Plainswalker in CompRules. (applied)
2007年10月18日コメント (3)ローウィンから登場した新しいカードタイプであるプレインズウォーカーも、
ずいぶんとプレイヤーの皆さんは慣れてきたような感があります。
そろそろ構築への導入が考えられている頃でしょうか。
今日はプレインズウォーカーに関するもうちょっとつっこんだ話を。
いわば応用編です。基本的なことや、FAQに準じた事項は、9月3日の記事を参照して下さい。
------------------------------
CRの更新に伴い、プレインズウォーカーが新しいカードタイプとして加わりました。
そのため、かなりの数の項目が更新されています。
ほとんどはカードタイプに「プレインズウォーカー(呪文)」という単語が加えられた
だけですが、CR212.9 のように、まるまる一項目が作成されたものもあります。
1)カードタイプとしてのプレインズウォーカー
・自分のメインフェイズで、スタックが空で、優先権を持つときに手札からプレイできる。
・呪文としてプレイされる場合、スタックを用いる。
・プレインズウォーカーのサブタイプは1単語である。
・複数のプレインズウォーカーが、共通のプレインズウォーカー・タイプを持つ場合、
それらは状況起因効果によってオーナーの墓地に置かれる。
・「忠誠度/Loyalty」は、プレインズウォーカーのみが持つ特性である。
・パーマネントとして場に出る際に、置換効果として忠誠カウンターが置かれる。
・プレインズウォーカーは攻撃されることがある。
・プレインズウォーカーが持つ起動型能力は、
i) 自分のメイン・フェイズである。
ii) 自分に優先権がある
iii) スタックが空である。
iv) そのプレインズウォーカーの起動型能力をそのターンにプレイしていない
以上4つを満たしていないとプレイできない。
・対戦相手からあなたに与えられた非戦闘ダメージは、対戦相手によって、
あなたのプレインズウォーカーに移し変えることができる。
以上は主にCR212.9 項からの要約である。FAQよりかは、ややCR的な文章になっている。
よくある勘違いとしては、自分がプレインズウォーカーをコントロールしている際に、
《溶鉄の災難/Molten Disaster》等の全体ダメージ系呪文をプレイし、自分に与えられる
ダメージを全てプレインズウォーカーに肩代わりさせよう、というものだが、
ご存知のとおり、これはできない。プレインズウォーカーへの移し変えは、対戦相手から
選ばれるものであり、この場合は置換効果の影響を受けないからである。
2)戦闘フェイズとプレインズウォーカー
・プレイヤーまたはプレインズウォーカーだけが、攻撃される。
・プレインズウォーカーを戦闘から取り除く場合、それは攻撃されている状態では
なくなった、ということである。
・プレインズウォーカーが戦闘から取り除かれても、それを攻撃しているクリーチャーは
戦闘から取り除かれたことにはならない。
それはどこにも攻撃してない、「攻撃クリーチャー」である。
・防御プレイヤーを攻撃するか、プレインズウォーカーを攻撃するかの指定は
攻撃クリーチャー指定ステップの開始に際して、クリーチャーごとに選ぶ。
この指定はスタックを使用しない。
・「攻撃した」状態で場に出たクリーチャーは、どの防御プレイヤーもしくは
どの防御プレイヤーがコントロールするプレインズウォーカーに攻撃するかを選ぶ。
・防御プレイヤーがコントロールするアンタップ状態のクリーチャーは、それで
ブロックしないか、あるいはその防御プレイヤーか、そのコントロールしている
プレインズウォーカーに攻撃しているクリーチャーを選んでブロックすることを選ぶ。
カードのなかには、攻撃クリーチャーに対してある種の制限をかけるカードがある。
たとえば、《風生まれの詩神/Windborn Muse》は、攻撃クリーチャーに対して{2}を
要求するが、これは「あなたへの攻撃〜」とあるため、プレインズウォーカーへ攻撃する
場合には、何の影響も及ぼさない。このようなカードは大量に存在する。
(プレインズウォーカーなんてタイプは、過去のカードが知るわけないからね)
これとは別に、ただ単に攻撃制限をかけるカードがある。《罠の橋/Ensnaring Bridge》
のように、どこともなく攻撃を制限するカードは、プレイヤーだろうが、プレインズウォーカー
