#Modernのデッキタイプ別記事その8です。
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*せかいのはんぶんをおまえにやろう

高速でマナをひねり出して《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》を唱え、ライブラリーのドラゴンを出して
殴る、というデッキは当初から存在しました。時のらせんの紫枠で採録された時のスタンダードでは
潤沢なマナ基盤と、阻止しづらいStormという能力も相まって、高いポテンシャルを誇っていました。

そんな《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》デッキはModernでも健在です。


*構成(必須パーツ)

 ・《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》
  9マナのソーサリーでStorm付き。
  早いターンにぶっぱできればできるほど(Stormの関係上)強い。

*構成(ドラゴン)

 手札に来ては困るので、5~6枚のドラゴンが選ばれます。

 ・《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》
  ETBで5点ばらまいていくドラゴン。ほぼ4枚積みされる。

 ・《ジャンドの暴君、カーサス/Karrthus, Tyrant of Jund》
  ドラゴンが全部速攻持ちになって殴れるようになる。Storm=2からで20点以上叩きだせる。
  (→《ボガーダンのヘルカイト》x2、《ジャンドの暴君、カーサス》で27点)
  相手にコピーされると涙目になるので、出すときは一撃必殺を心がけること。

 ・《ヘルカイトの首領/Hellkite Overlord》
  自身が速攻もち。
  Storm=2の裏の手で20点を叩き出せる。
  (→《ボガーダンのヘルカイト》x2、《ヘルカイトの首領》攻撃、パンプ2回で20点)

*構成(マナ加速)

 以下のStorm系のマナ加速が使用されます。

 ・0マナ:《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》(0→1。呪文ではない)
 ・1マナ:《炎の儀式/Rite of Flame》(1→2+枚数)
 ・2マナ:《捨て身の儀式/Desperate Ritual》(秘儀。2→3)
 ・2マナ:《発熱の儀式/Pyretic Ritual》(2→3)
 ・3マナ:《煮えたぎる歌/Seething Song》(3→5)

 ・《睡蓮の花/Lotus Bloom》
  待機からしか唱えることができませんが、Stormが1とマナが3つ増えます。


*構成(ドロー/ユーティリティ)

 《思案/Ponder》、《定業/Preordain》といった毎度おなじみソート系カードが使用されます。

 ・《先読み/See Beyond》
  手札に来てしまったドラゴンをライブラリーへ戻すことができるカード。
  手札の枚数が増えないことに注意。(これ使って、2枚引いて、1枚戻すため)

 妨害手段としては時間稼ぎ用の《差し戻し/Remand》を始めとした軽い打ち消しや、
 高速ビートダウンに耐えるための少量の火力呪文が採用されます。

 ・《万の眠り/Gigadrowse》
  相手に立っているマナをタップさせて返しのターンでコンボ達成を狙うことができる。
  Modernではマナの無い状態で有効に使える打ち消し呪文が少ないため、
  土地を寝かしてからコンボをスタートすることで安全に勝ちに行ける。


*変種

 Storm系としては他に、《巣穴からの総出/Empty the Warrens》を使用して
 《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》で速攻をつけて殴る形や、
 《紅蓮術士の刈り痕/Pyromancer’s Swath》と《背骨岩の小山/Spinerock Knoll》、
 《ぶどう弾/Grapeshot》を利用したSwathStormが存在します。

*サンプルデッキ


Modern Daily #2739365 on 08/29/2011 by matejjjx (3-1-0)

Main
2《戦慄艦の浅瀬/Dreadship Reef》
6《島/Island》
4《山/Mountain》
4《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
3《シヴの浅瀬/Shivan Reef》
1《蒸気孔/Steam Vents》

4《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》
1《ジャンドの暴君、カーサス/Karrthus, Tyrant of Jund》

4《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》
4《万の眠り/Gigadrowse》
4《睡蓮の花/Lotus Bloom》
4《思案/Ponder》
4《定業/Preordain》
4《差し戻し/Remand》
4《炎の儀式/Rite of Flame》
3《先読み/See Beyond》
4《煮えたぎる歌/Seething Song》

Sideboard
3《血染めの月/Blood Moon》
3《焼却/Combust》
2《乱動への突入/Into the Roil》
3《稲妻/Lightning Bolt》
2《紅蓮地獄/Pyroclasm》
2《呪文貫き/Spell Pierce》


