#以下の16個から8つを選ぶ。(以下略
Finals予選@大阪 で良く聞かれたルール的なことをつらつらと。
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1)ローウィンの(青・赤・緑・黒)命令
ローウィンの命令/Command サイクルにおいて、白以外の4つの命令は、
モードの選び方によって対象を取らなかったり、単一の対象だったり、
複数の対象を取ったりする。
結論を先に言うと、
「解決時に全ての対象が不正な場合、その呪文や能力は打ち消される。」(CR413.2a)
ので、その呪文がいくつの対象を取っているか、ということが重要になる。
実際にあった例を挙げよう。
プレイヤーAは《原初の命令/Primal Command》を、
2番目(クリーチャーでないパーマネントをライブラリーの一番上に置く)と
4番目(ライブラリーからクリーチャー・カードを探して手札に加える)の
モードを選択し、対戦相手(B)の《樹上の村/Treetop Village》を対象にした。
Bはこれに対応して《樹上の村》の能力を起動し、クリーチャーにした。
この後、Aの《原初の命令/Primal Command》の解決を行うとどうなるだろうか?
この《原初の命令》は全ての対象が不正となっているので、打ち消されてしまう。
つまり、Aはライブラリーからクリーチャーを探すこともできない。
このように、モードの選び方によって対象の数が異なる場合には、
その全ての対象が不正であるかどうかが鍵になる。
緑と黒の命令は必ず1つ以上の対象がある。いくつあるかはモードにより異なる。
青と赤の命令に関してはモードの選び方によって対象を取ったり取らなかったりする。
白の命令は常に対象を選ばない。(全てのモードについて対象を選ぶことが無い)
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2)秘匿土地が場から離れる
世界選手権でも使われていた《背骨岩の小山/Spinerock Knoll》を始めとする、
秘匿能力を持つ土地について。
プレイヤーAは《背骨岩の小山》をコントロールしており、1枚のカードが裏向きに
取り除かれている。対戦相手(B)は《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant》を
プレイし、結果として《背骨岩の小山》は手札に戻ることになった。
さて、Aが取り除いたカードはどうなるだろうか?
このカードは裏向きに取り除かれた状態であるため、もう誰もその表を確認することができない。
また、ゲーム終了時にその表をBに公開する必要は無い。
(ローウィンFAQにも一部書かれている)
もう一歩踏み込んでみよう。
Aがこのターン中にBへ7点のダメージをすでに与えており、《背骨岩の小山》の2番目の能力
を起動したとする。この能力の解決より前に、Bが《造物の学者、ヴェンセール》をプレイして、
《背骨岩の小山》が場から手札に戻ったとしよう。
能力の解決時に、裏向けのカードはプレイできるだろうか?
これはプレイすることが可能である。能力の解決時に、「取り除かれていたカード」を
探すことができるからだ。(この場合は最後の情報(LKI)を利用している)
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3)土地渡り
Aは以下のパーマネントをコントロールしている。
《リリアナ・ヴェス/Liliana Vess》(忠誠カウンターは3個)
《骸骨の変わり身/Skeletal Changeling》
《森/Forest》x4
《沼/Swamp》x3
Bは森渡りをもつ《ボガートの丸太運び/Boggart Loggers》で、Aの《リリアナ・ヴェス》
に攻撃を行った。さて、Aは《骸骨の変わり身》で、これをブロックできるだろうか?
