#あるルールに対して見解が異なる場合、どこに見解の相違があるかを
#突き詰めていくのが良いはずなのですが、
#そこで自分の意見を押し通そうという意志が働くと、それはとたんに議論の体を
#為さなくなってしまいます。対話でいいと思うんですけどね。
解答があると思い込んでいるからでしょう。
(現状では)答えられない問いもあるのですよ。
それでは先週の回答ー。
×
問題文にあやふやなところを残してしまったので、どうとでも取れる問題。つまり良くない問い。
一応の意図は、「オラクルで使用される文章(語)で、物理的にゲームで使用される
モノを示す単語は、『カード』 『トークン』 『コイン(投げ)』である。」
というものだった。問題文では「プレイヤー」も立派な物理的なモノ(者)であるので、
回答としてはやはり×となる。
では、人間以外でゲームに使用されうる物理的なものは、問題文にある3つだけだろうか?
実はそうではない。
私の用意していた回答は、《ゴブリンのゲーム/Goblin Game》にある。
そこには item/品物 という単語がしっかりと書かれている。これは物理的なものを指している。
なので、この解釈でも答えは×である。
適正である。
《工匠の神童、ミシュラ/Mishra, Artificer Prodigy》の誘発型能力により、
墓地、手札、ライブラリーから該当するカードを探すことになる。
たしかにBの言うとおり、墓地領域のカードは全てのプレイヤーに公開されているので、
そこに該当するカードがあるならばそれを「見つけ」なければいけない。
ところが、《工匠の神童、ミシュラ》の能力は以下の通りである。
あなたがアーティファクト呪文をプレイするたび、あなたは自分の墓地、手札、
ライブラリーからその呪文と同じ名前のカードを1枚探し、それを場に出す。あなたが
この方法で自分のライブラリーからカードを探した場合、それを切り直す。
Whenever you play an artifact spell, you may search your graveyard, hand,
and/or library for a card with the same name as that spell and put it into play.
If you search your library this way, shuffle it.
つまり、(日本語版ではその差異は読みづらいが)「墓地から探さなかったことにする」
ようにすれば、探さなかった領域で見つけることはできない。
となると、墓地に該当するカードがあっても、それを場に出さなくても良いことになる。
AはBにこう説明すべきなのだ。
A「ライブラリーと手札から探します。で、見つかりませんでした。」
3−1)正しくない。
複数のプレイヤーが同時に何らかの選択を行なったり行動を取ったりする場合、
アクティブ・プレイヤー(そのターンのプレイヤー)が必要な選択をすべて行ない、
そのあとでターン進行順に他のプレイヤーが必要な選択を行う。
そして、選択の終わった後、同時に行動が起こる。(CR103.4)
というわけで、手札のどのカードを捨てるかを選ぶことはアクティブ・プレイヤーから
行うが、それを実際に捨てるのは同時なので、どのプレイヤーも「選ばれたカードが
どのようなカードなのか」を知ることはできない。
ただし、《テレパシー/Telepathy》や《ズアーの運命支配/Zur’s Weirding》などによって、
手札領域がプレイヤーに公開されている場合はこの限りではない。
なぜなら他のプレイヤーは「何が選ばれたか」を事前に知ることができるのだ。
(場にあるパーマネントを同時に生贄にささげる場合と全く同様である。)
3−2)(今のところは)どちらともいえない。
上と同様にそれぞれのプレイヤーが同時に行動を起こすのだが、この場合はそもそも
「出す/出さない」という選択肢も含まれるために、アクティブ・プレイヤーから
どのように動くかを決めなくてはならない。以下に2つの説を挙げる。
i)
アクティブ・プレイヤーから全ての選択を行うので、「カードを場に出す」
までの行動を行う。したがって、他のプレイヤーは自分がカードを出す前に、
そのカードを見ることができる。
ii)
「カードを場に出す」行動は全てのプレイヤーが同時に行う行動なので、
「出す/出さない」という選択をアクティブ・プレイヤーから行う。
カードを出す場合、そのカードはまだ手札領域にあるので、それは公開されない。
プレイヤーはカードを選ぶだけにして場に出さないでおく。他のプレイヤーも同様にする。
全てのプレイヤーが選択をしたら、それらのカードを同時に場に出す。
したがって、プレイヤーは他のプレイヤーが出すカードを(事前に)一切見ることはできない。
どちらが正しいかは現行のCRでは判断できない。
プレイヤーは、その前のプレイヤーがどのような選択を行なったかを知った上で選択を行なう。
(CR103.4a)
とあるが、その『選択』とは何を指すのかが明確になっていない。
その場でのジャッジの判断が試される。
---------------------------------------------------
だが、ご心配は無用。
この項目については、近々リリースされるCR改訂によって、直される見込みである。
i)になるのかii)になるのかはわからないが、その改訂を待ちましょう。
---------------------------------------------------
そんなところで。
明日は、上でもちらっと触れていますが
http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/feature/440a
について。オラクルとCR改訂(モーニングタイド対応)です。
#突き詰めていくのが良いはずなのですが、
#そこで自分の意見を押し通そうという意志が働くと、それはとたんに議論の体を
#為さなくなってしまいます。対話でいいと思うんですけどね。
解答があると思い込んでいるからでしょう。
(現状では)答えられない問いもあるのですよ。
それでは先週の回答ー。
問1
新年かたならし○×。
「ゲームに使用される物理的なモノのテキスト上での表現は、
『カード』『トークン』『コイン(投げ)』の3つである。」
○か×か?
