It’s a closed book.
2007年2月1日コメント (5)タイトルの意味は辞書を引いてください。
2つあるけど「あたしにとっちゃあギリシア語だ」の方です。(謎
自分での整理の意味を込めて。
最近話題のルール談義についてのまとめをいたします。
1)《イクシドロン/Ixidron》
クリーチャーを裏向きにしてしまう(ルール的にも)やっかいな生物。
「それらは2/2のクリーチャーである。 」
という文章がrule-mongerを悩ましてきた。
裏向きになっているのだから、CR502.26e. によってそれは2/2のはず。
ということはこの「2/2である」とは何なのか?
通常のP/T変化として適用してしまうと、色々おかしくなってしまう。
結局、この文章は前の文章に連続しているので、前の文章の状態を加味した
限定的な意味合いである、ということに落ち着いた。
この文章は裏向きになっている間に適用される、継続的効果・第6b種である。
具体例を出しておこう。
《巨大化/Giant Growth》のかかった《意志を曲げる者/Willbender》(=4/5)を
《イクシドロン/Ixidron》を出して裏返すと、それは2/2になる。
さらに、変異コストを払ってこれを表にすると、それは4/5に戻る。
2)《血染めの月/Blood Moon》
《血染めの月/Blood Moon》は今更語ることの無いカードだが、
次元の混乱で登場した2つのカードとの相互作用が問題になっている。
1つはFMQでも出した、《生命と枝/Life and Limb》であり、
もう1つは《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》である。
《生命と枝/Life and Limb》は第4種+第6b種の継続的効果であるが、
《血染めの月/Blood Moon》との依存・独立関係を見てみると、
《血染めの月/Blood Moon》は《生命と枝/Life and Limb》に依存している。
(《生命と枝/Life and Limb》の適用順番によって結果が変わる)
《生命と枝/Life and Limb》は《血染めの月/Blood Moon》に依存していない。
・・・だろうか? 効果だけを見ると依存していないようにみえるが、
基本でない土地であり、かつ、森である土地が場にある場合のみ、
《生命と枝/Life and Limb》は《血染めの月/Blood Moon》に依存する。
共に依存する場合と、一方のみが依存する場合が分かれてしまうのだ。
《生命と枝》と《血染めの月》のタイムスタンプが、
《生命と枝》のほうが先であれば問題はないが、
《血染めの月》のタイムスタンプが先であると、
上記のような「基本でない土地・森」が存在したときに、適用順番が逆になる。
例示しつつ結論を言おう。
基本でない土地であり、かつ、森である土地として、《草むした墓》を例に出す。
i)《血染めの月/Blood Moon》→《生命と枝/Life and Limb》のタイムスタンプ順
で、《草むした墓》、《森》、苗木・トークンが同時に場にあるとき
《草むした墓》 = 土地 -- 山
《森/Forest》 = 基本クリーチャー土地 -- 森・苗木
苗木トークン = クリーチャー土地 -- 森・苗木
ii)《血染めの月/Blood Moon》→《生命と枝/Life and Limb》のタイムスタンプ順
で、《森》、苗木・トークンが同時に場にあるとき
《森/Forest》 = 基本クリーチャー土地 -- 森・苗木
苗木トークン = クリーチャー土地 --山・苗木
iii)《生命と枝/Life and Limb》→《血染めの月/Blood Moon》のタイムスタンプ順
で、《草むした墓》、《森》、苗木・トークンが同時に場にあるとき
《草むした墓》 = クリーチャー土地 -- 山・苗木
《森/Forest》 = 基本クリーチャー土地 -- 森・苗木
苗木トークン = クリーチャー土地 -- 山・苗木
iv)《生命と枝/Life and Limb》→《血染めの月/Blood Moon》のタイムスタンプ順
で、《森》、苗木・トークンが同時に場にあるとき
《森/Forest》 = 基本クリーチャー土地 -- 森・苗木
苗木トークン = クリーチャー土地 --山・苗木
この結果面白いことがわかる。
《血染めの月/Blood Moon》→《生命と枝/Life and Limb》の順で出しておくと、
場の苗木トークンは山であり、{R}を出すのだが、
《草むした墓/Overgrown Tomb》を新たに出すと、そのとたんに森に変わり、
{G}しかだせなくなってしまう。
------
《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》との相互作用だが、
《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》が《血染めの月/Blood Moon》に依存していることは
疑いようがないので、適用順はつねに《血染めの月/Blood Moon》が先である。
ということは常に《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》は山になり、能力を失うように
思えるのだが・・・どうにも納得のいかない方々がいるみたいだ。
拠りどころは http://qabbs.mjmj.info/topics/1146621366_28400.html らしいが、
はてさて。私的には、CR418.5b.には何の落ち度も無いように読めるのだが。
#《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》を《夜のとばり/Blanket of Night》にすると
