回答に入る前に2つほど。
1つめ:
プレリ京都で行った、双頭巨人戦・ブースタードラフトのやり方にミスがありました。
カードピのック途中で、既に取ったカードを見ることはできません。
通常の個人ドラフトと同じく、パックとパックの間にしか見ることはできません。
#見ても良いよ、ということにして行ってました。ここに訂正しお詫び申し上げます。
2つめ:
前に書いた記事で《イクシドロン/Ixidron》と《粘つく霊命/Viscid Lemures》の
問題がありましたが、解説が間違っています。(結論はかわりませんが)
《イクシドロン/Ixidron》については考察記事を書いてますので、
明日くらいにまとめて色々と。
んでは先週の回答ー。
○
プレリリース前に記事を書いたので、実際の文言とは異なることをお許し願いたい。
が、どちらにせよ、消失/Vanishing を持つパーマネントは、
「このパーマネントの上から最後の時間カウンターが取り除かれたとき、それを生け贄に捧げる。」
という能力を持つので、生け贄に捧げられるのは最後のカウンターが取り除かれた時である。
ネメシスの 消散/Fading と似てはいるが、その挙動は異なる。
一番わかりやすい例を出そう。
ネメシスの代表的生物、《ブラストダーム/Blastoderm》は「消散 3」である。
その色違いである生物、《カルシダーム/Calciderm》は「消失 4」である。
この2体が殴れるターン数は全く同じ。(実際に動かしてみると、よくわかる)
適正でない。
《等時の王笏/Isochron Scepter》によって作成されたコピー《棄却/Overrule》は、
《啓発のジン/Djinn Illuminatus》によって複製能力が付加され、以下のような特性をもつ。
《棄却/Overrule》(copy)
{X}{W}{U}
Instant
Counter target spell unless its controller pays {X}. You gain X life.
Replicate {X}{W}{U}
このコピーをプレイする際に、コストに{X}があるのでそれを決定しなくてはいけない。
CR409.1b.に従い、{X}を決定して、それから追加コストである複製コストを何回支払う
かを決定することになる。
ここで、《等時の王笏/Isochron Scepter》によってこのコピーは
「マナ・コストを支払うことなくプレイ」することになるので、この場合に設定できる
Xの値は0のみとなる。
理由は、用語集「X」の項目にある。
Xを含むコストを支払わずに、マナ・コストに{X}を含む呪文をプレイした場合、
Xとして適正な選択は0だけである。
よって、Xは0となる。
1つのオブジェクトにあるXの値は全て同じなので、(先々週の○×を参照)
複製コストも{W}{U}となる。
#もっとも、複製してもあまり意味のある行為とは思えないが……
3−1)
《サリッド/Thallid》をコピーした《ヴェズーヴァの多相の戦士/Vesuvan Shapeshifter》。
もしくは、コピー先を選ばずに《ヴェズーヴァの多相の戦士》のままで出て、0/0となり墓地行き。
《影武者/Body Double》は完全な《ヴェズーヴァの多相の戦士》のコピーとなって
場に出ることになる。
つまり、普通に《ヴェズーヴァの多相の戦士》を表向きに場に出した時と同じ挙動をする。
以下の問題は《サリッド/Thallid》のコピーとなった、として考える。
3−2)裏向きになれる。
このクリーチャーの特性は、
名前:《サリッド/Thallid》
マナ・コスト:{G}
タイプ:クリーチャー -- ファンガス
テキスト:
あなたのアップキープの開始時に、サリッドの上に胞子(spore)カウンターを1個置く。
サリッドから胞子カウンターを3個取り除く:緑の1/1の苗木(Saproling)クリーチャー
・トークンを1個場に出す。
あなたのアップキープの開始時に、あなたはこのクリーチャーを裏向きにしてもよい。
P/T:1/1
となる。つまり、裏向きになることができる。
3−3)表になることができる。
このクリーチャーは裏向けになるまで《サリッド/Thallid》のコピーであり、
その前は《ヴェズーヴァの多相の戦士/Vesuvan Shapeshifter》のコピーである。
つまり、裏向けになると《サリッド/Thallid》のコピーではなくなり、
