「コピーする」という効果は昔からややこしい。
しかし、昨今はコピー効果をもつカードが数多く出ている。
今日はそんな「コピーのコピー」の話。

まずはコピー効果を持つ代表格、《クローン/Clone》にお出まし願おう。

基本事項を押さえておく。

例1)
《灰色熊/Grizzly Bears》に《聖なる力/Holy Strength》がついている。
これを《クローン/Clone》のコピー先に選んだ。さて、P/Tはいくつか?


もちろん、2/2である。
これは、《クローン/Clone》は《灰色熊/Grizzly Bears》をコピーし、
《聖なる力/Holy Strength》まではコピーしないことからも言えるだろう。

ここで、ちょっとした誤解がある。
よくある表現では、「コピーはコピー先のカードの印刷された状態で出てくる。」
といったものだ。

あんまり的を外していないが、実は正確でない。次の例を出そう。

例2)
先ほどの《灰色熊/Grizzly Bears》をコピーした《クローン/Clone》がある。(Aとしよう)
別の《クローン/Clone》Bを、この《クローン/Clone》Aをコピー先に選んだ。
さて、P/Tはいくつか?


「コピーはコピー先のカードの印刷された状態で出てくる。」
という言葉の通りなら、《クローン/Clone》Bは印刷されたままの《クローン/Clone》A
となって場に出る。そして、0/0であるので墓地行き……となる。

が、これは誤りで、《クローン/Clone》BのP/Tはやっぱり2/2である。

なぜか?
CR503.3にその答えがある。「コピー可能な値」というのが、コピー効果によって上書き
されているためである。
このため、《クローン/Clone》Aの「コピー可能な値」というのは、印刷された《クローン/Clone》
ではなく、コピーして上書きされた、《灰色熊/Grizzly Bears》を指すのである。

この「コピーのコピー」というのは、最近のカードでよく起こりうることである。
《ディミーアのドッペルゲンガー/Dimir Doppelganger》や、
《ミジウムの変成体/Mizzium Transreliquat》をコピーする場合には
特に注意が必要である。

また、コピーを行ったパーマネントが、他のパーマネントをコピーして、その特性が変化
したとしても、それに加わった修正や効果は持ち続ける。

例を出そう。
《ミジウムの変成体/Mizzium Transreliquat》が、2番目の能力を使用して
《グルールの戦鍬/Gruul War Plow》をコピーし、その起動型能力を使用して、
4/4のクリーチャーになった状態を考える。

そして、同ターンでさらに(元の《ミジウムの変成体》から得た)コピー能力を使用し、
今度は《ガラスのゴーレム/Glass Golem》をコピーしたとする。

さて、この《ガラスのゴーレム》な元《ミジウムの変成体》はどのような特性を持つか?

P/Tが6/2のゴーレムなでくのぼう?

いやいや。
以下の特性を持つ。よーく考えて欲しい。


====================
《ガラスのゴーレム/Glass Golem》
{5}
アーティファクト・クリーチャー -- 巨大戦車(Juggernaut)
{1}{U}{R}:アーティファクト1つを対象とする。ガラスのゴーレムはそのコピーになり、この能力を得る。
4/4
====================

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