#きちんとタイムスタンプ順になる。まずこれから始めるのがいいかも。
3)マイナスと加算値
ここに、能力を5回起動した《粘つく霊命/Viscid Lemures》がある。
今のP/Tは−1/3である。
さて、ここに《結核/Phthisis》をプレイした。
失うライフは……3である。(時のらせんFAQより)
同じようなことを《野生のつがい/Wild Pair》でやってみよう。
《粘つく霊命/Viscid Lemures》を出し、誘発型能力の解決に割り込んで、
能力を5回起動し、P/Tを−1/3にして、解決してみる。
探せるP/Tの合計値は……2である。(次元の混乱FAQより)
《結核/Phthisis》と《野生のつがい/Wild Pair》の文章はたしかに異なる。
が、有意ある差ではないことも確かだ。
示している値がなんなのか、それともマイナスの値をどう扱うか、がカギになる。
#この問題は次のCR改訂でどうにかなるらしい。
#かの《虚空の大口/Void Maw》問題も解決するとのことで、
#改訂をのんびりまちましょ。
----------
そんなところで。
2つあるけど「あたしにとっちゃあギリシア語だ」の方です。(謎
自分での整理の意味を込めて。
最近話題のルール談義についてのまとめをいたします。
1)《イクシドロン/Ixidron》
クリーチャーを裏向きにしてしまう(ルール的にも)やっかいな生物。
「それらは2/2のクリーチャーである。 」
という文章がrule-mongerを悩ましてきた。
裏向きになっているのだから、CR502.26e. によってそれは2/2のはず。
ということはこの「2/2である」とは何なのか?
通常のP/T変化として適用してしまうと、色々おかしくなってしまう。
結局、この文章は前の文章に連続しているので、前の文章の状態を加味した
限定的な意味合いである、ということに落ち着いた。
この文章は裏向きになっている間に適用される、継続的効果・第6b種である。
具体例を出しておこう。
《巨大化/Giant Growth》のかかった《意志を曲げる者/Willbender》(=4/5)を
《イクシドロン/Ixidron》を出して裏返すと、それは2/2になる。
さらに、変異コストを払ってこれを表にすると、それは4/5に戻る。
2)《血染めの月/Blood Moon》
《血染めの月/Blood Moon》は今更語ることの無いカードだが、
次元の混乱で登場した2つのカードとの相互作用が問題になっている。
1つはFMQでも出した、《生命と枝/Life and Limb》であり、
もう1つは《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》である。
《生命と枝/Life and Limb》は第4種+第6b種の継続的効果であるが、
《血染めの月/Blood Moon》との依存・独立関係を見てみると、
《血染めの月/Blood Moon》は《生命と枝/Life and Limb》に依存している。
(《生命と枝/Life and Limb》の適用順番によって結果が変わる)
《生命と枝/Life and Limb》は《血染めの月/Blood Moon》に依存していない。
・・・だろうか? 効果だけを見ると依存していないようにみえるが、
基本でない土地であり、かつ、森である土地が場にある場合のみ、
《生命と枝/Life and Limb》は《血染めの月/Blood Moon》に依存する。
共に依存する場合と、一方のみが依存する場合が分かれてしまうのだ。
《生命と枝》と《血染めの月》のタイムスタンプが、
《生命と枝》のほうが先であれば問題はないが、
《血染めの月》のタイムスタンプが先であると、
上記のような「基本でない土地・森」が存在したときに、適用順番が逆になる。
例示しつつ結論を言おう。
基本でない土地であり、かつ、森である土地として、《草むした墓》を例に出す。
i)《血染めの月/Blood Moon》→《生命と枝/Life and Limb》のタイムスタンプ順
で、《草むした墓》、《森》、苗木・トークンが同時に場にあるとき
《草むした墓》 = 土地 -- 山
《森/Forest》 = 基本クリーチャー土地 -- 森・苗木
苗木トークン = クリーチャー土地 -- 森・苗木
ii)《血染めの月/Blood Moon》→《生命と枝/Life and Limb》のタイムスタンプ順
で、《森》、苗木・トークンが同時に場にあるとき
《森/Forest》 = 基本クリーチャー土地 -- 森・苗木
苗木トークン = クリーチャー土地 --山・苗木
iii)《生命と枝/Life and Limb》→《血染めの月/Blood Moon》のタイムスタンプ順
で、《草むした墓》、《森》、苗木・トークンが同時に場にあるとき
《草むした墓》 = クリーチャー土地 -- 山・苗木
《森/Forest》 = 基本クリーチャー土地 -- 森・苗木
苗木トークン = クリーチャー土地 -- 山・苗木
iv)《生命と枝/Life and Limb》→《血染めの月/Blood Moon》のタイムスタンプ順
で、《森》、苗木・トークンが同時に場にあるとき
《森/Forest》 = 基本クリーチャー土地 -- 森・苗木
苗木トークン = クリーチャー土地 --山・苗木
この結果面白いことがわかる。
《血染めの月/Blood Moon》→《生命と枝/Life and Limb》の順で出しておくと、
場の苗木トークンは山であり、{R}を出すのだが、
《草むした墓/Overgrown Tomb》を新たに出すと、そのとたんに森に変わり、
{G}しかだせなくなってしまう。
------
《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》との相互作用だが、