だろうが、攻撃を行うことをできなくさせる。
3)クリーチャー化したプレインズウォーカー
(注:ここから先は難易度が高くなります)
カードの組み合わせによっては、プレインズウォーカーがクリーチャーでもある状態になる。
このような場合、奇妙なことがいくつか起こる。
(以下、クリーチャー化したプレインズウォーカーを、「生物PW」と表記する)
・生物PWはクリーチャーなので、攻撃やブロックに参加できる。
・生物PWが攻撃され、かつその生物PWでブロックした場合、戦闘ダメージは通常通り
計算される。攻撃クリーチャーが不幸にもトランプルを持っていた場合、ブロックした
生物PWを含めたブロック・クリーチャー全体に致死ダメージ以上のダメージを割り振
らなければ、残りのダメージを生物PWに対して割り振ることができない。(ただし、
この場合はブロックしている生物PWに致死ダメージ以上の戦闘ダメージが割り振られ
ていることに注意せよ)
・生物PWがダメージを受けた場合、上に乗っている忠誠カウンターの数はその分だけ減る。
が、ダメージが消えるわけではない。《幻影のニショーバ/Phantom Nishoba》等の
カウンターの扱いとは根本的に異なる。
"Damage dealt to a planeswalker causes that planeswalker to lose that much loyalty."
なので、忠誠カウンターが減るのはダメージによるものであり、代わりに減らすのではない。
・生物PWに致死ダメージが与えられた場合、状況起因効果のチェック時に破壊される。
なぜならそれはクリーチャーだからである。
・生物PWが(《秘儀の教示/Arcane Teachings》から与えられた様な)起動型能力を得た
場合、それはプレインズウォーカーが持つ元々の起動型能力のプレイと同じ制限を受ける。
つまり、1ターンに1度しか使用できない。これは CR212.9f によるものである。
・《水銀の精霊/Quicksilver Elemental》などが生物PWの起動型能力を得た場合、
忠誠カウンターを上下するコストの起動型能力は、1ターンに何度でも、インスタントと
同じタイミングで起動できる。これは、生物PWの起動型能力を得たクリーチャーは
プレインズウォーカーでは無いので、CR212.9f にある制限を受けないからである。
・上記のような「生物PWの起動型能力を得たクリーチャー」が、忠誠カウンターを増減
させることをコストとした起動型能力をプレイすると、起動した分の忠誠カウンターは、
そのクリーチャーに乗ったり、減らされたりする。(CR104.7)
これを利用すると、《水銀の精霊/Quicksilver Elemental》で、クリーチャー化した
《黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane》の起動型能力をコピーすると、
アバター・トークンを好きなだけ作成することができる。
(それ以前に、好きなだけライフを得ることができるので、対戦相手はうんざりするだろう)
-------------------------
そんなところで。
ずいぶんとプレイヤーの皆さんは慣れてきたような感があります。
そろそろ構築への導入が考えられている頃でしょうか。
今日はプレインズウォーカーに関するもうちょっとつっこんだ話を。
いわば応用編です。基本的なことや、FAQに準じた事項は、9月3日の記事を参照して下さい。
------------------------------
CRの更新に伴い、プレインズウォーカーが新しいカードタイプとして加わりました。
そのため、かなりの数の項目が更新されています。
ほとんどはカードタイプに「プレインズウォーカー(呪文)」という単語が加えられた
だけですが、CR212.9 のように、まるまる一項目が作成されたものもあります。
1)カードタイプとしてのプレインズウォーカー
・自分のメインフェイズで、スタックが空で、優先権を持つときに手札からプレイできる。
・呪文としてプレイされる場合、スタックを用いる。
・プレインズウォーカーのサブタイプは1単語である。
・複数のプレインズウォーカーが、共通のプレインズウォーカー・タイプを持つ場合、
それらは状況起因効果によってオーナーの墓地に置かれる。
・「忠誠度/Loyalty」は、プレインズウォーカーのみが持つ特性である。