*ルーリング

・待機能力

 *手札にあるカードを待機コストを支払って待機状態にする行動は特別な行動である。
  それは優先権があるときにしかできないが、スタックを使用しない。
 *「乗っている時間カウンターの最後の1つを取り除く」誘発型能力を打ち消すと、
  結果として「1個の時間カウンターが乗っていて待機状態である」カードが残る。
 *最後の1つを取り除き、「可能ならコストを支払わずにそれを唱える」誘発型能力を打ち消すと、
  結果としてそのカードは追放領域に残る。それは時間カウンターが無く、従って待機状態でない。

・複製能力

 *唱えた時に誘発する誘発型能力を解決すると、複製コストを支払った回数分のコピーが作成される。

・《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》

 *戦場に出た時の誘発型能力がスタックに積まれた際、あなたはどの対象に何点のダメージを
  割り振るかを宣言しなくてはいけない。0点のダメージを割り振る対象は認められず、
  1つの対象には必ず1点以上のダメージを割り振らなくてはいけない。


#Modernのデッキタイプ別記事その9です。
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*あーかいつーきーあかいつきー

マナをつぎ込んで高速で展開する、となるとStormになるのですが、これとは別方向の発想があり、
1,2ターン目に《血染めの月/Blood Moon》や《月の大魔術師/Magus of the Moon》を置いて
相手の基本でない土地を縛り、5~6マナ域の生物で早期にゲームを決めてしまうデッキがあります。

手札全てを使い切る動きがベストなので、ポーカーのオールイン(手持ち全部を賭け山に入れる)から、
All-in-Red(AiR)の名称がつきました。

どちらかというと対面を無視したHate系のデッキです。
有利な相手にはとことん有利ですが、不利なデッキにはどうしようもありません。

Legacyでも同様のデッキはありましたが、Modernでは天敵と言える《Force of Will》や
《目くらまし/Daze》がありません。代わりに、《金属モックス/Chrome Mox》が
使用不可になっており、マナ加速呪文のぶっぱ性が増しています。

 
*構成(マナ加速)

 Storm系のマナ加速が使用されます。1~2ターンで3~5マナを出せるのが理想です。

 ・0マナ:《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》(0→1。呪文ではない)
 ・1マナ:《炎の儀式/Rite of Flame》(1→2+枚数)
 ・2マナ:《捨て身の儀式/Desperate Ritual》(秘儀。2→3)
 ・2マナ:《発熱の儀式/Pyretic Ritual》(2→3)
 ・3マナ:《煮えたぎる歌/Seething Song》(3→5)

 ・《槌のコス/Koth of the Hammer》
  フィニッシャー兼マナ加速要員。山が3つあれば6マナに届くことを頭に入れておきましょう。
  早いターンに出してもいっこうに構いません。
  ただし、ビートダウン相手には全く維持できないので、そのあたりは諦めましょう。


*構成(フィニッシャー)

 主に5~6マナの生物が選ばれます。

 ・《災難の大神/Deus of Calamity》
  大きい上に5マナ、そして《血染めの月/Blood Moon》に影響しない基本土地を
  壊せる可能性のある生物。1ターン目に出して除去されなかったら大幅に有利な展開に。

 ・《復讐の亜神/Demigod of Revenge》
  かつては使用されていましたが、4枚必須のうえ、追放呪文が採用される率が高く、
  さらに《四肢切断/Dismember》にも引っかかるP/Tのため、昔ほど魅力がありません。

 ・《業火のタイタン/Inferno Titan》
  6マナかかりますが、盤面の制圧力は凄まじいものがあります。

 ・《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》
  もはや6マナの代表格になってしまいました。性能は言うまでもありません。

 ・《燃え立つチャンドラ/Chandra Ablaze》
  赤いカードは全て火力になります。もうマナ加速は要りません。
  手札を使い切ったあとで補充も可能です。

 ・《巣穴からの総出/Empty the Warrens》
  裏の手。集団除去が無い色ならぶっぱなしましょう。


*構成(Hate)

 妨害手段を置いて相手のデッキを機能不全に追い込むことが勝ちへの近道です。

 ・《血染めの月/Blood Moon》
 ・《月の大魔術師/Magus of the Moon》
  基本でない土地は全て山になってしまう。
  相手によってはまるで効かないので、1ターン目にぶっぱするかどうかは応相談。

