Deep Blue Rules
2007年11月21日コメント (2)ローウィンが入ってからのスタンダード環境には、ややルール的に理解が難しい
青のカードが、数種類使用されている。
今日はそんな青いカードたちについてのお話。
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1)《狡知/Guile》
《狡知/Guile》の2番目の能力は、置換効果である。
If a spell or ability you control would counter a spell, instead remove that
spell from the game and you may play that card without paying its mana cost.
たとえば、ある呪文が《遅延/Delay》の対象になったとしよう。
《遅延/Delay》は《狡知/Guile》の置換効果を受け・・・
Counter target spell. If the spell is countered this way, remove it from
the game with three time counters on it instead of putting it into its
owner’s graveyard. If it doesn’t have suspend, it gains suspend.
↓↓
remove that spell from the game and you may play that card without paying
its mana cost. If the spell is countered this way, remove it from the game
with three time counters on it instead of putting ...
とはならない。(!)
この書き方だと、「打ち消されない」という効果を持つ呪文まで取り除いてしまうのだ。
《狡知/Guile》が置換しているのは「打ち消す」というイベント全部ではない。
「打ち消す」とは、「(その呪文を)スタックからオーナーの墓地に動かす」
ということである。(CR414.1)
《狡知/Guile》はこのうち、「オーナーの墓地に動かす」という部分を、「ゲームから
取り除き、あなたはそのカードをそのマナ・コストを支払うことなくプレイしてもよい。」
というように置換している。
呪文や能力の解決中にプレイを促されているのだから、プレイしようとする呪文の
本来プレイできるタイミングは無視される。(マッドネスと同じ)
また、「打ち消されない」呪文にたいしては、「打ち消す」というイベント自体が
起こらないため、《狡知/Guile》は何もしない。
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2)《誘惑蒔き/Sower of Temptation》
《誘惑蒔き/Sower of Temptation》の誘発型能力は、限定される持続時間をもつ。
When Sower of Temptation comes into play, gain control of target creature
as long as Sower of Temptation remains in play.
誘発型能力の解決後、《誘惑蒔き》自身の能力が無くなろうが、名前が変わろうが、
位相が変わろうが、場にある限りクリーチャーのコントロールは奪ったままである。
また、誘発型能力の解決前に《誘惑蒔き》が場をはなれた場合、クリーチャーの
コントロールは一瞬たりとも移動しない。これは、「〜する限り/as long as」という
表記で限定される持続時間を持つ能力に関するルールである。(CR418.3d)
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3)《クロノゾア/Chronozoa》になった《ヴェズーヴァの多相の戦士/Vesuvan Shapeshifter》
コピー効果の中でも、もっともややこしい事象についてお話しする。
3−1)始まり
場に《クロノゾア》がある。(上の時間カウンターは1個とする。)
裏向きの《ヴェズーヴァの多相の戦士》が、表になるに際し、《クロノゾア》のコピーと
なった場合、このクリーチャーの特性は以下のようになる。
もちろん、上に時間カウンターは乗らない。これは新しく場に出たわけではないし、
上に乗っているカウンターはコピー可能な値では無い。
3−2)増える
上の《クロノゾアな多相の戦士》が、墓地に置かれたとしよう。
「墓地に置かれたとき」〜の誘発型能力が誘発し、トークンが2個出てくる。
これらのトークンの特性は、
である。新たに場に出るので、消失能力による時間カウンター(3個)を伴っている。
3−3)裏返る
このトークンはアップキープに裏向きになれる。
では裏向きになると特性はどのようになるだろうか?
しかし、上には時間カウンターが乗っている。
この時間カウンターは減ることが無い。
なぜなら、すでにこのクリーチャーは消失能力を持っていないからである。
3−4)表返・・・る?
ではこのトークンは変異コストを支払って表になることができるだろうか?
答えは「できない」である。
なぜなら、表側の特性は3−2)に示されている通りであり、変異コストは無い。
つまり、表側の特性を参照する際に変異コストが示せないので、
変異コストを支払って表にすることはできない。
なんらかの手段を使用して表にすることはできる。
(例:《現実を彫る者イクシドール/Ixidor, Reality Sculptor》)
3−5)深淵へ
さらに場に《姿分け/Shapesharer》があるとしよう。
3−1)〜3−4)にあるクリーチャーのコピーとなった場合、
《姿分け》はどのような挙動をしめすだろうか?
色々考えていただきたい。
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そんなところで。
青のカードが、数種類使用されている。
今日はそんな青いカードたちについてのお話。
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1)《狡知/Guile》
《狡知/Guile》の2番目の能力は、置換効果である。
If a spell or ability you control would counter a spell, instead remove that
spell from the game and you may play that card without paying its mana cost.
たとえば、ある呪文が《遅延/Delay》の対象になったとしよう。
《遅延/Delay》は《狡知/Guile》の置換効果を受け・・・
Counter target spell. If the spell is countered this way, remove it from
the game with three time counters on it instead of putting it into its
owner’s graveyard. If it doesn’t have suspend, it gains suspend.