《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》が《血染めの月/Blood Moon》に依存していることは
疑いようがないので、適用順はつねに《血染めの月/Blood Moon》が先である。
ということは常に《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》は山になり、能力を失うように
思えるのだが・・・どうにも納得のいかない方々がいるみたいだ。
拠りどころは http://qabbs.mjmj.info/topics/1146621366_28400.html らしいが、
はてさて。私的には、CR418.5b.には何の落ち度も無いように読めるのだが。
#《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》を《夜のとばり/Blanket of Night》にすると
#きちんとタイムスタンプ順になる。まずこれから始めるのがいいかも。
3)マイナスと加算値
ここに、能力を5回起動した《粘つく霊命/Viscid Lemures》がある。
今のP/Tは−1/3である。
さて、ここに《結核/Phthisis》をプレイした。
失うライフは……3である。(時のらせんFAQより)
同じようなことを《野生のつがい/Wild Pair》でやってみよう。
《粘つく霊命/Viscid Lemures》を出し、誘発型能力の解決に割り込んで、
能力を5回起動し、P/Tを−1/3にして、解決してみる。
探せるP/Tの合計値は……2である。(次元の混乱FAQより)
《結核/Phthisis》と《野生のつがい/Wild Pair》の文章はたしかに異なる。
が、有意ある差ではないことも確かだ。
示している値がなんなのか、それともマイナスの値をどう扱うか、がカギになる。
#この問題は次のCR改訂でどうにかなるらしい。
#かの《虚空の大口/Void Maw》問題も解決するとのことで、
#改訂をのんびりまちましょ。
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そんなところで。
コメント
裏向きカードは、それを裏向きにした能力によってそれがどのような特性になるのかが定義がされていない場合、2/2クリーチャーになります。これはコピー可能な値です。(CR502.26e)
《Ixidron》はその2/2クリーチャーに対して、さらに「(裏向きの間は、)2/2クリーチャーである」という継続的効果を与えます。この継続的効果が6種b(+4種)です。
>testingさん
《Blood Moon》と《Life and Limb》の相互作用についての疑問に思ったことがあります。
継続的効果というのは、全ての適用先に、同じ適用順で適用しなければならないものなのでしょうか。(個別に適用順が変わると考えると、《草むした墓》を出したときに他のオブジェクトの特性が変わることは無いと思います)
総合ルールにもはっきりとした記述は無かったように思いましたので。
# ちなみに《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》問題は、
# http://qabbs.mjmj.info/topics/1146621366_28400.html
# が、誤回答だったという書き込みがマジックQ&Aにされたので
# 無事決着したようですね。
"They’re 2/2 creatures"を《Wrath of God》の"They can’t be regenerated"と同様に前文を修飾していると捉えるなら、これは504.2の"those(characteristics) listed by the ability or rules that allowed the card, spell, or permanent to be turned face down"であり、コピー可能な値であるはずです(502.26eと重複しますが、特に問題は無いはず)。
これを6b種と捉えてしまうと、"Turn target creature face down. It’s a 1/1 creature."という効果を仮定したときに、これによって1/1になったクリーチャーをコピーした《Clone》がなぜか2/2になる、という奇妙な状況が起きます。
《イクシドロン/Ixidron》の挙動については論議をずいぶんと繰り返しています。
以下の過去記事と、JNR裁定が書かれているログを参照下さい。
http://diarynote.jp/d/74598/20070124.html
http://qabbs.mjmj.info/topics/1169353682_88960.html
私的には、シマクマさんの言われていることは至極もっともなのですが、
NRによる裁定という一つの答えが提示されていることをご理解下さい。
#問題点をQ&A板にぶつけて回答を待つという手もあります。
>>奇妙な状況が起きます。
そのオブジェクトのcopy-ableな値は6b種の影響を受けている1/1ではなく、
裏向きのオブジェクトであるという特性値(2/2)であるはずです。
するとやはり、《Overgrown Tomb》がプレイされる前後で苗木トークンのタイプは変化するのが正しいそうです。
それが正しいというのがそもそもちょっと…、という主旨であろうかとは思いますが、少なくとも彼らはこのケースが奇妙な印象をプレイヤーに与えることを分かってはいるようです(そしてこういうケースがあまり多くはないことも)。
詳しくはこちらに書きました。
http://community.wisdom-guild.net/board/21/2501/#468