 ・《三なる宝球/Trinisphere》
  全てのコストが{3}以上になるので、1ターン目にぶっぱしても問題ない置物。
  置く場合には、《煮えたぎる歌》以外のマナ加速がほとんど役立たずになることに注意。

 ・《虚空の杯/Chalice of the Void》
  1か2で置くことが普通です。0はLegacyほど有効ではありません。
  自分のデッキ構成と相談することにしましょう。


*サンプルデッキ


by testing

Main
20《山/Mountain》

4《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》
4《月の大魔術師/Magus of the Moon》
4《災難の大神/Deus of Calamity》
2《業火のタイタン/Inferno Titan》
2《燃え立つチャンドラ/Chandra Ablaze》

4《炎の儀式/Rite of Flame》
4《捨て身の儀式/Desperate Ritual》
4《煮えたぎる歌/Seething Song》
4《三なる宝球/Trinisphere》
4《血染めの月/Blood Moon》

4《槌のコス/Koth of the Hammer》

Sideboard
4《金屑の嵐/Slagstorm》
4《破壊放題/Shattering Spree》
4《巣穴からの総出/Empty the Warrens》
3《四肢切断/Dismember》


*ルーリング

 ・《血染めの月/Blood Moon》、《月の大魔術師/Magus of the Moon》

  *継続的効果第4種である。依存関係をよく見ること。(→《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》)
  *《血染めの月/Blood Moon》が戦場にある場合に、《寺院の庭/Temple Garden》などの
   ラヴニカブロックの二重土地をプレイする場合、あなたは2ライフを支払っても良い。
   支払った場合、それはアンタップ位相で戦場に出るが、それは山である。支払わない場合、
   タップ位相で戦場に出て、それは山である。
  *《血染めの月/Blood Moon》が戦場にあって、あなたが《ヴェズーヴァ/Vesuva》をプレイした
   場合、あなたは出るに際しどの土地のコピーになるかを選ぶことができる。
   選んだ土地が基本土地だったならば、それはタップ位相で戦場に出て、選んだ基本土地である。
   基本でない土地を選んだならば、それはタップ位相で戦場に出て、それは山である。
   その後、《血染めの月/Blood Moon》の効果が無くなった場合、選んだ基本でない土地に戻る。

 ・《虚空の杯/Chalice of the Void》

  *誘発条件は「乗っている蓄積カウンターと同じ値の点数で見たマナ・コストの呪文が唱えられた時」
   である。呪文なら何でも誘発するわけではない。
  *誘発条件に合う呪文が唱えられ、能力が誘発した後で乗っている蓄積カウンターの数が
   上下したとしても、誘発をさせた呪文は打ち消される。
  *蓄積カウンターの数をチェックするのは呪文を唱えた時のみである。
  *「呪文が唱え」られないと誘発しない。スタックにコピーを置くだけでは《虚空の杯》は
   何もしない。

#先日行いました生放送のまとめ+αです。
#コミュニティはこちら。 http://com.nicovideo.jp/community/co1190105
#その2の後半からゲスト様といっしょにVorthos的なお話になっております。

公式サイトでイニストラードのプレビューが始まっています。
先行してメカニズムのほうが公開されています。

http://www.wizards.com/magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/innistrad/mechanics

まあ、なんといっても注目は両面カード(Double-Faced Card)です。

今まで物理的にありえなかったカードなので、色々な問題点がありますが、
とりあえず現在公開されている情報から、CR的な点と大会運営的な点から書いてみます。

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CR的なこと
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両面カードは正面(太陽シンボルが書かれている『昼の側』)と、
背面(月シンボルが書かれている『夜の側』)に通常のカードの表面が印刷されています。
通常のカードの裏面にあたる"Deckmaster"デザインは印刷されていません。

*両面カードは通常、正面に印刷されている特性を持つ。
*戦場にあって背面が表になっている状態でのみ、背面に印刷されている特性をもつ。
 つまり、戦場以外の領域では常に正面の特性を参照し、背面の特性は参照されない。

*両面カードが見える状態である場合、それが見えるプレイヤーは、その背面を見ることができる。
 例えば、戦場にあるパーマネントの両面カードは、全てのプレイヤーがそのもう一つの面を見れる。