×
問題文にあやふやなところを残してしまったので、どうとでも取れる問題。つまり良くない問い。
一応の意図は、「オラクルで使用される文章(語)で、物理的にゲームで使用される
モノを示す単語は、『カード』 『トークン』 『コイン(投げ)』である。」
というものだった。問題文では「プレイヤー」も立派な物理的なモノ(者)であるので、
回答としてはやはり×となる。
では、人間以外でゲームに使用されうる物理的なものは、問題文にある3つだけだろうか?
実はそうではない。
私の用意していた回答は、《ゴブリンのゲーム/Goblin Game》にある。
そこには item/品物 という単語がしっかりと書かれている。これは物理的なものを指している。
なので、この解釈でも答えは×である。
問2
新年はお互いに故郷に戻り、堕落した生活を送っていたプレイヤーAとBがいつもの対戦をしている。
プレイヤーAは《工匠の神童、ミシュラ/Mishra, Artificer Prodigy》をコントロールしている。
Aは自分のターンに《ブライトハースの指輪/Rings of Brighthearth》をプレイし、
《工匠の神童、ミシュラ》の誘発型能力の解決に入った。
Aはライブラリーの中を見て、「見つから無かったよ」と言い、ライブラリーをシャッフルした。
そこでBはこう言った。
B「おい、Aの墓地には《ブライトハースの指輪》があるじゃないか。これは公開情報だから、
あったらそれを場に出さないといけないんじゃないか?」
A「出したら次のターンにBの《メムナーク/Memnarch》で奪われるじゃないかー。」
B「いやそれとこれとは関係ない。」
A「・・・でも、出したくないんだ。」
Aの行動は適正か? 適正であるかどうかにかかわらず、その理由を述べよ。
また、AはBにどう説明するべきか?
適正である。
《工匠の神童、ミシュラ/Mishra, Artificer Prodigy》の誘発型能力により、
墓地、手札、ライブラリーから該当するカードを探すことになる。
たしかにBの言うとおり、墓地領域のカードは全てのプレイヤーに公開されているので、
そこに該当するカードがあるならばそれを「見つけ」なければいけない。
ところが、《工匠の神童、ミシュラ》の能力は以下の通りである。
あなたがアーティファクト呪文をプレイするたび、あなたは自分の墓地、手札、
ライブラリーからその呪文と同じ名前のカードを1枚探し、それを場に出す。あなたが
この方法で自分のライブラリーからカードを探した場合、それを切り直す。
Whenever you play an artifact spell, you may search your graveyard, hand,
and/or library for a card with the same name as that spell and put it into play.
If you search your library this way, shuffle it.
つまり、(日本語版ではその差異は読みづらいが)「墓地から探さなかったことにする」
ようにすれば、探さなかった領域で見つけることはできない。
となると、墓地に該当するカードがあっても、それを場に出さなくても良いことになる。
AはBにこう説明すべきなのだ。
A「ライブラリーと手札から探します。で、見つかりませんでした。」
問3
3−1)
対戦相手が私のターンに、《心鞭スリヴァー/Mindlash Sliver》の能力を起動して
カードをお互いに1枚捨てることになった。
対戦相手「じゃ、APNAP順に捨てることになりますから、あなたが先にどうぞ。
その捨てられたカードを見てから、僕はカードを捨てます。」
この主張は正しいか?
3−2)
私は自分のターンに《実物提示教育/Show and Tell》をプレイした。
解決するときになって、対戦相手はこう言った。
対戦相手「じゃ、APNAP順にすることになりますから、あなたが先にどうぞ。
そのカードを見てから、僕も出すカードを決めます。」
この主張は正しいか?