・・・できる、と答えた人は間違い。この例ではブロックできない。
そもそも、土地渡りの定義は以下のように書かれている。
土地渡りや氷雪土地渡りは回避能力である。土地渡りを持つクリーチャーは、
防御プレイヤーが指定されたサブタイプ、もしくは特殊タイプの土地を一つでも
コントロールしている限りブロックされない。 (CR502.6b)
ここで引っかかるのが「防御プレイヤー」という言葉である。
プレインズウォーカーはプレイヤーではないので、防御プレイヤーは存在せず、
したがって森をコントロールしていたとしても、森渡りのクリーチャーはブロック可能である
という考えがあるのだろうが、それは完全に間違っている。
クリーチャーの、防御プレイヤーを参照する効果は、そのクリーチャーが攻撃している
防御プレイヤーまたはそのクリーチャーが攻撃しているプレインズウォーカーの
コントローラーだけを参照する。(CR308.1)
なので、この場合は森渡りの「防御プレイヤーが森をコントロールしているかどうか?」
という質問は、「《リリアナ・ヴェス》をコントロールしているプレイヤーが森をコントロール
しているかどうか?」という質問に代わる。もちろん答えは「イエス」であり、
したがってBの《ボガートの丸太運び》はブロックされない。
土地渡りについてもう一つ。
双頭巨人戦においても、土地渡りは比較的有効に働く。なぜならば、
「防御プレイヤー」を参照する、単発的効果や特性定義能力は、両方の防御プレイヤーでは
なく、いずれか1人の防御プレイヤーを参照する。その効果あるいは特性定義能力のコント
ローラーが、どちらのプレイヤーを参照するかを決定する。「攻撃プレイヤー」を参照する
場合も同じである。それ以外のあらゆる場合において、「防御プレイヤー」は防御プレイヤー
の両方を指す語として用いられる。(CR606.7a)
とあるので、2人のうちどちらかが該当する土地をコントロールしていた場合、
そのクリーチャーは、ブロックされなくなる。
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そんなところで。
おまけ)
先週末のFINALS予選@大阪のサイドイベント、双頭巨人戦ドラフトにて。
双頭巨人戦のドラフトピックのやり方を説明するおいら。
おいら「・・・はい、じゃ実際にピックしましょう。パックを開封してください。」
(がさがさがさ)
おいら「では、そのうち2枚をピックしてください。
16枚目のボーナスカードは目の前において、分けておいてくださいね。」
あるチーム「なるほど、これが双頭巨人戦ですか。」
おいら「???」
不思議に思ってそのチームのピックしたカードを見ると、
《豪腕のブライオン/Brion Stoutarm》
《雷雲のシャーマン/Thundercloud Shaman》
誰がうまいこと言えと(w
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Finals予選@大阪 で良く聞かれたルール的なことをつらつらと。
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1)ローウィンの(青・赤・緑・黒)命令
ローウィンの命令/Command サイクルにおいて、白以外の4つの命令は、
モードの選び方によって対象を取らなかったり、単一の対象だったり、
複数の対象を取ったりする。
結論を先に言うと、
「解決時に全ての対象が不正な場合、その呪文や能力は打ち消される。」(CR413.2a)
ので、その呪文がいくつの対象を取っているか、ということが重要になる。
実際にあった例を挙げよう。
プレイヤーAは《原初の命令/Primal Command》を、
2番目(クリーチャーでないパーマネントをライブラリーの一番上に置く)と
4番目(ライブラリーからクリーチャー・カードを探して手札に加える)の
モードを選択し、対戦相手(B)の《樹上の村/Treetop Village》を対象にした。
Bはこれに対応して《樹上の村》の能力を起動し、クリーチャーにした。
この後、Aの《原初の命令/Primal Command》の解決を行うとどうなるだろうか?
この《原初の命令》は全ての対象が不正となっているので、打ち消されてしまう。
つまり、Aはライブラリーからクリーチャーを探すこともできない。
このように、モードの選び方によって対象の数が異なる場合には、
その全ての対象が不正であるかどうかが鍵になる。
緑と黒の命令は必ず1つ以上の対象がある。いくつあるかはモードにより異なる。
青と赤の命令に関してはモードの選び方によって対象を取ったり取らなかったりする。
白の命令は常に対象を選ばない。(全てのモードについて対象を選ぶことが無い)
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2)秘匿土地が場から離れる
世界選手権でも使われていた《背骨岩の小山/Spinerock Knoll》を始めとする、
秘匿能力を持つ土地について。
プレイヤーAは《背骨岩の小山》をコントロールしており、1枚のカードが裏向きに
取り除かれている。対戦相手(B)は《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant》を
プレイし、結果として《背骨岩の小山》は手札に戻ることになった。
さて、Aが取り除いたカードはどうなるだろうか?
