Face-down cards in RFG zone.
2007年12月20日コメント (6)マジックQ&A( http://qabbs.mjmj.info/ )にて、ちょいと面白いやりとりが
あったので、記事にしてみようと思う。
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・ゲーム外領域にある、裏向きに取り除かれたカード
呪文や能力の効果によって、カードは裏向きにゲーム外領域へ移動する場合がある。
古くは《ネクロポーテンス/Necropotence》からあり、今ではキーワード能力の一部
として使用される(例:「秘匿/Hideaway」)こともある。
この裏向きのカードは、以下の2通りに分けられる。
1)その表側を誰も見ることができない。
2)その表側は取り除いた効果によって(誰かが)見ることができる。
古いカードを含めると、1)のほうが普通のようだ。今風のカードでは2)の方が多い。
現在のスタンダード(2007/12)で使用できるカードでは、以下のカードが1)に該当する。
《コルフェノールの計画/Colfenor’s Plans》
《壺の大魔術師/Magus of the Jar》
一方、2)に該当するのは以下の通り。
『秘匿/Hideaway』能力持ちのレア土地5種類
《夢見るものインテット/Intet, the Dreamer》
《道化の王笏/Jester’s Scepter》
秘匿能力については1)である状態と2)である状態が混在する(?)のだが、
それについては後述する。
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・裏向きのカードから見つける
以下の問題を考えてみる。
「あるカード(A)が裏向きの状態でゲームから取り除かれている。
《きらめく願い/Glittering Wish》などの『願い』系のカードで、これ(A)を手札に
加えることはできるか?」
『願い』系のカードとは以下のカードをさしている。
《黄金の願い/Golden Wish》
《狡猾な願い/Cunning Wish》
《死せる願い/Death Wish》
《燃え立つ願い/Burning Wish》
《生ける願い/Living Wish》
《きらめく願い/Glittering Wish》
いずれも、外部/Outside tha Game からカードを選んでくるものである。
黒の《死せる願い》だけは選んでくるカードの特性が決められていない。
他の『願い』は特定の特性を持ったカードを選んでくる必要がある。
さて、問題の(A)は、その表を見ることができるかということについて、
前述した1)と2)のどちらかに属する。
・1)の場合
その表側を見ることができないのだから、その表側の特性を参照することはできない。
つまり、《死せる願い》以外の『願い』では、(A)を選ぶことはできない。
《死せる願い》で選ぶとしても、(A)の他に同様な状態のカードがあるならば、
それらから無作為に一枚引っ張るしかない。(昔の裁定による)
また、《死せる願い》で選ぶ場合、カードを選ばないという選択もできる。
この場合、ライフを半分失う効果のほうは通常通り実行される。
ただ単に "You may choose..." という下りを行わなかっただけである。
(これは昔の裁定とは異なる部分である。印刷テキストとオラクルを見比べて欲しい)
・2)の場合
表側を見ることができるのだから、そのカードの特性は参照可能である。
つまり、適当な特性を参照する『願い』であれば選ぶことができる。
一例を出そう。
《苔汁の橋/Mosswort Bridge》に《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》が
裏向きに取り除かれている。このとき、私は《きらめく願い》をプレイすることで、
この裏向きの《包囲の搭、ドラン》を選び、それを公開して手札に加えることができる。
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・サイドボード
あくまでも(A)は裏向きで、全てのプレイヤーに公開されているわけではないのに、
1)と2)で扱いが大きく違うのはなぜだろうか?
サイドボードの扱いを考えてみよう。サイドボードのカードは、(A)と同じように、
「全てのプレイヤーに公開されているわけではないが、外部にある」カードである。
が、それらは裏向きとも表向きとも言わない。(ゲームの一部ではないので)
サイドボードのカードは、いつでも見ることができる。(MFR122. サイドボードの使用)
ということは、その特性を参照することができるので、各種『願い』によって
サイドボードのカードを選ぶことができるのである。
特性を参照する場合に、それが公開/非公開であるかは関係がない。
あくまでその特性を参照できる/できないことだけを問いかけている。
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・秘匿能力のFAQはまちがい?
