に何人くらいヒバリを使ってくるんだろうな?」
さあ、何人でしょう?
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まずは基礎データの抽出です。
昨年の同時期に行われたGP京都(形式も同じくスタンダード)の参加人数は859人。
今年のGP静岡も同様と考えると、参加人数の見積もりは900人となります。
次に、各地のGPTで使用されたデッキや、話題になっているデッキを分類します。
Tier 1
・青黒フェアリー
・緑黒エルフ(戦士有・無含む)
・ヒバリ(無限ヒバリなど《目覚ましヒバリ/Reveillark》型)
Tier 2
・ビッグマナ(緑X)
・赤単(RDW)
・白青黒系コントロール(マネキン含)
・キスキン
・赤黒ゴブリン(ならず者ビート含)
Tier 3
・上記以外のRogue-Deck
それぞれに重みをつけます。
Tier1を選択するプレイヤーが全体の半分、Tier2が4割、Tier3が1割として
Tier内でのデッキ分布は平均化していると考えます。
900人をそれぞれのデッキに分けると、ヒバリを使用するプレイヤーは
900x1/2x1/3=150人となります。
#現実には直前の結果が働くのでもっと下でしょう。
#Tierの分散もざっくりと考えてます。
#このように、一応の答えは出ますが、フェルミ推論ではこれ以上正確に答えを出せません。
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思考の展開。
では、プレイヤーAの言うように、「ヒバリ対策は無ーし。」とした場合に、
Aは2日目に残れるでしょうか?
確率的な思考をしましょう。
昨年のGP京都から考えると、今年のGP静岡でも1日目のスイス・ラウンドは9回戦です。
GP京都での2日目ボーダーラインは19点(18点はOpp%勝負)でした。
ということは、ボーダーは 6−2−1(19点)と考えられます。
上記推論ではヒバリを選択するプレイヤーは全体の1/6です。
なので、期待値(ヒバリと対戦する試合数の平均値)は、9x(1/6) = 1.5(戦)です。
ボーダーを2敗ラインで設定するなら、
「ヒバリ対策を全くしなくても、ヒバリと相対する平均試合数は1ないし2戦。
それらを全部落としたとしても、残りを勝つようにすればボーダーをクリアできる。」
となります。
案外『俺は○○デッキとは当たらない!』論もバカにできませんね。
#上記推論を元に、9回戦でヒバリと全く対戦しない確率を計算すると
#
# (1-(1/6))^9 = 0.1938...
#
#となって2割弱です。これを大きいと見るか小さいと見るかは、あなた次第。
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そんなところで。
コメント
ヒバリと0回対戦する確率 (5/6)^9
1回対戦する確率 1C9 x (1/6)^1 x (5/6)^8
2回対戦する確率 2C9 x (1/6)^2 x (5/6)^7
で、これらの合計が 0.8915...
言い換えると、ヒバリと3回以上対戦する確率が10%強。
この値を大きいと見るか、小さいとみるか。