表側の値は《ヴェズーヴァの多相の戦士/Vesuvan Shapeshifter》になる。
これは変異コストを持つので、(能動的に)表になることができる。
---------
そんなところで。
1つめ:
プレリ京都で行った、双頭巨人戦・ブースタードラフトのやり方にミスがありました。
カードピのック途中で、既に取ったカードを見ることはできません。
通常の個人ドラフトと同じく、パックとパックの間にしか見ることはできません。
#見ても良いよ、ということにして行ってました。ここに訂正しお詫び申し上げます。
2つめ:
前に書いた記事で《イクシドロン/Ixidron》と《粘つく霊命/Viscid Lemures》の
問題がありましたが、解説が間違っています。(結論はかわりませんが)
《イクシドロン/Ixidron》については考察記事を書いてますので、
明日くらいにまとめて色々と。
んでは先週の回答ー。
問1
「『消失/Vanishing』を持つパーマネントは、その上の最後の時間カウンターが
取り除かれたときに、生け贄に捧げられる。」
○か×か?
○
プレリリース前に記事を書いたので、実際の文言とは異なることをお許し願いたい。
が、どちらにせよ、消失/Vanishing を持つパーマネントは、
「このパーマネントの上から最後の時間カウンターが取り除かれたとき、それを生け贄に捧げる。」
という能力を持つので、生け贄に捧げられるのは最後のカウンターが取り除かれた時である。
ネメシスの 消散/Fading と似てはいるが、その挙動は異なる。
一番わかりやすい例を出そう。
ネメシスの代表的生物、《ブラストダーム/Blastoderm》は「消散 3」である。
その色違いである生物、《カルシダーム/Calciderm》は「消失 4」である。
この2体が殴れるターン数は全く同じ。(実際に動かしてみると、よくわかる)
問2
相も変わらず愉快な対戦をしているプレイヤーAとB。
いま、プレイヤーAは《啓発のジン/Djinn Illuminatus》と、
《棄却/Overrule》を刻印した《等時の王笏/Isochron Scepter》をコントロールしている。
さて、プレイヤーBがプレイヤーAに向けて《ショック/Shock》をプレイした。
A 「じゃ、対応して《等時の王笏》を起動するよ。」
B 「どうぞ。」
A 「《棄却/Overrule》のコピーが作成された、と。で、これは《啓発のジン》
によって、複製を持つね。」
B 「そー書いてあるしな。」
A 「じゃ、この複製コストの{X}{U}{W}の{X}は好きなように決めるよ。
そーだねえ。X=6くらいで。」
B 「え? つーことは俺、《ショック》打ち損?」
さて、プレイヤーAの行動は適正か?
適正でない。
《等時の王笏/Isochron Scepter》によって作成されたコピー《棄却/Overrule》は、
《啓発のジン/Djinn Illuminatus》によって複製能力が付加され、以下のような特性をもつ。
《棄却/Overrule》(copy)
{X}{W}{U}
Instant
Counter target spell unless its controller pays {X}. You gain X life.
Replicate {X}{W}{U}
このコピーをプレイする際に、コストに{X}があるのでそれを決定しなくてはいけない。
CR409.1b.に従い、{X}を決定して、それから追加コストである複製コストを何回支払う
かを決定することになる。
ここで、《等時の王笏/Isochron Scepter》によってこのコピーは
「マナ・コストを支払うことなくプレイ」することになるので、この場合に設定できる
Xの値は0のみとなる。
理由は、用語集「X」の項目にある。
Xを含むコストを支払わずに、マナ・コストに{X}を含む呪文をプレイした場合、
Xとして適正な選択は0だけである。
よって、Xは0となる。
1つのオブジェクトにあるXの値は全て同じなので、(先々週の○×を参照)
複製コストも{W}{U}となる。
#もっとも、複製してもあまり意味のある行為とは思えないが……
問3
ジャッジー。こっちが《影武者/Body Double》をプレイして、墓地にある
《ヴェズーヴァの多相の戦士/Vesuvan Shapeshifter》になったんですけど……
1)これって場に出たときにはどうなりますか?