さて、ローウィンFAQの秘匿能力の項目には、以下のように書かれている。
・秘匿を持つ土地が場を離れたら、誰も取り除かれたカードを見ることができなくなる。
・土地の起動型能力をプレイし、それに対応してその土地のコントロールを失った場合、
それでも能力の解決時に取り除かれたカードをプレイすることはできる。
この2つの項目は矛盾している。
上の項目が正しいのならば、下の項目においては「能力の解決時にその表側を参照できない
カードをプレイすることが許可される」ので、どうプレイするのか奇妙なことになる。
(マナ・コストが無いのにもかかわらず、マナ・コストを支払わずにプレイしても良いので、
なぜかプレイはできてしまう。それは相変わらず裏向きで何も無いんだけど。)
下の項目が正しいとすれば、上の項目は以下のようになる。
・秘匿を持つ土地が場を離れても、それをコントロールしていたプレイヤーは、
その表側を見ることができる。
これだと秘匿能力のCRにも適合する。
「そのカードがゲームから取り除かれているかぎり、そのパーマネントをコントロール
していたプレイヤーはそれを見てもよい」(CR502.75)
という能力は、秘匿能力の中にある誘発型能力の一部だからだ。
ただ、前に私自身が書いたとおり、「そのパーマネント」というところに違和感を感じている。
文章を変えてしまうのが一番かもしれないけれど、それは次の神託を待つしかない。
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ちとややこしくなってしまったので、間違っている箇所があるかもです。
コメントを募集いたします。rulemongerのつっこみ大歓迎。
そんなところで。
あったので、記事にしてみようと思う。
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・ゲーム外領域にある、裏向きに取り除かれたカード
呪文や能力の効果によって、カードは裏向きにゲーム外領域へ移動する場合がある。
古くは《ネクロポーテンス/Necropotence》からあり、今ではキーワード能力の一部
として使用される(例:「秘匿/Hideaway」)こともある。
この裏向きのカードは、以下の2通りに分けられる。
1)その表側を誰も見ることができない。
2)その表側は取り除いた効果によって(誰かが)見ることができる。
古いカードを含めると、1)のほうが普通のようだ。今風のカードでは2)の方が多い。
現在のスタンダード(2007/12)で使用できるカードでは、以下のカードが1)に該当する。
《コルフェノールの計画/Colfenor’s Plans》
《壺の大魔術師/Magus of the Jar》
一方、2)に該当するのは以下の通り。
『秘匿/Hideaway』能力持ちのレア土地5種類
《夢見るものインテット/Intet, the Dreamer》
《道化の王笏/Jester’s Scepter》
秘匿能力については1)である状態と2)である状態が混在する(?)のだが、
それについては後述する。
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・裏向きのカードから見つける
以下の問題を考えてみる。
「あるカード(A)が裏向きの状態でゲームから取り除かれている。
《きらめく願い/Glittering Wish》などの『願い』系のカードで、これ(A)を手札に
加えることはできるか?」
『願い』系のカードとは以下のカードをさしている。
《黄金の願い/Golden Wish》
《狡猾な願い/Cunning Wish》
《死せる願い/Death Wish》
《燃え立つ願い/Burning Wish》
《生ける願い/Living Wish》
《きらめく願い/Glittering Wish》
いずれも、外部/Outside tha Game からカードを選んでくるものである。
黒の《死せる願い》だけは選んでくるカードの特性が決められていない。
他の『願い』は特定の特性を持ったカードを選んでくる必要がある。
さて、問題の(A)は、その表を見ることができるかということについて、
前述した1)と2)のどちらかに属する。
・1)の場合
その表側を見ることができないのだから、その表側の特性を参照することはできない。
つまり、《死せる願い》以外の『願い』では、(A)を選ぶことはできない。
《死せる願い》で選ぶとしても、(A)の他に同様な状態のカードがあるならば、
それらから無作為に一枚引っ張るしかない。(昔の裁定による)
また、《死せる願い》で選ぶ場合、カードを選ばないという選択もできる。
この場合、ライフを半分失う効果のほうは通常通り実行される。
ただ単に "You may choose..." という下りを行わなかっただけである。
(これは昔の裁定とは異なる部分である。印刷テキストとオラクルを見比べて欲しい)
・2)の場合
表側を見ることができるのだから、そのカードの特性は参照可能である。
つまり、適当な特性を参照する『願い』であれば選ぶことができる。
一例を出そう。
《苔汁の橋/Mosswort Bridge》に《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》が
裏向きに取り除かれている。このとき、私は《きらめく願い》をプレイすることで、
この裏向きの《包囲の搭、ドラン》を選び、それを公開して手札に加えることができる。
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・サイドボード
あくまでも(A)は裏向きで、全てのプレイヤーに公開されているわけではないのに、
1)と2)で扱いが大きく違うのはなぜだろうか?