・パーマネントとして場に出る際に、置換効果として忠誠カウンターが置かれる。
・プレインズウォーカーは攻撃されることがある。
・プレインズウォーカーが持つ起動型能力は、
i) 自分のメイン・フェイズである。
ii) 自分に優先権がある
iii) スタックが空である。
iv) そのプレインズウォーカーの起動型能力をそのターンにプレイしていない
以上4つを満たしていないとプレイできない。
・対戦相手からあなたに与えられた非戦闘ダメージは、対戦相手によって、
あなたのプレインズウォーカーに移し変えることができる。
以上は主にCR212.9 項からの要約である。FAQよりかは、ややCR的な文章になっている。
よくある勘違いとしては、自分がプレインズウォーカーをコントロールしている際に、
《溶鉄の災難/Molten Disaster》等の全体ダメージ系呪文をプレイし、自分に与えられる
ダメージを全てプレインズウォーカーに肩代わりさせよう、というものだが、
ご存知のとおり、これはできない。プレインズウォーカーへの移し変えは、対戦相手から
選ばれるものであり、この場合は置換効果の影響を受けないからである。
2)戦闘フェイズとプレインズウォーカー
・プレイヤーまたはプレインズウォーカーだけが、攻撃される。
・プレインズウォーカーを戦闘から取り除く場合、それは攻撃されている状態では
なくなった、ということである。
・プレインズウォーカーが戦闘から取り除かれても、それを攻撃しているクリーチャーは
戦闘から取り除かれたことにはならない。
それはどこにも攻撃してない、「攻撃クリーチャー」である。
・防御プレイヤーを攻撃するか、プレインズウォーカーを攻撃するかの指定は
攻撃クリーチャー指定ステップの開始に際して、クリーチャーごとに選ぶ。
この指定はスタックを使用しない。
・「攻撃した」状態で場に出たクリーチャーは、どの防御プレイヤーもしくは
どの防御プレイヤーがコントロールするプレインズウォーカーに攻撃するかを選ぶ。
・防御プレイヤーがコントロールするアンタップ状態のクリーチャーは、それで
ブロックしないか、あるいはその防御プレイヤーか、そのコントロールしている
プレインズウォーカーに攻撃しているクリーチャーを選んでブロックすることを選ぶ。
カードのなかには、攻撃クリーチャーに対してある種の制限をかけるカードがある。
たとえば、《風生まれの詩神/Windborn Muse》は、攻撃クリーチャーに対して{2}を
要求するが、これは「あなたへの攻撃〜」とあるため、プレインズウォーカーへ攻撃する
場合には、何の影響も及ぼさない。このようなカードは大量に存在する。
(プレインズウォーカーなんてタイプは、過去のカードが知るわけないからね)
これとは別に、ただ単に攻撃制限をかけるカードがある。《罠の橋/Ensnaring Bridge》
のように、どこともなく攻撃を制限するカードは、プレイヤーだろうが、プレインズウォーカー
だろうが、攻撃を行うことをできなくさせる。
3)クリーチャー化したプレインズウォーカー
(注:ここから先は難易度が高くなります)
カードの組み合わせによっては、プレインズウォーカーがクリーチャーでもある状態になる。
このような場合、奇妙なことがいくつか起こる。
(以下、クリーチャー化したプレインズウォーカーを、「生物PW」と表記する)
・生物PWはクリーチャーなので、攻撃やブロックに参加できる。
・生物PWが攻撃され、かつその生物PWでブロックした場合、戦闘ダメージは通常通り
計算される。攻撃クリーチャーが不幸にもトランプルを持っていた場合、ブロックした
生物PWを含めたブロック・クリーチャー全体に致死ダメージ以上のダメージを割り振
らなければ、残りのダメージを生物PWに対して割り振ることができない。(ただし、
この場合はブロックしている生物PWに致死ダメージ以上の戦闘ダメージが割り振られ
ていることに注意せよ)
・生物PWがダメージを受けた場合、上に乗っている忠誠カウンターの数はその分だけ減る。
が、ダメージが消えるわけではない。《幻影のニショーバ/Phantom Nishoba》等の
カウンターの扱いとは根本的に異なる。
"Damage dealt to a planeswalker causes that planeswalker to lose that much loyalty."