このカードは裏向きに取り除かれた状態であるため、もう誰もその表を確認することができない。
また、ゲーム終了時にその表をBに公開する必要は無い。
(ローウィンFAQにも一部書かれている)
もう一歩踏み込んでみよう。
Aがこのターン中にBへ7点のダメージをすでに与えており、《背骨岩の小山》の2番目の能力
を起動したとする。この能力の解決より前に、Bが《造物の学者、ヴェンセール》をプレイして、
《背骨岩の小山》が場から手札に戻ったとしよう。
能力の解決時に、裏向けのカードはプレイできるだろうか?
これはプレイすることが可能である。能力の解決時に、「取り除かれていたカード」を
探すことができるからだ。(この場合は最後の情報(LKI)を利用している)
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3)土地渡り
Aは以下のパーマネントをコントロールしている。
《リリアナ・ヴェス/Liliana Vess》(忠誠カウンターは3個)
《骸骨の変わり身/Skeletal Changeling》
《森/Forest》x4
《沼/Swamp》x3
Bは森渡りをもつ《ボガートの丸太運び/Boggart Loggers》で、Aの《リリアナ・ヴェス》
に攻撃を行った。さて、Aは《骸骨の変わり身》で、これをブロックできるだろうか?
・・・できる、と答えた人は間違い。この例ではブロックできない。
そもそも、土地渡りの定義は以下のように書かれている。
土地渡りや氷雪土地渡りは回避能力である。土地渡りを持つクリーチャーは、
防御プレイヤーが指定されたサブタイプ、もしくは特殊タイプの土地を一つでも
コントロールしている限りブロックされない。 (CR502.6b)
ここで引っかかるのが「防御プレイヤー」という言葉である。
プレインズウォーカーはプレイヤーではないので、防御プレイヤーは存在せず、
したがって森をコントロールしていたとしても、森渡りのクリーチャーはブロック可能である
という考えがあるのだろうが、それは完全に間違っている。
クリーチャーの、防御プレイヤーを参照する効果は、そのクリーチャーが攻撃している
防御プレイヤーまたはそのクリーチャーが攻撃しているプレインズウォーカーの
コントローラーだけを参照する。(CR308.1)
なので、この場合は森渡りの「防御プレイヤーが森をコントロールしているかどうか?」
という質問は、「《リリアナ・ヴェス》をコントロールしているプレイヤーが森をコントロール
しているかどうか?」という質問に代わる。もちろん答えは「イエス」であり、
したがってBの《ボガートの丸太運び》はブロックされない。
土地渡りについてもう一つ。
双頭巨人戦においても、土地渡りは比較的有効に働く。なぜならば、
「防御プレイヤー」を参照する、単発的効果や特性定義能力は、両方の防御プレイヤーでは
なく、いずれか1人の防御プレイヤーを参照する。その効果あるいは特性定義能力のコント
ローラーが、どちらのプレイヤーを参照するかを決定する。「攻撃プレイヤー」を参照する
場合も同じである。それ以外のあらゆる場合において、「防御プレイヤー」は防御プレイヤー
の両方を指す語として用いられる。(CR606.7a)
とあるので、2人のうちどちらかが該当する土地をコントロールしていた場合、
そのクリーチャーは、ブロックされなくなる。
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そんなところで。
おまけ)
先週末のFINALS予選@大阪のサイドイベント、双頭巨人戦ドラフトにて。
双頭巨人戦のドラフトピックのやり方を説明するおいら。
おいら「・・・はい、じゃ実際にピックしましょう。パックを開封してください。」
(がさがさがさ)
おいら「では、そのうち2枚をピックしてください。
16枚目のボーナスカードは目の前において、分けておいてくださいね。」
あるチーム「なるほど、これが双頭巨人戦ですか。」
おいら「???」
不思議に思ってそのチームのピックしたカードを見ると、
《豪腕のブライオン/Brion Stoutarm》
《雷雲のシャーマン/Thundercloud Shaman》
誰がうまいこと言えと(w
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