↓↓
remove that spell from the game and you may play that card without paying
its mana cost. If the spell is countered this way, remove it from the game
with three time counters on it instead of putting ...
とはならない。(!)
この書き方だと、「打ち消されない」という効果を持つ呪文まで取り除いてしまうのだ。
《狡知/Guile》が置換しているのは「打ち消す」というイベント全部ではない。
「打ち消す」とは、「(その呪文を)スタックからオーナーの墓地に動かす」
ということである。(CR414.1)
《狡知/Guile》はこのうち、「オーナーの墓地に動かす」という部分を、「ゲームから
取り除き、あなたはそのカードをそのマナ・コストを支払うことなくプレイしてもよい。」
というように置換している。
呪文や能力の解決中にプレイを促されているのだから、プレイしようとする呪文の
本来プレイできるタイミングは無視される。(マッドネスと同じ)
また、「打ち消されない」呪文にたいしては、「打ち消す」というイベント自体が
起こらないため、《狡知/Guile》は何もしない。
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2)《誘惑蒔き/Sower of Temptation》
《誘惑蒔き/Sower of Temptation》の誘発型能力は、限定される持続時間をもつ。
When Sower of Temptation comes into play, gain control of target creature
as long as Sower of Temptation remains in play.
誘発型能力の解決後、《誘惑蒔き》自身の能力が無くなろうが、名前が変わろうが、
位相が変わろうが、場にある限りクリーチャーのコントロールは奪ったままである。
また、誘発型能力の解決前に《誘惑蒔き》が場をはなれた場合、クリーチャーの
コントロールは一瞬たりとも移動しない。これは、「〜する限り/as long as」という
表記で限定される持続時間を持つ能力に関するルールである。(CR418.3d)
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3)《クロノゾア/Chronozoa》になった《ヴェズーヴァの多相の戦士/Vesuvan Shapeshifter》
コピー効果の中でも、もっともややこしい事象についてお話しする。
3−1)始まり
場に《クロノゾア》がある。(上の時間カウンターは1個とする。)
裏向きの《ヴェズーヴァの多相の戦士》が、表になるに際し、《クロノゾア》のコピーと
なった場合、このクリーチャーの特性は以下のようになる。
名前:《クロノゾア/Chronozoa》
コスト:{3}{U}
タイプ:クリーチャー -- イリュージョン
テキスト:
飛行
消失3
クロノゾアが場から墓地に置かれたとき、その上に時間カウンターが1個も置かれて
いない場合、そのコピーであるトークンを2個場に出す。
あなたのアップキープの開始時に、あなたはこのクリーチャーを裏向きにしてもよい。
P/T: 3/3
もちろん、上に時間カウンターは乗らない。これは新しく場に出たわけではないし、
上に乗っているカウンターはコピー可能な値では無い。
3−2)増える
上の《クロノゾアな多相の戦士》が、墓地に置かれたとしよう。
「墓地に置かれたとき」〜の誘発型能力が誘発し、トークンが2個出てくる。
これらのトークンの特性は、
名前:《クロノゾア/Chronozoa》
コスト:{3}{U}
タイプ:クリーチャー -- イリュージョン
テキスト:
飛行
消失3
クロノゾアが場から墓地に置かれたとき、その上に時間カウンターが1個も置かれて
いない場合、そのコピーであるトークンを2個場に出す。
あなたのアップキープの開始時に、あなたはこのクリーチャーを裏向きにしてもよい。
P/T: 3/3
である。新たに場に出るので、消失能力による時間カウンター(3個)を伴っている。
3−3)裏返る
このトークンはアップキープに裏向きになれる。
では裏向きになると特性はどのようになるだろうか?
名前:(なし)
コスト:(なし)
タイプ:クリーチャー -- (なし)
テキスト:(なし)
P/T: 2/2
しかし、上には時間カウンターが乗っている。
この時間カウンターは減ることが無い。
なぜなら、すでにこのクリーチャーは消失能力を持っていないからである。
3−4)表返・・・る?
ではこのトークンは変異コストを支払って表になることができるだろうか?
答えは「できない」である。
なぜなら、表側の特性は3−2)に示されている通りであり、変異コストは無い。
つまり、表側の特性を参照する際に変異コストが示せないので、
変異コストを支払って表にすることはできない。
なんらかの手段を使用して表にすることはできる。
(例:《現実を彫る者イクシドール/Ixidor, Reality Sculptor》)
3−5)深淵へ
さらに場に《姿分け/Shapesharer》があるとしよう。
3−1)〜3−4)にあるクリーチャーのコピーとなった場合、
《姿分け》はどのような挙動をしめすだろうか?
色々考えていただきたい。
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そんなところで。
コメント
その場合は《妖精の計略/Faerie Trickery》で打ち消された呪文は《狡知/Guile》の置換効果を受け、ゲーム外に(《狡知/Guile》によって)取り除かれた後、プレイするか否かを決めます。