なので、忠誠カウンターが減るのはダメージによるものであり、代わりに減らすのではない。
・生物PWに致死ダメージが与えられた場合、状況起因効果のチェック時に破壊される。
なぜならそれはクリーチャーだからである。
・生物PWが(《秘儀の教示/Arcane Teachings》から与えられた様な)起動型能力を得た
場合、それはプレインズウォーカーが持つ元々の起動型能力のプレイと同じ制限を受ける。
つまり、1ターンに1度しか使用できない。これは CR212.9f によるものである。
・《水銀の精霊/Quicksilver Elemental》などが生物PWの起動型能力を得た場合、
忠誠カウンターを上下するコストの起動型能力は、1ターンに何度でも、インスタントと
同じタイミングで起動できる。これは、生物PWの起動型能力を得たクリーチャーは
プレインズウォーカーでは無いので、CR212.9f にある制限を受けないからである。
・上記のような「生物PWの起動型能力を得たクリーチャー」が、忠誠カウンターを増減
させることをコストとした起動型能力をプレイすると、起動した分の忠誠カウンターは、
そのクリーチャーに乗ったり、減らされたりする。(CR104.7)
これを利用すると、《水銀の精霊/Quicksilver Elemental》で、クリーチャー化した
《黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane》の起動型能力をコピーすると、
アバター・トークンを好きなだけ作成することができる。
(それ以前に、好きなだけライフを得ることができるので、対戦相手はうんざりするだろう)
-------------------------
そんなところで。
コメント
《テフェリーの濠》とか、ダメじゃん。
ノンクリにはPWは不要ってわけか。修整して欲しいです。
CR308.1の文中に
「クリーチャーの、防御プレイヤーを参照する効果は、そのクリーチャーが攻撃している防御プレイヤーまたはそのクリーチャーが攻撃しているプレインズウォーカーのコントローラーだけを参照する。」
とありますが、『参照』というのは、どういうことをいうのでしょう?
《大地のしもべ》や《港の検査官》とかは何となく解るのですが、《茨の精霊》はPWに攻撃していてもブロックされたらプレイヤーに飛ぶのか、とか。
>生物PW
プレインズウォーカー能力のルール(CR212.9f)は、タイプ(PW)に関連しているのではなく、例えばCR217.7dのように、PW能力そのものについて言及していると捉えることはできませんか?(PWが複数の能力を持っているのは、ルールではなく、カードの特徴に過ぎないため)
やはり英語を勉強すべきなのか。
> 何か思ったよりルールが整備されてない印象。
すばらしい、市民! あなたはCRが何たるかを理解しました。
ただちに、あなたをセキュリティ・クリアランス Red に昇格します。
ようこそ深淵の縁へ。
まあ、それはおいておいて。
《テフェリーの濠/Teferi’s Moat》などがこの先修正されるかどうかは、
オラクル改変を待つしかないのですが、個人的にはカードの動きそのものには
全く矛盾が無いので、テキストが修整される可能性は低い、と見てます。
> 『参照』というのは、どういうことをいうのでしょう?
一番わかりやすい例としては、土地渡りです。プレインズウォーカーに攻撃
し、それが沼渡りを持っていた場合、防御プレイヤーは直接攻撃されていませんが、
沼をコントロールしていた場合は、それをブロックすることはできません。
> PW能力そのものについて言及していると捉えることはできませんか?
CR212項そのものが、カードタイプ、特殊タイプ、サブタイプの説明として
書かれているので、その小項目であるCR212.9f項は、カード・タイプとしての
プレインズウォーカーの説明文として読むべきです。文章のみを抜き出して
読むと誤解しやすいのがCRのまずい側面だと、個人的には思います。
> 英語
CRやM:tGに限らず、英語は勉強すると実生活で便利です。
まずは慣れ親しむことですかね。
深淵には行きたくないので、「よくできたルールだと思います。」
それはそれ。
先週まで濠で堪えるベレレン・デッキを組んでいたので、ドランを使ったネタデッキに替えて本当に良かったと思っています(笑)
もっと前は《物語の円》入れてましたし。
個人的にはFAQに書かれていなかったのが、アイタタタですね。
構築のイベントを幾つか経れば、何か出るかな。
>英語
もう5年以上まともに触れてないですからね。
やはりWotCの公式サイト読んだりフォーラムに参加できると楽しいんでしょうね。
ではでは。