Metagame Clock : Practice

2007年7月31日
Metagame Clock : Practice
前の記事で、メタ・クロックについて書いた。
今回はそれを実践してみたので、レポートとしてお届けする。

いつもいつも上手くいくわけではないし、地域性もあるので
一概には言えないが、このような論理ガチガチのメタゲーム読みから
デッキを作成する手段もある、ということで。

ちなみに、筆者はプレイヤーとしては二流ですので、あんまり上手じゃないです。
レーティング1600台と言えばそれでよろしいでしょうかね。

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 1)9版→10版へのメタ・クロック修整

まずはメタ・クロックを修整しよう。

10版になって《ウルザの鉱山/Urza’s Mine》等のいわゆるウルザ土地が消え、
トロンデッキは存在ができなくなった。また、《煮えたぎる歌/Seething Song》の
消失により、ストームを稼ぐデッキで大量にマナが要るもの・・・すなわち
ドラゴンストームもその存在意義が薄くなっている。

この2つをメタ・クロックから消す。
消すことによって、コンボとコントロールの範囲を少し減らす。

そして、新環境で増えるのはビートダウンと、そのビートダウンを食える
ボードコントロールである。この2つの範囲を少し広げる。

こうしてメタ・クロックは10版対応になった。

(上の図参照。なお、10版対応の国別選手権結果を考慮する「前」である。)

 
 2)10版のメタ・クロックを読む

さて、出来上がったメタ・クロックを読んでみよう。
明らかに多いのはビートダウンとボードコントロールである。
勝ちを増やすのであれば、この2つを同時に食えるデッキタイプが適当である。

そこで、ビートダウンとボードコントロールを合わせた領域の真ん中に線を引き、
そこから15分(90度)時計を進める。そうすると、線はボードコントロールで
かつコンボ寄りの部分に移動をする。

(上の図の矢印と線を参照)

つまり、作成するデッキは「ボードコントロールで、コンボ要素のあるデッキ」となる。

 
 3)デッキの具体的な構想

さて、具体的なカードを見ていこう。
(ここからは私の個人的主観が多くなるので、一般論として見てはいけない。)

まずはコンボ要素を考えなくてはいけない。
ナルコブリッジのような、デッキのそれ自体がコンボをなすようなものではなく、
カード2枚の組み合わせで、勝ちをもぎ取れるようなものが良い。

そうしたところで10版で復帰したカードを眺めていると、
私の目に留まったのは《突撃の地鳴り/Seismic Assault》だった。
元々エターナルプレイヤーである私は、《壌土からの生命/Life from the Loam》を組み
合わせたコンボデッキに関する知識があったので、この2枚をコンボ・キーにすることにした。

次は色の組み合わせだが、赤と緑は決定として、場をコントロールするために白を選択した。
クリーチャーの質が良くなるのと、《壌土からの生命》と相性がよさそうな
《トロウケアの敷石/Flagstones of Trokair》が採用できるからだ。

こうして、以下のようなデッキが出来上がった。


   Xth Meta-Clock soln. (Assault-Loam)

   メイン:
   4《根の壁/Wall of Roots》
   4《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
   4《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》
   3《獣群の呼び声/Call of the Herd》

   4《壌土からの生命/Life from the Loam》
   3《突撃の地鳴り/Seismic Assault》
   3《神の怒り/Wrath of God》
   3《秋の際/Edge of Autumn》
   3《稲妻のらせん/Lightning Helix》
   2《調和/Harmonize》
   2《爆裂+破綻/Boom/Bust》
   3《連合の秘宝/Coalition Relic》

   4《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》
   4《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
   2《寺院の庭/Temple Garden》
   2《地平線の梢/Horizon Canopy》
   3《トロウケアの敷石/Flagstones of Trokair》
   2《樹上の村/Treetop Village》
   2《宝石鉱山/Gemstone Mine》
   1《平地/Plains》
   1《森/Forest》
   1《山/Mountain》

   サイド:
   4《クローサの掌握/Krosan Grip》:何でも破壊
   1《塵への帰結/Return to Dust》:印鑑など用
   3《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》:対ナルコブリッジ
   2《溶鉄の災難/Molten Disaster》:準ダメージ
   3《秘教の処罰者/Mystic Enforcer》:対黒用
   1《神の怒り/Wrath of God》:追加用
   1《爆裂+破綻/Boom/Bust》:追加用


サイドはかなり適当に作ってある。
今から思うと、《塵への帰結/Return to Dust》ではなく、《破壊放題/Shattering Spree》
であるべきだったし、他の10版カードでもよかった。

 
  4)いざ実戦!

というわけでこのデッキを作成して、名古屋BMの10版記念パーティーに参加した。
20人ちょいではあったが、スイス5回戦で以下のような成績だった。

 
1回戦 対白青赤トリコロール(××−)
2回戦 対青黒ローグ・デッキ(○○−)
3回戦 対 プロジェクトX (○○−)
4回戦 対 幕屋コントロール(○×○)
5回戦 対赤緑グルールビート(○○−)

4勝1敗の4位という成績で終わった。

負けた試合は

1回戦1本目) 相手の《神の怒り/Wrath of God》で場が流されたあと後続が続かず。
1回戦2本目) 《爆裂+破綻/Boom/Bust》を丁寧に差し戻されて負け。
4回戦2本目) 相手の火力祭りに対して、こっちのライフ回復を全く引かず。

勝った試合のほとんどは《突撃の地鳴り》と《壌土からの生命》、そして
《地平線の梢》による1ターン12点コンボが作動したからである。

 
  5)そして時計はまわる

メタ・クロックの読みは正しかったといえるが、これから先はどうなるかわからない。
米国選手権などで台頭している《一瞬の瞬き/Momentary Blink》コントロールは
ボード・コントロールでありながらコンボ要素を兼ね備えているので、
Assault-Loamと同じ時計の針を指しているといえる。

このタイプの次に出てくるデッキを予測すると、

 ・オープンコントロール
  →重カウンターの低速デッキ。今なら白青は無理でも、青黒しか作れない?

 ・コントロール寄りのアグロコントロール
  →墓地対策やコンボ要素を排除することを目的とした黒系ビート?

となるだろう。(あくまでメタ・クロックの読みだけではあるが)

 
日本選手権本戦まで、あと、1ヶ月。
プレイヤーの出す回答はいかがなものであろうか。

 
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そんなところで。

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