2)こいつは裏向きになれますか?
3)そしてまた表向きに戻ることができますか?
ちなみに場にはクリーチャーが《サリッド/Thallid》1体しかいなかったそーな。
3−1)
《サリッド/Thallid》をコピーした《ヴェズーヴァの多相の戦士/Vesuvan Shapeshifter》。
もしくは、コピー先を選ばずに《ヴェズーヴァの多相の戦士》のままで出て、0/0となり墓地行き。
《影武者/Body Double》は完全な《ヴェズーヴァの多相の戦士》のコピーとなって
場に出ることになる。
つまり、普通に《ヴェズーヴァの多相の戦士》を表向きに場に出した時と同じ挙動をする。
以下の問題は《サリッド/Thallid》のコピーとなった、として考える。
3−2)裏向きになれる。
このクリーチャーの特性は、
名前:《サリッド/Thallid》
マナ・コスト:{G}
タイプ:クリーチャー -- ファンガス
テキスト:
あなたのアップキープの開始時に、サリッドの上に胞子(spore)カウンターを1個置く。
サリッドから胞子カウンターを3個取り除く:緑の1/1の苗木(Saproling)クリーチャー
・トークンを1個場に出す。
あなたのアップキープの開始時に、あなたはこのクリーチャーを裏向きにしてもよい。
P/T:1/1
となる。つまり、裏向きになることができる。
3−3)表になることができる。
このクリーチャーは裏向けになるまで《サリッド/Thallid》のコピーであり、
その前は《ヴェズーヴァの多相の戦士/Vesuvan Shapeshifter》のコピーである。
つまり、裏向けになると《サリッド/Thallid》のコピーではなくなり、
表側の値は《ヴェズーヴァの多相の戦士/Vesuvan Shapeshifter》になる。
これは変異コストを持つので、(能動的に)表になることができる。
---------
そんなところで。
コメント
いつもクイズを楽しまさせてもらっております。
問2についてご質問よろしいでしょうか。
神河謀叛の《〜の群れ》シリーズや《燃焼/ConflagrateTSP)》は
代替コストによってプレイが可能です。
そして「マナ・コストを支払うことなくプレイできる」も代替コストです。
このとき本来の「Xを含むコスト」を支払っていないのは同じ
に
思えるのですが違うのでしょうか?
用語集「X」の「Xとして適正な選択は0だけである」は
通常はXの定義のしようがないための注釈で、
《〜の群れ》のように別にXを定義することができれば
Xはそれに従うと思っていたのですが。
問2の場合も{X}を6に指定し、複製による追加コストを支払えば、Xを含むコストを支払っているので、{X}が6の《棄却/Overrule》をプレイ出来るように思えるのですが。
> Xとして適正な選択は0だけである。
これの原文は以下のとおりです。
If you’re playing a spell that has {X} in its mana cost and an effect lets
you play it without paying any cost that includes X, the only legal choice
for X is 0.
「Xを含むコストを支払わずに」の「コスト」とは、「マナ・コスト」ではなく「プレイする
ためのコスト」を意味するのではないでしょうか?
可変マナ・コストが支払えない、という意味にとれます。
つまり、支払えないならばとれるXは0にしかなりません。
フラッシュバック能力によりマナ・コストを支払わずにプレイするので。
《燃えたつ計略/Flaming Gambit》の場合は、フラッシュバックの定義による
可変マナコストが提示されているので、その値を決定し支払うことができます。