*背面にはマナ・コストが印刷されていない。従って、戦場にある背面が表のパーマネントは
 点数で見たマナ・コストが0である。(生放送では間違って発言してます。お詫び申し上げます)

*背面にはカードタイプ行に色指標/Color Indicator という丸型の記号がある。
 これはそのカードの色を示している。正面の色と背面の色が異なることもある。
*色指標は新しい特性値である。これはコピー可能な値である。
*《常在精神/Evermind》などにみられる、「~は(色)である」という特性定義能力は
 全てオラクルの改訂によって色指標に統一される。このため、一部のカードでは機能変更が起こる。

 例)《氷河の光線/Glacial Ray》に《常在精神/Evermind》を連繋すると、
   この《氷河の光線/Glacial Ray》は「~は青である」という一文が付加されて
   全体が青くなったが、色指標になることによって、この《氷河の光線》は赤のままになる。

▲色指標を《臨機応変/Sleight of Mind》などのcolor wordを変える効果で変えられるかは不明。

*変身させることで正面と背面をそれぞれ入れ替えることになる。相互に入れ替えが可能である。
*変身するというのは「裏向きにする」ことではない。

▲正面、背面は位相ではない。
 仮に「正面/背面」という新しい位相を持つとなると、このパーマネントは「表向き/裏向き」
 という位相も持つはずなので、《イクシドロン/Ixidron》が出るとこのパーマネントは
 裏向きの位相になる。しかし、「影響がない」と公式記事に書かれている以上、
 「正面/背面」ではなく、「位相として裏が無い」と推測される。

▲仮に「表1/表2」という位相であると考えると、これも公式記事の記述と矛盾が起こる。
 《ルーデヴィックの嫌悪者》(背面で13/13のトカゲ・ホラー)が戦場にあるとする。
 これが《鏡編み/Mirrorweave》によって《灰色熊/Grizzly Bears》になった時を考える。
 そうすると、コピー効果による修正後、位相による変化を加味した値になるので、
 「表1」側が《灰色熊/Grizzly Bears》の特性値を持ち、「表2」側には何も起きない。
 つまり、やっぱり13/13のままである・・・となる。ところがこれは否定されているので、
 前提が間違っていると考えられる。

▲おそらく、位相は「表」のみであり、裏向きの位相が単に存在しないものだと思われる。
 裏向きにするような効果は裏がないので何も起きず、両面カードでない通常のカードが
 両面カードのコピーになったとしても、位相はコピー可能な値ではないので、
 表向き/裏向きの位相が存在し、その裏向きは、コピー元の「もう一つの面」では無い。


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大会運営的なこと
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*両面カードを使用する場合、選択肢は2つある。

  1)不透明なスリーブを使う。
    ・一部の薄手のスリーブは透けてしまうので気をつけること。

  2)イニストラードのパックに封入されている「チェックリスト」を使う。
    ・チェックリストは基本土地と同じところに入っている。
    ・裏面は通常の"deckmaster"デザインである。
    ・直接記入して使用する。(油性サインペンやマッキーがベター。水性は×)
    ・スタック上、戦場、墓地、表向きで追放されている状況では、両面カードと入れ替える。
    ・チェックリストを使用する場合、デッキ内の全ての両面カードはチェックリストを使用する。

*ドラフト中、両面カードは公開情報となる。
*片面のカードを公開したり、見ることが許可されていないのに見たりすることはできない。
*新たにドラフトしたカードは1つの束にする必要があるが、直前にピックしたカードを
 束の中のどの位置に置いても良い。

▲競技性の高いリミテッドでのドラフトにおいての取り決めは不明。MTRの改訂が行われる?

▲主催者判断になるが、ドラフトする全てのカードを不透明スリーブに入れてドラフトするという
 手段はある。が、手間が非常にかかるのでおすすめできない。

*Magic Online においてはこれまで通り、両面カードがあったとしても、他の人のカードは見えない。
 (両面カードが公開情報ではない)

*両面カードは各ブースターに1枚封入される。両面カードはコモンのスロットに入るが、
 全てのレアリティーが存在する。

*つまり1つのブースターから3枚の神話レアが出る場合もある。

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そんなところで。




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