サイドボードの扱いを考えてみよう。サイドボードのカードは、(A)と同じように、
「全てのプレイヤーに公開されているわけではないが、外部にある」カードである。
が、それらは裏向きとも表向きとも言わない。(ゲームの一部ではないので)
サイドボードのカードは、いつでも見ることができる。(MFR122. サイドボードの使用)
ということは、その特性を参照することができるので、各種『願い』によって
サイドボードのカードを選ぶことができるのである。
特性を参照する場合に、それが公開/非公開であるかは関係がない。
あくまでその特性を参照できる/できないことだけを問いかけている。
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・秘匿能力のFAQはまちがい?
さて、ローウィンFAQの秘匿能力の項目には、以下のように書かれている。
・秘匿を持つ土地が場を離れたら、誰も取り除かれたカードを見ることができなくなる。
・土地の起動型能力をプレイし、それに対応してその土地のコントロールを失った場合、
それでも能力の解決時に取り除かれたカードをプレイすることはできる。
この2つの項目は矛盾している。
上の項目が正しいのならば、下の項目においては「能力の解決時にその表側を参照できない
カードをプレイすることが許可される」ので、どうプレイするのか奇妙なことになる。
(マナ・コストが無いのにもかかわらず、マナ・コストを支払わずにプレイしても良いので、
なぜかプレイはできてしまう。それは相変わらず裏向きで何も無いんだけど。)
下の項目が正しいとすれば、上の項目は以下のようになる。
・秘匿を持つ土地が場を離れても、それをコントロールしていたプレイヤーは、
その表側を見ることができる。
これだと秘匿能力のCRにも適合する。
「そのカードがゲームから取り除かれているかぎり、そのパーマネントをコントロール
していたプレイヤーはそれを見てもよい」(CR502.75)
という能力は、秘匿能力の中にある誘発型能力の一部だからだ。
ただ、前に私自身が書いたとおり、「そのパーマネント」というところに違和感を感じている。
文章を変えてしまうのが一番かもしれないけれど、それは次の神託を待つしかない。
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ちとややこしくなってしまったので、間違っている箇所があるかもです。
コメントを募集いたします。rulemongerのつっこみ大歓迎。
そんなところで。
コメント
プレイの最初の段階で、カードはスタックに移ります。
領域を移動したオブジェクトは新しいオブジェクトですので、その直前にいた領域で裏向きだったことなどキレイさっぱり忘れているのではないでしょうか?
それが呪文ならスタックに乗る。土地ならスタックに乗らない。
でも、裏向きということはそのどちらでもないわけで、プレイ時にスタックへ行くかどうかは不明なのでは?
「コントロールを失った」だけなら表を見れる。
> いく さん
たしかにプレイの最初の段階で、オブジェクトはスタック領域へ移動します。(CR409.1)
しかし、変異能力などを見てもわかるとおり、裏向きのカードがスタックへそのまま
移動することは別に不思議ではありません。CR502.26b、CR504.6もご参照ください。
> そうやってプレイしたカードは本当にスタックに乗るのでしょうか?
少なくともそのカードは土地ではないので、土地のプレイ(CR408.2d)にはあたりません。
では呪文かというと、そうでもないですね。ですから、「奇妙なことになる」のです。
#プレイしてもよい、とあるのでプレイしなかったらスタックには乗りませんね。
> 「コントロールを失った」だけなら表を見れる。
確かにその通りです。が、それは条件として「場領域にある」場合を述べておられますよね。
場領域からカードが離れた場合も「コントロールを失っ」ていますが、そのときのことも
加味されてFAQに書かれていると、私は考えました。
>移動することは別に不思議ではありません。
そうなのですか?
するとちょっと奇妙なことになるような…。
変異を持つ呪文の場合はCR502.26bがそのように定めていますからそうなりますが、一般的に、裏向きのカードが領域を移動すると裏向きのままであると言えるのでしょうか?
ライブラリーのカードは裏向きであるとルールに定められていますね(217.2b)。
ということは、ライブラリーからカードを引いたらそれは裏向きなのでしょうか?
プレイヤーは自分の手札を自由に見られるので(217.3c)、裏向きであっても当面は困らないかもしれません。
が、それが裏向きであるとすると、次にそのカードをプレイするときは、スタックに裏向きのまま移動するということにならないのでしょうか?
でないとCR217.2f.が無意味です。