3−1)正しくない。
複数のプレイヤーが同時に何らかの選択を行なったり行動を取ったりする場合、
アクティブ・プレイヤー(そのターンのプレイヤー)が必要な選択をすべて行ない、
そのあとでターン進行順に他のプレイヤーが必要な選択を行う。
そして、選択の終わった後、同時に行動が起こる。(CR103.4)
というわけで、手札のどのカードを捨てるかを選ぶことはアクティブ・プレイヤーから
行うが、それを実際に捨てるのは同時なので、どのプレイヤーも「選ばれたカードが
どのようなカードなのか」を知ることはできない。
ただし、《テレパシー/Telepathy》や《ズアーの運命支配/Zur’s Weirding》などによって、
手札領域がプレイヤーに公開されている場合はこの限りではない。
なぜなら他のプレイヤーは「何が選ばれたか」を事前に知ることができるのだ。
(場にあるパーマネントを同時に生贄にささげる場合と全く同様である。)
3−2)(今のところは)どちらともいえない。
上と同様にそれぞれのプレイヤーが同時に行動を起こすのだが、この場合はそもそも
「出す/出さない」という選択肢も含まれるために、アクティブ・プレイヤーから
どのように動くかを決めなくてはならない。以下に2つの説を挙げる。
i)
アクティブ・プレイヤーから全ての選択を行うので、「カードを場に出す」
までの行動を行う。したがって、他のプレイヤーは自分がカードを出す前に、
そのカードを見ることができる。
ii)
「カードを場に出す」行動は全てのプレイヤーが同時に行う行動なので、
「出す/出さない」という選択をアクティブ・プレイヤーから行う。
カードを出す場合、そのカードはまだ手札領域にあるので、それは公開されない。
プレイヤーはカードを選ぶだけにして場に出さないでおく。他のプレイヤーも同様にする。
全てのプレイヤーが選択をしたら、それらのカードを同時に場に出す。
したがって、プレイヤーは他のプレイヤーが出すカードを(事前に)一切見ることはできない。
どちらが正しいかは現行のCRでは判断できない。
プレイヤーは、その前のプレイヤーがどのような選択を行なったかを知った上で選択を行なう。
(CR103.4a)
とあるが、その『選択』とは何を指すのかが明確になっていない。
その場でのジャッジの判断が試される。
---------------------------------------------------
だが、ご心配は無用。
この項目については、近々リリースされるCR改訂によって、直される見込みである。
i)になるのかii)になるのかはわからないが、その改訂を待ちましょう。
---------------------------------------------------
そんなところで。
明日は、上でもちらっと触れていますが
http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/feature/440a
について。オラクルとCR改訂(モーニングタイド対応)です。
コメント
新年肩ならしの問題ですが、「+1/+1カウンター」や「蓄積カウンター」といった類のものは含まれないのでしょうか。
どちらにしても回答は変わりませんが。
仰ることはごもっともですが、一応、現在は、これに関する公式ルーリングが出ています(Gatherer参照)。
というわけで、「(今のところは)正しい」ではないかと。
「日本語版ではその差異は読みづらい」とありますが、
これは「you may search 〜〜」の部分が正しく訳されていないのも一因だと思います
「and/or」の訳の表現が難しいのもありますけど
その発想はなかったww
銀枠からテーブルだの靴だの考えてた俺は何なんでしょうか
カウンターは確かに物理的なモノですね。それも含まれます。
ご指摘感謝。
> いく さん
ところがGathererの裁定はかなり古いのです。
そのためこのように書いた次第です。
まあ、次のCRで新規項目もできるようですし、待ちましょう。
> 小野薫 さん
日本語訳の仕方の正否はともかく、印刷されたテキストから直感的に
読めないのは困りものではありますね。
(オラクルを使用している癖をつけるとそーでもないのですが)
> 銀枠からテーブルやら靴やら
たぶんデニムジーンズとか出てくるのでそれはどうかと。
銀枠世界は銀の月の住人にでもお任せするとしましょう。
2004年4月ですから、なるほど確かに古いですね。
ちなみに、ジャッジの皆さんは(ないしtestingさんは)、どのくらい古い裁定だと無視することにしているのでしょうか?
参考までにお教え頂ければ。
他の人はどう判断しているかわかりませんので、私自身の考えを申しますと、
「一つ前のCRより前に書かれたものは参考程度」です。
まずは最新のCRをもとに自分で考え、そしてweb上の裁定を見て、両方を吟味をすることを心がけております。